5/23 熱力学第一法則、第二法則
Q1. 右の図のようなカルノーサイクルを考える.
Aから Bは等温変化,Bから Cは断熱変化,
Cから Dも等温変化,Dから Aも断熱変化
である.気体定数を R(J/mol・K)として,以下の問に答えよ.
Q1a 1サイクルで吸収する熱量QINおよび放出する熱量|QOUT|をVA,
VB, VC, VDおよび T1, T2を用いて表せ.
吸収する熱量 Q1は
𝑄! = 𝑊!" = 𝑝𝑑𝑉 = 𝑅𝑇!𝑑𝑉𝑉= 𝑅𝑇! log
𝑉!𝑉!
放出する熱量 Q2は
𝑄! = −𝑊!" = − 𝑝𝑑𝑉 = −𝑅𝑇!𝑑𝑉𝑉= 𝑅𝑇! log
𝑉!𝑉!
|QOUT| = RT2 ln(VC/VD)
Q1b 断熱過程では,TVγ-1が一定である.(ポアソンの法則,γは比熱比 Cp/CV)
この関係を用いて,VB/VAと VC/VDの関係を示せ.
B→C: 𝑇!𝑉!!!! = 𝑇!𝑉!
!!!
D→A: 𝑇!𝑉!!!! = 𝑇!𝑉!
!!!
それぞれの辺を割れば, !!!!= !!
!!
QIN/T1 = –QOUT /T2
Q2. 冷却器の温度が 240 Kで,熱効率が 20%のカルノーサイクルがある.このサイクルの熱効率を 40%にする
ためには,冷却器がそのままだとして,高熱源の温度をどれだけ上昇させればいいか求めよ.最初の高熱源の
温度を T2として,カルノーサイクルの熱効率の式より
η =𝑇! − 240
𝑇!= 0.2
従って. 𝑇! = 300 𝐾 この効率を 0.4にするためには,高熱源の温度を T2’にする.
η =𝑇′! − 240
𝑇′!= 0.4
従って, 𝑇!’ = 400 𝐾 温度を 100 K 上昇させればいい.
1. 外部との熱のやり取りが無い容器中で,20℃の水 200gと,50℃の水 100gを静かに混ぜ合わせて
放置したら,やがて熱平衡状態になった.この時の水の温度はいくらか?
ただし,容器の熱容量は無視できるものとする.
200×1× 𝑡 − 20 = 100×1× 50 − 𝑡
300t = 9000
t = 30 ℃
2. 質量 m1,比熱 c1,温度 T1,の液体 Aが,熱容量 Cの容器に入っている.この容器に,質量 m2,
比熱 c2,温度 T2,の物体 Bを入れて熱平衡状態にした.
ただし,T1
W =(T2 –T1)/T1
Q7 カルノーサイクルをする熱機関(冷却器)がある.高熱源が 323 K,低熱源 273Kであるとする.低熱源で,
1 kgの水を氷に変えるためには,どれだけの仕事をしないといけないか?仕事量を求めよ.ただし,水の融解熱
を 80 cal/g,熱の仕事当量を 4.2 J/calとせよ.
QLO = 80 [cal/g] x 1000 [g] x 4.2 [J/cal] = 3.36 x 105 [J]
QHI/THI = QLO/TLO
W = QH –QLO = (THI//TLO–1) QLO = (323/273–1) 3.36 x 105 = 6.2 x 104 [J]
Q8一定量の気体に熱を加えた。この場合、次の (a),(b) の記述に対応する状態変化はどれか。下の解答群のうちか
ら正しいものを一つずつ選べ。
(a) 加えられた熱はすべて内部エネルギーになる。 定積変化
(b) 加えられた熱はすべて外部への仕事に使われる。 等温変化
Q9. He(ヘリウム、質量数 4)と Ar(アルゴン、質量数 20)から成る、熱平衡にある混合気体を考える。この気体の分
子数は一定で、また理想気体とみなせるものとす る。次の各問いで、正しいと考えられるものの番号には○、誤
りと思われるものの番号には×を、つけよ。また、誤りであると判断した場合、その理由も述べよ。
1. O圧力が一定のとき、温度が低いほど、この気体の体積は小さい。
2. Xこの気体の内部エネルギーは、温度と圧力の関数である。分子数(物質量)が同じなら、温度だけの関数
3. Xエネルギー等分配則によると, 1分子あたりの平均の速さとは等しい。 速さではなく、平均運動エネルギーが等しい。
4. X との値は温度に依らない。 高温ほど大きい。
5. Oこの気体を断熱膨張させると、温度は下がる。
6. Xこの気体の定積比熱と定圧比熱は等しい。 定圧比熱の方が大きい。ともにモル
5/23 熱力学第一法則、第二法則
[A] 1モルの単原子理想気体がシリンダーに入っている。全く同
じ気体が同じ体積 Vi、圧力 Pi、および温度 Tiで隔壁のついた断
熱容器の一方の空間に閉じ込められています。断熱容器の空間は
真空になっています。
#1 : 摩擦なしで動くピストンをゆっくり動かし、シリンダー内
の気体の体積を Vfにしました。このとき周囲とは熱平衡状態で
温度は変わりませんが、ピストンにかかる力は変化します。
#2:断熱容器の隔壁が除かれ、機体が全体に広がり、#1と同じ
体積 Vfになった。
[A-1] それぞれについて、次の量が増加するか、減少するか、ま
たは同じままかを述べてください。またそれぞれ、どちらが大きい(高い)か小さい(低い)か、または同じで
あるかも述べてください。
Process #1 Process #2 比較
a. 温度 同じ 同じ 同じ
b. 体積 Viから Vfへ増える Viから Vfへ増える 同じ
c. 圧力 低くなる 低くなる 同じ
[A-2] 理想気体の場合、内部エネルギーは式 U = 3/2 nRTで、温度で決まります。#1の気体の内部エネルギーは
増加、減少、または同じままですか。 同じ
[A-3] #1では、ピストンが移動している間に気体分子が衝突することによってピストンに力を及ぼす。これは、
外部から気体に加わった仕事がプラス、マイナス、またはゼロのどれであることを意味しますか?マイナス
[A-4] 熱力学第一法則によると、#1で周囲から気体が得た熱は正、負、またはゼロのどれですか? プラス
[A-5] #2では、周囲から気体への熱流入は正、負、またはゼロのどれですか? ゼロ
[A-6] #2で気体は膨張しているが、分子が衝突することはないため、膨張中に力はかからない。気体が周囲に
対して行った仕事は、正、負、またはゼロのどれですか? ゼロ
[A-7] 熱力学の第一法則によると、#2の気体の内部エネルギーは増加、減少、または変化しない、のどれですか。
変化しない
[A-8] #1と#2で、気体の初期エントロピーはどちらが大きいか、または等しいか。 真空部分を除けば同じ
初期状態 iで始まり、最終状態 fで終わる系のエントロピーの変化は、dS = dQ/Tで表すことができる。ここで、
Qは、iから fまでのプロセスの間だけの系への熱流入を表す。
[A-9] #1で気体のエントロピーは増加か、減少か、または変化しないか。 増
[B] 3人の生徒がエントロピー変化について話し合っています。
insulatingjacket
#2#1
piston
Vf
Pi, Ti ViVi
Vf
S1f
S2i
S2f
ΔS1
S1i
ΔS2
学生 A:「#2でエントロピーは変わらないと思う。断熱されているから周囲から気体への熱の移動がない。エン
トロピーは dS = dQ/T だから、変化しないよ。」
学生 B:「その式は正しいけれど、それは可逆過程に対してのみでしょ。エントロピーは状態量だから状態で決ま
るの。#1では気体に熱が加わるのでエントロピーが増加する。だから#2でも同じだけエントロピーは増加する
と思うわ。」
学生 C:「考えの方向は良いと思受けど、#1は可逆過程で#2は可逆じゃない。だから、最終状態は#1と同じ
でも、#2のエントロピーの変化は異なると思う。」
学生 B:「#2は元に戻せないことには同意するわ。[A-8]で過程を始める前のエントロピーは#1と#2で同だとし
たわよね。エントロピーの変化は ΔS=S 後– S 前だから、前後の状態がそれぞれ同じなら同じになるはずよ。可逆過
程であって、なくてもね。」
各生徒の発言を読み直し、あなたが同意するか答えなさい。その理由も書きなさい。
学生 Bが正しい
[B-2] #1のエントロピー変化ΔS1と、#2のエントロピー変化ΔS1ではどちらが大きいか、または同じか。
同じ
[B-3] 気体の周囲のエントロピーの変化は、#1と#2でどちらが大きいか、または同じか。
#1はエントロピー減、#2は変化なし。
[B-4] 以下の表に記入しまなさい。
Process#1 Peocess #2
可逆か、非可逆か 可逆 非可逆
気体への熱流入 正か負か 0か 正 0
気体のエントロピーの変化 正か負か 0か 正 正
周囲への熱流出 正か負か 0か 負 0
周囲のエントロピーの変化 正か負か 0か 負 0
全体のエントロピーの変化 正か負か 0か 0 正
6/13 熱力学第一法則、第二法則
練習問題
1. エントロピーの単位を、m(メートル)、kg(キログラム)、s(秒)、A(アンペア)、K(ケルビ
ン)、mole(モル)で表せ。以下の四角に整数を入れよ。 エントロピー:エネルギー[J]/温度[K]
エネルギー[J]: 力[N] x 距離[m]
力[N]: 質量[kg]x 加速度[m/s2]
m kg s A K mole 2 1 –2 0 –1 0
2. 高熱源(温度 T2)から,低熱源(温度 T1)に熱量が Qだけ流れた.この間のエントロピーの変化量(ΔS)を
求めよ.
ΔS= ΔS 1+ ΔS 2 = Q/T1 – Q/T2
3. 熱容量が Cである物体に対して,温度を T1から T2まで上昇させた.この間のエントロピーの変化量(ΔS)を
求めよ.
ΔS = ∫T1T2(dQ/T) = C ∫T1T2(dT/T) = C ln(T2/T1)
4. 0 ℃の氷 18 gに熱を加えたところ,0 ℃の水に変化した.この時のエントロピーの変化量(ΔS)を
求めよ.ただし,氷の融解熱は 6.0 kJ/molとせよ. 18 g = 1 mole
Q = 6 [kJ/mole] x 1 [mole] = 6 [kJ]
ΔS= Q/T = 6000[J] /273[K] = 22 J/K
5. 同じ種類,同質量の気体 Aと Bが,異なる絶対温度 TA, TBの状態にある.(TA0である事を示せ.
ΔS= ΔSA+ ΔSB= CP ln[(TA+TB)/2TA]+CP ln[(TA+TB)/2TB] = CP ln[(TA+TB)2/(4TATB)]
(TA+TB)2–4TATB =(TA–TB)2> 0
(TA+TB)2/(4TATB)>1 --> ln[(TA+TB)2/(4TATB)]>0 --> ΔS > 0
6. 0℃,1 kgの水を 100℃に保たれた熱浴に接触させる.水が 100℃になった時,水と熱浴を合わせた系全体の
エントロピーは,水が 0℃の時と比べていくら(J/K)増減したか?仕事当量は 𝐽 = 4.2 J/calとせよ.
Cp = 1000 [g] x 1.0 [cal/g/K] x 4.2 [J/cal] = 4200 [J/K]
Q = Cp DT = 4200 x (100-0) = 420000 [J]
熱浴 ΔS = Q/T = -420000/373 =-1126 [J/K]
水 ΔS = Cp ln(T2/T1) = 4200 ln(373/273) = 1311 [J/K]
185 J/K増加
7. 1gの理想気体が状態(T1, V1)から状態(T2, V2)へ変化した。この時のエントロピーの変化量を記述の状態量と
等積質量比熱 CVおよびγ=CP/C V を用いて表せ。
(T1, V1, P1) à (T3, V1, P2) à(T2, V2, P2)
ΔS 1à
3 = Cv ln(T3/T1)
ΔS 3à
2 = Cp ln(T2/T3) = Cv γ ln(T2/T3)
P1V1/T1= P2V1/T3=P2V2/T2
T3/T1=P2/P1 =(T2/T1)(V1/V2 T2/T3=V2/V1 ΔS 1
à3 + ΔS 3
à2 = Cv [ ln(T2/T1)(V1/V2) + γ ln(V2/V1)]
または =Cv { ln(V1T2/V2T1) +γ ln(V2/V1 )}
または = Cv { ln(T2/T1) +(γ−1) ln(V2/V1 ))
または = Cv ln(T2 V2γ−1/T1 T2 V1γ−1)
8(a). 温度 T、定圧 Pで、体積 V1の方に n1モルの理想気体を入れ、体積 V2の方に n2モルの別種の理想気体を入
れる。これらを混合した場合のエントロピーの増加を T, P, Vを含まない式で表せ。
ΔS 1 = n1R ln[(V1+V2)/V1] = n1R ln[(n1+n2)/n1]
ΔS1 +ΔS 2= R{n1 ln[(n1+n2)/n1]+n2ln[(n1+n2)/n2] }
n=n1+n2
ΔS = R{ n1 ln[(n1+n2)/n1] + n2 ln[(n1+n2)/n2]}
またはΔS = R[ (n1+n2)ln(n1+n2)–n1 ln(n1) – n2 ln(n2)]
8(b) n1+n2を一定とする。混合エントロピーを最大にする n1と n2の関係を求めよ。
ΔS = -n1 ln(n1)-n2ln(n2) =-n1 ln(n1)-(n-n1)ln(n-n1)
dΔS /dn1 = -n1 ln(n1)-n2ln(n2) = -ln(n1) –n1/n1+ln(n-n1)+(n-n1)/(n-n1) = ln(n2/n1)
dΔS /dn1 =0 --> n1 =n2
6/20 熱力学的関数(1)
第 1問以下の文章の空欄(下線部分)を埋めよ
エンタルピーHは H= U+PV で表される状態量である.微小変化量を考えると
dH =dU+PdV+VdP (1) である。熱力学第一法則より,内部エネルギーの微小変化量を,T, S, p, Vで表すと
dU =δQ +δW = TdS–PdV (2) 式(1),(2)より
dH = TdS+VdP (3) Hを Pと Sの関数とみると,Hの全微分は
dH = ∂H∂S
⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟P
dS + ∂H∂P
⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟S
dP (4)
なので,式(3)と(4)を比較すると,
T =(∂H/∂S)P (5) V =(∂H/∂P)S (6)
式(5)を pで偏微分すると, (∂T/∂P)S =[∂/∂P(∂/∂S H)P]S (7)
偏微分の順番を入れ替えれば,
(∂T/∂P)S =[∂/∂S(∂/∂P H)S]P=[∂/∂S V]P=(∂V/∂S)P (8) こうしてマクスゥエルの関係式の一つが得られる.
熱力学的関数 全微分 ギブスの関係式 U
dU= TdS –PdV T = ∂U
∂S⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟V
P = − ∂U∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟S
∂P∂S⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟V
= −∂T∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟S
H = U+PV
dH =TdS +VdP T = ∂H
∂S
⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟P
, V = ∂H∂P
⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟S
∂V∂S⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟P
=∂T∂P⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟S
F= U –TS
dF= –PdV–SdT S = − ∂F
∂T⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟V
, P = − ∂F∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
∂S∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
=∂P∂T⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟V
G= U+PV –TS
dG = VdP–SdT S = − ∂G
∂T⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟P
, V = ∂G∂P⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
∂S∂P⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
= −∂V∂T⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟P
第 2問 絶対温度 Tを一定に保った時の,以下の変化率(エントロピーSに対する変化率)を,圧力 p,
体積 V,絶対温度 Tを用いて表せ.
(1) 圧力 PのエントロピーSに対する変化率
Gからのギブスの関係式を使う !!!! !
= 1/ !!!" !
= −1/ !"!" !
= − !"!" !
(2) 内部エネルギーUのエントロピーSに対する変化率
Fからのギブスの関係式を使う !!!! !
= 𝑇 − 𝑃 !!!" !
= 𝑇 − 𝑃 !!!" !
(3) ギブスの自由エネルギーGのエントロピーSに対する変化率
dG=VdP–SdT !!
!! != 𝑉 !!
!" != −𝑉 !!
!" !
第 3問 0℃,1gの氷が,100℃,1気圧の水蒸気になるとき,エントロピーの増加量を求めよ.水の比
熱は 1cal/g・K,気化熱は 539 cal/g,氷の融解熱を 80 cal/g とする
0℃ 氷à 水 1[g]x 80 [cal/g] / 273 [K] = 0.293 [cal/K]
水 0℃ à100℃ Cp∫ dT/T = 1[g]x 1[cal/g/K] x ln[373/273]= 0.312 [cal/K]
100℃ 水à 水蒸気 1[g]x 539 [cal/g] / 373 [K] = 1.445 [cal/K] 2.05 cal/K
第 4問 内部エネルギーUの体積依存性を直接測定することはできないが,これを圧力 pと絶対温度 T
の測定から求めることができる.下式を導け
∂U∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
=T ∂P∂T⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟V
− P
dU = TdS –PdV に Fからのギブスの関係式を使う !!!! !
= 𝑇 !!!" !
− 𝑃 = 𝑇 !!!" !
− 𝑃
第 5問 ジュールの法則:理想気体では内部エネルギーは温度にのみ依存する。1 molの理想気体にお
いて, ∂U∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
= 0が成立することを示せ.
PV = RT
𝜕𝑃𝜕𝑇 !
=𝑅𝑉
𝑇𝜕𝑃𝜕𝑇 !
− 𝑃 =𝑅𝑉𝑇 − 𝑃 = 0
6/27 熱力学的関数(2)
第 1問 ファン・デル・ワールス気体は,状態方程式
𝑝 =𝑛𝑅𝑇𝑉 − 𝑛𝑏
−𝑛!𝑎𝑉!
および,等積熱容量 CVが温度 Tに関係しない定数であるというルニョーの法則で定義される.
また,内部エネルギーの微小変化は,次式で与えられる.
𝑑𝑈 = 𝐶!𝑑𝑇 +𝑛!𝑎𝑉!
𝑑𝑉
(1) 体積を VAから VBに準静的に等温膨張させた.外に向けてした仕事𝑊を示せ.
ファン・デル・ワールス気体では,ジュールの法則は成立しない.
𝑊 = 𝑝𝑑𝑉!!
!!= 𝑛𝑅𝑇
1𝑉 − 𝑛𝑏 𝑑𝑉
!!
!!− 𝑛!𝑎
1𝑉! 𝑑𝑉
!!
!!= 𝑛𝑅𝑇 log
𝑉! − 𝑛𝑏𝑉! − 𝑛𝑏
− 𝑛!𝑎1𝑉!−1𝑉!
(2) 外部から吸収される熱量ΔQを求めよ.
∆𝑈 = 𝑑𝑈!!
!!=
𝑛!𝑎𝑉! 𝑑𝑉
!!
!!= 𝑛!𝑎
1𝑉!−1𝑉!
∆𝑄 = ∆𝑈 +𝑊 = 𝑛𝑅𝑇 log𝑉! − 𝑛𝑏𝑉! − 𝑛𝑏
第 2問 ファンデルワールス気体のジュール・トムソン係数は !"!"= 𝑇 𝜕𝑉 𝜕𝑇 𝑃−𝑉𝐶𝑃
である。理想気体であればこの係数がゼロであることを示せ。
V=nRT/P
第 3問 クライペイロン・クラウジウスの式は.ΔP/ ΔT = Q /(VA-VE) /Tである。 水の沸点を 100℃から 101℃にするには、圧力を 1 気圧から 何気圧増加させれば良いか。有効数字 2
桁で求めよ。ただし、100℃の水蒸気の密度は 1673 cm3/g、気化熱は 539 cal/g、1気圧 = 101325Pa
である。
ΔP= Q /(VA-VE) ΔT/T Q/M=539 cal/g (VA-VE)/M= 1673– 1 = 1672 cm3/g
ΔT/T = 1/373 ΔP= 539 /1672/373 = 0.000864 cal/cm3 0.000864 x 4.2 x106 =3630 J/m3 =3630 Pa
3630/101325 = 0.036 atm
!" !" ! = !"/! !"!" =
!"#/!−!!! = 0
7/4 熱力学的関数(3)
第 1問 P, V, Tの関係がある関数 f(P,V,T)=0で表せるとする。
∂P∂T⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟V
∂T∂V⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟P
∂V∂P⎛
⎝⎜
⎞
⎠⎟T
= −1
であることを証明せよ。
𝑑𝑃 = !!!! !
𝑑𝑇 + !!!" !
𝑑𝑉
!"!"− !!
!! !
!"!"+ !!
!" !
pを一定とする − !!!! !
!!!" !
= !!!" !
第 2 問 理想的熱機関を使い、温度 THの高温部から熱 QHを得て温度 TLの低温部へ熱 QLを捨てて仕事Wをした。 1(a) エネルギー保存から得られる、QH, QL, W間の関係式を書け。 QH= QL+W 1(b) QH/TH – QL/TL = 0 であることを使って、熱効率 η=W/QHを温度だけで表せ。
η=W/QH=(QH - QL)/QH=1 - QL/QH=1 – TL/TH 1(c) TH =107℃、TL =27℃で、取り出した仕事率が 100 Wであった。高温部からの熱供給は何W必要か。
η =1 – TL/TH=1 – 300/380 =80/380 QH/t =W/t/h=100 x 380/80 =475 W