過渡熱伝達
試験
• 平成14年2月5日(火)
• 4時限 14:40~16:10• 講義の内容に基づいた基本的な問題を5~6題度
過渡熱伝達の概要
• ステップ状の伝熱面温度の上昇あるいは熱流束の上昇– 現象の初期は過渡熱伝導が支配的(流体は静止と考えて良い)
– 十分時間がたてば定常の熱伝達が支配的
時間 t
定常の熱伝達係数
過渡熱伝導による熱伝達係数
実際の過渡熱伝達係数
A
熱伝
達係数
α
2
2
yTa
tT
∂∂=
∂∂
(0<y<∞) (1)
① t=0で壁温が TW(>T0)に上昇し一定に保たれる場合。
�η
ββ−π
=−−
0
2
0W
W d)exp(2TTTT
at2
y=η (2)
)TT(aty
Tq 0W0y
W −πλ=
∂∂λ−=
=
at)TT(
q
0W
W
πλ=
−=α (3)
② t=0で壁面の熱流束が 0から qWに上昇し一定に保たれる場合。
���
���
���
�
� ββ−π
−−η−πλ
=− �η
0
22w0 d)exp(21
2y)exp(atq2
TT (4)
y=0とおけば(TW-T0)が得られて
atq2TT w
0W λπ=−
at2TTq
0W
w λπ=−
=α (5)
平板からの過渡熱伝達過渡熱伝導―――――半無限固体の熱伝導
y
流体(初期温度T0)
固体面
無限平板からの定常垂直自然対流熱伝達(層流)①壁温一定(TW)
4/14/14/1
xx Pr952.0PrPrGr508.0Nu �
�
���
�
+= (6)
λα= xNu x 2
0W3
x)TT(gx
Grν
−β= (7)
{ } 4/14/10W
4/1
xa
)TT(gPr952.0
1508.0 −λ−β��
���
�
+=α (8)
(3)式と(8)式から熱伝達係数が一致する時刻(第1図の交点 A)を求めると
( ) { } 2/12/10W
2/1A x)TT(gPr952.04t −−β+
π= (9)
実際は過渡熱伝導が支配的な領域は tAよりも小さく、定常熱伝達が支配的な領域は tAよりも大きい。
より詳しい解析結果
過渡熱伝導が支配的な時間τc
定常に達するまでの時間τs
( ) { } 2/12/10W
2/1s x)TT(gPr952.024.5 −−β+=τ
( ) { } 2/12/10W
2/1c x)TT(gPr5.18.1 −−β+=τ
y
流体(初期温度T0)
固体面
x
TW
4/14/14/1
xx Pr800.0PrPrGr546.0Nu �
�
���
�
+= (10)
この場合には壁温が xにより変化するので(TW-T0)を求めると
5/15/1
2W
3
W5/1
0W
Pr)/xq(gx
/xqPr
Pr800.062.1)TT(
���
���
νλβ
�
�
� +=− (11)
平板の長さを Lとすれば
5/1
2
4W
5/1W
5/1
0W
aLqg
L)L/x)(/q(Pr
Pr800.062.1)TT(
���
���
λβ
�
�
� +=− (12)
(12)式と(5)式から熱伝達係数が一致する時刻(第1図の交点 A)を求めると
( ) 5/25/2
2
4W5/2
2A )L/x(
aLqg
Pr800.045.0L
at−
���
���
λβ
+π= (13)
この場合も実際に過渡熱伝導が支配的な領域は tAよりも小さく、実際に定常熱伝達が支配的な領域は tAよりも大きい。
熱流束一定(qw)
y
流体(初期温度T0)
固体面
x
qW
より詳しい解析結果
過渡熱伝導が支配的な時間τc
それ以外の時間は
と の
関数
( ) { } 5/25/2*L
5/22
c )L/x(PrRaPr0.197.1L
a −+=τ
λβ=
ρλρµ
λνµβ= 2
4W
22
4W*
L aLqg
)c/()/(LcqgPrRa
∞−−=ψ
)TT()TT(
0W
0W2
2/1L L
atNGr=Θ
2
30W
LL)TT(gGr
ν−β= ∞
より複雑なケース
固体壁の熱容量を考慮
cW’’:固体壁の単位面積あたりの熱容量
q’:固体壁の単位面積あたりの発熱量
熱容量がなければ熱流束qwに等しい
ステップ状の発熱量
q’が0からq’∞にステップ状に上昇
q’が0からq’∞に直線状に上昇その後は一定
より複雑なケース
二つのパラメータにより支配される
直線状の熱量の上昇は
で与えられる。Q*が1以上(固体壁の熱容量
が大きい)と準静的(熱伝達係数は各瞬間定常と仮定)となる
( ) 5/2*L2
* PrbGrLat=Θ
2
4*L
L'qgGrλν
β= ∞
( ) 5/1*L
0
"W* PrbGr
LMccQ
ρ=
*A'q/'q Θ=∞
平板からの定常強制対流熱伝達(層流) 壁温一定の場合には
3/12/1xx PrRe332.0Nu =
να= xRex (14)
3/1Prx
U332.0ν
λ=α (15)
(15)式と(3)式から熱伝達係数が一致する時刻(第1図の交点 A)を求めると
π=− 9Pr
xUt 3/1A (16)
よって 3/1PrxUtF −≈ をパラメーターとして過渡熱伝達係数を表すこととが可能。
xxxx
TW
U
より詳細な解析
過渡熱伝達係数
φはFの関数として与えられる。」
φνλ=α 1Pr
xU332.0 3/1
3/1Prx
Ut2.0F −=
流路内の過渡熱伝達係数平行平板間流路、円管の場合にも過渡熱伝導による熱伝達は平板の場合と同じ。
t=0で壁温が TW(>T0)に上昇し一定に保たれる場合。
( )�∞
=��
���
� π+π+−+
−π
=−−
0n
222n
0W
W
hy)1n2(cosh/t)1n2(aexp
1n2)1(4
TTTT
(17)
又は
�∞
= ���
��� +++−+−−=
−−
0n
n
0W
W
at4y2h)1n2(erfc
at4y2h)1n2(erfc)1(1
TTTT
(18)
ここで erfc(x)は余誤差関数で
� ξξ−π
−=−=x
0
2 d)exp(21)x(erf1)x(erfc (19)
(18)式を微分して
( )���
��� −−+
π−λ
=∂∂λ−= �
∞
=±= 1n
22n0W
2hy
W )at/()2/h(nexp)1(21at
)TT(yTq (20)
tが小さい場合には
at)TT(q
0W
W
πλ=
−=α (21)
y
h 流体初期温度T0
定常熱伝達係数は流路入り口からの距離xに依存(助走域)平行平板では(x/h)RePr円管(直径D)では(x/D)RePrをパラメータとして熱伝達係数は変化(層流、乱流いずれの場合も)
(x/h)/RePrまたは(x/R)/RePr
熱伝
達係数
αs
流路内の強制対流過渡熱伝達
過渡熱伝達係数
定常の強制対流熱伝達係数の定義とは違う
層流では熱伝導が支配的
または がパラメータ
乱流では流動が支配的
または がパラメータ
)TT(q
0W
W
−=α
)TT(q
mW
Ws −
=α
2hat
2Rat
2Rtν
2htν
層流、平行平板、ステップ状壁温上昇
層流、円管、ステップ状壁温上昇
円管内乱流
• 円管内の発達した乱流
• 壁面も流体もT0 の温度
• 時刻t=0で壁温がTWにステップ状に変化
乱流、円管、ステップ状壁温上昇
乱流、円管、ステップ状壁温上昇
乱流、円管、ステップ状壁温上昇
乱流、円管、ステップ状壁温上昇
流れが変化する場合
• 平行平板間流路
• 初期状態は静止、壁面も流体もT0 の温度
• 時刻t=0で圧力勾配がステップ状に変化T0の流体が流れ込むと同時に壁温がTWにステップ状に変化、最終的に速度がuとなる。
流れが変化する場合
• 平行平板間流路
• 初期状態は静止、壁面も流体もTwの温度
• 時刻t=0で圧力勾配がステップ状に変化T0の流体が流れ込み最終的に速度がuとな
る。