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CASE STUDY ヤマハファインテック 回路基板上の高速伝送路 …... 1...

Date post: 02-Feb-2021
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1 www.keysight.co.jp ヤマハファインテック 回路基板上の高速伝送路の 高周波特性を全数検査 市場背景 近年の5G通信サービスの開始・普及に伴い、電子回路基板市場において液晶ポリマー LCP)やポリイミド(MPI )などの材料を用いた高周波信号対応の回路基板生産が増加し ています。それらの基板には、より優れた周波数特性が求められています。 従来の周波数特性検査は、ロット内のいくつかのパネルを抜き取り、製品外に配置され たテストクーポンの確認にとどまっており、実際の製品に対して高周波特性の全数検査 は行われませんでした。また、作業者の技能や基板へのプローブコンタクト状態などに 依存して周波数特性が変化したり、最終製品の不良の原因が部品実装前か実装後か分か らなかったりと、測定結果を正しく把握・分析することが困難でした。 プリント回路基板(PCB)業界向けのテストソリューション開発大手のヤマハファイン テック株式会社は、回路基板上の高速伝送路の高周波特性を全数検査することを可能に しました。 会社情報: ヤマハファインテック 株式会社 主要な問題点: PCB上の複数の伝送路への コンタクトと測定 高精度RF測定に耐えうる プロービングの提供 さまざまなデザインの 基板測定への対応 問題解決ソリューション: Keysight M980xA PXI VNA ヤマハマイクロプローバー 結果: 部品を100%をテストする ための業界初の高周波PCB ソリューション 様々なデザインに対応して 測定設定を変更する柔軟性 評価時間の短縮 CASE STUDY
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  • 1www.keysight.co.jp

    ヤマハファインテック 回路基板上の高速伝送路の 高周波特性を全数検査市場背景近年の5G通信サービスの開始・普及に伴い、電子回路基板市場において液晶ポリマー

    (LCP)やポリイミド(MPI)などの材料を用いた高周波信号対応の回路基板生産が増加し

    ています。それらの基板には、より優れた周波数特性が求められています。

    従来の周波数特性検査は、ロット内のいくつかのパネルを抜き取り、製品外に配置され

    たテストクーポンの確認にとどまっており、実際の製品に対して高周波特性の全数検査

    は行われませんでした。また、作業者の技能や基板へのプローブコンタクト状態などに

    依存して周波数特性が変化したり、最終製品の不良の原因が部品実装前か実装後か分か

    らなかったりと、測定結果を正しく把握・分析することが困難でした。

    プリント回路基板(PCB)業界向けのテストソリューション開発大手のヤマハファイン

    テック株式会社は、回路基板上の高速伝送路の高周波特性を全数検査することを可能に

    しました。

    会社情報: • ヤマハファインテック 株式会社

    主要な問題点: • PCB上の複数の伝送路へのコンタクトと測定

    • 高精度RF測定に耐えうる プロービングの提供

    • さまざまなデザインの 基板測定への対応

    問題解決ソリューション: • Keysight M980xA PXI

    VNA • ヤマハマイクロプローバー

    結果: • 部品を100%をテストするための業界初の高周波PCBソリューション

    • 様々なデザインに対応して測定設定を変更する柔軟性

    • 評価時間の短縮

    C A S E S T U D Y

  • 2www.keysight.co.jp

    主な問題点基板上の複数配線にコンタクトし、高周波特性を測定し判定する困難さについて述べます。高周

    波が通る実際の配線のSパラメータ特性で判断が求められた場合、製品外に配置されたテスト用の

    クーポンを測定するのでは意味がなく、実際の配線にコンタクトし測定し判定する必要がありま

    す。しかし、その実現には以下の通り様々な問題が存在します。

    1. 基板上の配線は複数あり、その2ポート(シングルエンド線路)あるいは4ポート(差動線路)

    すべてにコンタクトしていく必要があり、多数のコンタクト点を持った治具が必要となりま

    す。またコンタクト点は基板の両面に存在します。

    2. 多点コンタクト治具を安定に基板上の接点にコンタクトしないと測定できません。

    3. 基板は厚さによって反ったりするので基板の保持の仕方に工夫が必要となります。

    4. 基板上の配線デザインは顧客の基板により異なるため、配線デザインに合わせた治具が必要

    となります。

    5. 高確度なSパラメータ特性取得には、マルチポートネットワークアナライザが必要なだけでな

    く、様々な配線デザインに合わせた治具の補正が必要となります。

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    ヤマハファインテックの問題解決ソリューション回路基板における高周波特性を高速・高精度に連続検査する装置の実現方法

    ヤマハファインテック製Micro Prober MPシリーズ(MP502/MP502-A)は様々な工夫により問題

    を解決し、基板の高周波特性を、高速・高精度に連続検査します。

    1. 高い安定性と検査再現性

    画像アライメントを用いた±20μmの繰り返し位置決め精度により基板へ正確にプロービン

    グコンタクトを行います。基板の画像アライメント、検査治具がコンタクトして検査実施、シー

    ト移動を順番に繰り返すステップ&リピート動作により、安定した検査を実現します。また、

    検査対象製品シートの四隅をクランプしてテンションをかけることにより、薄物の基板でも

    フラットな状態でコンタクトが実現します。さらに、検査治具動作における下降時/上昇時の

    ケーブル姿勢がほとんど変わらないため、ケーブル形状の変化による高周波特性への影響が

    軽減されます。

    2. 複数個片を高速に同時測定

    多点コンタクト治具で測定するため、マルチポートに対応したKeysight PXIeベクトル・ネッ

    トワーク・アナライザを検査システムとして接続することで、シート上の複数個片に対し、

    高速かつ高精度な検査を同時に行えるようになります。ベクトル・ネットワーク・アナライ

    ザでは基本的な項目として挿入損失や反射損失などの周波数特性を測定できます。また、

    TDRなどの様々な測定項目を追加できます。さらに、治具部分での追加誤差を除去するため、

    キーサイトのAutomatic Fixture Removal機能により、治具部分のDe-embedding用Sパラ

    メータファイルを作成し適用します。

    3. 簡易なオペレーション

    段取り替えの際、検査治具の交換はソフトウェア上のボタンをワンタッチするだけで治具を

    開放状態にできます。作業者が対象の治具を交換してソフトダイアログに従って設定すれば、

    装置が自動的に治具やクランプハンドの位置補正を行ないます。また、検査項目などをエン

    ジニアが設定した後は、作業者が製品を装置にセットして起動ボタンを押すだけでシート上

    の個片検査がすべて完了します。自動搬送付きMP502-Aを選択すれば製品を複数枚ストッ

    カーにセットして起動ボタンを押すだけで、自動的にワークの供給・排出を繰り返すことが

    できるため、より作業効率が向上します。

    4. 機器の運用効率を最大化

    キーサイトのPXIeネットワークアナライザはモジュラー構造の為、測定器の故障の際も、不

    良PXIeモジュールのみを交換し運用可能なので、Micro Prober MPシリーズを弾力運用可能

    です。

  • 4本書の情報は、予告なしに変更されることがあります。© Keysight Technologies, 2020, Published in Japan, February 17, 2020, 7120-1043.JA

    詳細情報:www.keysight.co.jpキーサイト・テクノロジー株式会社本社〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1

    計測お客様窓口受付時間 9:00-12:00 / 13:00-18:00(土・日・祭日を除く)

    TEL:0120-421-345 (042-656-7832) | Email:[email protected]

    基板試験の今後5Gを筆頭として、機器の高周波化や自動車における自動運転実現のために、基板上のデータレー

    トは今後より高くなり、電子部品やチップセットの性能把握と同様に基板の高周波性能把握がよ

    り重要になるはずです。より多くの基板の高周波特性を効率的に検査し、良品判定する必要性は

    今後より高まります。ヤマハファイテックとキーサイト・テクノロジーは、そのようなお客様の

    ニーズにお応えしていきます。

    図1. M980xA PXI VNAを搭載したヤマハマイクロプローバシステム


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