+ All Categories
Home > Documents > 公益財団法人 日本YMCA同盟tokyo.ymca.or.jp/kikanshi/pdf/2013_1_2.pdfCreated Date 1/21/2013...

公益財団法人 日本YMCA同盟tokyo.ymca.or.jp/kikanshi/pdf/2013_1_2.pdfCreated Date 1/21/2013...

Date post: 03-Aug-2021
Category:
Upload: others
View: 0 times
Download: 0 times
Share this document with a friend
3
毎月10日発行 40We build strong kids,strong families, strong communities. YMCAは、たくましい子どもたち、家族の強い絆、支えあう地域社会を築きます。 ( 1 ) 調Wohelo Camps 調7021206東京YMCAの使命 東京YMCAは、イエス・キリストによって 示された愛と奉仕の精神にもとづいて、青少 年の精神、知性、身体の全人的成長を願い、 地域社会に奉仕し、公正で平和な世界をつく るための運動を展開する。 発行所 公益財団法人東京YMCA 発行人 廣田光司 135-0016 2-2-20 03-3615-5562 URL http://tokyo.ymca.or.jp 1/2 月号 三角 変革の時代に 人を育てる 1944年生まれ。慶應義塾大学工学 部卒業後、日本アイ・ビー・エム 株式会社入社。1993年、48歳で同 社代表取締役社長就任。現在は、 同社相談役。2003年~2007年、経 済同友会代表幹事。著書に『経営 者、15歳に仕事を教える』(文春 文庫)。2011年から東京YMCA 賛助会会長を務める。 調調20 30 40 使使24 20 北城 恪太郎 きたしろ かくたろう 東京YMCAにほんご学院の学生たち。中国、 モンゴル、ベトナム、台湾、韓国など様々な国の 若者が、就職・進学のため、真剣に学んでいる インタビュー
Transcript
Page 1: 公益財団法人 日本YMCA同盟tokyo.ymca.or.jp/kikanshi/pdf/2013_1_2.pdfCreated Date 1/21/2013 3:05:18 PM

毎月10日発行 定価1部40円We

buildstrong

kids,strongfamilies,

strongcommunities.

YMCAは、た

くましい子ど

もたち、家

族の

強い絆、支

えあう地域社

会を築きま

す。

( 1 )

YMCAのシ

ンボルである

下向き赤三角

「▽」はご存

知の様に、一

辺が「精神、

知性、身体」

を表し、三つ

の要素の調和

のある全人的成長を願って

います。このマークは18

91年に北米YMCA体育

主事ルーサー・ギューリッ

ク氏によって考案されまし

た。(*ギューリック氏は

子どもの頃に日本に滞在し

ています)。▼さらにもう

ひとつの三角があります。

1907年にアメリカ、メ

イン州、セベーゴ湖畔にギ

ューリック氏が妻とともに

開設した女子キャンプ

Wohelo

Camps

のシンボ

ルは上向きの三角「△」

で、各辺はそれぞれ「働

(Work)、健康(He

alth)、愛(Lov

e)」を表し、当時の女性

としての望ましい生き方を

願ったものと思われます。

キャンプの名前も、三つの

要素の頭文字2文字をつな

げたものです。▼福沢諭吉

は「学問のすゝめ」の中

で、「知育・徳育・体育」

の三つを上げています。ス

ポーツの世界では「心、

技、体」のバランスが大事

だと言われます。また昔か

ら「読み、書き、ソロバ

ン」の三項目を身につけて

おくことが大切であると言

われているなど、物事の望

ましい調和のとれた状態を

表すために、重要な事柄を

三つ上げることがよくなさ

れます。▼新年にあたり、

今年の目標や心構えを三つ

挙げて、自分なりの赤三角

を作ってみるのもいいので

はないでしょうか。

(国際委員

高橋

伸)

2013年1月10日 第702号(通巻1206号)

東京YMCAの使命東京YMCAは、イエス・キリストによって示された愛と奉仕の精神にもとづいて、青少年の精神、知性、身体の全人的成長を願い、地域社会に奉仕し、公正で平和な世界をつくるための運動を展開する。

発行所 公益財団法人東京YMCA 発行人 廣田光司135-0016 東京都江東区東陽2-2-20 電話 03-3615-5562 URL http://tokyo.ymca.or.jp1/2月号

赤 三角

変革の時代に 人を育てる

与えられた賜物を活かす

豊かになった日本では、かつてのようにハングリー精神を動機にして学び、

働くことは難しくなっています。何のために学ぶのか、仕事の意味は何かを、大

人が教える必要があります。

東京YMCA賛助会会長である北城恪太郎氏

は、この数年間、中学校に出向いて、子どもたちに働く意義を教えています。

1944年生まれ。慶應義塾大学工学部卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社入社。1993年、48歳で同社代表取締役社長就任。現在は、同社相談役。2003年~2007年、経済同友会代表幹事。著書に『経営者、15歳に仕事を教える』(文春文庫)。2011年から東京YMCA賛助会会長を務める。

▼中学生には、どのようなお話をなさっ

ているのですか。

仕事とは、自分に与えられた能力を活

かして、社会に貢献することだという話

をしています。人の役に立つことによっ

てお金をいただいて、そして生活を支え

ていくのです。また、仕事には達成感が

あります。自分が働くことで、社会の役

に立てると思えることは、すばらしいこ

とです。どんな仕事でも必要のない仕事

はないのですが、自分の好きな仕事がで

きれば、こんなに幸せなことはないでし

ょう。ですから、どこの高校・大学に入

学するかよりも、大人になって、自分の

力を活かせるところで働くことの方が、

人生にとって大事なことだと話していま

す。と

はいえ、この時代に自分が将来何を

したいのかを見つけ出すのはなかなか難

しいことです。そこで私は、「人生には

きっかけがある」という話をしていま

す。私自身、中学生のときに尊敬する先

生から「英語の成績がよくないね」と言

われたことがきっかけで、高校時代に一

生懸命英語を勉強しました。それが社会

に出てから役に立ちました。また高校生

のときに「これからはコンピューターの

時代になる」という雑誌の記事を読んだ

ことがきっかけで、工学部へ進みまし

た。何が役に立つか分からないけれど

も、きっかけがあったら、それに向かっ

て努力してみることが大事です。そこか

ら道が開けるかもしれません。途中で目

標や興味・関心が変わってもかまいませ

ん。常に努力して準備をしていると、そ

れがチャンスにつながっていくと思って

います。

▼中央教育審議会の委員も努められ、教

育について積極的に発言されています。

試験問題には必ず正解がありますが、

ビジネス社会には正解はありません。新

しいパソコンを作るときも、性能のいい

ものがいいのか、安いのがいいのかな

ど、いろんなことを考えます。社会は何

を必要としているのか、何が問題かを自

分で考え出し、そしてやってみなければ

分りません。それがビジネスです。受験

勉強だけが勉強だと思ってしまうと、本

来の勉強の目的とは違ってしまいます。

私は経済同友会の教育委員会の委員長

をしていたとき、企業にアンケートを行

い、新入社員を採用するときの基準を調

べましたが、大学の名前や成績で採用す

る会社は1割以下でした。代わって「熱

意」「実行力」「協調性」「コミュニケ

ーション能力」「自ら課題を見つける能

力」「解決策を探す能力」「論理的思考

力」、そういった能力をもつ人材が求め

られています。学校の成績がいいだけで

は採用されませんし、たとえ入社しても

活躍できません。いい学校に入って、い

い会社に入れば安泰と考えるのは、20年

前の考え方です。社会が変わってきてい

ることを親にも伝えなければならないと

思っています。

日本は戦後、海外を真似て追いつこう

としてきましたが、先進国になった今

は、他国と同じことをしていても競争に

勝てません。過去の延長線上とは違うこ

と、変革、革新が求められています。科

学技術の分野だけでなく、教育でも福祉

でも行政でも、常に新しい挑戦をして新

しい事業を創り出していかなければなら

ない時代になったのです。

にもかかわらず日本の教育は、いまだ

に人と同じようにやることを求め、「出

る杭」を打ってしまいます。文科省は

くい

「生きる力」とか「

総合的学習」

と言っ

ていますが、大学受験は相変わらず、得

意な分野がある子どもが受かるシステム

になっていないのが現実です。

アメリカでは、小学校低学年でも自分

の考えを発表し、討論する授業がありま

すが、日本は先生の話を一方的に聞くの

が〝勉強〟です。ですから社会人になっ

て国際会議に出ても、日本人は議論がで

きません。教育を改革しなければならな

いと思っています。

人は一人ひとり違っています。それぞ

れに神様から与えられた賜物を持ってい

ます。そのいいところを認めて、ほめて

分と違う人たちと接することは、子ども

にとって大きな刺激になり、視野が広が

ります。

またYMCAは、幼稚園や英語教室、

ウエルネスなど、多様な接点があるのが

いいですね。その接点を大事にして、支

援者の裾野を広げていくといいと思いま

す。企業の社会貢献等に応えて、企業か

らの賛助を得ることも大切ですが、個人

の方が景気による変動を受けにくいの

で、少額でも継続して支援くださる方を

増やしていくのがいいと思います。

昨年、公益法人への寄付金には、「税

額控除」が認められるようになりまし

た。私はこの法案の作成にかかわったの

ですが、これは〝国民による事業仕分

け〟ともいえるものです。ぜひこの制度

を周知徹底して、会員を増やしていくと

いいと思います。

▼「明るく、楽しく、前向きに」がモッ

トーだそうですね。

私は30代で管理職になって以来、「明

るく、楽しく、前向きに」仕事をすると

いうことを常に心がけてきました。どん

な仕事をするにしても、私は明るい職場

・組織を作りたいと思っています。明る

い方が誰でも努力するし、楽しく仕事し

たいからです。多くの人は特別な事情が

ない限り、40年くらい働くわけです。仕

事の場が楽しいということは、人生を楽

しく豊かにしてくれます。

そして、「なぜできないか」ではなく

「どうやったらできるか」と、常に前向

きに考えるようにしています。「必ずで

きる」と思えば、アイデアも出てきて、

ほとんどのことはできるようになりま

す。できないと思ったら、もうアイデア

は出なくなってしまうものです。

また私はクリスチャンとして、神様か

ら与えられた賜物を活かすという考え方

を大事にしています。誰でも一人ひとり

違う賜物を神様から与えられているので

すから、それを活かして努力するのが使

命だと思います。努力して失敗しても、

神様が備えてくださった道だと思えば、

あまり悩まず明るくなれます。喜びがあ

ふれている人をみて、教会に来る人が増

えればもっといい、そう思っています。

(聞き手=本田真也、編集=広報室)

育てることが何よりも大事です。点数の

ための勉強ではなく、自分の興味関心が

あることに挑戦する機会を与え、それを

存分に伸ばしていけば、自信をもって、

他人と違うことにもチャレンジできるよ

うになります。

▼若者の就職難など、不安なニュースも

多いですが。

企業に就職することばかり考える必要

はないと思います。アメリカでは、優秀

な学生は会社を作る、それができない人

が企業や役所に就職すると考えられてい

ます。日本のように、つぶれる心配のな

い役所に入ることが一番安全だという考

え方は、活力ある社会を創るのとは、逆

の発想です。会社を作るという発想がも

っと必要です。職場を作らないで就職だ

けしようと思うから難しいのです。

私は、新しい事業に挑戦する人たちを

育てる環境が必要と考えて、「創業支援

の税制(エンジェル税制)」の拡充を支

援しました。起業しようとする会社に個

人が資本金を出すと所得控除される制度

です。そういう制度を使ってお金を集め

て、会社を作ったらいいと思います。東

北地方でも、もっと会社を作れば復興支

援になると思っています。

▼YMCAへの期待をお聞かせくださ

い。今

は、日本人だけでなくて外国の人た

ちとも一緒に仕事をする社会です。日本

人の中でも多様化が必要ですから、自分

とは違う考え方の人と一緒に生きていく

ことを学ぶことがすごく大事です。そう

いう意味でYMCAのやっている活動は

非常に意味があると思います。障がいの

ある子どもの活動も、多様性を理解する

上で非常にいい機会になります。自分と

違う人たちと、キャンプなどで24時間共

に過ごせば、学校の教室では語り合えな

いいろんな議論もできるでしょう。いろ

んな興味をもった人たちと議論ができる

ことはすばらしいことだと思います。

他の団体で、20人のキャンプに1人だ

け韓国の女の子がいたのですが、彼女は

英語も積極的に話し、日本の高校生たち

が圧倒されていました。YMCAは国際

的なネットワークを活かして、日常的に

異文化との交流ができると思います。自

北城 恪太郎 氏き た し ろ か く た ろ う

東京YMCAにほんご学院の学生たち。中国、モンゴル、ベトナム、台湾、韓国など様々な国の若者が、就職・進学のため、真剣に学んでいる

インタビュー

Page 2: 公益財団法人 日本YMCA同盟tokyo.ymca.or.jp/kikanshi/pdf/2013_1_2.pdfCreated Date 1/21/2013 3:05:18 PM
Page 3: 公益財団法人 日本YMCA同盟tokyo.ymca.or.jp/kikanshi/pdf/2013_1_2.pdfCreated Date 1/21/2013 3:05:18 PM

Recommended