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MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017...

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法務省 総合職入省案内 2017 MINISTRY OF JUSTICE MINISTRY OF JUSTICE
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Page 1: MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017 ministry of justice ministry of justice 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1

法務省

法務省総合職入省案内2017

総合職入省案内2017MINISTRY OF JUSTICE

MINISTRY OF JUSTICE

〒100-8977東京都千代田区霞が関1-1-1法務省大臣官房人事課企画第三係03-3580-4111(代表)

問い合わせ先

赤れんが棟

法務省

MINISTRY OF JUSTICE

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01

C O N T E N T Sプロローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

民事局・人権擁護局・訟務局 ・・・・・・・・・・・・・・・矯正局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保護局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・入国管理局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大臣官房施設課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

他府省で活躍する職員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・海外で活躍する職員 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

事務系区分キャリアステップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人間科学区分キャリアステップ ・・・・・・・・・・・・・・・・

ワーク・ライフ・バランス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1年目職員の紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

特別企画 ! 若手職員アンケート・・・・・・・・・・・・・・・・

採用Q&A・採用実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エピローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3

2

7

15

21

25

27

28

29

31

33

34

35

37

38

法務省の使命 ―

 それは、国民が安心・安全に暮らせる公平・公正な社会を実現することです。

 みなさんはこの仕事を通じて多くの「人」と向き合います。

 そこで「人」の持つ魅力に触れ、ときには「人」の生きる意味さえも考えることがあります。

 そして、価値観を揺さぶられる数々の経験を通して、自分自身の成長に気づくときが来るで

しょう。

 私たちが支えている「人」によって、私たちも支えられているということ。

 そんな大切なことを、いつかあなたも実感するときが来るはずです。

 法務省は、華やかなイメージというよりは、地道に、実直に社会を支えてきた役所です。

 「人」と関わる仕事を通じて、心から「人」の役に立ちたいと考える皆さん、ぜひ私たちと一緒

に働きませんか。

法務省採用担当チーム

02

O R G A N I Z A T I O N

大臣政務官

事務次官

大臣官房

民事局

刑事局

矯正局

保護局

人権擁護局

入国管理局内部部局

司法法制部

施設課

人事課

秘書課

最高検察庁

高等検察庁

地方検察庁

区検察庁

法務局

地方法務局

矯正管区

地方更生保護委員会

保護観察所

地方入国管理局

入国者収容所

支部

公安審査委員会

公安調査局 公安調査事務所公安調査庁

公安調査庁研修所

拘置所

少年院

少年鑑別所

婦人補導院

少年刑務所

刑務所

刑事施設視察委員会

刑務支所

拘置支所

分院

分所

検察官適格審査会

日本司法支援センター評価委員会

法制審議会

検察官・公証人特別任用等審査会

中央更生保護審査会

司法試験委員会

支部

支局

出張所

支部

保護司選考会

出張所

支局 出張所

入国者収容所等視察委員会

法務総合研究所

矯正研修所

支所

支所

会計課

厚生管理官

地方支分部局

外局

施設等機関

審議会等

特別の機関

法務大臣

副大臣

少年院視察委員会

少年鑑別所視察委員会

訟務局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

P r o l o g u e

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01

C O N T E N T Sプロローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

民事局・人権擁護局・訟務局 ・・・・・・・・・・・・・・・矯正局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保護局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・入国管理局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大臣官房施設課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

他府省で活躍する職員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・海外で活躍する職員 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

事務系区分キャリアステップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人間科学区分キャリアステップ ・・・・・・・・・・・・・・・・

ワーク・ライフ・バランス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1年目職員の紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

特別企画 ! 若手職員アンケート・・・・・・・・・・・・・・・・

採用Q&A・採用実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エピローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3

2

7

15

21

25

27

28

29

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37

38

法務省の使命 ―

 それは、国民が安心・安全に暮らせる公平・公正な社会を実現することです。

 みなさんはこの仕事を通じて多くの「人」と向き合います。

 そこで「人」の持つ魅力に触れ、ときには「人」の生きる意味さえも考えることがあります。

 そして、価値観を揺さぶられる数々の経験を通して、自分自身の成長に気づくときが来るで

しょう。

 私たちが支えている「人」によって、私たちも支えられているということ。

 そんな大切なことを、いつかあなたも実感するときが来るはずです。

 法務省は、華やかなイメージというよりは、地道に、実直に社会を支えてきた役所です。

 「人」と関わる仕事を通じて、心から「人」の役に立ちたいと考える皆さん、ぜひ私たちと一緒

に働きませんか。

法務省採用担当チーム

02

O R G A N I Z A T I O N

大臣政務官

事務次官

大臣官房

民事局

刑事局

矯正局

保護局

人権擁護局

入国管理局内部部局

司法法制部

施設課

人事課

秘書課

最高検察庁

高等検察庁

地方検察庁

区検察庁

法務局

地方法務局

矯正管区

地方更生保護委員会

保護観察所

地方入国管理局

入国者収容所

支部

公安審査委員会

公安調査局 公安調査事務所公安調査庁

公安調査庁研修所

拘置所

少年院

少年鑑別所

婦人補導院

少年刑務所

刑務所

刑事施設視察委員会

刑務支所

拘置支所

分院

分所

検察官適格審査会

日本司法支援センター評価委員会

法制審議会

検察官・公証人特別任用等審査会

中央更生保護審査会

司法試験委員会

支部

支局

出張所

支部

保護司選考会

出張所

支局 出張所

入国者収容所等視察委員会

法務総合研究所

矯正研修所

支所

支所

会計課

厚生管理官

地方支分部局

外局

施設等機関

審議会等

特別の機関

法務大臣

副大臣

少年院視察委員会

少年鑑別所視察委員会

訟務局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

P r o l o g u e

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 我が国においては、基本的人権の尊重を基本理念の一つとする憲法の下で、人権に関する諸制度の整備や諸施策の推進が図られてきました。その成果もあって、人権尊重の理念が広く国民に浸透し、基本的には人権を尊重する社会が築かれています。 一方で、人権課題の生起がやむことはなく、近年の急速な情報通信技術の進展や外国人の入国者数の増加等による情報化や国際化に加えて、晩婚化や平均寿命の伸長その他の原因による少子化や高齢化等により、我が国社会が急激な変化にさらされる中、インターネット上の人権侵害、いわゆるヘイトスピーチを含む外国人の人権問題、いじめや虐待など子どもの人権問題、障害のある人や高齢者の人権問題等が関心を集めることとなっています。

 加えて、最近では、性的指向や性自認等性的マイノリティに対する偏見や差別に関する課題が社会の関心を集め、各方面で議論がされています。 このような状況の下、現在私が担当している人権啓発は、国民の一人一人が人権を尊重することの重要性を正しく認識し、これを前提として他人の人権にも十分に配慮した行動をとることができるようにするための取組を推進しています。具体的には、啓発冊子・DVDの作成・配布、人権教室の実施、シンポジウム・講演会の開催、各種イベントの実施、テレビ・ラジオ・新聞・インターネット等のメディアの利活用といった各種啓発活動を行っています。これらの啓発活動に当たっては、人権イメージキャラクターの人KENまもる君・人KENあゆみちゃんにも活躍

してもらうほか、Jリーグなどのスポーツ組織や携帯電話会社・映画会社などの民間企業とも連携しています(最近では、吉本興業とも連携したイベントを実施しています。)。 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、様々な人たちが我が国を訪れるこの機会を契機として、ユニバーサル社会、すなわち人種、障害の有無などの違いを理解し、自然に受け入れ、互いに認め合う共生社会を実現し、大会以降のレガシーとして残していこうという社会の機運が高まっている今、一層の取組を進めていきます。 私自身は、社会に貢献したいという漠然とした想いで入省した後、法務省内の部局のほか、複数の省庁で勤務する機会に恵まれました。中でも、民事局で片仮名・文語体の民法を平仮名・

口語体に改める改正作業に携わり、国会で可決成立する場面に立ち会うことができたことや東日本大震災からの復旧復興事務に取り組んだこと、内閣官房で新規施策(IT政策)を実施する部署の立上げに参画したことなど、なぜか繁忙を極めた局面ほどよい想い出となっています。また、そこで得た官民多数の知己は私の大きな財産となっています。 社会は今後なお急速に変化していくことでしょう。若い皆さんの柔軟な発想で我が国の未来を切り拓いていくことを期待しています。その活躍の場が私たちの職場であればなおうれしく思います。

03 民事局・人権擁護局・訟務局

 民事局は、登記、戸籍、国籍等に関する事務や民事基本法制の整備を

行っています。

登記事務では、重要な財産である土地等の不動産や、経済活動の中

心的役割を担う会社・法人等の情報を登記簿に記録し、公示することで、

国民の権利の保全を図り、取引の安全と円滑を図っています。戸籍事務

では、戸籍が親族関係及び日本国籍を公証する唯一の制度であるため、

全国統一的に処理されるよう、市区町村に対し、助言等を行っています。

国籍事務では、外国人が日本国籍を取得するための帰化事務等を行っ

ています。民事基本法制の整備では、社会・経済情勢の変化などに伴い、

民法等の民事基本法の果たす役割が、より一層重要となるため、多くの

立法課題に力を入れて取り組んでいます。

人権擁護局は、人権擁護に関する事務を行っています。具体的には、

人権に関する様々な相談や、人権が侵害された場合の調査救済などの

活動を行うとともに、国民に広く人権尊重思想を理解してもらうための

啓発活動を行っています。

訟務局は、国を当事者とする民事訴訟、行政訴訟等の訴訟を追行して

います。訟務局の役割は、個別の国民と国との間の訴訟において、国の

立場から法と証拠に基づいた主張立証を適切に行うことです。これに

よって、個人の権利・利益と国民全体の利益との間に正しい調和が図ら

れています。また、これまでの訴訟対応等によって得た知見を各府省等

に提供する法的支援制度など、政府全体の予防司法機能を更に強化す

る取組を行っています。

国民の基本的な権利の実現のために

ユニバーサル社会の実現を目指して

西江 昭博人権擁護局人権啓発課長(昭和63年入省・法律)

Prof i le.

平成17年4月 法務省民事局民事第一課補佐官平成19年7月 法務省大臣官房訟務企画課補佐官平成21年4月 経済産業省経済産業政策局調査課       企業財務室長平成23年4月 法務省民事局民事第二課地図企画官平成26年4月 法務省大臣官房訟務企画課訟務調査室長平成27年4月 広島法務局人権擁護部長平成28年4月 現職

民事局・人権擁護局・訟務局

04民事局・人権擁護局・訟務局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

人権啓発活動奈良地方法務局

法廷の風景(模擬法廷)

民事局

人権擁護局

訟務局

総務課

民事第一課

民事第二課

商事課

民事法制管理官

総務課

調査救済課

人権啓発課

訟務企画課

民事訟務課

行政訟務課

租税訟務課

訟務支援管理官

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 我が国においては、基本的人権の尊重を基本理念の一つとする憲法の下で、人権に関する諸制度の整備や諸施策の推進が図られてきました。その成果もあって、人権尊重の理念が広く国民に浸透し、基本的には人権を尊重する社会が築かれています。 一方で、人権課題の生起がやむことはなく、近年の急速な情報通信技術の進展や外国人の入国者数の増加等による情報化や国際化に加えて、晩婚化や平均寿命の伸長その他の原因による少子化や高齢化等により、我が国社会が急激な変化にさらされる中、インターネット上の人権侵害、いわゆるヘイトスピーチを含む外国人の人権問題、いじめや虐待など子どもの人権問題、障害のある人や高齢者の人権問題等が関心を集めることとなっています。

 加えて、最近では、性的指向や性自認等性的マイノリティに対する偏見や差別に関する課題が社会の関心を集め、各方面で議論がされています。 このような状況の下、現在私が担当している人権啓発は、国民の一人一人が人権を尊重することの重要性を正しく認識し、これを前提として他人の人権にも十分に配慮した行動をとることができるようにするための取組を推進しています。具体的には、啓発冊子・DVDの作成・配布、人権教室の実施、シンポジウム・講演会の開催、各種イベントの実施、テレビ・ラジオ・新聞・インターネット等のメディアの利活用といった各種啓発活動を行っています。これらの啓発活動に当たっては、人権イメージキャラクターの人KENまもる君・人KENあゆみちゃんにも活躍

してもらうほか、Jリーグなどのスポーツ組織や携帯電話会社・映画会社などの民間企業とも連携しています(最近では、吉本興業とも連携したイベントを実施しています。)。 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、様々な人たちが我が国を訪れるこの機会を契機として、ユニバーサル社会、すなわち人種、障害の有無などの違いを理解し、自然に受け入れ、互いに認め合う共生社会を実現し、大会以降のレガシーとして残していこうという社会の機運が高まっている今、一層の取組を進めていきます。 私自身は、社会に貢献したいという漠然とした想いで入省した後、法務省内の部局のほか、複数の省庁で勤務する機会に恵まれました。中でも、民事局で片仮名・文語体の民法を平仮名・

口語体に改める改正作業に携わり、国会で可決成立する場面に立ち会うことができたことや東日本大震災からの復旧復興事務に取り組んだこと、内閣官房で新規施策(IT政策)を実施する部署の立上げに参画したことなど、なぜか繁忙を極めた局面ほどよい想い出となっています。また、そこで得た官民多数の知己は私の大きな財産となっています。 社会は今後なお急速に変化していくことでしょう。若い皆さんの柔軟な発想で我が国の未来を切り拓いていくことを期待しています。その活躍の場が私たちの職場であればなおうれしく思います。

03 民事局・人権擁護局・訟務局

 民事局は、登記、戸籍、国籍等に関する事務や民事基本法制の整備を

行っています。

登記事務では、重要な財産である土地等の不動産や、経済活動の中

心的役割を担う会社・法人等の情報を登記簿に記録し、公示することで、

国民の権利の保全を図り、取引の安全と円滑を図っています。戸籍事務

では、戸籍が親族関係及び日本国籍を公証する唯一の制度であるため、

全国統一的に処理されるよう、市区町村に対し、助言等を行っています。

国籍事務では、外国人が日本国籍を取得するための帰化事務等を行っ

ています。民事基本法制の整備では、社会・経済情勢の変化などに伴い、

民法等の民事基本法の果たす役割が、より一層重要となるため、多くの

立法課題に力を入れて取り組んでいます。

人権擁護局は、人権擁護に関する事務を行っています。具体的には、

人権に関する様々な相談や、人権が侵害された場合の調査救済などの

活動を行うとともに、国民に広く人権尊重思想を理解してもらうための

啓発活動を行っています。

訟務局は、国を当事者とする民事訴訟、行政訴訟等の訴訟を追行して

います。訟務局の役割は、個別の国民と国との間の訴訟において、国の

立場から法と証拠に基づいた主張立証を適切に行うことです。これに

よって、個人の権利・利益と国民全体の利益との間に正しい調和が図ら

れています。また、これまでの訴訟対応等によって得た知見を各府省等

に提供する法的支援制度など、政府全体の予防司法機能を更に強化す

る取組を行っています。

国民の基本的な権利の実現のために

ユニバーサル社会の実現を目指して

西江 昭博人権擁護局人権啓発課長(昭和63年入省・法律)

Prof i le.

平成17年4月 法務省民事局民事第一課補佐官平成19年7月 法務省大臣官房訟務企画課補佐官平成21年4月 経済産業省経済産業政策局調査課       企業財務室長平成23年4月 法務省民事局民事第二課地図企画官平成26年4月 法務省大臣官房訟務企画課訟務調査室長平成27年4月 広島法務局人権擁護部長平成28年4月 現職

民事局・人権擁護局・訟務局

04民事局・人権擁護局・訟務局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

人権啓発活動奈良地方法務局

法廷の風景(模擬法廷)

民事局

人権擁護局

訟務局

総務課

民事第一課

民事第二課

商事課

民事法制管理官

総務課

調査救済課

人権啓発課

訟務企画課

民事訟務課

行政訟務課

租税訟務課

訟務支援管理官

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05 06民事局・人権擁護局・訟務局 民事局・人権擁護局・訟務局

太田 裕介 民事局商事課商業法人登記第三係長(平成20年入省・法律)

平成20年4月 法務省民事局民事第一課平成21年4月 東京法務局墨田出張所登記専門職平成22年4月 法務省人権擁護局調査救済課平成23年4月 法務省大臣官房民事訟務課

平成24年4月 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室主査平成26年4月 法務省民事局総務課係長平成27年4月 法務省民事局商事課電子認証係長平成28年4月 現職

Prof i le.

民事局で働く意義

1日のタイムスケジュール

出勤、メールチェック動産譲渡登記システム運用支援業者との打合せ昼食課内打合せ照会対応等退庁

9:3010:0012:0013:0015:0018:30

あなたの活躍の舞台に 法務省の民事局関係部局は、国民に身近なところで、皆が安心して暮らせる社会の維持に、役立つ仕事をしています。登記、戸籍、国籍など、この国の基盤というべき重要な制度を所管し、加えて、訟務や人権擁護など、幅広い業務を所管しています。 私は入省以来、官房勤務や出向も含め、様々な仕事を経験してきました。法務省で初めて民間企業に対する監督処分を担当したときは、先例のない手探りの状態で行ったもので、とてもエキサイティングでしたし、起案した法令などが、様々な手続を経て、形になって世に出たときは、言葉にできないほどの感慨を覚えたものです。自分の手掛けたことが国民生活へ大きな影響を与えることへの、責任の重大さを感じると同時に、その分やりがいを感じることができ、職業生活を続けてきて本当に良かったと思っています。 また、最近、育児休業を経て、子供の保育園入園を機に職場復帰し現在に至っており、誰もが活躍できる機会のある職場であることを、日々実感しています。 幅広い業務を所管する民事局関係部局で、意欲ある皆さんの活躍の舞台が、きっと見つかるはずです。皆さんと仕事でご一緒できる日が来ることを、心から楽しみにしています。

 私は学生時代に学んだ法律の知識を活かすことができる仕事がしたいと思い、民事局を希望しました。現在は、法人が行う動産の譲渡について、民法の第三者対抗要件を備えることを可能とする動産譲渡登記制度や、会社の合併等の際の公告方法の一つである電子公告制度を主に担当しています。 私はこれまで民事局等において、法令改正や照会対応等の業務を行ってきましたが、いずれの業務においても、多くの資料(先例や解説等)を調べた上で、自分の考えをまとめ、論理的かつ説得力のある文章を作成しなければならない場面が多くあります(特に法務省は他省庁と比べても文章で説明を求められることが非常に多いと思います。)。これにはかなりの労力を要しますが、その分、最終的に法令などの形となった際には大きな達成感を得られます。また、これらの業務を通じて、法的思考力や文章力の向上など、自分自身の成長を感じることもできますし、民事局の所管業務は登記や戸籍等、いずれも国民の生活基盤や経済取引基盤に直結していますので、自分の成長が社会貢献にもつながると思うとやる気も溢れてきます。 皆さんも、自分の成長を感じながら社会貢献ができる民事局で一緒に働いてみませんか?

 法務局は、登記、戸籍・国籍、供託など、国民の権利と財産を守る民事行政事務と、国を当事者とする訴訟等を遂行する訟務事務、人権が尊重される平和で豊かな社会の実現を目指す人権擁護事務を所管しており、国民の生活や経済活動の基盤を支える重要な業務を行っています。 法務局は、法務省が所管する民事関係の法令や法務省が企画した様々な制度を、現場において執行・運用する機関です。法務局の職員は、窓口や電話での応対などを通じて、国民の皆様と日々接していることから、国民の基本的な権利を擁護し、それを実現する使命を感じながら、適正・迅速な事務処理に努めています。我が国の社会経済情勢は、ますます複雑化・多様化しており、国民が法務局に求める行政ニーズは常に変化しています。法務局の職員には、法務局を取り巻く情勢の変化や新たな行政課題を的確に捉えつつ、その専門性をいかして、国民の期待に応えていく力量が求められています。 法務局の総務課は、法務局という組織を円滑に運営していくために、組織全体のバランスに目配りしつつ、各職員が業務を行いやすい執務環境を実現するための施策を企画・立案したり、各課・支局間の調整を行うのが主な業務です。法務局では、多くの職員が働いていることから、人でもっている組織と言われています。私も、各職員の様々な個性や抱えている事情を的確に理解しつつ、組織が最も力を発揮できるような体制や環境作りに日々頭を悩ませています。

 法務省に入省してから、これまで様々な業務を経験してきましたが、その中で特に印象に残った業務は、旧共産圏諸国の公務員に対する法整備支援業務(民事基本法の制定や制度作りの支援等)です。また、経済産業省に出向して、世界経済や日本経済の状況、財務諸表の見方等を学び、視野を広げることができたのも大きな収穫でした。 仕事を行う上では、様々な懸案事項について、事実関係を的確に把握して、関連する情報をできるだけ収集すること、また、その上で論点を整理して、問題点を見極め、結論を出すに当たっては、慎重に判断して方向性を誤らないことを大事にしています。これまで常に正しい判断をしてきたと断言はできませんが、正しい判断を行うためには、職場内のコミュニケーションを大切にして、人間関係を良好に保ち、情報共有を適切に行って、他人の意見にもよく耳を傾けることが大切だと思っています。言葉で言うのは簡単ですが、実践するのはなかなか容易ではありません。 これから法務省を目指す皆さんには、物事を幅広い視点から多角的に捉える柔軟な思考力と、職場の先輩達と一体感をもって仕事ができる協調性を培っていただきたいと思います。最初から完璧な人間などいません。入省してからでも遅くありませんので、一緒にステップアップしましょう。法務局は、皆さんのキャリアアップに役立つ、素晴らしい職場であることを確信しています!

国民の基本的な権利の擁護及び実現

河野 順子 訟務局租税訟務課補佐官(平成6年入省・法律)平成17年4月 内閣官房行政改革推進事務局公益法人制度改革推進室       参事官補佐平成19年7月 民事局民事第二課補佐官平成22年3月 法務総合研究所研修第三部教官平成26年4月 大臣官房司法法制部司法法制課補佐官平成28年4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

保育園に子供を預け、登庁照会案件・決裁等の処理昼食照会案件・決裁等の処理租税訴訟に関する勉強会退庁、子供を迎えに保育園へ

9:20 9:4012:0013:0015:1518:15

民 事 局 地 方 支 分 部 局

相原 茂富山地方法務局総務課長(平成2年入省・法律)

平成20年4月 法務省大臣官房財産訟務管理官室法務専門官平成21年4月 法務省大臣官房民事訟務課補佐官平成23年4月 経済産業省経済産業政策局調査課企業財務室長平成25年4月 和歌山地方法務局戸籍課長

平成26年4月 京都地方法務局首席登記官(法人登記担当)平成27年4月 京都地方法務局会計課長平成28年4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

出勤、メール等のチェック局長及び次長との打合せ(懸案事項の協議等)決裁書類等の処理又は事務打合せ昼休み決裁書類等の起案又は幹部職員への説明決裁書類等の処理又は事務打合せ残務整理など退庁

8:30 9:0010:0012:0013:0015:0017:0018:00

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05 06民事局・人権擁護局・訟務局 民事局・人権擁護局・訟務局

太田 裕介 民事局商事課商業法人登記第三係長(平成20年入省・法律)

平成20年4月 法務省民事局民事第一課平成21年4月 東京法務局墨田出張所登記専門職平成22年4月 法務省人権擁護局調査救済課平成23年4月 法務省大臣官房民事訟務課

平成24年4月 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室主査平成26年4月 法務省民事局総務課係長平成27年4月 法務省民事局商事課電子認証係長平成28年4月 現職

Prof i le.

民事局で働く意義

1日のタイムスケジュール

出勤、メールチェック動産譲渡登記システム運用支援業者との打合せ昼食課内打合せ照会対応等退庁

9:3010:0012:0013:0015:0018:30

あなたの活躍の舞台に 法務省の民事局関係部局は、国民に身近なところで、皆が安心して暮らせる社会の維持に、役立つ仕事をしています。登記、戸籍、国籍など、この国の基盤というべき重要な制度を所管し、加えて、訟務や人権擁護など、幅広い業務を所管しています。 私は入省以来、官房勤務や出向も含め、様々な仕事を経験してきました。法務省で初めて民間企業に対する監督処分を担当したときは、先例のない手探りの状態で行ったもので、とてもエキサイティングでしたし、起案した法令などが、様々な手続を経て、形になって世に出たときは、言葉にできないほどの感慨を覚えたものです。自分の手掛けたことが国民生活へ大きな影響を与えることへの、責任の重大さを感じると同時に、その分やりがいを感じることができ、職業生活を続けてきて本当に良かったと思っています。 また、最近、育児休業を経て、子供の保育園入園を機に職場復帰し現在に至っており、誰もが活躍できる機会のある職場であることを、日々実感しています。 幅広い業務を所管する民事局関係部局で、意欲ある皆さんの活躍の舞台が、きっと見つかるはずです。皆さんと仕事でご一緒できる日が来ることを、心から楽しみにしています。

 私は学生時代に学んだ法律の知識を活かすことができる仕事がしたいと思い、民事局を希望しました。現在は、法人が行う動産の譲渡について、民法の第三者対抗要件を備えることを可能とする動産譲渡登記制度や、会社の合併等の際の公告方法の一つである電子公告制度を主に担当しています。 私はこれまで民事局等において、法令改正や照会対応等の業務を行ってきましたが、いずれの業務においても、多くの資料(先例や解説等)を調べた上で、自分の考えをまとめ、論理的かつ説得力のある文章を作成しなければならない場面が多くあります(特に法務省は他省庁と比べても文章で説明を求められることが非常に多いと思います。)。これにはかなりの労力を要しますが、その分、最終的に法令などの形となった際には大きな達成感を得られます。また、これらの業務を通じて、法的思考力や文章力の向上など、自分自身の成長を感じることもできますし、民事局の所管業務は登記や戸籍等、いずれも国民の生活基盤や経済取引基盤に直結していますので、自分の成長が社会貢献にもつながると思うとやる気も溢れてきます。 皆さんも、自分の成長を感じながら社会貢献ができる民事局で一緒に働いてみませんか?

 法務局は、登記、戸籍・国籍、供託など、国民の権利と財産を守る民事行政事務と、国を当事者とする訴訟等を遂行する訟務事務、人権が尊重される平和で豊かな社会の実現を目指す人権擁護事務を所管しており、国民の生活や経済活動の基盤を支える重要な業務を行っています。 法務局は、法務省が所管する民事関係の法令や法務省が企画した様々な制度を、現場において執行・運用する機関です。法務局の職員は、窓口や電話での応対などを通じて、国民の皆様と日々接していることから、国民の基本的な権利を擁護し、それを実現する使命を感じながら、適正・迅速な事務処理に努めています。我が国の社会経済情勢は、ますます複雑化・多様化しており、国民が法務局に求める行政ニーズは常に変化しています。法務局の職員には、法務局を取り巻く情勢の変化や新たな行政課題を的確に捉えつつ、その専門性をいかして、国民の期待に応えていく力量が求められています。 法務局の総務課は、法務局という組織を円滑に運営していくために、組織全体のバランスに目配りしつつ、各職員が業務を行いやすい執務環境を実現するための施策を企画・立案したり、各課・支局間の調整を行うのが主な業務です。法務局では、多くの職員が働いていることから、人でもっている組織と言われています。私も、各職員の様々な個性や抱えている事情を的確に理解しつつ、組織が最も力を発揮できるような体制や環境作りに日々頭を悩ませています。

 法務省に入省してから、これまで様々な業務を経験してきましたが、その中で特に印象に残った業務は、旧共産圏諸国の公務員に対する法整備支援業務(民事基本法の制定や制度作りの支援等)です。また、経済産業省に出向して、世界経済や日本経済の状況、財務諸表の見方等を学び、視野を広げることができたのも大きな収穫でした。 仕事を行う上では、様々な懸案事項について、事実関係を的確に把握して、関連する情報をできるだけ収集すること、また、その上で論点を整理して、問題点を見極め、結論を出すに当たっては、慎重に判断して方向性を誤らないことを大事にしています。これまで常に正しい判断をしてきたと断言はできませんが、正しい判断を行うためには、職場内のコミュニケーションを大切にして、人間関係を良好に保ち、情報共有を適切に行って、他人の意見にもよく耳を傾けることが大切だと思っています。言葉で言うのは簡単ですが、実践するのはなかなか容易ではありません。 これから法務省を目指す皆さんには、物事を幅広い視点から多角的に捉える柔軟な思考力と、職場の先輩達と一体感をもって仕事ができる協調性を培っていただきたいと思います。最初から完璧な人間などいません。入省してからでも遅くありませんので、一緒にステップアップしましょう。法務局は、皆さんのキャリアアップに役立つ、素晴らしい職場であることを確信しています!

国民の基本的な権利の擁護及び実現

河野 順子 訟務局租税訟務課補佐官(平成6年入省・法律)平成17年4月 内閣官房行政改革推進事務局公益法人制度改革推進室       参事官補佐平成19年7月 民事局民事第二課補佐官平成22年3月 法務総合研究所研修第三部教官平成26年4月 大臣官房司法法制部司法法制課補佐官平成28年4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

保育園に子供を預け、登庁照会案件・決裁等の処理昼食照会案件・決裁等の処理租税訴訟に関する勉強会退庁、子供を迎えに保育園へ

9:20 9:4012:0013:0015:1518:15

民 事 局 地 方 支 分 部 局

相原 茂富山地方法務局総務課長(平成2年入省・法律)

平成20年4月 法務省大臣官房財産訟務管理官室法務専門官平成21年4月 法務省大臣官房民事訟務課補佐官平成23年4月 経済産業省経済産業政策局調査課企業財務室長平成25年4月 和歌山地方法務局戸籍課長

平成26年4月 京都地方法務局首席登記官(法人登記担当)平成27年4月 京都地方法務局会計課長平成28年4月 現職

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1日のタイムスケジュール

出勤、メール等のチェック局長及び次長との打合せ(懸案事項の協議等)決裁書類等の処理又は事務打合せ昼休み決裁書類等の起案又は幹部職員への説明決裁書類等の処理又は事務打合せ残務整理など退庁

8:30 9:0010:0012:0013:0015:0017:0018:00

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07 08矯正局 矯正局

 矯正局や施設での仕事の魅力については、きっと、いろんな方々が書いてくれるはずなので、僕は、矯正職員の一員として働いている自分の幸せについて書くことにします。 あまり勤勉な学生ではなかった僕は、「働くなら、国民の誰からも必要だと思ってもらえる仕事がいいよなあ。」程度の非常に甘い考えで法務省を訪れました。当時、ホームページや業務説明会は(たぶん?)なかったので、矯正の現状や課題などについて情報を得ることは、今ほど簡単ではなかったと思います。それにしても、矯正行政について何の知識もなく、「徒手空拳」で臨んだ僕を面接した人事担当者が、「多様な人材確保のため、一人ぐらい変なのも採っておくか。」という英断を下されたことが、僕の幸運の始まりでした。

 その後、合計8年間に及ぶ官房人事課での勤務、3年間の他府省出向、官民協働で刑務所を運営する事業を担当する経験などを通じて、省内他組織や他府省の優秀な職員、熱意と創意工夫にあふれる民間企業の方々と出会いました。一方、いわゆる現場(刑務所や拘置所)での勤務では、処遇担当として、非常に手強い被収容者と直接対峙したり、訴訟担当として、書面上で闘ったりしたものです。肝の据わった上司・同僚・部下に助けられて乗り切りましたが、どういうわけか、彼ら被収容者に対しても若干の懐かしさを感じてしまうのは、不謹慎でしょうか。でも、「不勉強だった俺が、アイツのせいで必死になったよなあ。痛い目にも遭ったけど、何とかやっていける自信もついたよなあ。」などと思い起すと、彼らとの遭遇ですら、僕にとっては幸運の一部だっ

たように感じられるのです。 さて、この頁の直筆(悪筆)は、「座右の銘」というより、これから矯正を志す皆様へのメッセージのようなものです。「恐れるな!」とは、施設勤務であれば、「処遇困難者に対しても怯まずに組織力で向き合え!」といったところですが、皆さんには、「面倒な仕事や難題にも前向きに取り組もう!」ということを期待しています。「侮るな!」とは、施設勤務であれば、「軽率な言動は事故の元!」ぐらいの趣旨ですが、どこで勤務していても、「目の前の仕事に真摯に全力で取り組もう!」ということは共通するように思います。「自重自戒」は、言うまでもないですね。かつての僕は、よく、仕事や被収容者を侮って失敗していたし、今の僕は、優秀な部下に囲まれている幸せに満足して、難しい課題に自ら取

り組む気力が少し薄れてきたかもしれません。だから、僕は、「これまで、人や仕事を恐れ、侮ってきたお前が、大きな事故もなくここまで来たのは、運が良かっただけなんだから、思い上がるな!!」と自戒することだけは忘れないようにしているのです。 人材の宝庫である矯正の魅力を短い紙面で余すところなくお伝えすることは到底無理ですが、こんな僕に、将来を担う皆様への大事なメッセージを託してくれる矯正という職場の懐の深さが少しは伝わったのではないでしょうか。この拙文を読んでくれた方と、いつかどこかで一緒に仕事ができる幸せな日が来ると思うと、今から楽しみでなりません。

 矯正局は、日本全国に所在する刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置

所)、少年院及び少年鑑別所等の矯正施設を指導、監督しています。全国

に約300庁ある矯正施設で、約24,000人の職員が勤務しており、国民

が安心して暮らせるように国家の治安維持に対して重要な役割を果た

しています。

 矯正局においては、再犯・再非行防止を実現するため、刑事収容施設

及び被収容者等の処遇に関する法律、平成27年6月に施行された新た

な少年院法及び少年鑑別所法並びに平成28年12月に施行された再犯

の防止等の推進に関する法律に基づき、受刑者に対する矯正処遇や在

院者に対する矯正教育の充実・強化を図るとともに、刑務所出所者等の

「仕事」と「居場所」の確保に向け、就労・修学支援及び福祉的支援の着実

な推進に取り組んでいるほか、少年鑑別所において、地域社会の非行や

犯罪の防止に資する技術的助言等を行う地域援助活動の推進に力を入

れています。

 また、こうした取組は関係機関や外部協力者との連携や国民の理解が

不可欠ですので、社会に開かれた施設運営を推進するとともに、広報を

積極的に実施しています。

 さらに、平成28年6月に施行された薬物事犯者等に対する刑の一部

執行猶予制度への対応、刑事情報連携データベースシステムの運用、矯

正就労支援情報センター(通称「コレワーク」)の活用などの新たな取組

を含め、矯正全体として、これまで以上に関係機関や民間企業等との連

携を進めているほか、喫緊の課題である矯正施設の医師不足対策とし

て、平成27年9月に「矯正医官の兼業の特例等に関する法律」を制定し、

大学医学部や各種学会等で様々な広報・啓発活動を行っています。

地域社会とともに開かれた矯正へ

スゴい人たちとの出会いが待ってます!

細川 隆夫矯正局総務課矯正調査官(平成5年入省・法律)

Prof i le.

平成 5年4月 法務省矯正局総務課予算係平成10年7月 中央省庁等改革推進本部事務局主査平成15年4月 東京拘置所上席統括矯正処遇官平成16年4月 法務省大臣官房人事課定員第二係長平成21年4月 法務省大臣官房人事課補佐官平成26年4月 札幌矯正管区首席管区監査官平成27年4月 現職

矯 正 局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

矯正局

総務課

成人矯正課

少年矯正課

矯正医療管理官

東京拘置所

少年院の修学支援の風景

矯正医官募集イベント内の法務省ブース

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07 08矯正局 矯正局

 矯正局や施設での仕事の魅力については、きっと、いろんな方々が書いてくれるはずなので、僕は、矯正職員の一員として働いている自分の幸せについて書くことにします。 あまり勤勉な学生ではなかった僕は、「働くなら、国民の誰からも必要だと思ってもらえる仕事がいいよなあ。」程度の非常に甘い考えで法務省を訪れました。当時、ホームページや業務説明会は(たぶん?)なかったので、矯正の現状や課題などについて情報を得ることは、今ほど簡単ではなかったと思います。それにしても、矯正行政について何の知識もなく、「徒手空拳」で臨んだ僕を面接した人事担当者が、「多様な人材確保のため、一人ぐらい変なのも採っておくか。」という英断を下されたことが、僕の幸運の始まりでした。

 その後、合計8年間に及ぶ官房人事課での勤務、3年間の他府省出向、官民協働で刑務所を運営する事業を担当する経験などを通じて、省内他組織や他府省の優秀な職員、熱意と創意工夫にあふれる民間企業の方々と出会いました。一方、いわゆる現場(刑務所や拘置所)での勤務では、処遇担当として、非常に手強い被収容者と直接対峙したり、訴訟担当として、書面上で闘ったりしたものです。肝の据わった上司・同僚・部下に助けられて乗り切りましたが、どういうわけか、彼ら被収容者に対しても若干の懐かしさを感じてしまうのは、不謹慎でしょうか。でも、「不勉強だった俺が、アイツのせいで必死になったよなあ。痛い目にも遭ったけど、何とかやっていける自信もついたよなあ。」などと思い起すと、彼らとの遭遇ですら、僕にとっては幸運の一部だっ

たように感じられるのです。 さて、この頁の直筆(悪筆)は、「座右の銘」というより、これから矯正を志す皆様へのメッセージのようなものです。「恐れるな!」とは、施設勤務であれば、「処遇困難者に対しても怯まずに組織力で向き合え!」といったところですが、皆さんには、「面倒な仕事や難題にも前向きに取り組もう!」ということを期待しています。「侮るな!」とは、施設勤務であれば、「軽率な言動は事故の元!」ぐらいの趣旨ですが、どこで勤務していても、「目の前の仕事に真摯に全力で取り組もう!」ということは共通するように思います。「自重自戒」は、言うまでもないですね。かつての僕は、よく、仕事や被収容者を侮って失敗していたし、今の僕は、優秀な部下に囲まれている幸せに満足して、難しい課題に自ら取

り組む気力が少し薄れてきたかもしれません。だから、僕は、「これまで、人や仕事を恐れ、侮ってきたお前が、大きな事故もなくここまで来たのは、運が良かっただけなんだから、思い上がるな!!」と自戒することだけは忘れないようにしているのです。 人材の宝庫である矯正の魅力を短い紙面で余すところなくお伝えすることは到底無理ですが、こんな僕に、将来を担う皆様への大事なメッセージを託してくれる矯正という職場の懐の深さが少しは伝わったのではないでしょうか。この拙文を読んでくれた方と、いつかどこかで一緒に仕事ができる幸せな日が来ると思うと、今から楽しみでなりません。

 矯正局は、日本全国に所在する刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置

所)、少年院及び少年鑑別所等の矯正施設を指導、監督しています。全国

に約300庁ある矯正施設で、約24,000人の職員が勤務しており、国民

が安心して暮らせるように国家の治安維持に対して重要な役割を果た

しています。

 矯正局においては、再犯・再非行防止を実現するため、刑事収容施設

及び被収容者等の処遇に関する法律、平成27年6月に施行された新た

な少年院法及び少年鑑別所法並びに平成28年12月に施行された再犯

の防止等の推進に関する法律に基づき、受刑者に対する矯正処遇や在

院者に対する矯正教育の充実・強化を図るとともに、刑務所出所者等の

「仕事」と「居場所」の確保に向け、就労・修学支援及び福祉的支援の着実

な推進に取り組んでいるほか、少年鑑別所において、地域社会の非行や

犯罪の防止に資する技術的助言等を行う地域援助活動の推進に力を入

れています。

 また、こうした取組は関係機関や外部協力者との連携や国民の理解が

不可欠ですので、社会に開かれた施設運営を推進するとともに、広報を

積極的に実施しています。

 さらに、平成28年6月に施行された薬物事犯者等に対する刑の一部

執行猶予制度への対応、刑事情報連携データベースシステムの運用、矯

正就労支援情報センター(通称「コレワーク」)の活用などの新たな取組

を含め、矯正全体として、これまで以上に関係機関や民間企業等との連

携を進めているほか、喫緊の課題である矯正施設の医師不足対策とし

て、平成27年9月に「矯正医官の兼業の特例等に関する法律」を制定し、

大学医学部や各種学会等で様々な広報・啓発活動を行っています。

地域社会とともに開かれた矯正へ

スゴい人たちとの出会いが待ってます!

細川 隆夫矯正局総務課矯正調査官(平成5年入省・法律)

Prof i le.

平成 5年4月 法務省矯正局総務課予算係平成10年7月 中央省庁等改革推進本部事務局主査平成15年4月 東京拘置所上席統括矯正処遇官平成16年4月 法務省大臣官房人事課定員第二係長平成21年4月 法務省大臣官房人事課補佐官平成26年4月 札幌矯正管区首席管区監査官平成27年4月 現職

矯 正 局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

矯正局

総務課

成人矯正課

少年矯正課

矯正医療管理官

東京拘置所

少年院の修学支援の風景

矯正医官募集イベント内の法務省ブース

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09 10矯正局 矯正局

佐藤 響子 矯正局総務課調査係長(平成16年入省・法律)

平成16年4月 法務省矯正局総務課法規係平成19年4月 法務省大臣官房秘書課法令係平成20年4月 総務省人事・恩給局任用第二係長平成22年4月 法務省矯正局総務課調査係(PFI)

平成25年4月 府中刑務所会計課長補佐       育児休業(平成26年5月から平成27年3月まで)平成27年4月 府中刑務所上席統括矯正処遇官平成28年4月 現職

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明るく楽しい職場の魅力

「国民生活の基盤である国の治安」を支える誇り 学生時代、現職の刑務官トップの方の講演を聞く機会があり、刑務官が高い使命感をもって勤務されていることで、逃走事故などがほとんど発生しない世界有数の安定的な刑務所運営が確保されているという話に強い感銘を受け、自分もそのような役割に関与したいと思い、この仕事を選びました。 刑事施設では、被収容者の法的地位を踏まえつつ、公平に処遇を行うことを基本としていますが、被収容者の個別の事情に応じ、通常とは異なる対応等を求められることがあります。施設において日々発生するこれら様々な問題事例について当局としての対応方針等を示すことが現在の主な業務になります。施設、被収容者共にそれぞれ事情がある中、一定の方針等を示すことには大きな責任を伴いますが、施設での勤務経験を踏まえつつ、全国の刑事施設に方針等を周知する機会を得られることに強いやりがいを感じています。 刑事施設は、国民生活の基盤である国の治安を支える重大な役割を担っており、社会に必要不可欠なインフラといっても過言ではないと思っています。自己の職務遂行が国民生活の基盤を支えていることを肝に銘じ、また、そのような役割を果たしていることを誇りとし、今後とも誠実に自らの職責を果たしていきたいと考えています。

 本パンフレットの原稿依頼には「この仕事を選んだ動機」について書くようにとありました。人様に誇れるような動機ではなく大変お恥ずかしいのですが、正直に言うと、官庁訪問時の職員の雰囲気を見て「長く楽しく働けそうな気がした」というのが決め手です。就職してから定年退職するまで40年弱。学生時代は4年間の人間関係でしたが、約10倍!そう考えると、せっかくなら明るく楽しく働ける方が良いと思いませんか? 私はこれまで矯正局を始めとして、男子・女子の両刑務所、大臣官房や他省庁勤務と、様々な勤務箇所を経験させて頂きましたが、いずれにおいても大変優秀でやる気のある上司・同僚・部下に恵まれ、更に、熱い志をお持ちの民間企業や地域住民の方々とも御一緒する機会を得て、業務内容は必ずしも明るいことばかりではありませんが、気持ちだけは常に明るく楽しく勤務することができました。 現在は、育児のため突発的な休暇を頂くなど、多々ご迷惑をお掛けしているにも関わらず、周囲の温かい御支援により、相変わらず楽しく勤務できています。パンフレットをお読みの皆さん、やりがいのある仕事はもちろん色々ありますが、更に楽しい仕事(職場)って、意外と少ないものですよ。でも矯正にはそれがあります。来春から皆さんも一緒に、明るく楽しく働きませんか?!

新池谷 令 矯正局成人矯正課補佐官(平成9年入省・法律)

Prof i le.

平成 9年4月 法務省矯正局保安課(現成人矯正課)処遇係平成13年4月 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課規制係長平成17年4月 衆議院法制局参事平成22年4月 前橋刑務所首席矯正処遇官平成23年4月 広島矯正管区保安課長平成25年4年 法務省矯正局総務課矯正監査官平成28年4月 現職

人間科学区分職員

1日のタイムスケジュール

(※)出勤、メール等のチェック各種資料や決裁書類の作成昼食民間企業の方との打ち合わせ上司に業務の進ちょく状況を報告翌日の業務の優先順位を確認退庁(保育園にダッシュ)※育児のため、1時間の早出勤務(退庁時間も1時間繰り上がる)を行っています。

8:3010:0012:0013:0015:0017:1517:45

1日のタイムスケジュール

出勤・スケジュール確認課内ミーティング矯正管区・刑事施設からの照会に対する回答案等の検討・決裁昼食被収容者提起に係る訴訟に関する応訴方針の検討・決裁再犯防止対策に係る受刑者の処遇方針等について、関係部署と打合せ退庁

9:00 9:3010:0012:0013:0015:0019:00

矯 正 局

施設勤務の経験を基に仕事ができること

1日のタイムスケジュール

出勤、メールチェック課内ミーティング~その日の予定や業務内容を共有照会等への対応~施設や矯正管区に対する回答作成昼食~自分の席でお弁当起案文書の作成~報告の取りまとめや通知の起案打合せ~教育プログラムに係る打合せ残務処理退庁

9:10 9:3010:0012:0013:0015:0018:1521:00

 子どもが好きで、子どもたちと深く関わる仕事がしたいと考えていたときに、非行を犯した少年と関わる仕事があることを知りました。官庁訪問を通して、法務教官として少年と向き合うことと、行政機関で政策立案に携わることの両面に魅力を感じ、この仕事を選びました。 現在は矯正局少年矯正課で勤務し、矯正教育のプログラムや広報などを担当しています。少年院で法務教官として働く中で出会った少年や職員の方々、苦労したことなどを思い浮かべながら企画立案を行うことで、入省前に感じた魅力の両面を感じながら仕事をしています。 矯正の仕事は全てがチームプレーだと感じています。そのため、積極的に上司や同僚に相談することを心掛けています。 法務教官としての人間科学の専門性と、行政官としての広い視野やスキルの両方が求められる仕事ですが、今後は更に幅広い業務を経験しながら、どちらについても高めていきたいと思っています。

少年に寄り添う。初心を忘れない。 人が非行・犯罪に及ぶ機制や改善更生に向けた処遇方法等に興味があったことに加え、「非行のあった少年の悩みやつらさに寄り添い、前を向いて生きていく一助となりたい。」という思いがあり、矯正の仕事を選びました。 現在は、管内の少年鑑別所の指導・監督等を行う部署に所属しており、施設が円滑に業務を行えるよう各種照会に対応したり、関係機関及び施設間での連携がとれるよう協議会や研修を企画したりと、様々な業務を行っています。少年鑑別所で勤務していたときには、目の前の少年に向き合うことで精一杯でしたが、少年矯正全体の動きや関係法規を把握することが求められるため、非行臨床に関する知見だけでなく、多様な視点から行政課題を捉えられるようになってきていると感じています。非行臨床を専門とする職種でありながらも、こうした様々な業務に携わり、幅広く専門性を向上させられることが、この仕事の魅力です。 困難な業務に直面し、対応に苦慮したときには自分の力不足や限界を感じることがありますが、多くの出会いの中で、やりがい、充実感を得られる体験が多いです。今後とも入省当時の思いを忘れることなく、一生懸命に職務に励みたいと思っています。

服部 真人東京矯正管区少年矯正第二課(平成23年入省・人間科学Ⅰ)平成23年4月 東京少年鑑別所平成24年4月 札幌少年鑑別所専門官平成26年4月 札幌刑務所調査専門官

平成27年4月 川越少年刑務所調査専門官平成28年4月 現職

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1日のタイムスケジュール

出勤、メール、スケジュール確認部内ミーティング施設からの定期・臨時報告の取りまとめ専門研修、協議会等の企画・立案昼休み施設からの照会等への対応起案文書や各種資料の作成退庁

8:00 9:00 9:3011:0012:0013:0015:0020:00

滝沢 千紘矯正局少年矯正課(平成23年入省・人間科学Ⅱ)平成23年4月 愛光女子学園平成25年4月 榛名女子学園専門官平成27年4月 現職

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矯正局の人間科学区分職員の特徴 法務技官は、主に少年鑑別所や刑事施設等において、心理学の専門的な知識・技術等を活かした非行少年の鑑別業務、受刑者の改善指導プログラムの実施業務等に従事し、法務教官は、主に少年院や少年鑑別所等において、個々の少年の特性や心身の発達

の程度を考慮して、健全な育成に資するための矯正教育や各種支援等を行います。 その他、矯正局等における再非行・再犯防止に係る政策の企画・立案業務においても活躍が期待されています。

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09 10矯正局 矯正局

佐藤 響子 矯正局総務課調査係長(平成16年入省・法律)

平成16年4月 法務省矯正局総務課法規係平成19年4月 法務省大臣官房秘書課法令係平成20年4月 総務省人事・恩給局任用第二係長平成22年4月 法務省矯正局総務課調査係(PFI)

平成25年4月 府中刑務所会計課長補佐       育児休業(平成26年5月から平成27年3月まで)平成27年4月 府中刑務所上席統括矯正処遇官平成28年4月 現職

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明るく楽しい職場の魅力

「国民生活の基盤である国の治安」を支える誇り 学生時代、現職の刑務官トップの方の講演を聞く機会があり、刑務官が高い使命感をもって勤務されていることで、逃走事故などがほとんど発生しない世界有数の安定的な刑務所運営が確保されているという話に強い感銘を受け、自分もそのような役割に関与したいと思い、この仕事を選びました。 刑事施設では、被収容者の法的地位を踏まえつつ、公平に処遇を行うことを基本としていますが、被収容者の個別の事情に応じ、通常とは異なる対応等を求められることがあります。施設において日々発生するこれら様々な問題事例について当局としての対応方針等を示すことが現在の主な業務になります。施設、被収容者共にそれぞれ事情がある中、一定の方針等を示すことには大きな責任を伴いますが、施設での勤務経験を踏まえつつ、全国の刑事施設に方針等を周知する機会を得られることに強いやりがいを感じています。 刑事施設は、国民生活の基盤である国の治安を支える重大な役割を担っており、社会に必要不可欠なインフラといっても過言ではないと思っています。自己の職務遂行が国民生活の基盤を支えていることを肝に銘じ、また、そのような役割を果たしていることを誇りとし、今後とも誠実に自らの職責を果たしていきたいと考えています。

 本パンフレットの原稿依頼には「この仕事を選んだ動機」について書くようにとありました。人様に誇れるような動機ではなく大変お恥ずかしいのですが、正直に言うと、官庁訪問時の職員の雰囲気を見て「長く楽しく働けそうな気がした」というのが決め手です。就職してから定年退職するまで40年弱。学生時代は4年間の人間関係でしたが、約10倍!そう考えると、せっかくなら明るく楽しく働ける方が良いと思いませんか? 私はこれまで矯正局を始めとして、男子・女子の両刑務所、大臣官房や他省庁勤務と、様々な勤務箇所を経験させて頂きましたが、いずれにおいても大変優秀でやる気のある上司・同僚・部下に恵まれ、更に、熱い志をお持ちの民間企業や地域住民の方々とも御一緒する機会を得て、業務内容は必ずしも明るいことばかりではありませんが、気持ちだけは常に明るく楽しく勤務することができました。 現在は、育児のため突発的な休暇を頂くなど、多々ご迷惑をお掛けしているにも関わらず、周囲の温かい御支援により、相変わらず楽しく勤務できています。パンフレットをお読みの皆さん、やりがいのある仕事はもちろん色々ありますが、更に楽しい仕事(職場)って、意外と少ないものですよ。でも矯正にはそれがあります。来春から皆さんも一緒に、明るく楽しく働きませんか?!

新池谷 令 矯正局成人矯正課補佐官(平成9年入省・法律)

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平成 9年4月 法務省矯正局保安課(現成人矯正課)処遇係平成13年4月 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課規制係長平成17年4月 衆議院法制局参事平成22年4月 前橋刑務所首席矯正処遇官平成23年4月 広島矯正管区保安課長平成25年4年 法務省矯正局総務課矯正監査官平成28年4月 現職

人間科学区分職員

1日のタイムスケジュール

(※)出勤、メール等のチェック各種資料や決裁書類の作成昼食民間企業の方との打ち合わせ上司に業務の進ちょく状況を報告翌日の業務の優先順位を確認退庁(保育園にダッシュ)※育児のため、1時間の早出勤務(退庁時間も1時間繰り上がる)を行っています。

8:3010:0012:0013:0015:0017:1517:45

1日のタイムスケジュール

出勤・スケジュール確認課内ミーティング矯正管区・刑事施設からの照会に対する回答案等の検討・決裁昼食被収容者提起に係る訴訟に関する応訴方針の検討・決裁再犯防止対策に係る受刑者の処遇方針等について、関係部署と打合せ退庁

9:00 9:3010:0012:0013:0015:0019:00

矯 正 局

施設勤務の経験を基に仕事ができること

1日のタイムスケジュール

出勤、メールチェック課内ミーティング~その日の予定や業務内容を共有照会等への対応~施設や矯正管区に対する回答作成昼食~自分の席でお弁当起案文書の作成~報告の取りまとめや通知の起案打合せ~教育プログラムに係る打合せ残務処理退庁

9:10 9:3010:0012:0013:0015:0018:1521:00

 子どもが好きで、子どもたちと深く関わる仕事がしたいと考えていたときに、非行を犯した少年と関わる仕事があることを知りました。官庁訪問を通して、法務教官として少年と向き合うことと、行政機関で政策立案に携わることの両面に魅力を感じ、この仕事を選びました。 現在は矯正局少年矯正課で勤務し、矯正教育のプログラムや広報などを担当しています。少年院で法務教官として働く中で出会った少年や職員の方々、苦労したことなどを思い浮かべながら企画立案を行うことで、入省前に感じた魅力の両面を感じながら仕事をしています。 矯正の仕事は全てがチームプレーだと感じています。そのため、積極的に上司や同僚に相談することを心掛けています。 法務教官としての人間科学の専門性と、行政官としての広い視野やスキルの両方が求められる仕事ですが、今後は更に幅広い業務を経験しながら、どちらについても高めていきたいと思っています。

少年に寄り添う。初心を忘れない。 人が非行・犯罪に及ぶ機制や改善更生に向けた処遇方法等に興味があったことに加え、「非行のあった少年の悩みやつらさに寄り添い、前を向いて生きていく一助となりたい。」という思いがあり、矯正の仕事を選びました。 現在は、管内の少年鑑別所の指導・監督等を行う部署に所属しており、施設が円滑に業務を行えるよう各種照会に対応したり、関係機関及び施設間での連携がとれるよう協議会や研修を企画したりと、様々な業務を行っています。少年鑑別所で勤務していたときには、目の前の少年に向き合うことで精一杯でしたが、少年矯正全体の動きや関係法規を把握することが求められるため、非行臨床に関する知見だけでなく、多様な視点から行政課題を捉えられるようになってきていると感じています。非行臨床を専門とする職種でありながらも、こうした様々な業務に携わり、幅広く専門性を向上させられることが、この仕事の魅力です。 困難な業務に直面し、対応に苦慮したときには自分の力不足や限界を感じることがありますが、多くの出会いの中で、やりがい、充実感を得られる体験が多いです。今後とも入省当時の思いを忘れることなく、一生懸命に職務に励みたいと思っています。

服部 真人東京矯正管区少年矯正第二課(平成23年入省・人間科学Ⅰ)平成23年4月 東京少年鑑別所平成24年4月 札幌少年鑑別所専門官平成26年4月 札幌刑務所調査専門官

平成27年4月 川越少年刑務所調査専門官平成28年4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

出勤、メール、スケジュール確認部内ミーティング施設からの定期・臨時報告の取りまとめ専門研修、協議会等の企画・立案昼休み施設からの照会等への対応起案文書や各種資料の作成退庁

8:00 9:00 9:3011:0012:0013:0015:0020:00

滝沢 千紘矯正局少年矯正課(平成23年入省・人間科学Ⅱ)平成23年4月 愛光女子学園平成25年4月 榛名女子学園専門官平成27年4月 現職

Prof i le.

矯正局の人間科学区分職員の特徴 法務技官は、主に少年鑑別所や刑事施設等において、心理学の専門的な知識・技術等を活かした非行少年の鑑別業務、受刑者の改善指導プログラムの実施業務等に従事し、法務教官は、主に少年院や少年鑑別所等において、個々の少年の特性や心身の発達

の程度を考慮して、健全な育成に資するための矯正教育や各種支援等を行います。 その他、矯正局等における再非行・再犯防止に係る政策の企画・立案業務においても活躍が期待されています。

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11 12矯正局 矯正局

都坂 圭吾大阪矯正管区矯正就労支援情報センター室矯正専門職 (平成14年入省・法律)平成14年 4月 法務省矯正局保安課(現成人矯正課)処遇係平成19年 7月 喜連川社会復帰促進センター統括矯正処遇官平成21年 4月 法務省矯正局成人矯正課処遇第一係平成25年 4月 奈良少年刑務所首席矯正処遇官平成26年 9月 内閣府国際平和協力本部事務局参事官補佐平成27年10月 法務省矯正局総務課更生支援室平成28年 4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

出勤して卓上で朝食メールチェックなど事業者への相談対応など昼食外出・業界団体への説明会など決裁処理、打合せなど退庁

8:00 8:3010:3012:0013:3016:3018:30

大隣 勝友八王子医療刑務所統括矯正処遇官(平成22年入省・法律)平成22年4月 法務省矯正局成人矯正課国際受刑者移送係平成23年4月 横浜刑務所主任矯正処遇官平成25年4月 法務省大臣官房秘書課国際室渉外係平成26年4月 国土交通省総合政策局政策課主査平成28年4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

登庁、開室報告夜間等の動静について引継ぎの報告を受けます所内巡回幹部会議所内巡回、決裁文書の起案・処理昼食移受送会議、精神科カンファレンス各施設から受け入れる患者について協議しますまた医師や看護師と定期的に患者の治療方針について協議します所内巡回、決裁文書の起案・処理閉室報告書の作成各工場、病棟を巡回し、夜間勤務者への引継ぎ事項を作成します閉室報告(幹部及び夜間勤務者に実施します)退庁 保育園に子供を迎えに行きます

6:50

7:30 9:0010:0012:1513:00

14:0015:30

16:3017:00

コレワーク(矯正就労支援情報センター)における事業主との相談風景

地方支分部局

 全国民の奉仕者たる国家公務員として勤務することができ、かつ、とことんまで人と向き合うのが矯正の仕事だと思います。その部分に惹かれ、希望しました。 特に現場施設での勤務は、その醍醐味をしっかり味わいました。施設の幹部職員として勤務する中では、被収容者に接する機会は多くないものの、少しでも変わるチャンスを作れたらと思い、なるべく多くの情報を入手して、受刑者に向き合い、真剣に対峙したことは、自分自身でも大きな成長につながったと感じます。その喜びに加えて、霞が関での、組織として進むべき道を見定めて対処していく勤務でも、仲間を支える喜びを感じさせてもらい、いい職業人生を歩ませてもらっています。 現在、初めて矯正管区での勤務を経験しています。平成28年4月にできたコレワーク西日本(矯正就労支援情報センター室)で、事業主の方に対し、出所後の受刑者等の雇用をお願いし、また、事業主の方の求める条件に適合する受刑者等とのマッチングを図る業務を担当しています。再犯率は仕事の有無で約3倍の違いがあり、出所後の仕事に結び付けることが重要です。現に被収容者を抱えてもおらず、また、霞が関での制度運用とも違う立場ですが、積極的に新しい経験と喜びを受け取らせてもらっています。 人間と真剣に向き合う。大変なこともありましたが、これを大切に、これからも矯正の仕事をしてきたいと思っています。御一緒できる日を楽しみにしています。

受刑者・在院者と「仕事」を結ぶ新しい挑戦

 犯罪被害者がいない社会を作りたい、再犯を防止したいという想いで入省しました。法務省は、他省庁に比べ現場施設で勤務する機会が多く、省としての施策を実際に動かし、そこでの課題や問題を目の当たりにして、それを次の施策に活かすことのできる環境があります。 現在、私が勤務している八王子医療刑務所は、医療法上の病院として認可を受けている施設であり、入院や手術等の措置が必要な受刑者を収容しています。 現場勤務においては、常にスピードと決断が求められます。いかに効率よく、また確実に施策が実行できるかを知ることができる現場施設での勤務経験は、本省などで、より良い企画・立案をするために重要であると感じています。 私は、当所の被収容者の処遇全般を受け持っており、精神・身体疾患を有する受刑者に対し、医師、看護師や理学療法士などと一緒に受刑者の処遇方針を決定していきます。時に病院という側面と刑務所という側面の両面から受刑者を見ることで、再犯防止、犯罪のない社会のために何ができるかを自問自答しています。 矯正行政は、現場で勤務していたとしても、自分の業務が個別の受刑者の改善更生にどの程度寄与したかが具体的に見えるわけではありません。しかしながら、我が国の治安を守る最後の砦としての刑事施設において、施設の運営に主体的に参画できる業務は、誇りの持てる仕事だと思います。 矯正行政は、高齢化に伴う医療費増加などの社会的課題や我が国の経済状況の影響を受けます。今後、私は、矯正行政での専門性を生かしつつ、法務行政全体の方針や方向性を意識して、例えば、女性の活躍や職場環境の面から約300近い矯正施設の在り方を考えることができたらと思っています。 最後に、現場には「威あって猛々しからず、親しみあって慣れず、彼また人たるを知るべし」という言葉があります。この冊子を手にしたあなたと一緒にこの言葉について話せることを楽しみにしています。

この国の治安を守る最後の砦、その最前線で

施設等機関刑 事 施 設 刑事施設には、懲役受刑者、禁錮受刑者などを収容する刑務所、少年受刑者などを収容する少年刑務所、被告人、被疑者など、主に刑の確定していない人を収容する拘置所があります。 受刑者の処遇は、その改善更生や円滑な社会復帰を図ることを目的としています。そのため、個々の受刑者の人格特性や社会適

応について科学的な調査を行い、これに基づいて個々の受刑者に適した施設に収容しています。施設においては、個々の受刑者に最も適した処遇計画を立て、各種作業、職業訓練、改善指導、教科指導などを行っています。

矯 正 管 区 矯正管区は、全国8か所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松及び福岡)に設けられており、矯正局の事務を分掌し、管轄区域内の多数の矯正施設を統括している地方支分部局です。各矯正施設の適正な管理運営を図るため、被収容者の規律、警備、収容、

分類、移送、改善指導、矯正教育、鑑別などについて、施設の指導監督、調整等に当たるとともに、矯正施設に対する実地監査を行っています。

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11 12矯正局 矯正局

都坂 圭吾大阪矯正管区矯正就労支援情報センター室矯正専門職 (平成14年入省・法律)平成14年 4月 法務省矯正局保安課(現成人矯正課)処遇係平成19年 7月 喜連川社会復帰促進センター統括矯正処遇官平成21年 4月 法務省矯正局成人矯正課処遇第一係平成25年 4月 奈良少年刑務所首席矯正処遇官平成26年 9月 内閣府国際平和協力本部事務局参事官補佐平成27年10月 法務省矯正局総務課更生支援室平成28年 4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

出勤して卓上で朝食メールチェックなど事業者への相談対応など昼食外出・業界団体への説明会など決裁処理、打合せなど退庁

8:00 8:3010:3012:0013:3016:3018:30

大隣 勝友八王子医療刑務所統括矯正処遇官(平成22年入省・法律)平成22年4月 法務省矯正局成人矯正課国際受刑者移送係平成23年4月 横浜刑務所主任矯正処遇官平成25年4月 法務省大臣官房秘書課国際室渉外係平成26年4月 国土交通省総合政策局政策課主査平成28年4月 現職

Prof i le.

1日のタイムスケジュール

登庁、開室報告夜間等の動静について引継ぎの報告を受けます所内巡回幹部会議所内巡回、決裁文書の起案・処理昼食移受送会議、精神科カンファレンス各施設から受け入れる患者について協議しますまた医師や看護師と定期的に患者の治療方針について協議します所内巡回、決裁文書の起案・処理閉室報告書の作成各工場、病棟を巡回し、夜間勤務者への引継ぎ事項を作成します閉室報告(幹部及び夜間勤務者に実施します)退庁 保育園に子供を迎えに行きます

6:50

7:30 9:0010:0012:1513:00

14:0015:30

16:3017:00

コレワーク(矯正就労支援情報センター)における事業主との相談風景

地方支分部局

 全国民の奉仕者たる国家公務員として勤務することができ、かつ、とことんまで人と向き合うのが矯正の仕事だと思います。その部分に惹かれ、希望しました。 特に現場施設での勤務は、その醍醐味をしっかり味わいました。施設の幹部職員として勤務する中では、被収容者に接する機会は多くないものの、少しでも変わるチャンスを作れたらと思い、なるべく多くの情報を入手して、受刑者に向き合い、真剣に対峙したことは、自分自身でも大きな成長につながったと感じます。その喜びに加えて、霞が関での、組織として進むべき道を見定めて対処していく勤務でも、仲間を支える喜びを感じさせてもらい、いい職業人生を歩ませてもらっています。 現在、初めて矯正管区での勤務を経験しています。平成28年4月にできたコレワーク西日本(矯正就労支援情報センター室)で、事業主の方に対し、出所後の受刑者等の雇用をお願いし、また、事業主の方の求める条件に適合する受刑者等とのマッチングを図る業務を担当しています。再犯率は仕事の有無で約3倍の違いがあり、出所後の仕事に結び付けることが重要です。現に被収容者を抱えてもおらず、また、霞が関での制度運用とも違う立場ですが、積極的に新しい経験と喜びを受け取らせてもらっています。 人間と真剣に向き合う。大変なこともありましたが、これを大切に、これからも矯正の仕事をしてきたいと思っています。御一緒できる日を楽しみにしています。

受刑者・在院者と「仕事」を結ぶ新しい挑戦

 犯罪被害者がいない社会を作りたい、再犯を防止したいという想いで入省しました。法務省は、他省庁に比べ現場施設で勤務する機会が多く、省としての施策を実際に動かし、そこでの課題や問題を目の当たりにして、それを次の施策に活かすことのできる環境があります。 現在、私が勤務している八王子医療刑務所は、医療法上の病院として認可を受けている施設であり、入院や手術等の措置が必要な受刑者を収容しています。 現場勤務においては、常にスピードと決断が求められます。いかに効率よく、また確実に施策が実行できるかを知ることができる現場施設での勤務経験は、本省などで、より良い企画・立案をするために重要であると感じています。 私は、当所の被収容者の処遇全般を受け持っており、精神・身体疾患を有する受刑者に対し、医師、看護師や理学療法士などと一緒に受刑者の処遇方針を決定していきます。時に病院という側面と刑務所という側面の両面から受刑者を見ることで、再犯防止、犯罪のない社会のために何ができるかを自問自答しています。 矯正行政は、現場で勤務していたとしても、自分の業務が個別の受刑者の改善更生にどの程度寄与したかが具体的に見えるわけではありません。しかしながら、我が国の治安を守る最後の砦としての刑事施設において、施設の運営に主体的に参画できる業務は、誇りの持てる仕事だと思います。 矯正行政は、高齢化に伴う医療費増加などの社会的課題や我が国の経済状況の影響を受けます。今後、私は、矯正行政での専門性を生かしつつ、法務行政全体の方針や方向性を意識して、例えば、女性の活躍や職場環境の面から約300近い矯正施設の在り方を考えることができたらと思っています。 最後に、現場には「威あって猛々しからず、親しみあって慣れず、彼また人たるを知るべし」という言葉があります。この冊子を手にしたあなたと一緒にこの言葉について話せることを楽しみにしています。

この国の治安を守る最後の砦、その最前線で

施設等機関刑 事 施 設 刑事施設には、懲役受刑者、禁錮受刑者などを収容する刑務所、少年受刑者などを収容する少年刑務所、被告人、被疑者など、主に刑の確定していない人を収容する拘置所があります。 受刑者の処遇は、その改善更生や円滑な社会復帰を図ることを目的としています。そのため、個々の受刑者の人格特性や社会適

応について科学的な調査を行い、これに基づいて個々の受刑者に適した施設に収容しています。施設においては、個々の受刑者に最も適した処遇計画を立て、各種作業、職業訓練、改善指導、教科指導などを行っています。

矯 正 管 区 矯正管区は、全国8か所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松及び福岡)に設けられており、矯正局の事務を分掌し、管轄区域内の多数の矯正施設を統括している地方支分部局です。各矯正施設の適正な管理運営を図るため、被収容者の規律、警備、収容、

分類、移送、改善指導、矯正教育、鑑別などについて、施設の指導監督、調整等に当たるとともに、矯正施設に対する実地監査を行っています。

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13 14矯正局 矯正局

1日のタイムスケジュール

登庁朝礼、鑑別部門ミーティング~昨日の業務引継ぎや、その日の予定を報告します書類の決裁新人技官の鑑別結果の指導判定会議~担当少年の処遇意見や処遇方針を決定します昼食関係機関との連絡調整担当少年との面接鑑別結果通知書の作成など残務処理退庁

8:00 8:30

9:3010:0011:00

12:1513:0014:0016:0017:0019:00

施設等機関

1日のタイムスケジュール

登庁、前日分の少年の動静把握、メールチェック等幹部ミーティング、職員朝礼少年朝礼、書類の決裁等巡回、保護者との面談等昼食保護観察所、家庭裁判所や少年鑑別所担当者等との連絡巡回、少年との面接等書類の作成、決裁等退庁

7:30 8:20 9:2011:0012:1513:0015:0017:0019:00

施設等機関

池村 寛之 津少年鑑別所統括専門官(平成18年入省・人間科学Ⅰ)

平成18年4月 東京少年鑑別所平成19年4月 横浜少年鑑別所専門官平成20年4月 名古屋少年鑑別所専門官平成22年4月 名古屋保護観察所保護観察官平成24年4月 名古屋刑務所調査専門官平成26年4月 現職

Prof i le.

学生時代から学んできた心理学を生かせる仕事を探していたところ、人が非行・犯罪に及ぶ原因や立ち直りの手立てを解明する仕事の専門性の高さに興味を持つとともに、実際に勤務される先輩方の豊かな人柄や生き生きと働いている様子に引かれ、矯正で働くことを決めました。 少年鑑別所や刑務所で、面接や心理検査などを通じて、年齢も経歴も環境や性格も異なる様々な対象者と向き合ってきました。そうした中、生い立ちの複雑さや抱える問題の大きさに言葉を失うこともある一方、立ち直りに向けた彼らの強さ・成長する力を実感できることも多く、やりがいのある奥深い仕事だと感じています。 管理職になり、自ら鑑別や地域援助の担当ケースを持つだけでなく、若手職員の育成や関係機関との調整や連携にも力を注いでいます。責任は大きくなり、困難にぶつかることもありますが、苦労を分かち合える同僚や上司に支えられ、組織的に対応できることが矯正の強みだと思います。 少年鑑別所法の施行に伴い、私たちの仕事の幅は広がり、関係機関と協働する機会も増えるなど、少年鑑別所を取り巻く状況は大きく様変わりしています。社会や国の政策の動きを理解しながら、非行・犯罪防止の専門機関として少年鑑別所が地域社会に果たす役割を考え、職員一人一人の力を合わせて現場での実践を積み重ねていきたいと思っています。チャレンジ精神のあるあなたが、私たちの仲間に加わってくれることを楽しみにしています。

非行犯罪防止に携わる心理の専門家として

少 年 鑑 別 所 少年鑑別所は、主として家庭裁判所から観護措置の決定によって送致された少年を収容し、審判等のため、医学、心理学等の専門的な知識に基づき、鑑別を行います。鑑別は、面接、心理検査、行動観察などを通じて、その心身の状態等を調査し、非行の原因を解明するとともに、改善更生に向けた処遇指針を立てるものです。

 また、保護処分等の執行のため、少年院や保護観察所等からの求めによる鑑別も行うほか、非行、いじめ、家庭内暴力などについて、保護者などの一般の方や学校等の関係機関からの相談にも応じるなど、地域社会における非行及び犯罪の防止にも力を入れています。

高橋 真矩子 筑紫少女苑統括専門官(平成20年入省・人間科学Ⅱ)

平成20年 4月  愛光女子学園平成22年 4月  国連アジア極東犯罪防止研修所国際研修専門官平成24年 4月  立川拘置所教育専門官平成25年12月  人事院人材局試験専門官平成28年 4月  現職

Prof i le.

 少年院法には、少年院での少年の処遇は、少年の自覚に訴えて改善更生の意欲を喚起して行う旨の条文があります。少年院は、少年が少年自身の主体的な意志で、非行や犯罪のない人生を選択する場であるということだと私は理解しています。 私は、この「自覚に訴え」という文言が、法務教官という仕事の難しさと醍醐味を表す言葉の一つだと感じています。法務教官は、いわば少年に伴走しながら、少年が改善更生していくためのそれぞれの課題に取り組めるよう働き掛けますが、少年の成長は直線的なものではなく、行きつ戻りつということがほとんどで、日々処遇の方針を再検討し、悩むことも多くあります。課題は非常に多い一方で自分にできることは限られていますが、しかし、人はいつでも変わり得ると信じることができる瞬間に出会える、とても意義深い仕事だとも感じています。 また、私は法務教官を志して法務省に入省しましたが、他省庁や他部局で勤務する機会もありました。異動の度に自分を励ましながら仕事を覚え、相応の苦労をすることもありましたが、それらの経験で得たものはとても大きく、様々な環境で働けるチャンスが用意されているのは、総合職の大きな魅力だと思います。 これからも、自分がその時々に与えられた場所と役割で、できるだけ多くの人が再チャレンジ可能な社会づくりに、少しでも貢献していきたいと思っています。

少年の自覚に訴える

少 年 院 少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された少年等を収容し、矯正教育その他の必要な処遇を行っています。 少年院では、個々の少年について、非行の原因となっている問題性や今後伸長すべき長所などを明確にし、心身の発達状況、資

質の特徴、将来の生活設計などを総合的に検討して個人別矯正教育計画を策定し、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導及び特別活動指導を実施しているほか、修学・就業の支援等の社会復帰支援にも力を入れています。

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13 14矯正局 矯正局

1日のタイムスケジュール

登庁朝礼、鑑別部門ミーティング~昨日の業務引継ぎや、その日の予定を報告します書類の決裁新人技官の鑑別結果の指導判定会議~担当少年の処遇意見や処遇方針を決定します昼食関係機関との連絡調整担当少年との面接鑑別結果通知書の作成など残務処理退庁

8:00 8:30

9:3010:0011:00

12:1513:0014:0016:0017:0019:00

施設等機関

1日のタイムスケジュール

登庁、前日分の少年の動静把握、メールチェック等幹部ミーティング、職員朝礼少年朝礼、書類の決裁等巡回、保護者との面談等昼食保護観察所、家庭裁判所や少年鑑別所担当者等との連絡巡回、少年との面接等書類の作成、決裁等退庁

7:30 8:20 9:2011:0012:1513:0015:0017:0019:00

施設等機関

池村 寛之 津少年鑑別所統括専門官(平成18年入省・人間科学Ⅰ)

平成18年4月 東京少年鑑別所平成19年4月 横浜少年鑑別所専門官平成20年4月 名古屋少年鑑別所専門官平成22年4月 名古屋保護観察所保護観察官平成24年4月 名古屋刑務所調査専門官平成26年4月 現職

Prof i le.

学生時代から学んできた心理学を生かせる仕事を探していたところ、人が非行・犯罪に及ぶ原因や立ち直りの手立てを解明する仕事の専門性の高さに興味を持つとともに、実際に勤務される先輩方の豊かな人柄や生き生きと働いている様子に引かれ、矯正で働くことを決めました。 少年鑑別所や刑務所で、面接や心理検査などを通じて、年齢も経歴も環境や性格も異なる様々な対象者と向き合ってきました。そうした中、生い立ちの複雑さや抱える問題の大きさに言葉を失うこともある一方、立ち直りに向けた彼らの強さ・成長する力を実感できることも多く、やりがいのある奥深い仕事だと感じています。 管理職になり、自ら鑑別や地域援助の担当ケースを持つだけでなく、若手職員の育成や関係機関との調整や連携にも力を注いでいます。責任は大きくなり、困難にぶつかることもありますが、苦労を分かち合える同僚や上司に支えられ、組織的に対応できることが矯正の強みだと思います。 少年鑑別所法の施行に伴い、私たちの仕事の幅は広がり、関係機関と協働する機会も増えるなど、少年鑑別所を取り巻く状況は大きく様変わりしています。社会や国の政策の動きを理解しながら、非行・犯罪防止の専門機関として少年鑑別所が地域社会に果たす役割を考え、職員一人一人の力を合わせて現場での実践を積み重ねていきたいと思っています。チャレンジ精神のあるあなたが、私たちの仲間に加わってくれることを楽しみにしています。

非行犯罪防止に携わる心理の専門家として

少 年 鑑 別 所 少年鑑別所は、主として家庭裁判所から観護措置の決定によって送致された少年を収容し、審判等のため、医学、心理学等の専門的な知識に基づき、鑑別を行います。鑑別は、面接、心理検査、行動観察などを通じて、その心身の状態等を調査し、非行の原因を解明するとともに、改善更生に向けた処遇指針を立てるものです。

 また、保護処分等の執行のため、少年院や保護観察所等からの求めによる鑑別も行うほか、非行、いじめ、家庭内暴力などについて、保護者などの一般の方や学校等の関係機関からの相談にも応じるなど、地域社会における非行及び犯罪の防止にも力を入れています。

高橋 真矩子 筑紫少女苑統括専門官(平成20年入省・人間科学Ⅱ)

平成20年 4月  愛光女子学園平成22年 4月  国連アジア極東犯罪防止研修所国際研修専門官平成24年 4月  立川拘置所教育専門官平成25年12月  人事院人材局試験専門官平成28年 4月  現職

Prof i le.

 少年院法には、少年院での少年の処遇は、少年の自覚に訴えて改善更生の意欲を喚起して行う旨の条文があります。少年院は、少年が少年自身の主体的な意志で、非行や犯罪のない人生を選択する場であるということだと私は理解しています。 私は、この「自覚に訴え」という文言が、法務教官という仕事の難しさと醍醐味を表す言葉の一つだと感じています。法務教官は、いわば少年に伴走しながら、少年が改善更生していくためのそれぞれの課題に取り組めるよう働き掛けますが、少年の成長は直線的なものではなく、行きつ戻りつということがほとんどで、日々処遇の方針を再検討し、悩むことも多くあります。課題は非常に多い一方で自分にできることは限られていますが、しかし、人はいつでも変わり得ると信じることができる瞬間に出会える、とても意義深い仕事だとも感じています。 また、私は法務教官を志して法務省に入省しましたが、他省庁や他部局で勤務する機会もありました。異動の度に自分を励ましながら仕事を覚え、相応の苦労をすることもありましたが、それらの経験で得たものはとても大きく、様々な環境で働けるチャンスが用意されているのは、総合職の大きな魅力だと思います。 これからも、自分がその時々に与えられた場所と役割で、できるだけ多くの人が再チャレンジ可能な社会づくりに、少しでも貢献していきたいと思っています。

少年の自覚に訴える

少 年 院 少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された少年等を収容し、矯正教育その他の必要な処遇を行っています。 少年院では、個々の少年について、非行の原因となっている問題性や今後伸長すべき長所などを明確にし、心身の発達状況、資

質の特徴、将来の生活設計などを総合的に検討して個人別矯正教育計画を策定し、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導及び特別活動指導を実施しているほか、修学・就業の支援等の社会復帰支援にも力を入れています。

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15 16保護局 保護局

 学生時代、人と関わる仕事、“普通の暮らし”を支える仕事を探す過程で、「保護観察官」を知りました。難しそう、とっつきにくそうとも思いつつ、保護司さんの手記などを読み、温かさがあり、希望に向かう分野と感じ、自分も何かできないか…と「更生保護」の世界を志望しました。 採用から十数年間は、更生保護の最前線である保護観察所で、主に地区主任官として勤務しました。多くの保護観察対象者を担当しましたが、“普通の暮らし”を築くための指導や関わりはなかなか難しく、自分の甘さや力不足を痛感する日々でした。しかし、少しずつ心を開き、自己を省み、再出発に取り組む保護観察対象者の姿や、それを穏やかなまなざしと軽やかなフットワークで支える保護司を始めとする民間の方々の熱意、使命感

に触れ、「やり直し」ができる社会を実感しました。現在の薬物事犯者処遇につながる、尿検査を活用した処遇策を試行錯誤する機会にも恵まれ、現場のニーズと創意が国の施策を作ることを体感しました。 法務総合研究所では、検察・矯正の職員とともに、職員研修の実施、「犯罪白書」の作成、刑事政策の調査研究等に携わりました。理念・理論と実践を結ぶ研修、現状を検証し次の一手を提示する研究など、“明日の刑事政策”を意識した発信の日々でした。同時に、個人的には子育てと仕事の両立に悩んでいたこともあり、全国の様々な年代の意欲あふれる職員から、公私両面で多くの刺激を受けた時期でもあります。 現在は、法務省保護局において、再犯防止や更生保護に関す

る広報、政策立案や予算要求、関係各所との連絡調整等に携わっています。特に、再犯防止の鍵である「住居確保」の充実に向け、更生保護施設の体制強化等による行き所のない刑務所出所者等の生活基盤の拡充に力を注いでいます。更生保護への理解が深まることは、非行や犯罪をした一人一人の更生が進むことにとどまらず、社会から犯罪被害を減少させ、私たちの社会をより良くすることと、やりがいを感じる日々です。 再犯を防止し、「やり直し」ができる社会作りを進める上で、増加する高齢犯罪者や女性犯罪者、再入所者率が高い薬物事犯者や窃盗事犯者への対応を含め、考えるべきこと、取り組むべきことは多々あります。「再犯防止推進法」が成立し、社会の期待もさらに高まっています。

 「更生保護」制度は、犯罪や非行をした人を地域社会の中で適切に処遇

することにより、その再犯を防止し、立ち直りの支援を行うものです。警

察、検察、裁判、矯正といった一連の刑事司法制度の最終段階を担ってお

り、保護司を始めとする民間協力者や関係機関等と連携しながら実施さ

れています。

 犯罪をなくし、安全・安心な社会を実現することは、すべての人の願い

です。中でも刑務所出所者等の再犯防止は、現在、政府全体の重要な課

題となっており、刑務所出所者の住居や就労の確保、高齢・障害、薬物依

存といった犯罪者の特性に応じた指導・支援の充実が求められる中、地

域においてこれらの施策の実施を担う更生保護行政の果たすべき役割

は大変重要なものとなっています。

 犯罪や非行は、地域社会の中で発生するものであり、罪を犯した人も、

いずれは地域社会に帰ってきます。地域社会が、彼らから目を背けたり、

彼らを排除してしまっては、居場所がないまま罪を重ねることになりか

ねません。更生しようとする彼らを地域社会の一員として受け入れ、共

に生きていくことのできる社会こそ、彼らの立ち直りを可能とする、真に

安全・安心な社会と言えます。柔軟な発想と熱い思いを持った皆さんと

ともに、このような社会を実現したいと願っています。

“人と生き、地域と生きる”~「おかえり。」の心を広げる更生保護~

「やり直し」ができる社会づくり

瀧澤 千都子保護局更生保護振興課保護調査官(昭和63年入省・社会)

Prof i le.

昭和63年4月 名古屋保護観察所調査連絡課(現:企画調整課)平成19年4月 法務総合研究所研修部教官平成22年4月 法務総合研究所研究部室長研究官平成26年4月 横浜保護観察所首席保護観察官平成27年4月 法務省保護局総務課更生保護企画官平成28年4月 現職

保 護 局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

保護局

総務課

更生保護振興課

観察課

第66回“社会を明るくする運動”中央行事「立ち直りフェスティバル」

 将来に思いを巡らせている皆さん、更生保護には、難しい課題に明るく取り組むポジティブ職員とアグレッシブな民間協力者の方々が集まっています。一緒に試行錯誤しながら、「やり直し」のできる社会を作りましょう。

専門的処遇プログラムの集団処遇の風景

Page 17: MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017 ministry of justice ministry of justice 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1

15 16保護局 保護局

 学生時代、人と関わる仕事、“普通の暮らし”を支える仕事を探す過程で、「保護観察官」を知りました。難しそう、とっつきにくそうとも思いつつ、保護司さんの手記などを読み、温かさがあり、希望に向かう分野と感じ、自分も何かできないか…と「更生保護」の世界を志望しました。 採用から十数年間は、更生保護の最前線である保護観察所で、主に地区主任官として勤務しました。多くの保護観察対象者を担当しましたが、“普通の暮らし”を築くための指導や関わりはなかなか難しく、自分の甘さや力不足を痛感する日々でした。しかし、少しずつ心を開き、自己を省み、再出発に取り組む保護観察対象者の姿や、それを穏やかなまなざしと軽やかなフットワークで支える保護司を始めとする民間の方々の熱意、使命感

に触れ、「やり直し」ができる社会を実感しました。現在の薬物事犯者処遇につながる、尿検査を活用した処遇策を試行錯誤する機会にも恵まれ、現場のニーズと創意が国の施策を作ることを体感しました。 法務総合研究所では、検察・矯正の職員とともに、職員研修の実施、「犯罪白書」の作成、刑事政策の調査研究等に携わりました。理念・理論と実践を結ぶ研修、現状を検証し次の一手を提示する研究など、“明日の刑事政策”を意識した発信の日々でした。同時に、個人的には子育てと仕事の両立に悩んでいたこともあり、全国の様々な年代の意欲あふれる職員から、公私両面で多くの刺激を受けた時期でもあります。 現在は、法務省保護局において、再犯防止や更生保護に関す

る広報、政策立案や予算要求、関係各所との連絡調整等に携わっています。特に、再犯防止の鍵である「住居確保」の充実に向け、更生保護施設の体制強化等による行き所のない刑務所出所者等の生活基盤の拡充に力を注いでいます。更生保護への理解が深まることは、非行や犯罪をした一人一人の更生が進むことにとどまらず、社会から犯罪被害を減少させ、私たちの社会をより良くすることと、やりがいを感じる日々です。 再犯を防止し、「やり直し」ができる社会作りを進める上で、増加する高齢犯罪者や女性犯罪者、再入所者率が高い薬物事犯者や窃盗事犯者への対応を含め、考えるべきこと、取り組むべきことは多々あります。「再犯防止推進法」が成立し、社会の期待もさらに高まっています。

 「更生保護」制度は、犯罪や非行をした人を地域社会の中で適切に処遇

することにより、その再犯を防止し、立ち直りの支援を行うものです。警

察、検察、裁判、矯正といった一連の刑事司法制度の最終段階を担ってお

り、保護司を始めとする民間協力者や関係機関等と連携しながら実施さ

れています。

 犯罪をなくし、安全・安心な社会を実現することは、すべての人の願い

です。中でも刑務所出所者等の再犯防止は、現在、政府全体の重要な課

題となっており、刑務所出所者の住居や就労の確保、高齢・障害、薬物依

存といった犯罪者の特性に応じた指導・支援の充実が求められる中、地

域においてこれらの施策の実施を担う更生保護行政の果たすべき役割

は大変重要なものとなっています。

 犯罪や非行は、地域社会の中で発生するものであり、罪を犯した人も、

いずれは地域社会に帰ってきます。地域社会が、彼らから目を背けたり、

彼らを排除してしまっては、居場所がないまま罪を重ねることになりか

ねません。更生しようとする彼らを地域社会の一員として受け入れ、共

に生きていくことのできる社会こそ、彼らの立ち直りを可能とする、真に

安全・安心な社会と言えます。柔軟な発想と熱い思いを持った皆さんと

ともに、このような社会を実現したいと願っています。

“人と生き、地域と生きる”~「おかえり。」の心を広げる更生保護~

「やり直し」ができる社会づくり

瀧澤 千都子保護局更生保護振興課保護調査官(昭和63年入省・社会)

Prof i le.

昭和63年4月 名古屋保護観察所調査連絡課(現:企画調整課)平成19年4月 法務総合研究所研修部教官平成22年4月 法務総合研究所研究部室長研究官平成26年4月 横浜保護観察所首席保護観察官平成27年4月 法務省保護局総務課更生保護企画官平成28年4月 現職

保 護 局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

保護局

総務課

更生保護振興課

観察課

第66回“社会を明るくする運動”中央行事「立ち直りフェスティバル」

 将来に思いを巡らせている皆さん、更生保護には、難しい課題に明るく取り組むポジティブ職員とアグレッシブな民間協力者の方々が集まっています。一緒に試行錯誤しながら、「やり直し」のできる社会を作りましょう。

専門的処遇プログラムの集団処遇の風景

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17 18保護局 保護局

1日のタイムスケジュール

出勤、一日のスケジュール確認刑の一部の執行猶予制度の運用状況について関係部局と協議昼食・休憩所在不明者対策について上司、係員と検討保護観察所からの質疑や各種照会の決裁会同で使用する資料の作成残務処理後、退庁

9:1510:0012:0013:0015:0016:3019:00

保 護 局

1日のタイムスケジュール

登庁、メールチェック・メール処理次年度の予算要求の内容について、関係課と協議ランチ午前中の協議を踏まえて資料作成担当課室から回付された申請書等の確認・決裁本年度の予算の執行状況について確認、資料作成作成した資料を基に、関係課と協議、資料の手直し現場からの照会案件に対応退庁

9:0010:0012:0013:0015:0016:0017:0018:3019:30

1日のタイムスケジュール

登庁、保護観察所担当官からの恩赦に関する相談メールに返信中央更生保護審査会の恩赦議決に基づき法務大臣までの決裁文書を起案検察庁・保護観察所からの恩赦上申書を受理、内容を精査内閣官房担当者と閣議請議に関する電話協議保護観察所に恩赦に関する調査を依頼地方協議会に関する資料の起案可能な限り定時退庁

9:3011:3013:0014:0016:0017:0018:15

髙橋 あすか 保護局観察課係長(平成18年入省・法律)

平成18年 4月 法務省保護局観察課平成19年 4月 長野保護観察所保護観察官平成20年 4月 法務省大臣官房人事課平成22年 4月 文部科学省初等中等教育局児童生徒課        生徒指導室係長

平成24年 4月 法務省矯正局成人矯正課係長平成27年10月 法務大臣政務官秘書官平成28年 8月 現職

Prof i le.

地域の方 と々ともに立ち直り支援

インプットからアウトプットへ 人と関わっていく仕事がしたいという思いに加え、更生保護の職場の雰囲気の温かさを感じ、この職場を志望しました。採用後は保護局等での行政の仕事に14年、保護観察所での保護観察官の仕事に10年携わりました。また、大学に通ったり、関係機関の人々と交流するなどして、多くのことを学ばせてもらいました。自分の強みも弱みも分かってきて、その自覚を踏まえつつ、インプットから、アウトプットすることへと立場が変わりつつあると感じています。 現在、法規、国際、情報管理関係を担当しており、法改正の検討や、平成29年度に東京にて開催予定の第3回世界保護観察会議の準備及び情報システムの構築や管理が大きなトピックです。熱心かつ緻密なスタッフに囲まれて、一歩ずつ前進しています。 思えば、これまで、多くの職員はもちろん、保護司等の民間篤志家の方々に支えられてきました。さらに、保護観察対象者から貰った言葉も大切な財産になりました。多くの人と関わることは、自分の知識や経験の幅を広げ、深めてくれますし、意欲の源にもなります。今後は、いただいた気持ちを返していけるように努めていきたいと思っています。

 「非行をした少年も犯罪をした人もいずれ地域社会に戻ってくる。」これは、大学時代に参加していたBBS会の活動中に聞いた言葉です。非行や犯罪をした人が罪を償い反省し、更生を決意しても、地域社会が彼らを受け入れてくれなければ、立ち直りは難しくなります。地域の方々とともに彼らの改善更生を支援する更生保護に携わっていきたいとの思いから、私はこの仕事を志しました。 入省直後の2年間は保護局と保護観察所勤務でしたが、その後は、大臣官房、文部科学省、矯正局勤務と、長い間、更生保護と離れていました。異分野の仕事も、国民のために働くという基本的な部分は変わらず、やりがいがありましたし、何より更生保護を外から見られる貴重な経験となり、政府が取り組んでいる再犯防止対策において更生保護に対する期待が非常に大きいこと、安全・安心な社会作りのために更生保護は不可欠であることを実感できました。 現在は、保護観察に関する施策の企画・立案に携わっています。保護観察官としての経験や協力してくださる保護司など地域の方々の熱い思い、現場の第一線で汗を流している保護観察官の声を踏まえながら、より効果的で充実した保護観察となるよう、上司や係員とともに日々検討をしています。 皆さんも、地域の方々とともに立ち直りを支援する更生保護の世界で一緒に働きませんか。

勝田 聡 保護局総務課企画調整官(平成4年入省・法律)平成 4年4月 法務省保護局観察課平成10年4月 法務省保護局観察課係長平成13年4月 法務省保護局総務課係長平成15年4月 千葉保護観察所保護観察官平成23年4月 法務省保護局総務課補佐官平成26年4月 法務総合研究所研修第二部教官平成28年4月 現職

Prof i le.

立ち直りを支える社会をめざして 更生保護の世界を知ったきっかけは、大学時代に先輩に紹介されてBBS会(非行のある少年の立ち直りを支えるボランティア団体)に加入したことでした。現場で働く保護観察官や民間組織の方々を見て、“私も、過ちをしてもやり直せる社会づくりに貢献したい”と思い、この仕事を選びました。 現在は、更生保護の予算全般を担当する係で予算要求や予算執行に関する業務を行っています。更生保護の取組の実情や効果を分析し、再犯防止の推進に必要な経費を獲得できるよう資料を作成したり、限られた予算をより効果的に活用する方法を検討したりといったデスクワークが中心です。 このような業務を通じて、現場の保護観察官として勤務していた時とは違った視点で更生保護の取組を見つめ直すことができ、改めて、犯罪をした人等によりそい、ときに厳しく注意をし、ときに住居や就労、福祉的な支援等を得られるよう援助する保護観察官の仕事に使命感を覚えます。また、このような保護観察官の取組を強力にバックアップしてくださる、保護司をはじめとした民間の方々の働きの尊さを強く感じています。 これからも、更生保護を支えてくださる方々の期待に応えるべく、再犯防止の最前線を担う使命感を胸に、業務に励んでいきたいと考えています。

犯罪のない社会をめざして、人に、社会に真剣に向き合う 大学時代に非行少年と関わる活動をする中で、人が立ち直る過程にもっと関わりたいとの思いを強くし、更生保護の仕事にたどり着きました。 保護観察の現場では、育った家庭環境も接してきた人や文化も異なる様々な人と出会います。困難も多々ありますが、人と真剣に向き合う仕事にやりがいは尽きません。また、保護司など地域で活動する篤志家の方々と協働できるのも大きな喜びです。 本府省業務としては、内閣府で性犯罪被害を受けた方の支援体制を全国に広げていくという課題に、保護局では暴力犯罪の防止のためのプログラムを見直す業務などに関わり、その中で、被害当事者、実務家、専門家など様々な視点を取り入れながら一つの方向性に向けて形を作っていくプロセスを経験することができました。そして現在の恩赦事務の仕事では、社会感情など幅広い要素が慎重に検討される恩赦審査に日々接しています。これら職務の一つ一つが、バランス感覚を持って課題を捉えようとする姿勢を身に付ける貴重な機会となってきました。  更生保護は、地域や国民の間に理解が広がることで、更に支援のネットワークが広がっていくものだと考えます。そのため、社会から更生保護に向けられている眼差しや期待にしっかりと意識を向けて仕事をすることが大切であると思っています。これからも、人の立ち直りや社会の安全に少しでも貢献できるよう邁進したいです。

吉本 光歩保護局総務課主任(平成22年入省・人間科学Ⅰ)平成22年 4月 高知保護観察所平成22年10月 高知保護観察所保護観察官平成24年 4月 高松保護観察所保護観察官平成26年 4月 法務省保護局更生保護振興課平成28年 4月 現職

Prof i le.

保護局の人間科学区分職員の特徴 犯罪や非行をした人が、二度と同じ過ちを繰り返さず、地域社会の中で立ち直れるよう、地域の力をいかしながら、指導や援助を行う「社会内処遇」の専門家が、保護観察官です。保護局で採用された人間科学区分職員は、人間諸科学に関する専門的知識を

いかし、地方更生保護委員会及び保護観察所の保護観察官としての業務を担うだけでなく、本省における企画立案業務に携わるなど、様々なフィールドでの活躍を期待されています。

人間科学区分職員

大塚 武陽保護局総務課係長(平成19年入省・人間科学Ⅰ)平成19年 4月 名古屋保護観察所平成19年10月 名古屋保護観察所保護観察官平成23年 4月 内閣府犯罪被害者等施策推進室員

平成25年 4月 保護局観察課主任平成27年 4月 現職

Prof i le.1日のタイムスケジュール

登庁幹部会議室内打ち合わせ昼食(自分で作った弁当です)法制度に関する他部局との協議世界会議の内容についての打ち合わせ案件の決裁退庁(定時退庁を心がけています)

9:3010:0011:0012:0013:0015:0017:0018:15

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17 18保護局 保護局

1日のタイムスケジュール

出勤、一日のスケジュール確認刑の一部の執行猶予制度の運用状況について関係部局と協議昼食・休憩所在不明者対策について上司、係員と検討保護観察所からの質疑や各種照会の決裁会同で使用する資料の作成残務処理後、退庁

9:1510:0012:0013:0015:0016:3019:00

保 護 局

1日のタイムスケジュール

登庁、メールチェック・メール処理次年度の予算要求の内容について、関係課と協議ランチ午前中の協議を踏まえて資料作成担当課室から回付された申請書等の確認・決裁本年度の予算の執行状況について確認、資料作成作成した資料を基に、関係課と協議、資料の手直し現場からの照会案件に対応退庁

9:0010:0012:0013:0015:0016:0017:0018:3019:30

1日のタイムスケジュール

登庁、保護観察所担当官からの恩赦に関する相談メールに返信中央更生保護審査会の恩赦議決に基づき法務大臣までの決裁文書を起案検察庁・保護観察所からの恩赦上申書を受理、内容を精査内閣官房担当者と閣議請議に関する電話協議保護観察所に恩赦に関する調査を依頼地方協議会に関する資料の起案可能な限り定時退庁

9:3011:3013:0014:0016:0017:0018:15

髙橋 あすか 保護局観察課係長(平成18年入省・法律)

平成18年 4月 法務省保護局観察課平成19年 4月 長野保護観察所保護観察官平成20年 4月 法務省大臣官房人事課平成22年 4月 文部科学省初等中等教育局児童生徒課        生徒指導室係長

平成24年 4月 法務省矯正局成人矯正課係長平成27年10月 法務大臣政務官秘書官平成28年 8月 現職

Prof i le.

地域の方 と々ともに立ち直り支援

インプットからアウトプットへ 人と関わっていく仕事がしたいという思いに加え、更生保護の職場の雰囲気の温かさを感じ、この職場を志望しました。採用後は保護局等での行政の仕事に14年、保護観察所での保護観察官の仕事に10年携わりました。また、大学に通ったり、関係機関の人々と交流するなどして、多くのことを学ばせてもらいました。自分の強みも弱みも分かってきて、その自覚を踏まえつつ、インプットから、アウトプットすることへと立場が変わりつつあると感じています。 現在、法規、国際、情報管理関係を担当しており、法改正の検討や、平成29年度に東京にて開催予定の第3回世界保護観察会議の準備及び情報システムの構築や管理が大きなトピックです。熱心かつ緻密なスタッフに囲まれて、一歩ずつ前進しています。 思えば、これまで、多くの職員はもちろん、保護司等の民間篤志家の方々に支えられてきました。さらに、保護観察対象者から貰った言葉も大切な財産になりました。多くの人と関わることは、自分の知識や経験の幅を広げ、深めてくれますし、意欲の源にもなります。今後は、いただいた気持ちを返していけるように努めていきたいと思っています。

 「非行をした少年も犯罪をした人もいずれ地域社会に戻ってくる。」これは、大学時代に参加していたBBS会の活動中に聞いた言葉です。非行や犯罪をした人が罪を償い反省し、更生を決意しても、地域社会が彼らを受け入れてくれなければ、立ち直りは難しくなります。地域の方々とともに彼らの改善更生を支援する更生保護に携わっていきたいとの思いから、私はこの仕事を志しました。 入省直後の2年間は保護局と保護観察所勤務でしたが、その後は、大臣官房、文部科学省、矯正局勤務と、長い間、更生保護と離れていました。異分野の仕事も、国民のために働くという基本的な部分は変わらず、やりがいがありましたし、何より更生保護を外から見られる貴重な経験となり、政府が取り組んでいる再犯防止対策において更生保護に対する期待が非常に大きいこと、安全・安心な社会作りのために更生保護は不可欠であることを実感できました。 現在は、保護観察に関する施策の企画・立案に携わっています。保護観察官としての経験や協力してくださる保護司など地域の方々の熱い思い、現場の第一線で汗を流している保護観察官の声を踏まえながら、より効果的で充実した保護観察となるよう、上司や係員とともに日々検討をしています。 皆さんも、地域の方々とともに立ち直りを支援する更生保護の世界で一緒に働きませんか。

勝田 聡 保護局総務課企画調整官(平成4年入省・法律)平成 4年4月 法務省保護局観察課平成10年4月 法務省保護局観察課係長平成13年4月 法務省保護局総務課係長平成15年4月 千葉保護観察所保護観察官平成23年4月 法務省保護局総務課補佐官平成26年4月 法務総合研究所研修第二部教官平成28年4月 現職

Prof i le.

立ち直りを支える社会をめざして 更生保護の世界を知ったきっかけは、大学時代に先輩に紹介されてBBS会(非行のある少年の立ち直りを支えるボランティア団体)に加入したことでした。現場で働く保護観察官や民間組織の方々を見て、“私も、過ちをしてもやり直せる社会づくりに貢献したい”と思い、この仕事を選びました。 現在は、更生保護の予算全般を担当する係で予算要求や予算執行に関する業務を行っています。更生保護の取組の実情や効果を分析し、再犯防止の推進に必要な経費を獲得できるよう資料を作成したり、限られた予算をより効果的に活用する方法を検討したりといったデスクワークが中心です。 このような業務を通じて、現場の保護観察官として勤務していた時とは違った視点で更生保護の取組を見つめ直すことができ、改めて、犯罪をした人等によりそい、ときに厳しく注意をし、ときに住居や就労、福祉的な支援等を得られるよう援助する保護観察官の仕事に使命感を覚えます。また、このような保護観察官の取組を強力にバックアップしてくださる、保護司をはじめとした民間の方々の働きの尊さを強く感じています。 これからも、更生保護を支えてくださる方々の期待に応えるべく、再犯防止の最前線を担う使命感を胸に、業務に励んでいきたいと考えています。

犯罪のない社会をめざして、人に、社会に真剣に向き合う 大学時代に非行少年と関わる活動をする中で、人が立ち直る過程にもっと関わりたいとの思いを強くし、更生保護の仕事にたどり着きました。 保護観察の現場では、育った家庭環境も接してきた人や文化も異なる様々な人と出会います。困難も多々ありますが、人と真剣に向き合う仕事にやりがいは尽きません。また、保護司など地域で活動する篤志家の方々と協働できるのも大きな喜びです。 本府省業務としては、内閣府で性犯罪被害を受けた方の支援体制を全国に広げていくという課題に、保護局では暴力犯罪の防止のためのプログラムを見直す業務などに関わり、その中で、被害当事者、実務家、専門家など様々な視点を取り入れながら一つの方向性に向けて形を作っていくプロセスを経験することができました。そして現在の恩赦事務の仕事では、社会感情など幅広い要素が慎重に検討される恩赦審査に日々接しています。これら職務の一つ一つが、バランス感覚を持って課題を捉えようとする姿勢を身に付ける貴重な機会となってきました。  更生保護は、地域や国民の間に理解が広がることで、更に支援のネットワークが広がっていくものだと考えます。そのため、社会から更生保護に向けられている眼差しや期待にしっかりと意識を向けて仕事をすることが大切であると思っています。これからも、人の立ち直りや社会の安全に少しでも貢献できるよう邁進したいです。

吉本 光歩保護局総務課主任(平成22年入省・人間科学Ⅰ)平成22年 4月 高知保護観察所平成22年10月 高知保護観察所保護観察官平成24年 4月 高松保護観察所保護観察官平成26年 4月 法務省保護局更生保護振興課平成28年 4月 現職

Prof i le.

保護局の人間科学区分職員の特徴 犯罪や非行をした人が、二度と同じ過ちを繰り返さず、地域社会の中で立ち直れるよう、地域の力をいかしながら、指導や援助を行う「社会内処遇」の専門家が、保護観察官です。保護局で採用された人間科学区分職員は、人間諸科学に関する専門的知識を

いかし、地方更生保護委員会及び保護観察所の保護観察官としての業務を担うだけでなく、本省における企画立案業務に携わるなど、様々なフィールドでの活躍を期待されています。

人間科学区分職員

大塚 武陽保護局総務課係長(平成19年入省・人間科学Ⅰ)平成19年 4月 名古屋保護観察所平成19年10月 名古屋保護観察所保護観察官平成23年 4月 内閣府犯罪被害者等施策推進室員

平成25年 4月 保護局観察課主任平成27年 4月 現職

Prof i le.1日のタイムスケジュール

登庁幹部会議室内打ち合わせ昼食(自分で作った弁当です)法制度に関する他部局との協議世界会議の内容についての打ち合わせ案件の決裁退庁(定時退庁を心がけています)

9:3010:0011:0012:0013:0015:0017:0018:15

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19 20保護局 保護局

1日のタイムスケジュール

出勤、メールチェック仮釈放審理中のケースについて委員と協議刑事施設から仮釈放申出があったケースに関する事務処理昼食・休憩仮釈放審理中のケースについて刑事施設職員と電話で協議生活環境調整中のケースについて保護観察所の保護観察官と電話で協議刑事施設で面接を行ったケースに関する書類作成犯罪被害を受けた方からの電話応対仮釈放決定のあったケースに関する事務処理退庁

9:00 9:3010:0012:0013:0013:3014:0016:3017:0019:00

1日のタイムスケジュール

登庁、メールチェック管理職打合せ部下職員作成の事件関係書類の決裁精神保健福祉センター主催の会議出席昼食更生保護施設役職員との施設建替に関する打合せ部下職員とともに保護観察対象者宅を往訪書類作成など退庁

8:30 9:00 9:3010:0012:1513:0014:3016:3017:45

地方支分部局地方支分部局

酒谷 徳二 中国地方更生保護委員会事務局保護観察官(平成18年入省・人間科学Ⅱ)

平成18年10月 北海道地方更生保護委員会事務局保護観察官平成19年 4月 札幌保護観察所保護観察官平成21年 4月 法務省保護局観察課平成23年 4月 川越少年刑務所教育部性犯罪再犯防止指導        専従班教育専門官平成25年 4月 水戸保護観察所ひたちなか駐在官事務所 (茨城就業支援センター)保護観察官平成26年 4月 人事院事務総局人材局試験専門官室試験専門官平成28年 4月 現職

Prof i le.

 刑務所での処遇に引き続き一定の期間の社会内処遇を確保して刑務所出所者の再犯防止等を図る「刑の一部の執行猶予制度」が平成28年6月から始まりました。薬物事犯者に対する面接調査を手厚くしたり、保護観察所が行う生活環境の調整に地方更生保護委員会が積極的に関与することが可能となるなど、新たな役割等が地方更生保護委員会に求められています。そのような変化に対応すべく上司・同僚と助け合って業務に取り組んでいます。 私はこれまで刑務所内、刑務所出所者等が居住する施設、地域など様々な場所・立場での処遇を経験するとともに、保護局で処遇の企画立案に携わったり他省庁に出向することもありました。これらの経験全てが仮釈放の審理に関する調査における見立てなどの現在の業務に生かされていると実感しています。更生保護の仕事は人の人生に深く関わる仕事であり、自分の全てが仕事に反映されると感じています。自分の経験が懸命に生きる人の役に立つ可能性を考えつつ、チームとして仕事に取り組み助け合うこと、自分と向き合い自己理解に努めること、とらわれず柔軟に変化していくことなどを大切にして業務に取り組んできました。 これまでそしてこれからの経験をより良い加害者処遇、被害者支援等に結び付けていき、犯罪の加害者・被害者となる人を減らすとともに、安全で居場所と出番があり、一人一人がその人にとって良い生活を送っていけるような社会の実現に貢献していきたいと考えています。

安全で居場所と出番のある社会を目指して

地方更生保護委員会 地方更生保護委員会は、全国8か所に置かれ、刑務所等に収容中の者の仮釈放の許可や管内の保護観察所に対する事務の監督等の権限を有する機関です。地方更生保護委員会には事務局が置かれ、刑務所等に収容中の者と面接するなどの「仮釈放審理の

ための調査」等を主要な業務として行っています。仮釈放制度は、犯罪や非行をした人の改善更生・社会復帰のための重要な制度であり、慎重な判断が求められることから、地方更生保護委員会の役割は非常に重要です。

熊坂 洋三 福島保護観察所統括保護観察官(平成15年入省・法律)

平成15年4月 法務省保護局観察課平成16年4月 静岡保護観察所保護観察官平成17年4月 法務省大臣官房人事課平成19年4月 厚生労働省職業安定局雇用開発課就労支援室       特定求職者雇用対策専門官平成21年4月 法務省保護局観察課係長平成23年4月 水戸保護観察所ひたちなか駐在官事務所       (茨城就業支援センター)保護観察官平成27年4月 現職

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 法務省保護局における再犯防止施策と保護観察処遇の最前線が保護観察所です。 日々、保護観察対象者や保護司の方々と接し、一緒に悩み、喜びながら保護観察処遇に当たっているところですが、現在私が携わっている薬物事犯者に対する支援の充実について紹介させていただきます。刑の一部の執行猶予制度の導入によりその推進が求められていますが、処遇プログラム等の着実な実施とともに、いかに関係機関・団体に保護観察対象者をつなげるかが重要です。一方、地域によっては、薬物依存者に対する偏見が根強く残っていたり、支援体制が不十分であるなど実情は様々であり、地元の精神保健福祉センター、医療機関、ダルク等との会議や協議を通じて、支援体制の充実や連携の推進について働きかけています。 このほか、地域住民の理解促進等の課題が山積みの更生保護施設の移転事業にも携わっていますが、これらの課題やニーズは現場だからこそ実感できるものです。様々な部署での勤務の経験も含め、それらを次の自分の仕事に生かせること、そして、微力ながら自分が再犯防止施策の一部を担っていることにやりがいを感じています。 私が大切にしていることは、それぞれの職場や土地を楽しむことです。例えば、福島では地元のマラソン大会に職場の方と参加したり、温泉巡りをしていますが、不思議なことに、それらを通じて新たな仲間や視点、地域とのつながりが得られています。皆さんを新しい仲間としてお迎えできる日を楽しみにしています。

再犯防止施策の最前線で

保 護 観 察 所 保護観察所は、全国50か所に置かれ、地域社会において、犯罪や非行をした人の再犯・再非行を防止し、社会復帰に向けた支援を行う第一線の処遇機関です。保護観察所では、保護司を始めとする民間協力者等と連携・協力し、指導や援助、専門的処遇プログラム等を行う「保護観察」、矯正施設収容中の者について釈放後

の住居や就労先等の調整を行う「生活環境の調整」等を主要な業務として行っています。近年、安心・安全な社会づくりが強く求められる中、刑務所出所者等の社会内処遇を担う保護観察所の役割はますます大きくなっています。

ダルクの施設長の皆さん、県精神保健福祉センターの方と

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19 20保護局 保護局

1日のタイムスケジュール

出勤、メールチェック仮釈放審理中のケースについて委員と協議刑事施設から仮釈放申出があったケースに関する事務処理昼食・休憩仮釈放審理中のケースについて刑事施設職員と電話で協議生活環境調整中のケースについて保護観察所の保護観察官と電話で協議刑事施設で面接を行ったケースに関する書類作成犯罪被害を受けた方からの電話応対仮釈放決定のあったケースに関する事務処理退庁

9:00 9:3010:0012:0013:0013:3014:0016:3017:0019:00

1日のタイムスケジュール

登庁、メールチェック管理職打合せ部下職員作成の事件関係書類の決裁精神保健福祉センター主催の会議出席昼食更生保護施設役職員との施設建替に関する打合せ部下職員とともに保護観察対象者宅を往訪書類作成など退庁

8:30 9:00 9:3010:0012:1513:0014:3016:3017:45

地方支分部局地方支分部局

酒谷 徳二 中国地方更生保護委員会事務局保護観察官(平成18年入省・人間科学Ⅱ)

平成18年10月 北海道地方更生保護委員会事務局保護観察官平成19年 4月 札幌保護観察所保護観察官平成21年 4月 法務省保護局観察課平成23年 4月 川越少年刑務所教育部性犯罪再犯防止指導        専従班教育専門官平成25年 4月 水戸保護観察所ひたちなか駐在官事務所 (茨城就業支援センター)保護観察官平成26年 4月 人事院事務総局人材局試験専門官室試験専門官平成28年 4月 現職

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 刑務所での処遇に引き続き一定の期間の社会内処遇を確保して刑務所出所者の再犯防止等を図る「刑の一部の執行猶予制度」が平成28年6月から始まりました。薬物事犯者に対する面接調査を手厚くしたり、保護観察所が行う生活環境の調整に地方更生保護委員会が積極的に関与することが可能となるなど、新たな役割等が地方更生保護委員会に求められています。そのような変化に対応すべく上司・同僚と助け合って業務に取り組んでいます。 私はこれまで刑務所内、刑務所出所者等が居住する施設、地域など様々な場所・立場での処遇を経験するとともに、保護局で処遇の企画立案に携わったり他省庁に出向することもありました。これらの経験全てが仮釈放の審理に関する調査における見立てなどの現在の業務に生かされていると実感しています。更生保護の仕事は人の人生に深く関わる仕事であり、自分の全てが仕事に反映されると感じています。自分の経験が懸命に生きる人の役に立つ可能性を考えつつ、チームとして仕事に取り組み助け合うこと、自分と向き合い自己理解に努めること、とらわれず柔軟に変化していくことなどを大切にして業務に取り組んできました。 これまでそしてこれからの経験をより良い加害者処遇、被害者支援等に結び付けていき、犯罪の加害者・被害者となる人を減らすとともに、安全で居場所と出番があり、一人一人がその人にとって良い生活を送っていけるような社会の実現に貢献していきたいと考えています。

安全で居場所と出番のある社会を目指して

地方更生保護委員会 地方更生保護委員会は、全国8か所に置かれ、刑務所等に収容中の者の仮釈放の許可や管内の保護観察所に対する事務の監督等の権限を有する機関です。地方更生保護委員会には事務局が置かれ、刑務所等に収容中の者と面接するなどの「仮釈放審理の

ための調査」等を主要な業務として行っています。仮釈放制度は、犯罪や非行をした人の改善更生・社会復帰のための重要な制度であり、慎重な判断が求められることから、地方更生保護委員会の役割は非常に重要です。

熊坂 洋三 福島保護観察所統括保護観察官(平成15年入省・法律)

平成15年4月 法務省保護局観察課平成16年4月 静岡保護観察所保護観察官平成17年4月 法務省大臣官房人事課平成19年4月 厚生労働省職業安定局雇用開発課就労支援室       特定求職者雇用対策専門官平成21年4月 法務省保護局観察課係長平成23年4月 水戸保護観察所ひたちなか駐在官事務所       (茨城就業支援センター)保護観察官平成27年4月 現職

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 法務省保護局における再犯防止施策と保護観察処遇の最前線が保護観察所です。 日々、保護観察対象者や保護司の方々と接し、一緒に悩み、喜びながら保護観察処遇に当たっているところですが、現在私が携わっている薬物事犯者に対する支援の充実について紹介させていただきます。刑の一部の執行猶予制度の導入によりその推進が求められていますが、処遇プログラム等の着実な実施とともに、いかに関係機関・団体に保護観察対象者をつなげるかが重要です。一方、地域によっては、薬物依存者に対する偏見が根強く残っていたり、支援体制が不十分であるなど実情は様々であり、地元の精神保健福祉センター、医療機関、ダルク等との会議や協議を通じて、支援体制の充実や連携の推進について働きかけています。 このほか、地域住民の理解促進等の課題が山積みの更生保護施設の移転事業にも携わっていますが、これらの課題やニーズは現場だからこそ実感できるものです。様々な部署での勤務の経験も含め、それらを次の自分の仕事に生かせること、そして、微力ながら自分が再犯防止施策の一部を担っていることにやりがいを感じています。 私が大切にしていることは、それぞれの職場や土地を楽しむことです。例えば、福島では地元のマラソン大会に職場の方と参加したり、温泉巡りをしていますが、不思議なことに、それらを通じて新たな仲間や視点、地域とのつながりが得られています。皆さんを新しい仲間としてお迎えできる日を楽しみにしています。

再犯防止施策の最前線で

保 護 観 察 所 保護観察所は、全国50か所に置かれ、地域社会において、犯罪や非行をした人の再犯・再非行を防止し、社会復帰に向けた支援を行う第一線の処遇機関です。保護観察所では、保護司を始めとする民間協力者等と連携・協力し、指導や援助、専門的処遇プログラム等を行う「保護観察」、矯正施設収容中の者について釈放後

の住居や就労先等の調整を行う「生活環境の調整」等を主要な業務として行っています。近年、安心・安全な社会づくりが強く求められる中、刑務所出所者等の社会内処遇を担う保護観察所の役割はますます大きくなっています。

ダルクの施設長の皆さん、県精神保健福祉センターの方と

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21 22入国管理局 入国管理局

 私が公務員試験を受験した当時は、日本の様々な分野で「国際化」がキーワードの一つとなっていたように思います。今振り返れば、当時の外国人入国者数は400万人、在留外国人数は120万人と、今より格段に少ない状況でしたので、日本社会全体で「国際化」が必要と感じていたのでしょう。出入国管理行政は、ヒトの移動の「国際化」を法の下に推進していく役割を担い、社会の目指す方向性と軌を一にしていることから、日本社会に役立ち、外国と関わる仕事ができそうだと思ったことが入国管理局を志望した動機であると記憶しています。  「国際化」は既に現実化しています。政府は、日本経済活性化のための観光立国政策、生産性向上のための外国人材の活用政策を重要政策と位置づけており、政府全体での様々な取組の結

果、今や訪日外国人旅行者数は2,000万人を超え、在留外国人数も230万人に達するなど、正に「国際化された日本」となっています。同時に、世界的にテロ活動が活発化する中で、日本の安全・安心な社会を確保するための水際対策の強化も重要な課題となっており、入国管理局はそれら政策・課題対応において重要な一翼を担い、実現に大きく寄与しています。入省後、私は、不法滞在者を摘発・収容・送還する退去強制業務や、国際関係業務に比較的長く携わってきました。退去強制業務とは、社会に潜在する不法滞在者を見つけ、自国へ送り返す地道な業務ですが、国民の安全・安心な社会を守り、「国際化された日本」を支える礎になる重要な業務です。過去、日本で不法滞在者数が高水準で推移していたときには、入国管理局の総力を挙げて不法滞在者

対策に取り組み、私の採用当時には30万人もいた不法滞在者が今は6万人にまで減少しています。お隣の韓国は不法滞在者が21万人、米国は1,000万人以上と推計されていますから、日本は劇的な成功を収めたと言えます。また、私が今携わっている国際関係業務は、査証緩和や経済連携協定関連、G7を始めとする諸外国の入管当局との情報交換や協力等について、関係省庁や外国の入管当局等と協議し、推進していく業務です。この国際業務に携わり、グローバル化した世界を行き交うヒトの移動は今後も止むことはなく、そのため、各国とも国益の確保・治安の維持のために、出入国管理の役割を重視し、諸外国との連携強化を推進していると実感しています。今後も、日本の治安等への負の影響を最小限化しつつ効果を最大化することを念頭に取り

組んでいきたいと思っています。 英国のEU離脱の理由の一つが移民問題と言われています。日本は今、少子高齢化による人口減少が進んでおり、その対策の一つとして、外国人労働者の受入れの在り方が本格的に検討されるべき時が来ていると思いますが、英国の例でも明らかなように、その受入れのあり方は、一国の社会のあり方・進むべき方向性にまで影響を及ぼしかねない重要な課題です。その検討には、日本の将来を背負って立つ若い皆さんの積極的な参加、柔軟な発想が不可欠ですから、出入国管理行政という目線から日本の将来に思いを馳せて欲しいと思います。その役割を担うのはあなたですよ。

 入国管理局は、「出入国管理及び難民認定法」(以下「入管法」といいま

す。)を基本法として、出入国及び外国人の在留の管理並びに難民の認

定に関する事務を所管しています。その業務は、次のとおり4つに大別

されます。

 一つめは、すべての人の出入国の公正な管理です。我が国の空・海港

において、日本人の出帰国の確認、外国人の上陸の審査及び出国の確認

を行っています。

 二つめは、外国人の在留の管理です。入国時に許可された在留資格・

在留期間をもって在留する外国人が、活動内容を変更する場合や期間

を延長する場合等は、所定の審査手続を行い、外国人の適正な在留の管

理を行っています。

 三つめは、退去強制です。不法に我が国に入国する、在留許可の範囲

を超えて我が国に滞在するなど、我が国にとって好ましくない外国人を

入管法に基づいて強制的に国外に退去させ、国民の安全や利益が害さ

れるのを防いでいます。

 四つめは、難民の認定です。我が国は、昭和56年に「難民の地位に関

する条約(難民条約)」に加入し、入管法に難民認定手続が定められてお

り、この手続により、難民条約に規定されている難民の定義に該当する

か否かを判断しています。

ルールを守って国際化

日本の「国際化」を支えてきた出入国管理行政「国際化された日本」を更にその先へ

礒部 哲郎入国管理局総務課入国管理調整官(平成5年入省・法律)

Prof i le.

平成18年4月 東京入国管理局就労審査部門統括審査官平成19年4月 法務省大臣官房秘書課補佐官平成21年4月 法務省入国管理局警備課補佐官平成23年4月 法務省入国管理局総務課補佐官平成25年4月 法務省入国管理局総務課総括補佐官平成27年4月 現職

入 国 管 理 局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

東京入国管理局マスコットキャラクター「とりぶ」 大阪入国管理局庁舎 名古屋入国管理局庁舎

入国管理局

総務課

入国在留課

審判課

警備課

出入国管理情報官

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21 22入国管理局 入国管理局

 私が公務員試験を受験した当時は、日本の様々な分野で「国際化」がキーワードの一つとなっていたように思います。今振り返れば、当時の外国人入国者数は400万人、在留外国人数は120万人と、今より格段に少ない状況でしたので、日本社会全体で「国際化」が必要と感じていたのでしょう。出入国管理行政は、ヒトの移動の「国際化」を法の下に推進していく役割を担い、社会の目指す方向性と軌を一にしていることから、日本社会に役立ち、外国と関わる仕事ができそうだと思ったことが入国管理局を志望した動機であると記憶しています。  「国際化」は既に現実化しています。政府は、日本経済活性化のための観光立国政策、生産性向上のための外国人材の活用政策を重要政策と位置づけており、政府全体での様々な取組の結

果、今や訪日外国人旅行者数は2,000万人を超え、在留外国人数も230万人に達するなど、正に「国際化された日本」となっています。同時に、世界的にテロ活動が活発化する中で、日本の安全・安心な社会を確保するための水際対策の強化も重要な課題となっており、入国管理局はそれら政策・課題対応において重要な一翼を担い、実現に大きく寄与しています。入省後、私は、不法滞在者を摘発・収容・送還する退去強制業務や、国際関係業務に比較的長く携わってきました。退去強制業務とは、社会に潜在する不法滞在者を見つけ、自国へ送り返す地道な業務ですが、国民の安全・安心な社会を守り、「国際化された日本」を支える礎になる重要な業務です。過去、日本で不法滞在者数が高水準で推移していたときには、入国管理局の総力を挙げて不法滞在者

対策に取り組み、私の採用当時には30万人もいた不法滞在者が今は6万人にまで減少しています。お隣の韓国は不法滞在者が21万人、米国は1,000万人以上と推計されていますから、日本は劇的な成功を収めたと言えます。また、私が今携わっている国際関係業務は、査証緩和や経済連携協定関連、G7を始めとする諸外国の入管当局との情報交換や協力等について、関係省庁や外国の入管当局等と協議し、推進していく業務です。この国際業務に携わり、グローバル化した世界を行き交うヒトの移動は今後も止むことはなく、そのため、各国とも国益の確保・治安の維持のために、出入国管理の役割を重視し、諸外国との連携強化を推進していると実感しています。今後も、日本の治安等への負の影響を最小限化しつつ効果を最大化することを念頭に取り

組んでいきたいと思っています。 英国のEU離脱の理由の一つが移民問題と言われています。日本は今、少子高齢化による人口減少が進んでおり、その対策の一つとして、外国人労働者の受入れの在り方が本格的に検討されるべき時が来ていると思いますが、英国の例でも明らかなように、その受入れのあり方は、一国の社会のあり方・進むべき方向性にまで影響を及ぼしかねない重要な課題です。その検討には、日本の将来を背負って立つ若い皆さんの積極的な参加、柔軟な発想が不可欠ですから、出入国管理行政という目線から日本の将来に思いを馳せて欲しいと思います。その役割を担うのはあなたですよ。

 入国管理局は、「出入国管理及び難民認定法」(以下「入管法」といいま

す。)を基本法として、出入国及び外国人の在留の管理並びに難民の認

定に関する事務を所管しています。その業務は、次のとおり4つに大別

されます。

 一つめは、すべての人の出入国の公正な管理です。我が国の空・海港

において、日本人の出帰国の確認、外国人の上陸の審査及び出国の確認

を行っています。

 二つめは、外国人の在留の管理です。入国時に許可された在留資格・

在留期間をもって在留する外国人が、活動内容を変更する場合や期間

を延長する場合等は、所定の審査手続を行い、外国人の適正な在留の管

理を行っています。

 三つめは、退去強制です。不法に我が国に入国する、在留許可の範囲

を超えて我が国に滞在するなど、我が国にとって好ましくない外国人を

入管法に基づいて強制的に国外に退去させ、国民の安全や利益が害さ

れるのを防いでいます。

 四つめは、難民の認定です。我が国は、昭和56年に「難民の地位に関

する条約(難民条約)」に加入し、入管法に難民認定手続が定められてお

り、この手続により、難民条約に規定されている難民の定義に該当する

か否かを判断しています。

ルールを守って国際化

日本の「国際化」を支えてきた出入国管理行政「国際化された日本」を更にその先へ

礒部 哲郎入国管理局総務課入国管理調整官(平成5年入省・法律)

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平成18年4月 東京入国管理局就労審査部門統括審査官平成19年4月 法務省大臣官房秘書課補佐官平成21年4月 法務省入国管理局警備課補佐官平成23年4月 法務省入国管理局総務課補佐官平成25年4月 法務省入国管理局総務課総括補佐官平成27年4月 現職

入 国 管 理 局

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

東京入国管理局マスコットキャラクター「とりぶ」 大阪入国管理局庁舎 名古屋入国管理局庁舎

入国管理局

総務課

入国在留課

審判課

警備課

出入国管理情報官

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23 24入国管理局 入国管理局

松井 望 入国管理局総務課地方係長(平成22年入省・法律)

平成23年4月 東京入国管理局審査管理部門平成24年4月 法務省刑事局国際課平成25年4月 法務省民事局民事第一課平成26年6月 行政官長期在外研究員(オーストラリア留学)平成28年6月 現職

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変化し続ける社会、変化し続ける入管行政

日本の将来像を考える バンコクでの3年間の赴任を終え、時間の流れの変化に四苦八苦しつつも、1年半ほど経過しました。この間、テロ対策、観光立国の推進等様々な業務に従事していますが、日々の大きなウエイトを占めるのは、外国人労働者の受入れに係る企画立案です。 少子・高齢化が進行する中、外国人労働者の受入れを巡る議論は年々高まっていますが、もはや机上の議論にとどまらず、高度外国人材受入れの推進、在留資格「介護」の創設、国家戦略特区における特例措置の導入等、関係省庁や地方公共団体との協議を経て、数多くの新しい制度が動き始めています。 この点、入省以来、金融庁で金融商品取引法の制定に携わったり、法務アタッシェとしてタイの刑事・司法関係者と意見交換を行ったりした全ての経験が、外国人労働者の受入れを検討する上で必要となる幅広い視点の一助となっているようにも思います。 また、この原稿を書いている本日、駐日外交官と議論をする機会がありましたが、外国人労働者の受入れは、日本の未来の在り方に直結するテーマであることを改めて認識させられました。 ともに日本の将来像を考え、それに向かって悩みながらも一緒に進んでいく意欲を持つ方に、ぜひ法務省に足を運んでいただきたいと思います。

 人生の選択肢が数ある中で、日本という国を選び、観光や生活等のためにやってくる外国人がいる……これらの外国人に密接に関係する行政機関が、入国管理局です。学生時代から越境移動に強い関心のあった私は、迷わず入国管理局を志望しました。 入省後は様々な経験をさせていただきましたが、特に、採用2年目に東京入国管理局で働いたことが、自分のキャリアにとって重要であったと思います。1年間という短い期間ではありましたが、実際に日本で生活する外国人が申請に訪れる窓口に立って対応することで、現在の入国管理行政に何が求められているのかを学ぶことができました。 現在は、地方係という、当局の組織全体の機構・運営に関する業務を担当しています。出入国管理行政に求められるものは日々変化していますが、そのニーズに対応するため、組織や役職の改変等を行い、政策を実現する基盤を作っています。グローバル化が進む中、当局の業務は益々重要性を増していますので、時代に合った組織の形を作っていくこの仕事は、やりがいがあります。 最後に、仕事をしていく上で、業務自体のやりがいはもちろん重要ですが、職員みんなが気持ちよく働ける環境も大切だと思っています。これからも微力ながら、周りと協力しつつ、そのような環境を作り上げていこうと思っています。

伊藤 純史 入国管理局総務課補佐官(平成11年入省・行政)平成20年4月 法務省大臣官房人事課企画第三係長平成21年4月 法務省入国管理局総務課難民認定室庇護係長平成22年4月 大阪入国管理局総務課渉外調整官平成23年4月 大阪入国管理局就労・永住審査部門統括審査官平成24年3月 在タイ日本国大使館一等書記官平成27年4月 現職

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1日のタイムスケジュール

出勤地方局等からの照会に対する回答文書作成昼食組織の機構・運営に関する省令の改正作業作成した文書の起案・上司によるチェックCIQ(関税・入管・検疫)省庁間の連絡調整業務退庁

9:3010:0012:0013:0015:0017:0020:00

1日のタイムスケジュール

出勤報道機関からの取材対応所掌案件についての省内幹部説明昼食(時折、頭を空にして日比谷公園内を散策しています)関係省庁と新規施策の導入に関する協議議員事務所における説明対応各担当ラインから上がってくる様々な案件の相談・決裁等に基づき、対応方針の検討・室内協議等地下のコンビニで夜食購入退庁

9:3010:0011:0012:0013:0016:0017:00

19:0022:00

入 国 管 理 局

 24時間。「眠らない都市」東京の正面玄関空港として、名実ともに24時間空港に発展している「羽田空港」の出入国管理業務とは、日中、深夜、早朝に途切れることなく到着し出発していくフライトへの対応であり、勤務する職員の努力によって成り立っているものであることを実感するとともに、その姿に日々感謝しています。 本省勤務は企画立案に関する業務が主要ですが、本省から通知された規則や指示を受けたプランに従って実際に行動する現場の業務は、規則を遵守し、プランを実行し、そして、成功し続けなければなりません。戦術は、常日頃の丁寧で適切な実務の積み重ねであり、また、同じ空港で活動する多様な機関との連携・協力関係の構築にあります。特に、入国管理局にとっては航空会社(エアライン)との関係は格別です。 現職着任前に本省入国管理局において、伊勢志摩サミットに併せて設定した上陸審査特別強化期間中の厳格な上陸審査等の検討に参加していた私が、4月に羽田空港への着任を命じられ、現場での厳格審査の実行部隊の一員となったことは、大変良い経験となりました。そして、サミットは無事に閉幕したものの、国際的にテロ情勢がますます深刻化している中、テロリスト等の上陸を確実に防止するため、厳格な上陸審査を引き続き実施することとされ、その実務を行いつつ、現在に至っています。 このような日々の業務の中で、私たちは個人のひらめきと努力だけでなく、組織の一員として、集団行動を整然と行うことも求められています。また、従来の「やり方」にこだわらず、プラグマティズムの観点からの見直しや、ますます増加するフライトへの対応のために「組織力」の向上が必要であり、これらを実現するための方法を日々検討し、訓練し、研修し、改善し、実践し

ていかなければなりません。 「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)等において、「世界初の出入国審査パッケージの導入や世界最高水準の技術を活用」する旨うたわれており、様々な施策及びシステムが空港においても実現していきます。また、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業にしようとの政策が推進されている時代です。今後、東京オリンピック・パラリンピックに向け、並びに、日本にコミュニティを形成している在留外国人の拡大を背景に、ますます出入国管理行政は多忙に、そして重要になっていくことでしょう。 激動の「外国人」対応行政に興味があり、熱意をもった方をお待ちしております。

Tokyo Haneda Airport 24hours

地 方 支 分 部 局

川畑 豊隆東京入国管理局羽田空港支局審査監理官(平成7年入省・行政)

平成21年4月 法務省大臣官房司法法制部審査監督課補佐官平成24年4月 法務省入国管理局総務課補佐官平成25年4月 法務省入国管理局出入国管理情報官補佐官平成26年4月 法務省入国管理局審判課補佐官平成28年4月 現職

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1日のタイムスケジュール

始業時間支局長室での定例会議(朝会)上陸審査場及び出国審査場を巡視当日担当審査部門の首席審査官との打ち合わせ昼食個別案件の決裁、口頭審理の指揮、勤務体制の改善検討等上陸審査場及び出国審査場を巡視終業時間(ただし、慎重審査事案等が発生した場合には、そのまま勤務継続。)

9:00 9:1510:00

12:1513:0016:0017:45

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23 24入国管理局 入国管理局

松井 望 入国管理局総務課地方係長(平成22年入省・法律)

平成23年4月 東京入国管理局審査管理部門平成24年4月 法務省刑事局国際課平成25年4月 法務省民事局民事第一課平成26年6月 行政官長期在外研究員(オーストラリア留学)平成28年6月 現職

Prof i le.

変化し続ける社会、変化し続ける入管行政

日本の将来像を考える バンコクでの3年間の赴任を終え、時間の流れの変化に四苦八苦しつつも、1年半ほど経過しました。この間、テロ対策、観光立国の推進等様々な業務に従事していますが、日々の大きなウエイトを占めるのは、外国人労働者の受入れに係る企画立案です。 少子・高齢化が進行する中、外国人労働者の受入れを巡る議論は年々高まっていますが、もはや机上の議論にとどまらず、高度外国人材受入れの推進、在留資格「介護」の創設、国家戦略特区における特例措置の導入等、関係省庁や地方公共団体との協議を経て、数多くの新しい制度が動き始めています。 この点、入省以来、金融庁で金融商品取引法の制定に携わったり、法務アタッシェとしてタイの刑事・司法関係者と意見交換を行ったりした全ての経験が、外国人労働者の受入れを検討する上で必要となる幅広い視点の一助となっているようにも思います。 また、この原稿を書いている本日、駐日外交官と議論をする機会がありましたが、外国人労働者の受入れは、日本の未来の在り方に直結するテーマであることを改めて認識させられました。 ともに日本の将来像を考え、それに向かって悩みながらも一緒に進んでいく意欲を持つ方に、ぜひ法務省に足を運んでいただきたいと思います。

 人生の選択肢が数ある中で、日本という国を選び、観光や生活等のためにやってくる外国人がいる……これらの外国人に密接に関係する行政機関が、入国管理局です。学生時代から越境移動に強い関心のあった私は、迷わず入国管理局を志望しました。 入省後は様々な経験をさせていただきましたが、特に、採用2年目に東京入国管理局で働いたことが、自分のキャリアにとって重要であったと思います。1年間という短い期間ではありましたが、実際に日本で生活する外国人が申請に訪れる窓口に立って対応することで、現在の入国管理行政に何が求められているのかを学ぶことができました。 現在は、地方係という、当局の組織全体の機構・運営に関する業務を担当しています。出入国管理行政に求められるものは日々変化していますが、そのニーズに対応するため、組織や役職の改変等を行い、政策を実現する基盤を作っています。グローバル化が進む中、当局の業務は益々重要性を増していますので、時代に合った組織の形を作っていくこの仕事は、やりがいがあります。 最後に、仕事をしていく上で、業務自体のやりがいはもちろん重要ですが、職員みんなが気持ちよく働ける環境も大切だと思っています。これからも微力ながら、周りと協力しつつ、そのような環境を作り上げていこうと思っています。

伊藤 純史 入国管理局総務課補佐官(平成11年入省・行政)平成20年4月 法務省大臣官房人事課企画第三係長平成21年4月 法務省入国管理局総務課難民認定室庇護係長平成22年4月 大阪入国管理局総務課渉外調整官平成23年4月 大阪入国管理局就労・永住審査部門統括審査官平成24年3月 在タイ日本国大使館一等書記官平成27年4月 現職

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1日のタイムスケジュール

出勤地方局等からの照会に対する回答文書作成昼食組織の機構・運営に関する省令の改正作業作成した文書の起案・上司によるチェックCIQ(関税・入管・検疫)省庁間の連絡調整業務退庁

9:3010:0012:0013:0015:0017:0020:00

1日のタイムスケジュール

出勤報道機関からの取材対応所掌案件についての省内幹部説明昼食(時折、頭を空にして日比谷公園内を散策しています)関係省庁と新規施策の導入に関する協議議員事務所における説明対応各担当ラインから上がってくる様々な案件の相談・決裁等に基づき、対応方針の検討・室内協議等地下のコンビニで夜食購入退庁

9:3010:0011:0012:0013:0016:0017:00

19:0022:00

入 国 管 理 局

 24時間。「眠らない都市」東京の正面玄関空港として、名実ともに24時間空港に発展している「羽田空港」の出入国管理業務とは、日中、深夜、早朝に途切れることなく到着し出発していくフライトへの対応であり、勤務する職員の努力によって成り立っているものであることを実感するとともに、その姿に日々感謝しています。 本省勤務は企画立案に関する業務が主要ですが、本省から通知された規則や指示を受けたプランに従って実際に行動する現場の業務は、規則を遵守し、プランを実行し、そして、成功し続けなければなりません。戦術は、常日頃の丁寧で適切な実務の積み重ねであり、また、同じ空港で活動する多様な機関との連携・協力関係の構築にあります。特に、入国管理局にとっては航空会社(エアライン)との関係は格別です。 現職着任前に本省入国管理局において、伊勢志摩サミットに併せて設定した上陸審査特別強化期間中の厳格な上陸審査等の検討に参加していた私が、4月に羽田空港への着任を命じられ、現場での厳格審査の実行部隊の一員となったことは、大変良い経験となりました。そして、サミットは無事に閉幕したものの、国際的にテロ情勢がますます深刻化している中、テロリスト等の上陸を確実に防止するため、厳格な上陸審査を引き続き実施することとされ、その実務を行いつつ、現在に至っています。 このような日々の業務の中で、私たちは個人のひらめきと努力だけでなく、組織の一員として、集団行動を整然と行うことも求められています。また、従来の「やり方」にこだわらず、プラグマティズムの観点からの見直しや、ますます増加するフライトへの対応のために「組織力」の向上が必要であり、これらを実現するための方法を日々検討し、訓練し、研修し、改善し、実践し

ていかなければなりません。 「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)等において、「世界初の出入国審査パッケージの導入や世界最高水準の技術を活用」する旨うたわれており、様々な施策及びシステムが空港においても実現していきます。また、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業にしようとの政策が推進されている時代です。今後、東京オリンピック・パラリンピックに向け、並びに、日本にコミュニティを形成している在留外国人の拡大を背景に、ますます出入国管理行政は多忙に、そして重要になっていくことでしょう。 激動の「外国人」対応行政に興味があり、熱意をもった方をお待ちしております。

Tokyo Haneda Airport 24hours

地 方 支 分 部 局

川畑 豊隆東京入国管理局羽田空港支局審査監理官(平成7年入省・行政)

平成21年4月 法務省大臣官房司法法制部審査監督課補佐官平成24年4月 法務省入国管理局総務課補佐官平成25年4月 法務省入国管理局出入国管理情報官補佐官平成26年4月 法務省入国管理局審判課補佐官平成28年4月 現職

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1日のタイムスケジュール

始業時間支局長室での定例会議(朝会)上陸審査場及び出国審査場を巡視当日担当審査部門の首席審査官との打ち合わせ昼食個別案件の決裁、口頭審理の指揮、勤務体制の改善検討等上陸審査場及び出国審査場を巡視終業時間(ただし、慎重審査事案等が発生した場合には、そのまま勤務継続。)

9:00 9:1510:00

12:1513:0016:0017:45

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25 26施設課 施設課

第5回アジア矯正建築実務者会議旭川刑務所

石綱 恒大臣官房施設課補佐官(企画担当)(平成6年入省・建築)

Prof i le.平成 6年4月 法務大臣官房営繕課(現法務省大臣官房施設課)平成18年4月 法務省大臣官房施設課官署施設企画係長平成21年4月 名古屋高等検察庁事務局会計課国有財産係長平成25年4月 法務省大臣官房施設課施設企画官平成28年4月 現職

1日のタイムスケジュール

出勤・メール等確認(他省庁等からの照会を確認)照会等に係る省内調整昼食業務開始省内調整を行った照会への回答等(資料確認、省外担当者等との調整、室内決裁等)退庁

9:10

12:0013:00

19:00

1日のタイムスケジュール

出勤 メール確認・スケジュール調整等業務調整・各種事案対応昼食業務調整・各種事案対応退庁

9:2010:3012:0013:0019:00

施 設 課

 大臣官房施設課は、法務局、検察庁、刑務所や少年院等の矯正施設等、900を超える法務省施設整備の企画、設計、工事監理、保全指導等を担当しています。これらの施設の総延べ面積は東京ドーム約120個分に及び、特に、矯正施設の建築設計については、当課が国内唯一の担当部署となっています。 また、そのノウハウを活かしてアジア諸国への技術支援を行ったり、「アジア矯正建築実務者会議」を主導して、矯正施設の建築

技術に関する国際的な知見の共有にも貢献しています。 平成26年に採用した工事現場用表示板のシンボルマークには、「法」の文字をモチーフとし、「施設整備に関わる全ての人が一隻の船に乗り、想いを一つに団結して突き進んでいこう」という気持ちが込められています。「未来への想いを実現」をスローガンに、安心・安全な社会を支える施設整備を目指しています。

 大臣官房施設課の仕事は本当に幅広く、建物のライフサイクル全てに

関わります。その中で現在私が携わっている仕事は、法務省施設の企画

に関すること。具体的には、建築から相当の年数が経過して老朽化し、業

務量の増加による職員や物量の増加で狭あい化し、各種施策に必要な

諸室が確保できずに機能不備を抱え、災害によって損傷して不具合を来

し、そこで働く職員や施設利用者にとって不便や不都合を生じさせてし

まっている施設を、新営や増築、模様替や改修工事などによって、より快

適で使いやすく、利用しやすい施設へと変えていくために、必要な整備

方針を策定し、予算要求に結び付け、予算化された整備内容を施設課や

現地施設の担当職員と協力して実施に移すこと。それを担う4つの係を

束ね、指揮するのが私の役目です。大袈裟ではなく、法務省の施設整備

に関するあらゆる問題が自分のところに集まってきます。毎日色々な問

題と対峙して解決策を見出し、今後の方針を組み立てていく、その積み

重ねで日常が成り立っているといえます。その中で私が心掛けているこ

とは、守りと攻めのバランスです。来た問題を解決するまではディフェン

ス、その後に打ち出す方針はオフェンス、そのどちらにも偏らないバラ

ンス力がこの仕事をコントロールする上で必要だと考えています。

 私が国家公務員として法務省に就職する道を選んだ当時は、民間でい

うデベロッパーやファシリティマネジメントに近い現在の業務に従事す

るとは、全くもって想像していませんでしたし、むしろ避けていました

が、今では、技術系職員としての知識・経験と行政職としての素養が活か

され、試されるこの仕事に、やり甲斐と充実感をもって臨んでいます。そ

んな私から、これから公務員を目指す皆さんに強くお勧めするのは、最

初から就職先を決め打ちするのではなく、候補となり得る役所や企業を

広く深く知り、納得してベストの選択をすることです。そのためにも、是

非、公務員を選んだ先輩方と直接話す機会を作ってください。なぜなら、

公務員としての仕事は皆さんの想像を超えているからです。ここ施設課

にも多くの技術系職員としての先輩がいます。皆さんからのアプローチ

をお待ちしています。

施設整備の企画を担当する立場から

未来への想いを実現施 設 課

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

小山 幸洋 大臣官房秘書課政策評価企画室政策評価係(平成25年入省・工学(建築))

平成25年4月 法務省大臣官房施設課 設計担当(建築)平成28年4月 現職

Prof i le.

法務省施設整備における技官の役割

一期一会、その機会を大切に 法務省で技術系職員を募集している(しかも機械職を1名のみ!)といささか興味本位での官庁訪問でしたが、そこで出会った先輩が、より大きな視点で施設整備のビジョンと魅力、そして、海外への展開の夢も語られ、惹かれるように入省しました。 入省してからは、建物の給排水・衛生・空気調和設備という機械設備設計の担当から始まり、結局、建築の専門家として設計、企画の分野に進んだのですが、それも施設課が大組織でなく個々のバックグラウンドを配慮する柔軟性のある組織だったからだと思います。 現在、技術企画室で、設計のための標準類の整備や、予定価格策定のための積算、入札手続のための技術審査、工事監理等、施設の整備を円滑に行うための縁の下の力持ちのような技術的支援、そして、国際協力に携わっています。 タイと日本の二国間で始まった技術協力も、今では多国間での国際会議に形は変わりましたが、会議の運営について、あーだこーだとアジアの担当者と話をしていると不思議な感じを覚えます。この仲間達と出会えたのも、今まで積み重ねてきたものの縁なのだなあと。これからも一つ一つの仕事に真摯な姿勢で取り組んでいきたいと思います。

■この仕事を選んだ動機

 建築技官として施設整備に携わりたいと考えていたところ、説明会で採

用担当者の施設整備に対する情熱に惹かれるうちに、法務省施設の特殊

性やその社会的な役割に気づき、法務省大臣官房施設課を志望しました。

■現在の業務内容、当該職務を通じて学んだこと

 今年度からは、官房秘書課にて、法務省の政策の評価に関する業務を

担当しています。施設整備とは異なり、より幅広い知識が求められる業務

で、かつ、新しく学ぶことばかりですが、様々な経験が出来、充実した日々

を過ごせています。

■仕事をしていく上で意識していることや大切に思っていること、今後の目標等

 施設は、企画から工事まで長い期間を経て完成します。経験したことがな

い業務も多いので、まずは広く知識・経験を積むことを意識しています。やる

気をもって業務に取り組めば、周りもサポートしていただける優しい職場で

すので、ミスを恐れず、何でもやってみる姿勢が重要だと考えています。

 今後は、技官として技術的な専門性を持ちつつ、秘書課で得た知識・経

験も活かしながら、法務行政の礎となる施設の整備に努めていきたいと

考えています。

葛原 浩美 大臣官房施設課上席施設企画官(技術企画担当)(平成2年入省・機械)

平成 2年4月 法務大臣官房営繕課(現法務省大臣官房施設課)平成11年5月 タイ王国法務省派遣JICA専門家平成14年4月 法務省大臣官房施設課収容施設企画係長平成17年4月 タイ王国法務省派遣JICA専門家平成23年4月 広島高等検察庁事務局専門職平成25年4月 法務省大臣官房施設課施設企画官(建築設計担当)平成27年4月 現職

Prof i le.

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25 26施設課 施設課

第5回アジア矯正建築実務者会議旭川刑務所

石綱 恒大臣官房施設課補佐官(企画担当)(平成6年入省・建築)

Prof i le.平成 6年4月 法務大臣官房営繕課(現法務省大臣官房施設課)平成18年4月 法務省大臣官房施設課官署施設企画係長平成21年4月 名古屋高等検察庁事務局会計課国有財産係長平成25年4月 法務省大臣官房施設課施設企画官平成28年4月 現職

1日のタイムスケジュール

出勤・メール等確認(他省庁等からの照会を確認)照会等に係る省内調整昼食業務開始省内調整を行った照会への回答等(資料確認、省外担当者等との調整、室内決裁等)退庁

9:10

12:0013:00

19:00

1日のタイムスケジュール

出勤 メール確認・スケジュール調整等業務調整・各種事案対応昼食業務調整・各種事案対応退庁

9:2010:3012:0013:0019:00

施 設 課

 大臣官房施設課は、法務局、検察庁、刑務所や少年院等の矯正施設等、900を超える法務省施設整備の企画、設計、工事監理、保全指導等を担当しています。これらの施設の総延べ面積は東京ドーム約120個分に及び、特に、矯正施設の建築設計については、当課が国内唯一の担当部署となっています。 また、そのノウハウを活かしてアジア諸国への技術支援を行ったり、「アジア矯正建築実務者会議」を主導して、矯正施設の建築

技術に関する国際的な知見の共有にも貢献しています。 平成26年に採用した工事現場用表示板のシンボルマークには、「法」の文字をモチーフとし、「施設整備に関わる全ての人が一隻の船に乗り、想いを一つに団結して突き進んでいこう」という気持ちが込められています。「未来への想いを実現」をスローガンに、安心・安全な社会を支える施設整備を目指しています。

 大臣官房施設課の仕事は本当に幅広く、建物のライフサイクル全てに

関わります。その中で現在私が携わっている仕事は、法務省施設の企画

に関すること。具体的には、建築から相当の年数が経過して老朽化し、業

務量の増加による職員や物量の増加で狭あい化し、各種施策に必要な

諸室が確保できずに機能不備を抱え、災害によって損傷して不具合を来

し、そこで働く職員や施設利用者にとって不便や不都合を生じさせてし

まっている施設を、新営や増築、模様替や改修工事などによって、より快

適で使いやすく、利用しやすい施設へと変えていくために、必要な整備

方針を策定し、予算要求に結び付け、予算化された整備内容を施設課や

現地施設の担当職員と協力して実施に移すこと。それを担う4つの係を

束ね、指揮するのが私の役目です。大袈裟ではなく、法務省の施設整備

に関するあらゆる問題が自分のところに集まってきます。毎日色々な問

題と対峙して解決策を見出し、今後の方針を組み立てていく、その積み

重ねで日常が成り立っているといえます。その中で私が心掛けているこ

とは、守りと攻めのバランスです。来た問題を解決するまではディフェン

ス、その後に打ち出す方針はオフェンス、そのどちらにも偏らないバラ

ンス力がこの仕事をコントロールする上で必要だと考えています。

 私が国家公務員として法務省に就職する道を選んだ当時は、民間でい

うデベロッパーやファシリティマネジメントに近い現在の業務に従事す

るとは、全くもって想像していませんでしたし、むしろ避けていました

が、今では、技術系職員としての知識・経験と行政職としての素養が活か

され、試されるこの仕事に、やり甲斐と充実感をもって臨んでいます。そ

んな私から、これから公務員を目指す皆さんに強くお勧めするのは、最

初から就職先を決め打ちするのではなく、候補となり得る役所や企業を

広く深く知り、納得してベストの選択をすることです。そのためにも、是

非、公務員を選んだ先輩方と直接話す機会を作ってください。なぜなら、

公務員としての仕事は皆さんの想像を超えているからです。ここ施設課

にも多くの技術系職員としての先輩がいます。皆さんからのアプローチ

をお待ちしています。

施設整備の企画を担当する立場から

未来への想いを実現施 設 課

M i n i s t r y O f J u s t i c eM i n i s t r y O f J u s t i c e

小山 幸洋 大臣官房秘書課政策評価企画室政策評価係(平成25年入省・工学(建築))

平成25年4月 法務省大臣官房施設課 設計担当(建築)平成28年4月 現職

Prof i le.

法務省施設整備における技官の役割

一期一会、その機会を大切に 法務省で技術系職員を募集している(しかも機械職を1名のみ!)といささか興味本位での官庁訪問でしたが、そこで出会った先輩が、より大きな視点で施設整備のビジョンと魅力、そして、海外への展開の夢も語られ、惹かれるように入省しました。 入省してからは、建物の給排水・衛生・空気調和設備という機械設備設計の担当から始まり、結局、建築の専門家として設計、企画の分野に進んだのですが、それも施設課が大組織でなく個々のバックグラウンドを配慮する柔軟性のある組織だったからだと思います。 現在、技術企画室で、設計のための標準類の整備や、予定価格策定のための積算、入札手続のための技術審査、工事監理等、施設の整備を円滑に行うための縁の下の力持ちのような技術的支援、そして、国際協力に携わっています。 タイと日本の二国間で始まった技術協力も、今では多国間での国際会議に形は変わりましたが、会議の運営について、あーだこーだとアジアの担当者と話をしていると不思議な感じを覚えます。この仲間達と出会えたのも、今まで積み重ねてきたものの縁なのだなあと。これからも一つ一つの仕事に真摯な姿勢で取り組んでいきたいと思います。

■この仕事を選んだ動機

 建築技官として施設整備に携わりたいと考えていたところ、説明会で採

用担当者の施設整備に対する情熱に惹かれるうちに、法務省施設の特殊

性やその社会的な役割に気づき、法務省大臣官房施設課を志望しました。

■現在の業務内容、当該職務を通じて学んだこと

 今年度からは、官房秘書課にて、法務省の政策の評価に関する業務を

担当しています。施設整備とは異なり、より幅広い知識が求められる業務

で、かつ、新しく学ぶことばかりですが、様々な経験が出来、充実した日々

を過ごせています。

■仕事をしていく上で意識していることや大切に思っていること、今後の目標等

 施設は、企画から工事まで長い期間を経て完成します。経験したことがな

い業務も多いので、まずは広く知識・経験を積むことを意識しています。やる

気をもって業務に取り組めば、周りもサポートしていただける優しい職場で

すので、ミスを恐れず、何でもやってみる姿勢が重要だと考えています。

 今後は、技官として技術的な専門性を持ちつつ、秘書課で得た知識・経

験も活かしながら、法務行政の礎となる施設の整備に努めていきたいと

考えています。

葛原 浩美 大臣官房施設課上席施設企画官(技術企画担当)(平成2年入省・機械)

平成 2年4月 法務大臣官房営繕課(現法務省大臣官房施設課)平成11年5月 タイ王国法務省派遣JICA専門家平成14年4月 法務省大臣官房施設課収容施設企画係長平成17年4月 タイ王国法務省派遣JICA専門家平成23年4月 広島高等検察庁事務局専門職平成25年4月 法務省大臣官房施設課施設企画官(建築設計担当)平成27年4月 現職

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サイバーセキュリティの確保のために 平成28年4月から経済産業省に出向し、企業や個人のサイバーセキュ

リティを確保し、経済活動に支障を来さないようにするための取組に携

わらせていただいています。

 企業や個人が営業活動をする中で、顧客情報の管理や営業秘密の活

用、プラントの自動制御など、IT機器の利活用は、収益向上のための必須

の要素です。他方、そのような営業活動は、常にサイバー攻撃の危機にさ

らされ、そのリスクは避けられません。サイバー攻撃により企業は個人情

報や営業秘密を流出させる被害を受け、純利益の半分を失うような損害

が生じることもあります。

 サイバー攻撃による被害を回避、軽減するには、企業の経営者が実施

するべきガイドラインの制定、利用促進(写真は企業主催のセミナーでの

講演時のものです。)や、企業や個人の使用するソフトウエア製品等に係

る脆弱性対策情報の公表などの活動が、非常に重要です。

 そして、サイバーセキュリティの確保のための活動には技術的知見だ

けでなく、関係法令の運用や手続について考える必要があります。法務省

で培った法律に関する知識や経験は環境が変わっても非常に有用です。

電子署名法等の法律について、法務省と接点もあります。また、法律が携

わる環境は社会の発展に伴い常に変化し、これまでの判例や先例の積み

重ねだけでなく、それを踏まえた新たな視点も必要であるということも

出向先の環境では強く感じられます。法務省に戻った後も、新たな環境に

おける考え方は活かせるものと思います。

オールジャパンの一員として 私は現在、外務省に出向し、米国ニューヨークにある日本国総領事館

で勤務しています。当館では主に、訪日外国人への査証発給、司法共助、

当地に滞在する邦人の安全確保に係る対応等を行っています。

 私は今回5回目の他府省出向ですが、その度、業務は一所で完結するこ

となく複層的につながっていること、多角的視点で物事を見る大切さを

実感します。例えば、当地でも右肩上がりの査証申請では、日本の観光立

国推進の効果や経済活動のグローバル化を肌で感じつつ、海を渡った先

の入国審査業務に問題なく着実にバトンタッチできるよう心掛けて対応

しています。

 また、近年国際テロの脅威が拡大する中、在留邦人や旅行者が多く滞

在する当地では、気の休まることはありません。平成28年9月の国連総会

開催中に起こったニューヨークでの爆発事件では、幸いにも邦人は巻き

込まれませんでしたが、事件発生の週末夜、直ちに出勤し邦人被害の情

報収集など対応に追われました。今やどの業務も危機管理は欠かせませ

んが、海外ゆえに一筋縄ではいかない対応の難しさもあり、今まで以上

に、オールジャパンの一員として何ができるか、直面する課題に対し最善

の道を模索していくことが求められていると感じます。

 多様な価値観が行き交う国際社会の最前線で、物事の本質は何なの

か、見極める力を磨き、今後の業務にも活かせるよう日々努めていきた

いと思います。

初めての出向を経験して 私は、平成28年4月より内閣府知的財産戦略推進事務局に出向してい

ます。主に「知的財産推進計画」の策定業務に従事しており、今後の日本

の知財戦略を考える上での各種課題について有識者及び関係府省庁が

議論した内容を、年に1度、「知的財産推進計画」として取りまとめていま

す。計画策定後は、計画に盛り込まれた施策が各府省庁で実行に移され、

その検証・評価も行っています。

 そもそも、知的財産戦略推進事務局は、内外の社会経済情勢の変化に

伴い、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大してい

る状況にかんがみ、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中

的かつ計画的に推進するため、平成15年3月、内閣に知的財産戦略本部

が設置され、できた組織です。

 日本の知財戦略を取りまとめるという事務局の性格上、日々の勤務の

中では、法務省での勤務ではあまり関わりのなかった関係府省庁や有識

者の方々に直接お話を伺う機会が多く、勉強になる毎日です。業務を遂

行するに当たっては、時代に即したぶれない方向性を持ち、様々な意見

を調整することが求められます。さらに、職場には、各省庁からだけでな

く、民間からの出向者も多く、様々なバックグランドを持った方々と各種

施策について検討を行うのは、出向ならではの貴重な機会だと感じてい

ます。ここでの勤務を今後に活かせるよう日々精進していきたいと思い

ます。

赤道近くで実感した日本、そして法務省の魅力 熱い。ここ、シンガポールの気温の話ではありません。犯罪や非行をし

た人たちを社会の中で更生していく日本の取組に対する海外の視線が

近年とても熱くなっています。この熱を更に高めていくために、人事院の

短期在外研究制度を活用して、平成28年10月から、シンガポール社会家

庭開発省やフィリピン司法省など海外の機関で6か月間勤務する機会を

得ました。

 「日本には、刑務所から出てきた人を自宅に呼び、時にその家族や友人

たちと食事を囲みながら立ち直りに向けたアドバイスを行うとてつもな

い主婦や、行き場のない非行少年を雇用し、親代わりとなって一人前に育

てていく雇用主がいると聞くが本当か。」

 興奮して尋ねる海外の実務家たちに、いずれも本当であるし、そのよ

うな市民は日本各地にいると答えると、やはり素晴らしい国だ、日本が治

安を維持できている理由がよくわかったよ、と感嘆の声が返ってきます。

 法務省の業務は、多くの市民に支えられています。

 世界一安全な国をつくることが政府の目標とされている中、今以上に

こうした市民を支え、彼らの魅力を国内外に発信していくことが求めら

れています。そのためには、人の可能性、繋がりの重みを知り、情熱にあ

ふれた若者の力が欠かせません。

 市民とスクラムを組んで、多くの人が暮らしやすい社会を法務省で一

緒につくっていきませんか。

他 府 省 で 活 躍 す る 職 員 海 外 で 活 躍 す る 職 員

稲本 薫在ニューヨーク日本国総領事館領事(平成13年入省・法律)平成20年4月 外務省経済局経済連携課アジア太平洋経済協力室平成21年9月 法務大臣政務官秘書官平成23年4月 内閣官房副長官補付(安全保障・危機管理担当)参事官補佐平成25年7月 内閣官房副長官補付(難民対策担当)参事官補佐平成26年4月 法務省入国管理局出入国管理情報官付法務専門官平成27年4月 東京入国管理局審査管理部門統括審査官平成28年3月 現職

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神谷 英亮東京保護観察所保護観察官(平成18年入省・法律)平成18年 4月  法務省保護局更生保護振興課平成19年 4月  名古屋保護観察所保護観察官平成22年 4月  厚生労働省医薬食品局食品安全部主査平成24年 4月  法務大臣政務官秘書官平成24年12月  法務省大臣官房秘書課法令係長平成26年 4月  法務省保護局更生保護振興課係長平成28年 4月  現職

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井上 莉恵内閣府知的財産戦略推進事務局主査(平成24年入省・法律)平成24年4月 法務省矯正局成人矯正課処遇第一係平成25年4月 栃木刑務所主任矯正処遇官平成27年4月 法務省訟務局民事訟務課平成28年4月 現職

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27 28他府省で活躍する職員 海外で活躍する職員

希代 浩正経済産業省商務情報政策局サイバーセキュリティ課課長補佐(平成16年入省・法律)平成20年4月 法務省民事局商事課法規係長平成21年4月 金融庁総務企画局市場課証券決済係長平成23年4月 法務省民事局民事第二課法規係長平成24年4月 法務省大臣官房訟務企画課訟務広報係長平成25年4月 法務省民事局総務課企画第一係長平成27年4月 東京法務局民事行政部不動産登記部門登記官平成28年4月 現職

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シンガポール社会家庭開発省のLiling課長と会議に出席(右が筆者)

Page 29: MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017 ministry of justice ministry of justice 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1

サイバーセキュリティの確保のために 平成28年4月から経済産業省に出向し、企業や個人のサイバーセキュ

リティを確保し、経済活動に支障を来さないようにするための取組に携

わらせていただいています。

 企業や個人が営業活動をする中で、顧客情報の管理や営業秘密の活

用、プラントの自動制御など、IT機器の利活用は、収益向上のための必須

の要素です。他方、そのような営業活動は、常にサイバー攻撃の危機にさ

らされ、そのリスクは避けられません。サイバー攻撃により企業は個人情

報や営業秘密を流出させる被害を受け、純利益の半分を失うような損害

が生じることもあります。

 サイバー攻撃による被害を回避、軽減するには、企業の経営者が実施

するべきガイドラインの制定、利用促進(写真は企業主催のセミナーでの

講演時のものです。)や、企業や個人の使用するソフトウエア製品等に係

る脆弱性対策情報の公表などの活動が、非常に重要です。

 そして、サイバーセキュリティの確保のための活動には技術的知見だ

けでなく、関係法令の運用や手続について考える必要があります。法務省

で培った法律に関する知識や経験は環境が変わっても非常に有用です。

電子署名法等の法律について、法務省と接点もあります。また、法律が携

わる環境は社会の発展に伴い常に変化し、これまでの判例や先例の積み

重ねだけでなく、それを踏まえた新たな視点も必要であるということも

出向先の環境では強く感じられます。法務省に戻った後も、新たな環境に

おける考え方は活かせるものと思います。

オールジャパンの一員として 私は現在、外務省に出向し、米国ニューヨークにある日本国総領事館

で勤務しています。当館では主に、訪日外国人への査証発給、司法共助、

当地に滞在する邦人の安全確保に係る対応等を行っています。

 私は今回5回目の他府省出向ですが、その度、業務は一所で完結するこ

となく複層的につながっていること、多角的視点で物事を見る大切さを

実感します。例えば、当地でも右肩上がりの査証申請では、日本の観光立

国推進の効果や経済活動のグローバル化を肌で感じつつ、海を渡った先

の入国審査業務に問題なく着実にバトンタッチできるよう心掛けて対応

しています。

 また、近年国際テロの脅威が拡大する中、在留邦人や旅行者が多く滞

在する当地では、気の休まることはありません。平成28年9月の国連総会

開催中に起こったニューヨークでの爆発事件では、幸いにも邦人は巻き

込まれませんでしたが、事件発生の週末夜、直ちに出勤し邦人被害の情

報収集など対応に追われました。今やどの業務も危機管理は欠かせませ

んが、海外ゆえに一筋縄ではいかない対応の難しさもあり、今まで以上

に、オールジャパンの一員として何ができるか、直面する課題に対し最善

の道を模索していくことが求められていると感じます。

 多様な価値観が行き交う国際社会の最前線で、物事の本質は何なの

か、見極める力を磨き、今後の業務にも活かせるよう日々努めていきた

いと思います。

初めての出向を経験して 私は、平成28年4月より内閣府知的財産戦略推進事務局に出向してい

ます。主に「知的財産推進計画」の策定業務に従事しており、今後の日本

の知財戦略を考える上での各種課題について有識者及び関係府省庁が

議論した内容を、年に1度、「知的財産推進計画」として取りまとめていま

す。計画策定後は、計画に盛り込まれた施策が各府省庁で実行に移され、

その検証・評価も行っています。

 そもそも、知的財産戦略推進事務局は、内外の社会経済情勢の変化に

伴い、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大してい

る状況にかんがみ、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中

的かつ計画的に推進するため、平成15年3月、内閣に知的財産戦略本部

が設置され、できた組織です。

 日本の知財戦略を取りまとめるという事務局の性格上、日々の勤務の

中では、法務省での勤務ではあまり関わりのなかった関係府省庁や有識

者の方々に直接お話を伺う機会が多く、勉強になる毎日です。業務を遂

行するに当たっては、時代に即したぶれない方向性を持ち、様々な意見

を調整することが求められます。さらに、職場には、各省庁からだけでな

く、民間からの出向者も多く、様々なバックグランドを持った方々と各種

施策について検討を行うのは、出向ならではの貴重な機会だと感じてい

ます。ここでの勤務を今後に活かせるよう日々精進していきたいと思い

ます。

赤道近くで実感した日本、そして法務省の魅力 熱い。ここ、シンガポールの気温の話ではありません。犯罪や非行をし

た人たちを社会の中で更生していく日本の取組に対する海外の視線が

近年とても熱くなっています。この熱を更に高めていくために、人事院の

短期在外研究制度を活用して、平成28年10月から、シンガポール社会家

庭開発省やフィリピン司法省など海外の機関で6か月間勤務する機会を

得ました。

 「日本には、刑務所から出てきた人を自宅に呼び、時にその家族や友人

たちと食事を囲みながら立ち直りに向けたアドバイスを行うとてつもな

い主婦や、行き場のない非行少年を雇用し、親代わりとなって一人前に育

てていく雇用主がいると聞くが本当か。」

 興奮して尋ねる海外の実務家たちに、いずれも本当であるし、そのよ

うな市民は日本各地にいると答えると、やはり素晴らしい国だ、日本が治

安を維持できている理由がよくわかったよ、と感嘆の声が返ってきます。

 法務省の業務は、多くの市民に支えられています。

 世界一安全な国をつくることが政府の目標とされている中、今以上に

こうした市民を支え、彼らの魅力を国内外に発信していくことが求めら

れています。そのためには、人の可能性、繋がりの重みを知り、情熱にあ

ふれた若者の力が欠かせません。

 市民とスクラムを組んで、多くの人が暮らしやすい社会を法務省で一

緒につくっていきませんか。

他 府 省 で 活 躍 す る 職 員 海 外 で 活 躍 す る 職 員

稲本 薫在ニューヨーク日本国総領事館領事(平成13年入省・法律)平成20年4月 外務省経済局経済連携課アジア太平洋経済協力室平成21年9月 法務大臣政務官秘書官平成23年4月 内閣官房副長官補付(安全保障・危機管理担当)参事官補佐平成25年7月 内閣官房副長官補付(難民対策担当)参事官補佐平成26年4月 法務省入国管理局出入国管理情報官付法務専門官平成27年4月 東京入国管理局審査管理部門統括審査官平成28年3月 現職

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神谷 英亮東京保護観察所保護観察官(平成18年入省・法律)平成18年 4月  法務省保護局更生保護振興課平成19年 4月  名古屋保護観察所保護観察官平成22年 4月  厚生労働省医薬食品局食品安全部主査平成24年 4月  法務大臣政務官秘書官平成24年12月  法務省大臣官房秘書課法令係長平成26年 4月  法務省保護局更生保護振興課係長平成28年 4月  現職

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井上 莉恵内閣府知的財産戦略推進事務局主査(平成24年入省・法律)平成24年4月 法務省矯正局成人矯正課処遇第一係平成25年4月 栃木刑務所主任矯正処遇官平成27年4月 法務省訟務局民事訟務課平成28年4月 現職

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27 28他府省で活躍する職員 海外で活躍する職員

希代 浩正経済産業省商務情報政策局サイバーセキュリティ課課長補佐(平成16年入省・法律)平成20年4月 法務省民事局商事課法規係長平成21年4月 金融庁総務企画局市場課証券決済係長平成23年4月 法務省民事局民事第二課法規係長平成24年4月 法務省大臣官房訟務企画課訟務広報係長平成25年4月 法務省民事局総務課企画第一係長平成27年4月 東京法務局民事行政部不動産登記部門登記官平成28年4月 現職

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シンガポール社会家庭開発省のLiling課長と会議に出席(右が筆者)

Page 30: MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017 ministry of justice ministry of justice 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1

29 30事務系区分キャリアステップ 事務系区分キャリアステップ

事 務 系 区 分 キ ャ リ ア ス テ ッ プ一般的なキャリアステップ 事務系区分(行政・法律・経済・政治国際区分)で採用された方は、法務本省、地方機関、法務総合研究所(法務省の研修・研究機関)、他府省など様々な組織での勤務を経験します。その中で、政策の企画・立案から実施にまで携わりながら、社会経済情勢の変化に対応した新たな政策を実現していく能力を磨き、法務行政において重要な役割を担っていくことになります。

本省採用局勤務

本省採用局以外の局部課勤務

地方機関勤務

他府省出向

一般的なキャリアプラン

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 →民事局保護局

入国管理局 本省採用局勤務

地方機関勤務

本省採用局以外の局部課勤務 本省採用局

以外の局部課勤務

矯正局 地方機関勤務(2年間)

影山 美郷矯正局少年矯正課少年鑑別所係(平成26年入省・法律)平成26年4月 法務省保護局観察課平成27年4月 広島保護観察所保護観察官平成28年4月 現職

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 私は現在、矯正局少年矯正課で少年鑑別所に関する業務を担当しており、なかでも平成27年6月に施行された少年鑑別所法のもと、新たに本来業務に位置づけられた「地域援助」について広く一般に周知すべく、広報資料の作成やホームページの活用に取り組んでいます。 これまでの本省での勤務や現場での経験を通して、罪を犯してしまった人や非行少年の更生には、本当にたくさんの人が様々な形で関わっていることを身をもって学ぶことができました。そうした方々の理解と協力に対する感謝の気持ちを忘れず、政策立案等を通して一人でも多くの人の立ち直りを支え、より良い社会を実現できるよう、これからも業務に励んでいきたいと思っています。

花村 博文栃木刑務所長(平成元年入省・行政)平成18年4月 法務省矯正局総務課法務専門官平成20年4月 法務省矯正局総務課補佐官平成22年4月 美祢社会復帰促進センター長平成24年4月 法務省矯正局成人矯正課企画官平成27年4月 広島矯正管区第二部長平成28年4月 現職

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宮本 慧哉大阪法務局民事行政部不動産登記部門登記専門職(平成27年入省・法律)平成27年4月 法務省民事局民事第二課平成28年4月 現職

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 私は、大阪法務局で不動産登記に関する業務に携わっています。大学などで法律を学んだことのある方は、不動産登記と聞くと対抗要件としての登記(権利に関する登記)を思い浮かべるかもしれませんが、権利に関する登記と、不動産の物理的現況を公示する表示に関する登記とが一体となっていることで、不動産に関する権利が正確に公示されています。さらに法務局では、登記所備付地図の作成作業、土地の境界(筆界)を明らかにする筆界特定制度により、国民の財産を守っています。 昨年度は本省で不動産登記制度に関する業務に携わっていたため、その経験が現場の仕事に生かされる部分がある一方、現場の仕事を通して制度の意義や問題点に気付かされることも多くあります。本省と、全国に400以上ある不動産登記所とが一体となって初めて国民の権利が守られていることを実感する毎日です。

菱田 泰弘入国管理局総務課難民認定室補佐官(平成10年入省・行政)

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平成21年4月 法務省入国管理局総務課翻訳官平成22年4月 法務省大臣官房秘書課       国際室法務専門官平成24年4月 大阪入国管理局       審査管理部門統括審査官平成25年3月 在ニューヨーク日本国総領事館領事平成28年4月 現職

小関 美智子厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課調整係長(平成22年入省・経済)平成23年4月 法務省入国管理局入国在留課平成24年4月 東京入国管理局横浜支局       (就労・永住審査部門)平成25年4月 法務省刑事局国際課平成26年4月 法務省大臣官房会計課平成28年4月 現職

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 厚生労働省に出向し、外国人の就業促進や外国人を雇う事業主の指導を担当する課において窓口業務に携わっています。随時多くの情報が集まる窓口では、必要な情報を選別して適切かつ迅速に対応することが肝心です。そのためには課の所掌をきちんと把握するとともに、日々の動きを理解しておく必要があります。 人口が減少する中、外国人受入れの問題は重要なテーマの一つとして常に注目を集めています。外国人に関わる仕事と言っても、入国管理局は外国人の適正な出入国や在留を考える所ですが、現在の部署は労働者としての外国人を考える所であり、視点の違いで施策も異なることから、政府全体で連携して社会を支えていることを実感します。異動する度に多くの発見がありますが、他省へ出向したことで一段と視野が広がったと感じています。

不動産登記の現場でこれまでの経験を糧に 出向という経験

 現在私は、登記事項証明書等の交付等の事務の民間委託に関する業務に携わっています。登記は我が国の社会経済活動の基盤であり、これを公開する事務を適正・円滑に運用することは非常に重要だと感じるとともに、今、社会は大きく変化していますので、法務省として今後どのような姿を目指していくべきかを考え、変えるべきところは変えていかなければならないとも感じています。 これまで、民事局、人権擁護局、訟務局、法務局、他省庁への出向など様々な経験をさせていただきましたが、様々な立場から、様々な切り口で、様々な人と協力しながら、よりよい行政サービスの実現にかかわることができ、その経験が、今の分野で仕事をする際にも糧になっていると感じています。 今後も1つ1つの仕事を大切にしながら、精一杯取り組んでいきたいと考えています。

多様な経験を糧に 私は現在、入国管理局で難民認定制度に関する企画立案や連絡調整を担当しています。 難民問題が国際社会の関心事となっている中、我が国の難民認定制度をめぐる状況は、近年、申請数の急増、申請内容の多様化、濫用・誤用的申請の存在などにより急激に変化しており、私たちはその変化に的確に対応していかなければなりません。 真の難民を確実に保護するには何が必要なのか。濫用・誤用的申請をどのように抑制したらよいのか。現場の声を聴き、申請者とのやり取りをイメージしながら、適正な手続の在り方を考えます。 入省以来、本省、地方局、他省庁での勤務を経験しましたが、法務省での勤務の魅力は、現場を重視したキャリアステップの中で自身の視野が広がるのを実感しながら、様々な制度づくりに携われることだと思います。 国際情勢を的確に捉えながら、様々な事情を抱えた一人一人の外国人と向き合っていく。そんな職場でチャレンジ精神旺盛な皆さんの訪問をお待ちしています。

真の難民を確実に保護するために

さまざまな人々との関わりの中で 我が国最大の女子刑務所。収容定員を超える収容人員、受刑者の高齢化、罪名で最も多いのは覚せい剤取締法違反で次は窃盗、摂食障害を始め心身に障害等を有する受刑者、そして、経験の浅い若年層に偏った女性職員の構成比。職員のワークライフバランスを考えつつ、多様な課題と向き合い、再犯防止に取り組んでいます。 本省・矯正管区・刑務所、それぞれで働き、北は札幌から南は山口まで、大規模刑務所である府中や名古屋、地元から誘致されたPFI刑務所等に異動しました。総務庁(当時)での勤務やスイス、カナダ等の海外出張にも恵まれました。他府省・地方公共団体、民間企業、さらには施設周辺の住民の皆さん、マスコミやボランティア団体の方々など、さまざまな人々と出会い、その関わりの中で、刑務所が地域社会に大きく支えられていることを学び、感銘を受け、やりがいを感じています。 皆さんにも、さまざまな人々との関わりの中で、得難い感動が訪れると思います。

2年目

3年目

7年目

8年目

19年目

28年目

M i n i s t r y O f J u s t i c e

植月 結可民事局総務課企画第三係長(平成21年入省・法律)平成21年4月 法務省大臣官房民事訟務課平成22年4月 東京法務局府中支局登記部門登記専門職平成23年4月 法務省民事局商事課平成24年4月 法務省人権擁護局人権啓発課平成25年4月 文化庁文化部宗教課宗教法人室法規係長平成27年4月 法務省民事局総務課係長平成28年4月 現職

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29 30事務系区分キャリアステップ 事務系区分キャリアステップ

事 務 系 区 分 キ ャ リ ア ス テ ッ プ一般的なキャリアステップ 事務系区分(行政・法律・経済・政治国際区分)で採用された方は、法務本省、地方機関、法務総合研究所(法務省の研修・研究機関)、他府省など様々な組織での勤務を経験します。その中で、政策の企画・立案から実施にまで携わりながら、社会経済情勢の変化に対応した新たな政策を実現していく能力を磨き、法務行政において重要な役割を担っていくことになります。

本省採用局勤務

本省採用局以外の局部課勤務

地方機関勤務

他府省出向

一般的なキャリアプラン

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 →民事局保護局

入国管理局 本省採用局勤務

地方機関勤務

本省採用局以外の局部課勤務 本省採用局

以外の局部課勤務

矯正局 地方機関勤務(2年間)

影山 美郷矯正局少年矯正課少年鑑別所係(平成26年入省・法律)平成26年4月 法務省保護局観察課平成27年4月 広島保護観察所保護観察官平成28年4月 現職

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 私は現在、矯正局少年矯正課で少年鑑別所に関する業務を担当しており、なかでも平成27年6月に施行された少年鑑別所法のもと、新たに本来業務に位置づけられた「地域援助」について広く一般に周知すべく、広報資料の作成やホームページの活用に取り組んでいます。 これまでの本省での勤務や現場での経験を通して、罪を犯してしまった人や非行少年の更生には、本当にたくさんの人が様々な形で関わっていることを身をもって学ぶことができました。そうした方々の理解と協力に対する感謝の気持ちを忘れず、政策立案等を通して一人でも多くの人の立ち直りを支え、より良い社会を実現できるよう、これからも業務に励んでいきたいと思っています。

花村 博文栃木刑務所長(平成元年入省・行政)平成18年4月 法務省矯正局総務課法務専門官平成20年4月 法務省矯正局総務課補佐官平成22年4月 美祢社会復帰促進センター長平成24年4月 法務省矯正局成人矯正課企画官平成27年4月 広島矯正管区第二部長平成28年4月 現職

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宮本 慧哉大阪法務局民事行政部不動産登記部門登記専門職(平成27年入省・法律)平成27年4月 法務省民事局民事第二課平成28年4月 現職

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 私は、大阪法務局で不動産登記に関する業務に携わっています。大学などで法律を学んだことのある方は、不動産登記と聞くと対抗要件としての登記(権利に関する登記)を思い浮かべるかもしれませんが、権利に関する登記と、不動産の物理的現況を公示する表示に関する登記とが一体となっていることで、不動産に関する権利が正確に公示されています。さらに法務局では、登記所備付地図の作成作業、土地の境界(筆界)を明らかにする筆界特定制度により、国民の財産を守っています。 昨年度は本省で不動産登記制度に関する業務に携わっていたため、その経験が現場の仕事に生かされる部分がある一方、現場の仕事を通して制度の意義や問題点に気付かされることも多くあります。本省と、全国に400以上ある不動産登記所とが一体となって初めて国民の権利が守られていることを実感する毎日です。

菱田 泰弘入国管理局総務課難民認定室補佐官(平成10年入省・行政)

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平成21年4月 法務省入国管理局総務課翻訳官平成22年4月 法務省大臣官房秘書課       国際室法務専門官平成24年4月 大阪入国管理局       審査管理部門統括審査官平成25年3月 在ニューヨーク日本国総領事館領事平成28年4月 現職

小関 美智子厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課調整係長(平成22年入省・経済)平成23年4月 法務省入国管理局入国在留課平成24年4月 東京入国管理局横浜支局       (就労・永住審査部門)平成25年4月 法務省刑事局国際課平成26年4月 法務省大臣官房会計課平成28年4月 現職

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 厚生労働省に出向し、外国人の就業促進や外国人を雇う事業主の指導を担当する課において窓口業務に携わっています。随時多くの情報が集まる窓口では、必要な情報を選別して適切かつ迅速に対応することが肝心です。そのためには課の所掌をきちんと把握するとともに、日々の動きを理解しておく必要があります。 人口が減少する中、外国人受入れの問題は重要なテーマの一つとして常に注目を集めています。外国人に関わる仕事と言っても、入国管理局は外国人の適正な出入国や在留を考える所ですが、現在の部署は労働者としての外国人を考える所であり、視点の違いで施策も異なることから、政府全体で連携して社会を支えていることを実感します。異動する度に多くの発見がありますが、他省へ出向したことで一段と視野が広がったと感じています。

不動産登記の現場でこれまでの経験を糧に 出向という経験

 現在私は、登記事項証明書等の交付等の事務の民間委託に関する業務に携わっています。登記は我が国の社会経済活動の基盤であり、これを公開する事務を適正・円滑に運用することは非常に重要だと感じるとともに、今、社会は大きく変化していますので、法務省として今後どのような姿を目指していくべきかを考え、変えるべきところは変えていかなければならないとも感じています。 これまで、民事局、人権擁護局、訟務局、法務局、他省庁への出向など様々な経験をさせていただきましたが、様々な立場から、様々な切り口で、様々な人と協力しながら、よりよい行政サービスの実現にかかわることができ、その経験が、今の分野で仕事をする際にも糧になっていると感じています。 今後も1つ1つの仕事を大切にしながら、精一杯取り組んでいきたいと考えています。

多様な経験を糧に 私は現在、入国管理局で難民認定制度に関する企画立案や連絡調整を担当しています。 難民問題が国際社会の関心事となっている中、我が国の難民認定制度をめぐる状況は、近年、申請数の急増、申請内容の多様化、濫用・誤用的申請の存在などにより急激に変化しており、私たちはその変化に的確に対応していかなければなりません。 真の難民を確実に保護するには何が必要なのか。濫用・誤用的申請をどのように抑制したらよいのか。現場の声を聴き、申請者とのやり取りをイメージしながら、適正な手続の在り方を考えます。 入省以来、本省、地方局、他省庁での勤務を経験しましたが、法務省での勤務の魅力は、現場を重視したキャリアステップの中で自身の視野が広がるのを実感しながら、様々な制度づくりに携われることだと思います。 国際情勢を的確に捉えながら、様々な事情を抱えた一人一人の外国人と向き合っていく。そんな職場でチャレンジ精神旺盛な皆さんの訪問をお待ちしています。

真の難民を確実に保護するために

さまざまな人々との関わりの中で 我が国最大の女子刑務所。収容定員を超える収容人員、受刑者の高齢化、罪名で最も多いのは覚せい剤取締法違反で次は窃盗、摂食障害を始め心身に障害等を有する受刑者、そして、経験の浅い若年層に偏った女性職員の構成比。職員のワークライフバランスを考えつつ、多様な課題と向き合い、再犯防止に取り組んでいます。 本省・矯正管区・刑務所、それぞれで働き、北は札幌から南は山口まで、大規模刑務所である府中や名古屋、地元から誘致されたPFI刑務所等に異動しました。総務庁(当時)での勤務やスイス、カナダ等の海外出張にも恵まれました。他府省・地方公共団体、民間企業、さらには施設周辺の住民の皆さん、マスコミやボランティア団体の方々など、さまざまな人々と出会い、その関わりの中で、刑務所が地域社会に大きく支えられていることを学び、感銘を受け、やりがいを感じています。 皆さんにも、さまざまな人々との関わりの中で、得難い感動が訪れると思います。

2年目

3年目

7年目

8年目

19年目

28年目

M i n i s t r y O f J u s t i c e

植月 結可民事局総務課企画第三係長(平成21年入省・法律)平成21年4月 法務省大臣官房民事訟務課平成22年4月 東京法務局府中支局登記部門登記専門職平成23年4月 法務省民事局商事課平成24年4月 法務省人権擁護局人権啓発課平成25年4月 文化庁文化部宗教課宗教法人室法規係長平成27年4月 法務省民事局総務課係長平成28年4月 現職

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31 32人間科学区分キャリアステップ 人間科学区分キャリアステップ

事 務 系 区 分 の キ ャ リ ア ス テ ッ プ

坂井 智美府中刑務所調査専門官(平成25年入省・人間科学)平成25年4月 東京少年鑑別所平成27年4月 現職

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 採用から2年間は少年鑑別所で非行少年の鑑別に、3年目からは刑事施設で心理療法ベースの再犯防止プログラムの実施に携わっています。非行少年や受刑者が犯罪行為に至った背景を心理学的に捉え、再非行・再犯をしない手立てを見いだすことは共通した役割です。本人から生い立ちや事件の話を聞き、彼らがなぜ犯罪をしたのか、どうすれば更生できるかを考えていく中で、人の心や体験を理解することの難しさや人の生き方に関わる問題を扱う重みとともに、その奥深さを実感してきました。気が付けば入省からあっという間の4年間だったと思います。様々な方との関わりを通じて多くを学ぶことができましたし、専門性を更生の援助に活かせるやりがいも改めて感じています。彼らが更生し、次の非行・犯罪を起こさないことを願って、業務に励んでいきたいと思っています。

吉田 研一郎

平成19年4月 大津保護観察所長平成21年4月 法務省保護局更生保護振興課       保護調査官平成23年4月 法務省保護局参事官平成25年4月 法務省保護局観察課長平成27年4月 法務省保護局総務課長平成28年4月 現職

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大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官(昭和56年入省・社会)

横山 萌水戸保護観察所保護観察官(平成28年入省・人間科学)平成28年 4月 水戸保護観察所平成28年10月 現職

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 私は保護観察官として、犯罪や非行をした人の社会内処遇に携わっています。具体的には、地区主任官として保護観察開始時及び処遇上必要な場面において保護観察対象者と面接し、また対象者の処遇について保護司と協議するほか、交通短期保護観察の講習等を担当しています。 私は元々対人援助職を志望していましたが、大学院で臨床心理学を学ぶ中で、「〝自ら支援を求めない・求めることができない人〞に対する支援」に興味を持つようになりました。学生時代に犯罪・非行領域に触れたことはありませんでしたが、保護局が担っている社会内処遇は私が関心のある援助の形に近いのではないかと考え、保護局を志望しました。 保護観察官としての責任は大きいですが、職場の先輩方や保護司の方々をはじめ、様々な人に支えられながら、日々仕事をしています。

西岡 潔子矯正局少年矯正課企画官(平成5年入省・心理)

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平成13年4月 新潟少年鑑別所統括専門官平成21年4月 千葉少年鑑別所首席専門官平成23年4月 法務省矯正局少年矯正課法務専門官平成26年4月 大津少年鑑別所長平成28年4月 現職

提中 裕之静岡保護観察所保護観察官(平成20年入省・人間科学Ⅰ)

平成20年 4月 大分保護観察所平成20年10月 大分保護観察所保護観察官平成22年 4月 福岡保護観察所保護観察官平成23年 4月 法務省保護局総務課平成25年 4月 川越少年刑務所分類審議室調査専門官平成27年 4月 現職

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 入省して8年が経ちました。この間、保護観察所や法務省保護局のほか、刑務所でも勤務してきました。現在は保護観察官として、薬物依存のある刑務出所者等を対象としたグループワークを担当しています。薬物事犯者は再犯率が高く、彼らが、依存から離脱するためには多くの困難を乗り越えていく必要があります。グループワークの中では、お互いの経験や気持ちを話し合ってもらい、共有しつつ、断薬に向けた具体的な対策を皆で検討していきます。初対面の頃は、よそよそしかったメンバーも、次第に心の内を話してくれるようになります。こうしてグループとしての一体感が生まれ、各メンバーの意識が高まっていく様子が見られると、指導者としてやりがいを感じます。また、私自身、彼らと同じ時間を過ごす中で、様々な学びを得られているように思います。

初めて社会内処遇の現場に触れて

これまでを振り返って薬物依存からの離脱に向けて  大学で専攻した社会学等の専

門性をベースに、教育や福祉の現場に軸足を置いて行政の仕事に携わりたい、そう漠然と考えていた私は、最終的にフィーリング(と勢い!?)で矯正の世界に飛び込みました。採用後は、多摩少年院の法務教官を出発点に、これまで通算で少年院勤務を4年、研究・試験関係業務を4年、矯正局勤務を4年、大臣官房勤務を3年ほど経験してきました。 現在は法務副大臣秘書官として、国会対応を始め法務省の業務が円滑に遂行されるよう、副大臣と各局部課との連絡調整的な役割などを担っています。 総合職の中でも小規模な試験区分ですが、法務省を中心に人間科学系行政官の活躍の場は、矯正教育等の現場、本省における企画立案、施策に関連する研究や専門職の育成など幅広く、私も、そこに大きなやりがいを感じながら、信頼できる上司や同僚たちと明るく楽しく日々勤務に励んでいます。

人間科学系行政官としてのやりがい

 人の気持ち、こころの奥深さに興味を持ち、大学では心理学を専攻しました。矯正局・矯正施設での勤務は、行政官であるとともに、心理学の専門性を活かし、伸ばすことが求められることに強くひかれ、志望しました。矯正局、少年鑑別所、刑事施設のほか、人事交流で保護観察官をする機会にも恵まれ、貴重な出会いと勤務経験の一つ一つが、今の私を形作っていると感じます。 平成27年に少年鑑別所法が施行となり、少年鑑別所は大きく変わろうとしています。地域の非行・犯罪の防止のため、一般の方からの心理相談にも積極的に応じることになりましたし、効果検証、新たなアセスメントツールの開発など、これまでの業務に加え、人間科学(心理)の専門性が必要とされる領域は益々広がっています。 あなたの可能性が広がるこの世界にぜひ飛び込んできてください。

出会いと仕事を通じて変わる

 大学で社会学を専攻し、犯罪や非行の問題に関心をもったことから、更生保護の世界に入りました。様々な困難を抱える保護観察対象者等の処遇に悩みながらも、保護司や協力雇用主をはじめ、彼らの立ち直りを支える多くの民間篤志家の方々と共に汗を流し、苦労や喜びを分かち合えるのが、この仕事の大きな魅力です。最近は、更生保護制度改革の推進や刑の一部の執行猶予制度の創設など、本省での勤務が続いていますが、そこでは、現場での経験や思いを踏まえることはもとより、隣接分野や諸外国の取組にも学びながら、広い視野と想像力でよりよい制度を構想する力が必要と感じます。 現在の職は、本年度から設置された新しいポスト。ITの技術を活用した業務改革の推進やセキュリティの確保、そしてこれらの業務を担う人材の育成などが重要な課題になる中、新たなチャレンジの毎日です。

根をもつことと翼をもつこと

1年目

4年目

9年目

16年目

24年目

36年目

M i n i s t r y O f J u s t i c e

立石 浩司大臣官房秘書課法務専門官(平成13年入省・社会)平成17年 4月 市原学園専門官平成19年 4月 人事院人材局試験専門官平成22年 4月 法務省矯正局少年矯正課        少年院第二係長(研究休職)平成23年 4月 法務省矯正局総務課人事企画係平成25年 4月 法務省矯正局総務課調査係兼庶務係平成27年10月 現職

Prof i le.

一般的なキャリアステップ 人間科学区分で採用された方は、採用後1~3年は採用局の地方機関で勤務し、その後も、採用局の地方機関での勤務を中心にしつつ、本人の希望や適性などに基づき、おおむね1~3年のサイクルで、法務本省や他府省での勤務、矯正・保護の人事交流などの経験も積むことができます。この区分で採用された職員には、優れた専門性と現場感覚をいかした政策の企画・立案が期待されています。

人 間 科 学 区 分 キ ャ リ ア ス テ ッ プ

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31 32人間科学区分キャリアステップ 人間科学区分キャリアステップ

事 務 系 区 分 の キ ャ リ ア ス テ ッ プ

坂井 智美府中刑務所調査専門官(平成25年入省・人間科学)平成25年4月 東京少年鑑別所平成27年4月 現職

Prof i le.

 採用から2年間は少年鑑別所で非行少年の鑑別に、3年目からは刑事施設で心理療法ベースの再犯防止プログラムの実施に携わっています。非行少年や受刑者が犯罪行為に至った背景を心理学的に捉え、再非行・再犯をしない手立てを見いだすことは共通した役割です。本人から生い立ちや事件の話を聞き、彼らがなぜ犯罪をしたのか、どうすれば更生できるかを考えていく中で、人の心や体験を理解することの難しさや人の生き方に関わる問題を扱う重みとともに、その奥深さを実感してきました。気が付けば入省からあっという間の4年間だったと思います。様々な方との関わりを通じて多くを学ぶことができましたし、専門性を更生の援助に活かせるやりがいも改めて感じています。彼らが更生し、次の非行・犯罪を起こさないことを願って、業務に励んでいきたいと思っています。

吉田 研一郎

平成19年4月 大津保護観察所長平成21年4月 法務省保護局更生保護振興課       保護調査官平成23年4月 法務省保護局参事官平成25年4月 法務省保護局観察課長平成27年4月 法務省保護局総務課長平成28年4月 現職

Prof i le.

大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官(昭和56年入省・社会)

横山 萌水戸保護観察所保護観察官(平成28年入省・人間科学)平成28年 4月 水戸保護観察所平成28年10月 現職

Prof i le.

 私は保護観察官として、犯罪や非行をした人の社会内処遇に携わっています。具体的には、地区主任官として保護観察開始時及び処遇上必要な場面において保護観察対象者と面接し、また対象者の処遇について保護司と協議するほか、交通短期保護観察の講習等を担当しています。 私は元々対人援助職を志望していましたが、大学院で臨床心理学を学ぶ中で、「〝自ら支援を求めない・求めることができない人〞に対する支援」に興味を持つようになりました。学生時代に犯罪・非行領域に触れたことはありませんでしたが、保護局が担っている社会内処遇は私が関心のある援助の形に近いのではないかと考え、保護局を志望しました。 保護観察官としての責任は大きいですが、職場の先輩方や保護司の方々をはじめ、様々な人に支えられながら、日々仕事をしています。

西岡 潔子矯正局少年矯正課企画官(平成5年入省・心理)

Prof i le.

平成13年4月 新潟少年鑑別所統括専門官平成21年4月 千葉少年鑑別所首席専門官平成23年4月 法務省矯正局少年矯正課法務専門官平成26年4月 大津少年鑑別所長平成28年4月 現職

提中 裕之静岡保護観察所保護観察官(平成20年入省・人間科学Ⅰ)

平成20年 4月 大分保護観察所平成20年10月 大分保護観察所保護観察官平成22年 4月 福岡保護観察所保護観察官平成23年 4月 法務省保護局総務課平成25年 4月 川越少年刑務所分類審議室調査専門官平成27年 4月 現職

Prof i le.

 入省して8年が経ちました。この間、保護観察所や法務省保護局のほか、刑務所でも勤務してきました。現在は保護観察官として、薬物依存のある刑務出所者等を対象としたグループワークを担当しています。薬物事犯者は再犯率が高く、彼らが、依存から離脱するためには多くの困難を乗り越えていく必要があります。グループワークの中では、お互いの経験や気持ちを話し合ってもらい、共有しつつ、断薬に向けた具体的な対策を皆で検討していきます。初対面の頃は、よそよそしかったメンバーも、次第に心の内を話してくれるようになります。こうしてグループとしての一体感が生まれ、各メンバーの意識が高まっていく様子が見られると、指導者としてやりがいを感じます。また、私自身、彼らと同じ時間を過ごす中で、様々な学びを得られているように思います。

初めて社会内処遇の現場に触れて

これまでを振り返って薬物依存からの離脱に向けて  大学で専攻した社会学等の専

門性をベースに、教育や福祉の現場に軸足を置いて行政の仕事に携わりたい、そう漠然と考えていた私は、最終的にフィーリング(と勢い!?)で矯正の世界に飛び込みました。採用後は、多摩少年院の法務教官を出発点に、これまで通算で少年院勤務を4年、研究・試験関係業務を4年、矯正局勤務を4年、大臣官房勤務を3年ほど経験してきました。 現在は法務副大臣秘書官として、国会対応を始め法務省の業務が円滑に遂行されるよう、副大臣と各局部課との連絡調整的な役割などを担っています。 総合職の中でも小規模な試験区分ですが、法務省を中心に人間科学系行政官の活躍の場は、矯正教育等の現場、本省における企画立案、施策に関連する研究や専門職の育成など幅広く、私も、そこに大きなやりがいを感じながら、信頼できる上司や同僚たちと明るく楽しく日々勤務に励んでいます。

人間科学系行政官としてのやりがい

 人の気持ち、こころの奥深さに興味を持ち、大学では心理学を専攻しました。矯正局・矯正施設での勤務は、行政官であるとともに、心理学の専門性を活かし、伸ばすことが求められることに強くひかれ、志望しました。矯正局、少年鑑別所、刑事施設のほか、人事交流で保護観察官をする機会にも恵まれ、貴重な出会いと勤務経験の一つ一つが、今の私を形作っていると感じます。 平成27年に少年鑑別所法が施行となり、少年鑑別所は大きく変わろうとしています。地域の非行・犯罪の防止のため、一般の方からの心理相談にも積極的に応じることになりましたし、効果検証、新たなアセスメントツールの開発など、これまでの業務に加え、人間科学(心理)の専門性が必要とされる領域は益々広がっています。 あなたの可能性が広がるこの世界にぜひ飛び込んできてください。

出会いと仕事を通じて変わる

 大学で社会学を専攻し、犯罪や非行の問題に関心をもったことから、更生保護の世界に入りました。様々な困難を抱える保護観察対象者等の処遇に悩みながらも、保護司や協力雇用主をはじめ、彼らの立ち直りを支える多くの民間篤志家の方々と共に汗を流し、苦労や喜びを分かち合えるのが、この仕事の大きな魅力です。最近は、更生保護制度改革の推進や刑の一部の執行猶予制度の創設など、本省での勤務が続いていますが、そこでは、現場での経験や思いを踏まえることはもとより、隣接分野や諸外国の取組にも学びながら、広い視野と想像力でよりよい制度を構想する力が必要と感じます。 現在の職は、本年度から設置された新しいポスト。ITの技術を活用した業務改革の推進やセキュリティの確保、そしてこれらの業務を担う人材の育成などが重要な課題になる中、新たなチャレンジの毎日です。

根をもつことと翼をもつこと

1年目

4年目

9年目

16年目

24年目

36年目

M i n i s t r y O f J u s t i c e

立石 浩司大臣官房秘書課法務専門官(平成13年入省・社会)平成17年 4月 市原学園専門官平成19年 4月 人事院人材局試験専門官平成22年 4月 法務省矯正局少年矯正課        少年院第二係長(研究休職)平成23年 4月 法務省矯正局総務課人事企画係平成25年 4月 法務省矯正局総務課調査係兼庶務係平成27年10月 現職

Prof i le.

一般的なキャリアステップ 人間科学区分で採用された方は、採用後1~3年は採用局の地方機関で勤務し、その後も、採用局の地方機関での勤務を中心にしつつ、本人の希望や適性などに基づき、おおむね1~3年のサイクルで、法務本省や他府省での勤務、矯正・保護の人事交流などの経験も積むことができます。この区分で採用された職員には、優れた専門性と現場感覚をいかした政策の企画・立案が期待されています。

人 間 科 学 区 分 キ ャ リ ア ス テ ッ プ

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Work Life Balanceワーク・ライフ・バランス

松木 絵美東京拘置所主任矯正処遇官(平成21年入省・法律)

Prof i le. 平成21年4月 法務省矯正局総務課法規係平成22年4月 栃木刑務所主任矯正処遇官平成24年4月 法務省大臣官房秘書課総務法令係平成25年4月 法務省矯正局総務課法規係育児休業(平成25年9月から平成28年4月まで)平成28年4月 現職

 私は東京保護観察所勤務中に産前休暇に入り、現在、育児休業中です。妊娠中は体調を崩すこともありましたが、上司や同僚がサポートしてくれたおかげで、無事に出産を迎えることができました。職場には子育ての先輩が多く、たくさんアドバイスをもらえたことも心強かったです。 現在、子どもと向き合う毎日は楽しくて充実していますが、一方で、初めての育児に不安や孤独を感じることもあります。そんな中で、家族や近所の子育て仲間に相談したり、地域の児童館や子育て支援センターを利用したりする機会も増えました。 出産・育児を通じ、周囲の人や地域との繋がりの大切さを改めて実感しています。この貴重な経験を活かし、職場復帰後は、保護観察対象者が、周囲から少しでも多くの支えを得て、立ち直っていけるように手助けしていきたいと思っています。

育児休業を取得して

宮下 奈保子Prof i le. 平成20年 4月  盛岡保護観察所

平成20年10月  盛岡保護観察所保護観察官平成22年 4月  横浜保護観察所小田原駐在官事務所保護観察官平成23年 4月  法務省保護局観察課平成25年 4月  関東地方更生保護委員会事務局保護観察官平成26年 4月  東京保護観察所保護観察官平成27年 4月  現職(平成27年4月から育児休業取得中)

関東地方更生保護委員会事務局保護観察官(平成20年入省・人間科学Ⅰ)

 私は約1年半の産休及び育休期間を経て、平成28年4月から、東京入国管理局審判部門において、入管関係訴訟の業務を担当しています。 育児時間や休憩時間短縮といった制度を活用しながら、日中は、担当する事件の書面案を作成したり、裁判期日に出廷したりして、慌ただしく過ごしています。法令の規定や過去の裁判例を踏まえ、国としての主張を構成していく作業は容易ではありませんが、学生時代に学んだことを生かしつつ、日々奮闘しています。 そして、退庁後は、保育園に寄ってから帰宅し、家事をしながら、まだ幼い娘のお世話や遊び相手をするなど、日中以上の慌ただしさ!そのため、1日が終わる頃にはすっかり疲労困憊状態ですが、すやすやと眠っている娘の寝顔に癒やされ、また明日も頑張ろうと前向きになれます。

仕事も育児も奮闘中

1 年 目 職 員 の 紹 介 M i n i s t r y O f J u s t i c e

 法務省では、「法務省・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動計画(アット・ホウムプラン)」を策定し、働き方改革や、全ての職員が家事・育児・介護等をしながら活躍できる職場環境の整備に取り組んでいます。 ここでは、育児と仕事を両立している職員を紹介します。

 ここでは新たに法務省職員に加わった1年目職員のうち4名が、志望動機や将来の夢について語ってくれました。

十倉 沙希人権擁護局調査救済課調査救済第二係(平成28年入省・法律)

Prof i le.

誰もが幸せに生きられる社会を実現するために

渡邉 美里矯正局総務課人事企画係(平成28年入省・法律)

Prof i le.

法務省を志望する皆さんへ

奈須 智明保護局観察課観察係(平成28年入省・法律)

Prof i le.

再犯に苦しむ人のいない社会を目指して

宮西 真央入国管理局審判課難民審判係(平成28年入省・行政)

Prof i le.

共生社会の実現のために

子どもを2人出産し、平成28年4月に復職してからは、仕事、育児、家事に追われる毎日を過ごしています。保育園の送迎や子どもの突然の体調不良等で勤務時間に制約があるため、出産前のように満足に仕事ができず、また、帰宅後も子どもの世話に追われるなど、仕事と育児の両立は想像以上に大変です。 現在の職場は、育児中の職員が多く活躍していることもあり、育児休業、看護休暇等を取得しやすい雰囲気です。また、妊娠時は電車通勤をしていたため、通勤緩和制度も利用しました。妊娠、出産及び育児に関して職場の理解は深く、上司等からも特段の配慮を頂いていると感じています。 私はこの経験を通して、育児に携わる職員の気持ちをより一層理解し、寄り添えるようになったと思います。今後は、自身の経験を生かし、より良い職場環境の構築に少しでも貢献していきたいと思います。

育児休業を取得し、復職して

M i n i s t r y O f J u s t i c e

33 34ワーク・ライフ・バランス 1年目職員の紹介

 高校生の頃、「自分は生まれてこない方が幸せだった」と裁判を起こした人がいると知りました。いったいどんな気持ちで今まで生きてきたのだろうかと、失礼にも勝手に、その境遇に色々と思いを巡らせましたが、もしこの方が今私の目の前で同じ発言をしたとしても何もできないことに気付き、自分がひどく無力に思えました。このことをきっかけに、誰もが幸せに生きられる社会を実現したいと考えるようになり、人権擁護局を志望するようになりました。 人権擁護局で実際に働き始め、早半年が

過ぎましたが、人権擁護局の仕事は、他人を思いやる心をもってもらえるよう、人々に働きかけることだと考えています。誰にでも辛いことはありますが、お互いを思いやり、支え合うことのできる人が一人でもいれば、それは幸せな人生といえるのではないかと思うのです。誰もが自分の人生を幸せに生きる権利があるはずです。これを当たり前のこととして享受できる国に少しでも近づけられるよう、尽力したいと考えています。

 試験で勉強した法律の知識と、専攻していた心理学の両方を活かせる職に就きたいと考え、法務省矯正局を志望しました。刑事政策どころか法律も勉強したことがなかったのですが、大学で矯正職員の講義を聴き、罪を犯した人へ適正な処遇を行って再犯防止を目指すという前向きな考え方に惹かれるようになりました。「再犯を防止することで社会の秩序を守る」という点が一番の魅力であると思います。研修で刑事施設を訪れた際、本当に多くの職員の努力により刑事施設が運営され、地域の安

全が守られていると知りました。常に脚光を浴びているような仕事ではないかもしれませんが、公共の安寧を保つ要として働くことには、大きなやりがいがあると思います。 国家総合職も法務省も、自分には無縁だと思っていましたが、多くの職員の方が温かく相談に乗ってくださったおかげで、入省することができました。少しでも興味のある方、全く知識のない方も、ぜひ説明会で法務省の魅力に触れていただきたいと思います。

 小さい頃から、人を苦しめてしまう犯罪を防ぐ仕事をしたいと考えていました。その思いから、大学では犯罪について学びましたが、そこで学んだことは、自分には想像もできない孤独や貧困に苦しみながら、罪を繰り返す人がいるという事実でした。 犯罪から社会を守りたいという初心と、苦しい背景を持つ人でも、それでも周囲に支えられることで罪を繰り返さずに尊厳を持って生きられるよう、何か自分にできることをしたいという思いを胸に、4月か

ら保護局観察課で勤務しています。 他省庁等からの照会対応や、本年6月に施行された「刑の一部の執行猶予制度」の適正な運用のための資料作成など、日々の業務は再犯防止の一端を担うやりがいを感じさせるものです。時に業務に対し不安を覚えることもありますが、あたたかい上司や先輩職員、同期に支えられています。 これからも、今の気持ちを大切に、一歩ずつ前進したいと思います。

 大学時代に、外国人の友人と親しくなったことをきっかけに、在留外国人と日本社会の在り方に興味を抱き、入国管理局を志望しました。 私は、現在、審判課難民審判係で、難民不認定処分を受けた申請者による審査請求に対し、難民審査参与員の意見や本国情勢を検討した上で、処分を決定するという業務を担当しています。難民認定制度は、庇護を求める方にとって光となるものですが、現実には、就労等を目的に制度が悪用されているという側面もあると感じ

ています。 少子高齢化、人口減少等により、社会が変化していく中で、外国人の受入れは今後大きな議論を呼び、入国管理局の果たす役割は大きくなると思います。将来的には、日本の社会秩序を維持しながら、日本人と外国人が共生できる社会を構築できるような政策に携わっていきたいです。遠藤 由美

Prof i le. 平成20年8月 行政官長期在外研究員(英国留学)平成22年8月 法務省入国管理局入国在留課審査企画係長平成23年4月 金融庁監督局総務課金融会社室課長補佐平成25年4月 法務省入国管理局入国在留課在留管理業務室       市町村連携業務係長平成26年4月 法務省入国管理局入国在留課就労審査係長(平成26年10月~産休及び育休の取得)平成28年4月 東京入国管理局審判部門上席入国審査官

東京入国管理局審判部門上席入国審査官(平成16年入省・法律)

Page 35: MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017 ministry of justice ministry of justice 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1

Work Life Balanceワーク・ライフ・バランス

松木 絵美東京拘置所主任矯正処遇官(平成21年入省・法律)

Prof i le. 平成21年4月 法務省矯正局総務課法規係平成22年4月 栃木刑務所主任矯正処遇官平成24年4月 法務省大臣官房秘書課総務法令係平成25年4月 法務省矯正局総務課法規係育児休業(平成25年9月から平成28年4月まで)平成28年4月 現職

 私は東京保護観察所勤務中に産前休暇に入り、現在、育児休業中です。妊娠中は体調を崩すこともありましたが、上司や同僚がサポートしてくれたおかげで、無事に出産を迎えることができました。職場には子育ての先輩が多く、たくさんアドバイスをもらえたことも心強かったです。 現在、子どもと向き合う毎日は楽しくて充実していますが、一方で、初めての育児に不安や孤独を感じることもあります。そんな中で、家族や近所の子育て仲間に相談したり、地域の児童館や子育て支援センターを利用したりする機会も増えました。 出産・育児を通じ、周囲の人や地域との繋がりの大切さを改めて実感しています。この貴重な経験を活かし、職場復帰後は、保護観察対象者が、周囲から少しでも多くの支えを得て、立ち直っていけるように手助けしていきたいと思っています。

育児休業を取得して

宮下 奈保子Prof i le. 平成20年 4月  盛岡保護観察所

平成20年10月  盛岡保護観察所保護観察官平成22年 4月  横浜保護観察所小田原駐在官事務所保護観察官平成23年 4月  法務省保護局観察課平成25年 4月  関東地方更生保護委員会事務局保護観察官平成26年 4月  東京保護観察所保護観察官平成27年 4月  現職(平成27年4月から育児休業取得中)

関東地方更生保護委員会事務局保護観察官(平成20年入省・人間科学Ⅰ)

 私は約1年半の産休及び育休期間を経て、平成28年4月から、東京入国管理局審判部門において、入管関係訴訟の業務を担当しています。 育児時間や休憩時間短縮といった制度を活用しながら、日中は、担当する事件の書面案を作成したり、裁判期日に出廷したりして、慌ただしく過ごしています。法令の規定や過去の裁判例を踏まえ、国としての主張を構成していく作業は容易ではありませんが、学生時代に学んだことを生かしつつ、日々奮闘しています。 そして、退庁後は、保育園に寄ってから帰宅し、家事をしながら、まだ幼い娘のお世話や遊び相手をするなど、日中以上の慌ただしさ!そのため、1日が終わる頃にはすっかり疲労困憊状態ですが、すやすやと眠っている娘の寝顔に癒やされ、また明日も頑張ろうと前向きになれます。

仕事も育児も奮闘中

1 年 目 職 員 の 紹 介 M i n i s t r y O f J u s t i c e

 法務省では、「法務省・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動計画(アット・ホウムプラン)」を策定し、働き方改革や、全ての職員が家事・育児・介護等をしながら活躍できる職場環境の整備に取り組んでいます。 ここでは、育児と仕事を両立している職員を紹介します。

 ここでは新たに法務省職員に加わった1年目職員のうち4名が、志望動機や将来の夢について語ってくれました。

十倉 沙希人権擁護局調査救済課調査救済第二係(平成28年入省・法律)

Prof i le.

誰もが幸せに生きられる社会を実現するために

渡邉 美里矯正局総務課人事企画係(平成28年入省・法律)

Prof i le.

法務省を志望する皆さんへ

奈須 智明保護局観察課観察係(平成28年入省・法律)

Prof i le.

再犯に苦しむ人のいない社会を目指して

宮西 真央入国管理局審判課難民審判係(平成28年入省・行政)

Prof i le.

共生社会の実現のために

子どもを2人出産し、平成28年4月に復職してからは、仕事、育児、家事に追われる毎日を過ごしています。保育園の送迎や子どもの突然の体調不良等で勤務時間に制約があるため、出産前のように満足に仕事ができず、また、帰宅後も子どもの世話に追われるなど、仕事と育児の両立は想像以上に大変です。 現在の職場は、育児中の職員が多く活躍していることもあり、育児休業、看護休暇等を取得しやすい雰囲気です。また、妊娠時は電車通勤をしていたため、通勤緩和制度も利用しました。妊娠、出産及び育児に関して職場の理解は深く、上司等からも特段の配慮を頂いていると感じています。 私はこの経験を通して、育児に携わる職員の気持ちをより一層理解し、寄り添えるようになったと思います。今後は、自身の経験を生かし、より良い職場環境の構築に少しでも貢献していきたいと思います。

育児休業を取得し、復職して

M i n i s t r y O f J u s t i c e

33 34ワーク・ライフ・バランス 1年目職員の紹介

 高校生の頃、「自分は生まれてこない方が幸せだった」と裁判を起こした人がいると知りました。いったいどんな気持ちで今まで生きてきたのだろうかと、失礼にも勝手に、その境遇に色々と思いを巡らせましたが、もしこの方が今私の目の前で同じ発言をしたとしても何もできないことに気付き、自分がひどく無力に思えました。このことをきっかけに、誰もが幸せに生きられる社会を実現したいと考えるようになり、人権擁護局を志望するようになりました。 人権擁護局で実際に働き始め、早半年が

過ぎましたが、人権擁護局の仕事は、他人を思いやる心をもってもらえるよう、人々に働きかけることだと考えています。誰にでも辛いことはありますが、お互いを思いやり、支え合うことのできる人が一人でもいれば、それは幸せな人生といえるのではないかと思うのです。誰もが自分の人生を幸せに生きる権利があるはずです。これを当たり前のこととして享受できる国に少しでも近づけられるよう、尽力したいと考えています。

 試験で勉強した法律の知識と、専攻していた心理学の両方を活かせる職に就きたいと考え、法務省矯正局を志望しました。刑事政策どころか法律も勉強したことがなかったのですが、大学で矯正職員の講義を聴き、罪を犯した人へ適正な処遇を行って再犯防止を目指すという前向きな考え方に惹かれるようになりました。「再犯を防止することで社会の秩序を守る」という点が一番の魅力であると思います。研修で刑事施設を訪れた際、本当に多くの職員の努力により刑事施設が運営され、地域の安

全が守られていると知りました。常に脚光を浴びているような仕事ではないかもしれませんが、公共の安寧を保つ要として働くことには、大きなやりがいがあると思います。 国家総合職も法務省も、自分には無縁だと思っていましたが、多くの職員の方が温かく相談に乗ってくださったおかげで、入省することができました。少しでも興味のある方、全く知識のない方も、ぜひ説明会で法務省の魅力に触れていただきたいと思います。

 小さい頃から、人を苦しめてしまう犯罪を防ぐ仕事をしたいと考えていました。その思いから、大学では犯罪について学びましたが、そこで学んだことは、自分には想像もできない孤独や貧困に苦しみながら、罪を繰り返す人がいるという事実でした。 犯罪から社会を守りたいという初心と、苦しい背景を持つ人でも、それでも周囲に支えられることで罪を繰り返さずに尊厳を持って生きられるよう、何か自分にできることをしたいという思いを胸に、4月か

ら保護局観察課で勤務しています。 他省庁等からの照会対応や、本年6月に施行された「刑の一部の執行猶予制度」の適正な運用のための資料作成など、日々の業務は再犯防止の一端を担うやりがいを感じさせるものです。時に業務に対し不安を覚えることもありますが、あたたかい上司や先輩職員、同期に支えられています。 これからも、今の気持ちを大切に、一歩ずつ前進したいと思います。

 大学時代に、外国人の友人と親しくなったことをきっかけに、在留外国人と日本社会の在り方に興味を抱き、入国管理局を志望しました。 私は、現在、審判課難民審判係で、難民不認定処分を受けた申請者による審査請求に対し、難民審査参与員の意見や本国情勢を検討した上で、処分を決定するという業務を担当しています。難民認定制度は、庇護を求める方にとって光となるものですが、現実には、就労等を目的に制度が悪用されているという側面もあると感じ

ています。 少子高齢化、人口減少等により、社会が変化していく中で、外国人の受入れは今後大きな議論を呼び、入国管理局の果たす役割は大きくなると思います。将来的には、日本の社会秩序を維持しながら、日本人と外国人が共生できる社会を構築できるような政策に携わっていきたいです。遠藤 由美

Prof i le. 平成20年8月 行政官長期在外研究員(英国留学)平成22年8月 法務省入国管理局入国在留課審査企画係長平成23年4月 金融庁監督局総務課金融会社室課長補佐平成25年4月 法務省入国管理局入国在留課在留管理業務室       市町村連携業務係長平成26年4月 法務省入国管理局入国在留課就労審査係長(平成26年10月~産休及び育休の取得)平成28年4月 東京入国管理局審判部門上席入国審査官

東京入国管理局審判部門上席入国審査官(平成16年入省・法律)

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特別 企画!法務省若手職員  約50人に聞きました!!

法務省を漢字1字で表すと・・・

出身地は・・・(単位:%)

平均の退庁時間は・・・(単位:%)

昼食はどこで食べていますか。(単位:%)

法務省内の部活に入っていますか。

人「 」礎「 」根「 」

第1位

第2位堅「 」正「 」法「 」

第3位

~19時

~20時

~21時

~22時

~23時

~24時

15%

28%

17%

20%

15%

5%

省内の食堂

執務室で手作り弁当

執務室でコンビニ弁当

他府省の食堂

有楽町近辺

その他

43%

28%

18%

4%

2%

5%

今回、圧倒的な票数を獲得したのが「人」でした!「人による人のための行政だから。」という理由のとおり、法務省の業務がいずれも「人」と向き合う業務であり、まさに「人」によって成り立っている組織だと感じている若手職員が多いようです。

 華やかさには欠けるものの、国の基盤や根幹を支える存在だからという理由が挙がりました。

○その他には・・・「和」、「誠」、「基」、「星(?)」などそれぞれ法務省に対していろいろなイメージを持っているようでした。

職員が堅実だから、「Ministry of Justice」だから等の理由が挙がりました。

ランニング部、フットサル部、剣道部、野球部、空手部、パレー部など

6%

22%

9%

11%19%20%13%

関西

北海道・東北

関東(東京除く。)

東京中部

中国・四国

九州

35 36特別企画!若手職員アンケート 特別企画!若手職員アンケート

★政策立案に関わる仕事と現場勤務の両方ができるから。★刑法犯の認知件数が減少する中、より安全・安心な社会にするためには、再犯防止に携わる仕事が大切だと思ったから。★入国管理局は、経済面と治安面の双方を持つ政策に携わることができるから。★行き場を失い、生きづらさを抱える人々の支援に携わりたいと思ったから。★国家の基盤を支える普遍的な行政を行っているところに惹かれたから。★赤れんが棟がかっこいいから。

★難民行政や法案作成など、興味のあった業務をできている。★現場での心理査定に加え、本省では性犯罪者に対する査定及び教育施策を担当するなど、やりたいと考えていたこと以上の仕事ができている。★国会対応や予算要求など、入省前に想像していた以上の経験ができている。★やりたいと考えていたことは漠然としていたが、実際に勤務経験を重ねていく上で、「おもしろい」と感じることが増えてきた。★これからできるものと期待している。

★コミュニケーション能力★まずNOという勇気★睡眠力★状況説明能力★情報の取捨選択能力★忍耐力★調整力★メモを素早く取る能力★段取り力★度胸★来客を見た瞬間お茶を出す能力

★全国に現場があり、直接人を相手に仕事をしていること。★誠実で、人のために仕事をするという芯の強さを持った人が多いところ。★現場を大切にしながら、本省での企画・立案ができるところ。★目立たないが、理念を持ち、実直であるところ。★赤れんが棟をはじめ、建物が魅力的であるところ。★癒し系の人が多いところ。★常識や理屈がちゃんと通用するところ。

★学校の先生のような職員が多い。★実直で誠実な人が多く、働きやすい。★人と接するのが好きな人が多い。★真面目できちんとした人が多い。★形式ばっているところはあるが、人間的に優れている人が多い。★穏やかな人が多い。★いろんな人がいて面白い。★「『人』が魅力です」は就活をやっていると耳にタコができるほど聞くフレーズだが、この役所で働いていると「なるほど、そうだな。」と思う。★いつでも優しさに包まれている。

★法律に関する知識★プレゼン経験★議員インターンシップ★飲み会を盛り上げた経験★エンターテイナーとして人前でパフォーマンスをした経験★法律事務所でのアルバイト★発達障害や不登校の児童生徒の支援に係るボランティア★専門学校の非常勤講師の経験

★地下足袋★ダイエット(今のところなぜか体重は増え続ける一方です。)★近所の猫の写真を撮ること★アンチエイジング★育児・家事★スーパー銭湯めぐり★一人カラオケ★バスの最前列に座って景色を眺めること★ベランダ菜園★広島カープ★猫カフェ

★コンクリートの調合★話を聞いているフリ(お喋り好きの妻に鍛えられました。)★人に道を尋ねられる頻度★映画「君の名は。」を観た回数★すぐに眠れること ★今までに読んだ東野圭吾の著作数(全部)★水球に関する知識と愛★ゾンビの演技★ツッコミ ★スマホの早打ち★側転の美しさ ★体の柔軟性(つぶれたカエルの格好ができる。)★ケンケンの速さ ★ボールを左右どちらの腕でも同じように投げられること★他人への垣根の低さ

★都庁もしくは市役所で住民に密着した仕事★前職の労働基準監督官を続けていた★臨床心理士★ニート★旅人★りんご農家★NGOで働くか、大学院で研究を続けていた★結婚相談所の相談員★弁護士★愛知県職員かバーテンダー★芸術家★学校の先生★パン屋

法務省の志望理由を簡単に教えてください。1

入省前にやりたいと考えていたことが実際にできていますか。

2

法務省に入って身についた力は何ですか。3

法務省と他府省との違い、アピールポイントは何ですか。

4

5

6

7

8

9

「人」が魅力の法務省と言われることがありますが、実際の法務省の雰囲気を教えてください。

学生時代の経験で社会人になってから役立ったことはありますか。

最近のマイブームを教えてください。

「これには自信がある!」というものを教えてください。

もし法務省に入っていなければ、何をしていたと思いますか。

Page 37: MINISTRY OF JUSTICE · 法務省 法務省総合職入省案内2017 総合職入省案内2017 ministry of justice ministry of justice 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1

特別 企画!法務省若手職員  約50人に聞きました!!

法務省を漢字1字で表すと・・・

出身地は・・・(単位:%)

平均の退庁時間は・・・(単位:%)

昼食はどこで食べていますか。(単位:%)

法務省内の部活に入っていますか。

人「 」礎「 」根「 」

第1位

第2位堅「 」正「 」法「 」

第3位

~19時

~20時

~21時

~22時

~23時

~24時

15%

28%

17%

20%

15%

5%

省内の食堂

執務室で手作り弁当

執務室でコンビニ弁当

他府省の食堂

有楽町近辺

その他

43%

28%

18%

4%

2%

5%

今回、圧倒的な票数を獲得したのが「人」でした!「人による人のための行政だから。」という理由のとおり、法務省の業務がいずれも「人」と向き合う業務であり、まさに「人」によって成り立っている組織だと感じている若手職員が多いようです。

 華やかさには欠けるものの、国の基盤や根幹を支える存在だからという理由が挙がりました。

○その他には・・・「和」、「誠」、「基」、「星(?)」などそれぞれ法務省に対していろいろなイメージを持っているようでした。

職員が堅実だから、「Ministry of Justice」だから等の理由が挙がりました。

ランニング部、フットサル部、剣道部、野球部、空手部、パレー部など

6%

22%

9%

11%19%20%13%

関西

北海道・東北

関東(東京除く。)

東京中部

中国・四国

九州

35 36特別企画!若手職員アンケート 特別企画!若手職員アンケート

★政策立案に関わる仕事と現場勤務の両方ができるから。★刑法犯の認知件数が減少する中、より安全・安心な社会にするためには、再犯防止に携わる仕事が大切だと思ったから。★入国管理局は、経済面と治安面の双方を持つ政策に携わることができるから。★行き場を失い、生きづらさを抱える人々の支援に携わりたいと思ったから。★国家の基盤を支える普遍的な行政を行っているところに惹かれたから。★赤れんが棟がかっこいいから。

★難民行政や法案作成など、興味のあった業務をできている。★現場での心理査定に加え、本省では性犯罪者に対する査定及び教育施策を担当するなど、やりたいと考えていたこと以上の仕事ができている。★国会対応や予算要求など、入省前に想像していた以上の経験ができている。★やりたいと考えていたことは漠然としていたが、実際に勤務経験を重ねていく上で、「おもしろい」と感じることが増えてきた。★これからできるものと期待している。

★コミュニケーション能力★まずNOという勇気★睡眠力★状況説明能力★情報の取捨選択能力★忍耐力★調整力★メモを素早く取る能力★段取り力★度胸★来客を見た瞬間お茶を出す能力

★全国に現場があり、直接人を相手に仕事をしていること。★誠実で、人のために仕事をするという芯の強さを持った人が多いところ。★現場を大切にしながら、本省での企画・立案ができるところ。★目立たないが、理念を持ち、実直であるところ。★赤れんが棟をはじめ、建物が魅力的であるところ。★癒し系の人が多いところ。★常識や理屈がちゃんと通用するところ。

★学校の先生のような職員が多い。★実直で誠実な人が多く、働きやすい。★人と接するのが好きな人が多い。★真面目できちんとした人が多い。★形式ばっているところはあるが、人間的に優れている人が多い。★穏やかな人が多い。★いろんな人がいて面白い。★「『人』が魅力です」は就活をやっていると耳にタコができるほど聞くフレーズだが、この役所で働いていると「なるほど、そうだな。」と思う。★いつでも優しさに包まれている。

★法律に関する知識★プレゼン経験★議員インターンシップ★飲み会を盛り上げた経験★エンターテイナーとして人前でパフォーマンスをした経験★法律事務所でのアルバイト★発達障害や不登校の児童生徒の支援に係るボランティア★専門学校の非常勤講師の経験

★地下足袋★ダイエット(今のところなぜか体重は増え続ける一方です。)★近所の猫の写真を撮ること★アンチエイジング★育児・家事★スーパー銭湯めぐり★一人カラオケ★バスの最前列に座って景色を眺めること★ベランダ菜園★広島カープ★猫カフェ

★コンクリートの調合★話を聞いているフリ(お喋り好きの妻に鍛えられました。)★人に道を尋ねられる頻度★映画「君の名は。」を観た回数★すぐに眠れること ★今までに読んだ東野圭吾の著作数(全部)★水球に関する知識と愛★ゾンビの演技★ツッコミ ★スマホの早打ち★側転の美しさ ★体の柔軟性(つぶれたカエルの格好ができる。)★ケンケンの速さ ★ボールを左右どちらの腕でも同じように投げられること★他人への垣根の低さ

★都庁もしくは市役所で住民に密着した仕事★前職の労働基準監督官を続けていた★臨床心理士★ニート★旅人★りんご農家★NGOで働くか、大学院で研究を続けていた★結婚相談所の相談員★弁護士★愛知県職員かバーテンダー★芸術家★学校の先生★パン屋

法務省の志望理由を簡単に教えてください。1

入省前にやりたいと考えていたことが実際にできていますか。

2

法務省に入って身についた力は何ですか。3

法務省と他府省との違い、アピールポイントは何ですか。

4

5

6

7

8

9

「人」が魅力の法務省と言われることがありますが、実際の法務省の雰囲気を教えてください。

学生時代の経験で社会人になってから役立ったことはありますか。

最近のマイブームを教えてください。

「これには自信がある!」というものを教えてください。

もし法務省に入っていなければ、何をしていたと思いますか。

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37 採用Q&A/採用実績

採 用 実 績

& A

38

Q

0

■ 法務省Ⅰ種職及び総合職職員 採用実績

施設課 民事局 矯正局 保護局 入国管理局 合計

試験区分(総合職)

(Ⅰ種)

平成26年度

平成25年度

平成24年度

平成28年度

理工Ⅰ

0

工学1(0)

法律

工学 行政/法律

行政 1(0)法律 2(1)

行政 1 (1)法律 4 (1)人間科学 10 (7)人間科学Ⅱ 1 (1)

行政 3 (2)法律 3 (1)

行政 1 (0)法律 3 (2)

31(17)

28(18)

33(15)

法律 4 (2)

行政 1 (0)法律 2 (1)人間科学Ⅰ 3 (3)人間科学Ⅱ 2 (1)

法律 2 (0)経済 1 (1)人間科学 4 (3)

平成27年度

0

0 法律 4(2) 法律 6 (4)人間科学 10 (7)

行政 2 (1)法律 1 (1)人間科学 2 (1)

法律 6 (3)人間科学 9 (6)

法律 2 (1)人間科学 4 (1)

行政 3 (1)法律 2 (1)

行政 2 (1)法律 3 (1)

30(15)

※( )は女性で内数

法律 6 (4)人間科学Ⅰ 4 (2)人間科学Ⅱ 6 (4)

行政 1法律 4 (1)人間科学 12 (7)

法律 3人間科学 4 (3)

法律 1(1)

法律 4(2)

法律 3(1)

行政/政治国際法律/経済/人間科学

行政/政治国際法律/経済/人間科学

行政/政治国際法律/経済

行政/法律/経済人間科学Ⅰ・Ⅱ 行政/法律/経済行政/法律

人間科学Ⅰ・Ⅱ

法務省では法律の知識が重視されるのですか?

 法務行政には、学生時代に学んだ内容だけでは対応できない事柄も多く、入省前に有している知識よりも、入省後に得る知識や

経験の方がより重要になります。また、職員には、法学部出身者は多いものの、文学部、教育学部、工学部、人間科学部、経済学部、商

学部、外国語学部など様々な学部出身者がいます。

 なお、法務省では、人物本位の採用を行っているため、採用において年齢、新卒・既卒、出身校や出身学部等は一切影響しません。

どのような研修制度があるのですか。

 入省後まもなく法務省初任行政研修を実施します。この研修では、省内各局の政策について学び、研修員同士で討議することを

通じて、法務省の組織と所掌事務についての基礎知識を習得するとともに、法務省職員としての使命感と一体感を培うことを目的

としています。そのほか、各局が独自に行う高等科研修や語学研修、法務総合研究所において実施する研修、人事院主催の初任行

政研修など様々な研修に参加する機会があります。

何時ぐらいに帰れますか?

 各自の業務の進捗状況等によっては、残業することもあります。しかし、毎週水曜日の全府省一斉定時退庁日や毎月19日の育児

の日には、省内放送により定時退庁の励行を呼びかけるなど、超過勤務の縮減に積極的に取り組んでいます。

仕事と育児の両立は可能でしょうか?

 法務省では、「法務省・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動計画(アット・ホウムプラン)」を策定し、育児休業や育児短時

間勤務等の利用を促進するほか、全ての職員が家事・育児・介護等をしながら活躍できる職場環境の整備に取り組んでいます。

 また、早出遅出勤務など柔軟な働き方も可能となっており、これらの制度を活用している職員もいます。

仕事や研究で海外に行く機会はありますか?

 人事院の行政官長期在外研究(2年)や行政官短期在外研究(1年又は6月)等を利用して、留学又は国際機関等での研究を行うこ

とができます。また、一等書記官や領事として在外公館で勤務する機会や国際会議への出席等で海外出張する機会もあります。

30(18)

 法務省は、法秩序を維持し、国民の権利を擁護するため、民法、刑法等の基本法制の立案、登記制度や戸籍・国籍制度の運用、人権擁護活動、罪を犯した者の処罰とその再犯防止・社会復帰支援の取組、外国人の出入国審査、国を当事者とする訴訟の追行など、幅広い分野の多様な業務を担っています。そして、これらの業務はいずれも国民の生活や経済活動の根幹を支えるもので、法務省は、これらの制度を公平・公正に運用することによって、全ての人が安心・安全に暮らせる社会の基盤をつくる重要な役割を担っています。

 少子高齢化の進展、市場の拡大・グローバル化、犯罪の複雑化など刻々と社会・経済情勢が変化している中で、時代そして国民のニーズに沿った施策を実施していくためには、幅広い視野と深い専門知識を併せ持つことが不可欠です。

 また、法務省には全国各地に数多くの地方機関が設置されており、5万人を超える職員が現場の第一線で働いています。そして、職員一人ひとりが、目の前の「人」と向き合って、国民が安心・安全に暮らせる公平・公正な社会を実現するために努力しています。 それゆえ、法務行政は「人による人のための行政」と呼ばれており、これを担う法務省の職員には、 相手のニーズを的確に把握するコミュニケーション能力、

そして 日々刻々と変化する社会・経済情勢の中で、多様化する行政ニーズに柔軟に対応する能力

が求められます。

 法務省だからできることがここにはたくさんあります。

 明日の日本の姿を見据えて、この国のゆるぎない「基盤」を共に築いていきましょう。

大臣官房人事課長 伊藤 栄二

Epilogue採用Q&AQA

QA

QA

QA

QA

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37 採用Q&A/採用実績

採 用 実 績

& A

38

Q

0

■ 法務省Ⅰ種職及び総合職職員 採用実績

施設課 民事局 矯正局 保護局 入国管理局 合計

試験区分(総合職)

(Ⅰ種)

平成26年度

平成25年度

平成24年度

平成28年度

理工Ⅰ

0

工学1(0)

法律

工学 行政/法律

行政 1(0)法律 2(1)

行政 1 (1)法律 4 (1)人間科学 10 (7)人間科学Ⅱ 1 (1)

行政 3 (2)法律 3 (1)

行政 1 (0)法律 3 (2)

31(17)

28(18)

33(15)

法律 4 (2)

行政 1 (0)法律 2 (1)人間科学Ⅰ 3 (3)人間科学Ⅱ 2 (1)

法律 2 (0)経済 1 (1)人間科学 4 (3)

平成27年度

0

0 法律 4(2) 法律 6 (4)人間科学 10 (7)

行政 2 (1)法律 1 (1)人間科学 2 (1)

法律 6 (3)人間科学 9 (6)

法律 2 (1)人間科学 4 (1)

行政 3 (1)法律 2 (1)

行政 2 (1)法律 3 (1)

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※( )は女性で内数

法律 6 (4)人間科学Ⅰ 4 (2)人間科学Ⅱ 6 (4)

行政 1法律 4 (1)人間科学 12 (7)

法律 3人間科学 4 (3)

法律 1(1)

法律 4(2)

法律 3(1)

行政/政治国際法律/経済/人間科学

行政/政治国際法律/経済/人間科学

行政/政治国際法律/経済

行政/法律/経済人間科学Ⅰ・Ⅱ 行政/法律/経済行政/法律

人間科学Ⅰ・Ⅱ

法務省では法律の知識が重視されるのですか?

 法務行政には、学生時代に学んだ内容だけでは対応できない事柄も多く、入省前に有している知識よりも、入省後に得る知識や

経験の方がより重要になります。また、職員には、法学部出身者は多いものの、文学部、教育学部、工学部、人間科学部、経済学部、商

学部、外国語学部など様々な学部出身者がいます。

 なお、法務省では、人物本位の採用を行っているため、採用において年齢、新卒・既卒、出身校や出身学部等は一切影響しません。

どのような研修制度があるのですか。

 入省後まもなく法務省初任行政研修を実施します。この研修では、省内各局の政策について学び、研修員同士で討議することを

通じて、法務省の組織と所掌事務についての基礎知識を習得するとともに、法務省職員としての使命感と一体感を培うことを目的

としています。そのほか、各局が独自に行う高等科研修や語学研修、法務総合研究所において実施する研修、人事院主催の初任行

政研修など様々な研修に参加する機会があります。

何時ぐらいに帰れますか?

 各自の業務の進捗状況等によっては、残業することもあります。しかし、毎週水曜日の全府省一斉定時退庁日や毎月19日の育児

の日には、省内放送により定時退庁の励行を呼びかけるなど、超過勤務の縮減に積極的に取り組んでいます。

仕事と育児の両立は可能でしょうか?

 法務省では、「法務省・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動計画(アット・ホウムプラン)」を策定し、育児休業や育児短時

間勤務等の利用を促進するほか、全ての職員が家事・育児・介護等をしながら活躍できる職場環境の整備に取り組んでいます。

 また、早出遅出勤務など柔軟な働き方も可能となっており、これらの制度を活用している職員もいます。

仕事や研究で海外に行く機会はありますか?

 人事院の行政官長期在外研究(2年)や行政官短期在外研究(1年又は6月)等を利用して、留学又は国際機関等での研究を行うこ

とができます。また、一等書記官や領事として在外公館で勤務する機会や国際会議への出席等で海外出張する機会もあります。

30(18)

 法務省は、法秩序を維持し、国民の権利を擁護するため、民法、刑法等の基本法制の立案、登記制度や戸籍・国籍制度の運用、人権擁護活動、罪を犯した者の処罰とその再犯防止・社会復帰支援の取組、外国人の出入国審査、国を当事者とする訴訟の追行など、幅広い分野の多様な業務を担っています。そして、これらの業務はいずれも国民の生活や経済活動の根幹を支えるもので、法務省は、これらの制度を公平・公正に運用することによって、全ての人が安心・安全に暮らせる社会の基盤をつくる重要な役割を担っています。

 少子高齢化の進展、市場の拡大・グローバル化、犯罪の複雑化など刻々と社会・経済情勢が変化している中で、時代そして国民のニーズに沿った施策を実施していくためには、幅広い視野と深い専門知識を併せ持つことが不可欠です。

 また、法務省には全国各地に数多くの地方機関が設置されており、5万人を超える職員が現場の第一線で働いています。そして、職員一人ひとりが、目の前の「人」と向き合って、国民が安心・安全に暮らせる公平・公正な社会を実現するために努力しています。 それゆえ、法務行政は「人による人のための行政」と呼ばれており、これを担う法務省の職員には、 相手のニーズを的確に把握するコミュニケーション能力、

そして 日々刻々と変化する社会・経済情勢の中で、多様化する行政ニーズに柔軟に対応する能力

が求められます。

 法務省だからできることがここにはたくさんあります。

 明日の日本の姿を見据えて、この国のゆるぎない「基盤」を共に築いていきましょう。

大臣官房人事課長 伊藤 栄二

Epilogue採用Q&AQA

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法務省

法務省総合職入省案内2017

総合職入省案内2017MINISTRY OF JUSTICE

MINISTRY OF JUSTICE

〒100-8977東京都千代田区霞が関1-1-1法務省大臣官房人事課企画第三係03-3580-4111(代表)

問い合わせ先

赤れんが棟

法務省

MINISTRY OF JUSTICE


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