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REAL MODEL004 REAL MODEL 陸上自衛隊90式戦車 第72戦車連隊戦闘団第1中隊“16”...

Date post: 24-Jan-2021
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19
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REAL MODEL

002

CON

TENTS

003

004 本物 × 模型 陸上自衛隊90式戦車 第72戦車連隊戦闘団第1中隊“16”006 ◎陸上自衛隊90式戦車(タミヤ1/35)製作/竹内邦之008 本物 × 模型 アメリカ海兵隊 M1A1エイブラムス戦車 第13海兵遠征部隊(第13MEU)1-1大隊上陸チーム戦車小隊010 ◎アメリカ主力戦車M1A1 AIM/TUSK エイブラムス戦車 (モンモデル1/35)製作/竹内邦之012 実車×模型 いいとこ取りモデリングの薦め

014 スプレー糊を吹いた上から土をまぶした偽装(迷彩塗装)で、 砂漠の風景に溶け込む ◎取材・写真/武若雅哉(矢作真弓)018 NTCの砂漠地帯に溶け込むアメリカ軍車両に注目する ◎取材・写真/武若雅哉(矢作真弓)022 埃汚れ DUST

024 土汚れ SOIL 026 チッピング CHIP

028 模型映えする実物を手本にする ◎ソビエト軍T-72AV主力戦車 Mod. 1985 (トランペッター 1/35)製作/平井 真 032 泥汚れ MUD

034 泥跳ね SPLASH

036 オイル汚れ OIL

038 イメージだけで作るな! ◎陸上自衛隊90式戦車(タミヤ1/35)製作/加瀬ユウキ042 実物の機能を見極め、各部の働きを理解せよ!? 陸自“説教するぞ”対談 ◎元戦車中隊長×元普通科中隊班長046 アメリカ海兵隊M1A1戦車【写真資料集】 052 アメリカ海兵隊第13海兵遠征部隊戦車小隊のM1A1戦車 ◎アメリカ主力戦車M1A1 AIM/TUSK エイブラムス戦車 (モンモデル1/35)製作/竹内邦之058 おしえて、AMモデラーズ!!060 戦場写真を読み取る ANALYZE

064 第503重戦車大隊ティーガーⅠ初期型”332”号車 ◎ドイツ戦車重タイガーⅠ初期生産型(タミヤ1/35)製作/ 中須賀岳史067 煤汚れ SPOT

068 雨だれ STREAKING

070 ひっかき傷 SCRATCH

072 荷物 STWAGE

074 歩兵の配置 INFANTRY PLACEMENT

076 褪色 FADING

078 ダメージ DAMAGE

080 錆び RUST

082 石灰による冬季偽装が復権!! 第72戦車連隊戦闘団 練成訓練 ◎写真/武若雅哉(矢作真弓)・軍事フォトライター088 90式戦車の冬季偽装を模型に落とし込む ◎陸上自衛隊90式戦車(タミヤ1/35)製作/竹内邦之

004

REAL MODEL陸上自衛隊90式戦車第72戦車連隊戦闘団第1中隊“16”JGSDF Type 90 Tank72nd Regimental Combat Team, 1st Company“16”写真/武若雅哉(矢作真弓)軍事フォトジャーナリストPhoto by Masaya“DAWN”TAKEWAKA(Photojournalist)

第7機甲師団第72戦車連隊を主軸とした第72連隊戦闘団により、2020年1月に行なわれた練成訓練では、石灰を使用した冬季偽装(迷彩塗装)を施した90式戦車の姿が見られた。石灰の利用は、訓練時などの一時的な偽装材料として利点が多いため、ここ数年で使用が復活したもの。本書は、実車の観察対象として、この90式戦車に注目。特有のディテールを模型に落とし込むことを試みた。

本物 模型

005 関連資料「石灰による冬季偽装が復権!!」はP.82に掲載

006

REAL MODEL陸上自衛隊90式戦車第72戦車連隊戦闘団第3中隊“31”JGSDF Type 90 Tank72nd Regimental Combat Team, 3rd Company“31”陸上自衛隊 90式戦車(タミヤ1/35) 製作/竹内邦之TAMIYA 1/35 Japan Ground Self Defence Force Type 90 TankModeled by Kuniyuki TAKEUCHI

第72戦車連隊の90式戦車をお手本として、冬季偽装をはじめとする訓練用の装備や各部の特徴を模型に落とし込んだ竹内邦之氏の作品。90式戦車は採用から30年が経過した大ベテランであり、その数年後に発売されたタミヤの1/35モデルキットもスタンダードとして見慣れた存在だろう。ところが、個性のある実車をよく観察して、模型製作に反映させれば、こうして新たな魅力を発揮するのである。

本物 模型

007 詳細記事「90式戦車の冬季偽装を模型に落とし込む」はP.88に掲載

008

REAL MODELアメリカ海兵隊 M1A1エイブラムス戦車第13海兵遠征部隊(第13MEU)1-1大隊上陸チーム戦車小隊USMC M1A1 Abrams Tank13th Marine Expeditionary Unit(13th MEU)Tank Platoon BLT 1-1Photo by U.S. Navy, Photographer’s Mate 1st Class Ted Banks.

同じアメリカ軍のM1エイブラムス戦車でも、海兵隊が装備している車体はひと味違う。発煙弾発射器の仕様が異なり、渡渉用の吸排気筒(シュノーケル)を装備するほか、装塡手ハッチの前に海兵隊独自の対戦車ミサイル妨害装置を搭載しているのも目に付く。また、陸軍より後方支援体制が貧弱な海兵隊の車両は積載している荷物の多さがまた特徴となる。これらがまた模型としての見栄えに繋がるのだ。

本物 模型

009 関連資料「アメリカ海兵隊M1A1戦車【写真資料集】」はP.46に掲載

010

アメリカ海兵隊 M1A1エイブラムス戦車第13海兵遠征部隊(第13MEU)1-1大隊上陸チーム戦車小隊USMC M1A1 Abrams Tank13th Marine Expeditionary Unit(13th MEU)Tank Platoon BLT 1-1アメリカ主力戦車M1A1 AIM/TUSK エイブラムス戦車(モンモデル1/35) 製作/竹内邦之MENG MODEL 1/35 USMC M1A1 AIM/U.S. ARMY M1A1 Abrams TUSK Main Battle TankModeled by Kuniyuki TAKEUCHI

無線アンテナに逆さまの海賊旗を掲揚したアメリカ海兵隊のM1A1エイブラムス戦車は、同戦車の模型を作ろうとするモデラーには人気のモチーフとなっている。しかし、ネット上の検索では実質2カットの画像しか見当たらず、積載している荷物の多さもあって、実際の摸型製作にはややハードルが高かった。竹内邦之氏は、このM1A1戦車の再現にチャレンジし、資料の少なさを跳ね返してみせたのだった。

REAL MODEL本物 模型

011 製作記事「アメリカ海兵隊第13海兵遠征部隊戦車小隊のM1A1戦車」はP.54に掲載

REAL

MODEL

これまでの模型雑誌や書籍は、模型の技法やマテリアルの解説に力を入れてきました。しか

し本書はひと味もふた味も違います!「実車を見て模型を作る」。スケール模型では当たり前

のことですが、ふと思い返してみてください。技法やテクニックばかり先走って、実車の観

察や研究は二の次になってはいませんか?

本書が目指すのは、実車と模型テクニックをうま

く融合させた〝いいとこ取り〟です。気付けば目からウロコであること間違いなしです……。

︻本物︼×︻模型︼

本物重視! 

スケール模型って

本来こうでしょ?

上手く仕上げるために

プロの作品から学ぶ!

012

2つの要素をいいとこ取り!?

実写の写真を参考に製作

プロの模型を参考に製作

普段、雑誌が紹介するスタイルはこちら。戦車模型をうまく作りたい! だったらうまい人の模型を参考にするのがいちばんです! 製作過程の写真やテクニックの習得、マテリアル集めなどに注力しすぎてホンモノの戦車がどうなっているか、なおざなりになってはいませんか? 気づけば、ありがちな作品になっていたり……。

模型を見て模型を作る上達の最短コース

記録写真に写る特定車両を徹底再現すればリアルな模型が作れる!? でも、写真に写っていない部分はどう再現すれば……。そもそも、再現したところでカッコいいのかどうか? 実車の模型化=リアルなの? ホンモノを再現するっていう単純なことだけど、やってみると案外むずかしい!

実物を忠実に再現するというむずかしさも

013

【本物】×【模型】2つの要素をいいとこ取り!?

022

DUST

埃の色は、その車両が運用されている土地の地面の色に準じている。写真で見てもわかるように、車両に付着した埃色と車体色とのコントラストがとても印象的だ。

埃汚れ

乾燥した地面で行動した車両には必須となる汚し工程

車両が乾いた地面を移動するたびに捲きあげる埃を表現するウェザリングは欠か

せない。まさに塵も積もれば汚れになり、基本塗装を隠してしまうほど車両の表

面にこびり付きます。まずは埃のたまりやすい箇所やその理由を割り出して、効

果的な埃汚れを作品に表現する方法を見ていきましょう。

R E A L S H O R T C U Tリアルへの近道

埃は車体側面から後部によく付着する

埃は全面にかぶるのではなく、上面より下面・前面よりも後面に比較的付着しているのが見てとれる。これは走行中に巻き上げた埃汚れが、車体に降ってくる からだ。

雨垂れでまず観るべきはここ!

01POINT

パウダー状から砂状のモノまでキメのこまかさもさまざま

埃は乾いたものだけではない。泥水などをかぶることでそれが乾いて色を塗ったように真っ白になることも。写真はキメこまかい汚れが車体前面に付着しているケース。

02POINT

乗員が歩いたり手で触れるところが剥がれる

付着した埃がそのまま残っているケースだけではない。埃に乗員が直接触れると、その部分だけ汚れが落ちる。まさにその車両が実際に運用されている証だ。

03POINT

Photo by Alfred Palmer

023

Ⓒ 7th Army Training Command

❶前述したセオリーとは違い、車体の前面上部にもしっかりと埃が積もっているケースもある。迷彩部分とキューポラ部と、どちらも同じ埃汚れのはずだが埃の見え方に差があるところも注目したい。 ❷❶と同様に前面にしっかりと埃が積もる。しかしどちらも車体前面下部にはあまり汚れが付着していない。この辺りは模型的セオリーとも少し違うためよく注意したいところだ。 ❸サイドスカートや転輪が真っ白になっている様子がわかる。実際に走行していると、このようになっていることもしばしば。ただし転輪のゴム部分にはほぼ付着していない。 ❹エッジや凸部分のように、乗員が触れたり擦れたりする部分はやはり埃が取れる。

 

軍用車両の埃汚れを理解する

にはまず実車の表面処理を理解

する必要がある。厳しい環境に

耐えるために現代の車両は非常

に強いCARC塗料(化学薬品

耐性コーティング)で仕上げら

れており、乾燥後の塗膜は模型

のツヤ消し塗装のようにザラつ

いた塗装面となる。この表面に

はとくに埃などの汚れが溜まり

やすい。戦車の砲塔やトラック

の荷台などの平面には乗組員な

どが歩き回ったときのブーツな

どからの汚れも残る。また滑り

止めのシートが施された箇所な

どにも砂や埃が素早く溜まって

しまう。移動中に巻き上げられ

た埃はその車両が停止するたび

に車両に溜まる。移動距離が長

ければ停止回数も増えるのでそ

のたびに砂ほこりは層となって

車体に残る。移動、停止の回数

が多い場合、前ページの海兵隊

のLAVの砲塔に見られるよう

に(とくに湿度の高い環境では)

角度がついた防弾ガラスの表面

まで砂ほこりは溜まることも珍

しくないのだ。ついた埃は運が

よければ中継地などでの高圧洗

浄で汚れが落とされ、基本の迷

彩塗装が現れるが。現用、大戦

モノも関係なく埃が溜まった量

は移動距離と比例するというこ

とを念頭に置いて模型に反映さ

せるとその車両の物語に説得力

を持たせられるだろう。

埃汚れから伝えられるその車両の置かれた環境

ブレント・ザウアー

13

4

2

a埃汚れを単調にしないためには汚れのムラを作ることが大切。ピグメントの固定は、定着液を写真のように弾いて飛沫すれば、小さいランダムなムラが再現できる。

c真っ白く付いた埃汚れは塗料をエアブラシで吹き付ける。ただ単調になりやすいのであくまでも下地作業と捉えたい。

b埃が取れたエッジ表現はいたって簡単。消しゴムでピグメントを消すだけでいい。これならエッジのツヤも再現できる。

b

c

a

そして写真を模型に落とし込む

024

SOIL土汚れ戦闘車両はむき出しの大地を駈け巡ります。その車両たちと切ってもきれない関係となる土。こびりついた土はさまざまな状態でその車両の運用された場所、時期などを伝えてくれる 、作品にとってとても重要なウェザリングの要素なのです。ここではまず AFV 模型ならでは醍醐味となる土汚れを解説します。

大地を駈ける戦車の証! ここからはじまるAFV模型のウェザリングの基本行程

車体に積もって覆うと車体色が変わってしまう事も

付着した土により汚れた面は複雑な表情を与えてくれる

車体の一部にこびり付いた土は汚れのアクセントになる

01POINT

粘度の高い泥水を被り、それが乾いて残った汚れが車体前面を広く覆っている。これは被った泥水が乾くことで、そのまま土汚れとなっているケースだと思われる。

埃汚れと比べて土汚れは、顔料が付着したような汚れ方で比較的ハードな表情となる。写真のタイヤ表面では、土汚れのテクスチャーをしっかりと確認することができる。

T-34の履帯にびっしりとこびりついた土汚れ。ワッフルパターンは土が詰まってもはや見えない。しかし、履帯の継ぎ目や地面との設置面には金属地が見えている点に注目。

02POINT

03POINT

土汚れでまず観るべきはここ!

R E A L S H O R T C U Tリアルへの近道

Photo by ewg3d

025

❶M1エイブラムスの砲塔前面は平面だが、この写真では土汚れが付着することでテクスチャーが付いている様子が見られる。土汚れではテクスチャーの表現によってその説得力が大きく変わるのだ。❷マインローラーにはびっしりと土汚れが付着している。ディテールが消えるほど土が付いているが、その密度感や情報量はこの装備が実際に稼働している様子を物語っている。❸土の色はひとつだけではない。乾き切った明度の高い土や混入物のある濃い色の土など、色味の表情の豊かさで特色が出せる。転輪と履帯、車体後部や箇所によって土の表情が異なっている点にも注意。

戦闘車両と土は運用される環

境を考えれば常に共にあると

言っていいだろう。第1

次世界

大戦から現代までそれは変わら

ない。模型にそれをうまく反映

させるには土がどのように車両

に積もってゆくかを理解しなけ

ればならない。自然が相手だか

ら基本的なルールがあり、論理

的にウェザリングを行なってい

く必要がある。土汚れはその車

両が地球上のどの地域で、いつ

使われていたかをあらわし、リ

アリティを生み出すウェザリン

グの基礎となる。イスラエル軍

車両は乾いた埃が溜まった状態

でよく見受けられるが、冬が訪

れたゴラン高原は雪も降り、そ

の季節に運用される車両には湿

気を含んだ土まみれの車両のほ

うが目立つようになってくる。

土汚れを行なう際には車両全体

の調和性が大事だ。砲塔に強く

土汚れを再現した場合、車体下

部にも同じような土汚れが再現

されていないと不自然に見え

る。地面に近い車体のほうが、

通常は砲塔より汚れていること

が理論的と言えるだろう。だが

この明らかな注意点を見落とし

ている作品も見受けられる。土

が溜まっていく行程を想像しな

がら作業を進めていこう。

レスター・プラスキット

自然が相手だからこそ存在する汚しのルール

1

3

2

車体上面に落ちた土表現aテクスチャーの表現をするため、ウェザリングペーストを用いる。少し大きめのダマを筆ですくい車体に塗布、その周りをうすめ液で溶かしながら馴染ませる。不自然な泥汚れにならないように注意。b同様の表現をピグメントで行なう方法。アクリル系うすめ液を用いてダマを作り、マットメディウムで固定する。こちらも周囲をピグメントで馴染ませる。

車体にこびり付いた土表現cピグメントで足周りの土汚れを表現する。あらかじめ一通りのウェザリングを行い、汚れの下地を作った上に施していく。ごく少量のうすめ液を加えてペースト状にしたピグメントを筆でなすりつけるように塗る。乾燥後、そのかたまりを筆で崩しながら周りと馴染ませる。d作業が完了したら、専用固定液などを使ってしっかりと定着させておく。

b

c

そして写真を模型に落とし込む

a

d


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