+ All Categories
Home > Documents > 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4....

1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4....

Date post: 22-Jul-2020
Category:
Upload: others
View: 2 times
Download: 0 times
Share this document with a friend
64
2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.323 <安全性の成績> 有害事象-試験 1 年目 試験 1 年目における有害事象発現率は、プラセボ群 74%45/61 例)及び 10mg 76% 94/123 例)であり、その種類、発現率は両群間で類似していた(表 2.7.6-26)。 2.7.6-26 有害事象( 3%以上、試験 1 年目) プラセボ群(N=61) 10mg (N=123) 有害事象発現例数 45(74%) 94(76%) 全身障害 28(46%) 67(54%) 頭痛 10(16%) 29(24%) 腹痛 NOS 3(5%) 18(15%) 無力症 10(16%) 16(13%) インフルエンザ様疾患 13(21%) 13(11%) 背部痛 4(7%) 12(10%) 疼痛 NOS 6(10%) 10(8%) 発熱 3(5%) 5(4%) 損傷 2(3%) 4(3%) 消化管障害 17(28%) 34(28%) 消化不良 2(3%) 6(5%) 下痢 NOS 2(3%) 5(4%) 鼓腸 2(3%) 5(4%) 悪心 2(3%) 5(4%) 嘔吐 NOS 1(2%) 4(3%) 呼吸器系障害 18(30%) 34(28%) 咽頭炎 14(23%) 23(19%) 咳嗽 4(7%) 10(8%) 鼻炎 NOS 1(2%) 6(5%) 気管支炎 NOS 3(5%) 5(4%) 神経系障害 13(21%) 15(12%) 不眠症 4(7%) 6(5%) 代謝・栄養障害 8(13%) 12(10%) カルニチン減少 1(2%) 4(3%) 筋・骨格系障害 6(10%) 8(7%) 筋痛 1(2%) 4(3%) 皮膚・皮膚付属器障害 5(8%) 9(7%) 皮膚真菌感染 NOS 1(2%) 4(3%) 死亡例は認められなかった。重篤な有害事象はプラセボ群 4 例(7%)及び 10mg 4 3%)に発現したが、いずれの事象も担当医師により治験薬との因果関係なしと判定され た。なお、10mg 群の 1 例(症例 No.20*)に中等度の腎臓痛が発現したが、治験薬の投与を 中止することなく、1 日以内に回復した。 治験薬の投与中止を必要とした有害事象は、 10mg 群の 1 例(症例 No.21*)に HIV 検査陽 性が発現したが、担当医師により治験薬との因果関係なしと判定された。治験薬の投与中断 を必要とした有害事象又は臨床検査値異常はプラセボ群 2 例(3%)及び 10mg 4 3%)に発現した。そのうち、10mg 群の 1 例(症例 No.22*)では、血清クレアチニンがベ ースライン値から 0.3mg/dL 増加したため減量した。 *;新薬承認情報提供時におきかえた
Transcript
Page 1: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.323

<安全性の成績>

有害事象-試験 1 年目 試験 1 年目における有害事象発現率は、プラセボ群 74%(45/61 例)及び 10mg 群 76%(94/123 例)であり、その種類、発現率は両群間で類似していた(表 2.7.6-26)。

表 2.7.6-26 有害事象(3%以上、試験 1 年目) プラセボ群(N=61) 10mg 群(N=123) 有害事象発現例数 45(74%) 94(76%) 全身障害 28(46%) 67(54%) 頭痛 10(16%) 29(24%) 腹痛 NOS 3(5%) 18(15%) 無力症 10(16%) 16(13%) インフルエンザ様疾患 13(21%) 13(11%) 背部痛 4(7%) 12(10%) 疼痛 NOS 6(10%) 10(8%) 発熱 3(5%) 5(4%) 損傷 2(3%) 4(3%) 消化管障害 17(28%) 34(28%) 消化不良 2(3%) 6(5%) 下痢 NOS 2(3%) 5(4%) 鼓腸 2(3%) 5(4%) 悪心 2(3%) 5(4%) 嘔吐 NOS 1(2%) 4(3%) 呼吸器系障害 18(30%) 34(28%) 咽頭炎 14(23%) 23(19%) 咳嗽 4(7%) 10(8%) 鼻炎 NOS 1(2%) 6(5%) 気管支炎 NOS 3(5%) 5(4%) 神経系障害 13(21%) 15(12%) 不眠症 4(7%) 6(5%) 代謝・栄養障害 8(13%) 12(10%) カルニチン減少 1(2%) 4(3%) 筋・骨格系障害 6(10%) 8(7%) 筋痛 1(2%) 4(3%) 皮膚・皮膚付属器障害 5(8%) 9(7%) 皮膚真菌感染 NOS 1(2%) 4(3%)

死亡例は認められなかった。重篤な有害事象はプラセボ群 4 例(7%)及び 10mg 群 4 例

(3%)に発現したが、いずれの事象も担当医師により治験薬との因果関係なしと判定され

た。なお、10mg 群の 1 例(症例 No.20*)に中等度の腎臓痛が発現したが、治験薬の投与を

中止することなく、1 日以内に回復した。 治験薬の投与中止を必要とした有害事象は、10mg 群の 1 例(症例 No.21*)に HIV 検査陽

性が発現したが、担当医師により治験薬との因果関係なしと判定された。治験薬の投与中断

を必要とした有害事象又は臨床検査値異常はプラセボ群 2 例(3%)及び 10mg 群 4 例

(3%)に発現した。そのうち、10mg 群の 1 例(症例 No.22*)では、血清クレアチニンがベ

ースライン値から 0.3mg/dL 増加したため減量した。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 2: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.324

有害事象-試験 2 年目 試験 2 年目における有害事象発現率は、プラセボ→10mg 群が 10%(6/60 例)、10mg→10mg 群が 8%(6/79 例)及び 10mg→プラセボ群が 3%(1/40 例)であったが、いずれの事象

も 1 例のみに発現した。プラセボ→10mg 群の 1 例(症例 No.23*)に重度(グレード 3)の

齲歯 NOS が発現したが、その他の事象はいずれも軽度又は中等度であった。 死亡例は認められなかった。重篤な有害事象は 10mg→10mg 群の 1 例(症例 No.24*)に脳

血管発作が発現し、10mg→プラセボ群の 1 例(症例 No.25*)にうつ病が発現したが、いず

れの事象も担当医師により治験薬との因果関係なしと判定された。また、治験薬の投与中止

を必要とした有害事象は、いずれの群においても認められなかった。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 3: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.325

<まとめ> HBe 抗原陰性(pre-C 変異株)の代償性 B 型慢性肝疾患に対し、本剤 10mg を 1 日 1 回 48週間投与することにより、有効性については表 2.7.6-27に示したとおり、プラセボ投与と比

較して組織学的かつ生化学的に有意な改善が認められるとともに抗ウイルス効果が認められ、

また、48 週を超える継続投与により更なる有用性が示された。

表 2.7.6-27 投与 48 週時における有効性の比較 投与 48 週時における有効性評価 プラセボ群(N=61) 10mg 群(N=123) p 値

肝組織の改善度 改善率 33% 64% <0.001 ベースライン値からの変化量(中央値) Knodell HAI 総スコア 1 -4 <0.001 Knodell HAI 壊死-炎症スコア 0 -3 <0.001 Knodell HAI 線維化スコア 0 0 0.005 投与前後の相対評価:壊死-炎症所見 改善 42% 80% 悪化 51% 3%

<0.001

投与前後の相対評価:線維化 改善 25% 48% 悪化 38% 4%

<0.001

血清 HBV-DNA 量 陰性化率 0% 51% <0.001 変化量(中央値[log10 copies/mL]) -1.35 -3.91 <0.001 ALT 正常化率 29% 72% <0.001 変化量(中央値[U/L]) -38 -55 0.011

1. 肝組織の改善度、Knodell HAI の総スコア、壊死-炎症スコア及び線維化スコアについては、プラセボ群 55 例及び

10mg 群 112 例 また、本剤 10mg、1 日 1 回投与の忍容性は良好であった。発現した有害事象は軽度又は中

等度がほとんどであった。10mg 群においてプラセボ群より高頻度(5%以上の差)に発現し

た有害事象は、頭痛及び腹痛 NOS であったが、投与中止を引き起こすものではなかった。

また、著明な臨床検査値の変動は AST 減少、ALT 減少以外に見られず、腎機能障害と判定

される事象は認められなかった。担当医師が本剤との因果関係ありとした重篤な有害事象は

認められず、死亡例も認められなかった。 以上の有効性及び安全性の結果から、HBe 抗原陰性(pre-C 変異株)の代償性 B 型慢性肝

疾患に対する本剤 10mg、1 日 1 回の用法・用量は有益であることが認められた。

Page 4: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.326

なお、2004 年 4 月に開催された欧州肝臓学会議(The European Association for the Study of the Liver:EASL)において、Hadziyannis ら2)によって本試験の 144 週の成績については、以

下のとおり報告され、本剤 3 年投与による有効性の持続及び良好な忍容性が認められて

いる。

Objective: To evaluate safety and efficacy of ADV over 96 and 144 weeks. Results: Baseline (in original study) for patients entering LTSES: 81% male; 70% Caucasian; 26% Asian; median age 47 years; median HBV DNA 7.08 log10 copies/mL; median ALT: 99 (2.3 x ULN). The rtN236T and A181V mutations were associated with resistance to ADV. The cumulative incidence of adefovir resistance at weeks 48, 96, and 144 is 0 %, 3.0% and 5.9%, respectively. Three patients had confirmed elevations in serum creatinine ≥ 0.5 mg/dL over 144 weeks. All resolved, one on treatment and two following discontinuation. Conclusions: Treatment with ADV 10mg over 144 weeks resulted in significant and continued reductions in HBV DNA levels with increasing proportion of patients achieving HBV DNA undetectability. ALT change and normalization was sustained. The safety profile of ADV during three years of treatment was similar to that seen in the first and second year. Resistance is delayed and infrequent.

<目的> 96 及び 144 週間投与による本剤の安全性及び有効性を評価する。 <結果> 試験開始時の患者背景は、男性 81%、白人 70%,アジア人 26%、年齢(中央値)47 歳、 血清 HBV-DNA 量(中央値)=7.08 log10 copies/mL、ALT(中央値)=99(2.3×基準範囲上限)であった。 本剤の耐性に関連する変異は rtN236T 及び rtA181V であり、投与 48、96 及び 144 週時の累積発現率は

各々0、3.0 及び 5.9%であった。144 週まで 3 例に血中クレアチニン増加(ベースライン値から 0.5mg/dL 以

上の増加)が認められたが、1 例は投与期間中に、2 例は本剤の投与中止後に回復した。 <まとめ> 本剤 10mg を 144 週間投与することにより、有意かつ継続した血清 HBV-DNA 量の減少が認められ、血

清 HBV-DNA 陰性化率も上昇し、また、ALT の低下と正常化が維持された。本剤 3 年間投与時の安全性プ

ロファイルは 1 及び 2 年目と類似しており、また、本剤の耐性株出現時期は遅く、発現率は低かった。

2) Hadziyannis S, Tassopoulos N, Chang TT, Heathcote J, Kitis G, Rizzetto M, et al. Three year study of

adefovir dipivoxil (ADV) demonstrates sustained efficacy in presumed precore mutant chronic hepatitis B (CHB) patients in a long term safety and efficacy study (LTSES). 39th Annual Meeting of The Europian Association for the Study of the Liver;2004.57

Page 5: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.327

2.7.6.3.1.4. GS-00-461 試験の概要 5.3.5.1.4

治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示す HBV を有する患者を対象に ADV 単独及びラミブジン併用投与

した際の安全性及び有効性を検討する無作為化、プラセボ対照、第Ⅲ相二重盲検比較試験

治験実施医療機関: 20 医療機関(米国、欧州、豪州、カナダ) 公表文献: Peters M, Hann HW, Martin P, Heathcote E, Buggisch P, Moorat AE, et al. Adefovir dipivoxil

(ADV) alone and in combination with lamivudine (LAM) suppresses LAM-resistant hepatitis B virus (HBV) replication: 16 week interim analysis [abstract]. J Hepatology 2002; 36 Suppl 1:6. Abstract 13. Peters M, Hann HW, Martin P, Heathcote E, Buggisch P, Moorat AE, et al. Adefovir dipivoxil (ADV) alone and in combination with lamivudine (LAM) suppresses YMDD mutant hepatitis B virus replication: 48 week preliminary analysis [abstract]. Hepatology 2002 Oct;36 (4, Pt. 2):374A. Abstract 845. Delaney, WE, IV, Gibbs C, Miller M, Sullivan M, Kleber K, Brosgart C, Wulfsohn M, et al. Loss of YMDD mutations in lamivudine-resistant patients switched to adefovir dipivoxil therapy [abstract]. 11th International Symposium in Viral Hepatitis & Liver Disease; 2003 April 6-10; Sydney, Australia. Peters M, Martin P, Sullivan M, Kleber K, Ebrahimi R, Westland C, Delaney WE, IV, et al. Changes in alanine aminotransferase(ALT) and YMDD mutation profile associated with switching from lamivudine (LAM) to either adefovir dipivoxil (ADV) or combination LAM plus ADV in chronic hepatitis B(CHB) patients with LAM resistance [abstract]. Digestive Disease Week: Turning Science into Medicine; 2003 May 17-22; Orlando, Fla. Abstract 461. Westland C, Gibbs C, Miller M, Sullivan M, Fry J, Brosgart C, Wulfsohn M, et al. Loss of lamivudine resistance mutations after patients switched to adefovir dipivoxil therapy [abstract]. J Hepatol 2002 Apr;367 (Suppl 1):7. Abstract 15.

治験期間: 200 年 11 月 29 日(最初の被験者組み入れ日) 200 年 4 月 17 日(投与 48 週の最終被験者観察日) 200 年 8 月 16 日(非盲検下で ADV を投与した追跡期間の最終被験者観察日)

目的: 【主目的】 ラミブジンに抵抗性を示す HBV を有する患者に対し ADV 単独及びラミブジン併用投与し

た際の抗ウイルス効果及び臨床的有用性を検討する。 【副次的目的】 ADV 単独及びラミブジン併用投与した際の安全性を評価する。

治験方法: 無作為化、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検比較 被験者数: 計画時:51 例

組入時:59 例(LAM 群 19 例、ADV 群 20 例、ADV+LAM 群 20 例) 解析時:58 例(LAM 群 19 例、ADV 群 19 例、ADV+LAM 群 20 例)

投与期間: 48 週間(追跡期間 16 週間) 診断及び 主要な組入れ基準:

YMDD 変異ウイルスを有する代償性 B 型慢性肝疾患患者 ①16~65 歳の患者(性別は不問) ②少なくとも 6 ヵ月以上ラミブジンの投与を継続 ③YMDD 変異株を確認 ④血清 HBV-DNA 量が 106copies/mL 以上(Roche Amplicor PCR 法) かつ ALTが基準範囲上限の 1.2倍以上 10倍未満 ⑤HBe抗原陽性及び HBs抗原陽性

被験薬、用量、 投与経路、ロット番号:

ADV 錠:10mg、1 日 1 回;経口投与;D906A2、D906A3、D010A2 (非盲検下で ADV を投与する追跡期間用;D012A1) LAM 錠:100mg、1 日 1 回;経口投与;W0069EA、B023641 (減量時は 5mg/mL 液;D002321、D004927、D013456) ADV プラセボ錠:1 日 1 回;経口投与;D003A1、D003C1 LAM プラセボ錠:1 日 1 回;経口投与;B007735、B013204、B023515 (減量時は 5mg/mL 液;D008221、D013457)

Page 6: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.328

評価基準: 有効性: 【主要評価項目】

DAVG16(血清 HBV-DNA 量の投与 16 週間の加重平均値とベースライン値の差) 【副次的評価項目】 ・HBe 及び HBs 抗原の SC 率及び陰性化率ならびにその到達時間 ・DAVG48(血清 HBV-DNA 量の投与 48 週間の加重平均値とベースライン値の差) ・投与 16 及び 48 週時における血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量 ・血清 HBV-DNA 陰性化率(400copies/mL 未満) ・血清 HBV-DNA 量が 1,000copies/mL 未満になった時間 ・投与 48 週時における ALT 正常化率及びその到達時間 ・Child-Pugh スコア分類

安全性: バイタルサイン、身体検査、試験中止、有害事象、死亡及び臨床検査値異常

統計手法: 有効性:

Cochran-Mantel-Haenszel 検定(LAM 群に対する ADV 群及び ADV+LAM 群の相対リスク及

び 95%信頼区間も算出): ・投与 48 週時点の評価項目 Wilcoxon-Mann-Whitney 検定: ・投与 16 及び 48 週時点の継続的な評価項目 Kaplan-Meier 推定法: ・HBe 抗原の SC 及び陰性化までの時間 ・血清 HBV-DNA 陰性化までの時間 ・ALT 正常化までの時間

安全性: ・有害事象発現例数及びその発現率を集計 ・主要な臨床検査項目のシフトテーブル(ベースライン値及び最大グレード発現時)の作成

・臨床検査項目(血液学的検査、血液生化学検査及び尿検査)の要約統計量の集計

【目標症例数-設定根拠】 ラミブジン単独投与群(以下、LAM 群)と各投与群(Adefovir dipivoxil 10mg 単独投与

群:以下、ADV 群、ラミブジンと ADV の併用群:以下、ADV+LAM 群)における血清

HBV-DNA 量の DAVG16(投与 16 週間の加重平均値とベースライン値の差)の群間差 1.0 log10 copies/mL を検出するために必要な症例数は各群 17 例であった(検出力 93%)。 この症例数の設定には、有意水準を 0.025(Bonferroni を使った 2 回比較の調整)、標準偏

差を 0.76 と仮定した。 同様の検出力が副次評価項目である血清 HBV-DNA 量の DAVG48(投与 48 週間の加重平

均値とベースライン値の差)にも使用され、また、無作為化後の中止脱落例数を約 15%と仮

定した。

Page 7: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.329

解析対象集団(表 2.7.6-28) 59 例が組み入れられ、LAM 群に 19 例、ADV 群に 20 例及び ADV+LAM 群に 20 例が割り

付けられた。ADV 群の 1 例が未服薬であったため、残り 58 例(LAM 群 19 例、ADV 群 19例、ADV+LAM 群 20 例)が 16 週投与を完了し、中止例 2 例(LAM 群 1 例、ADV 群 1 例、

ADV+LAM 群 0 例)を除く 56 例(LAM 群 18 例、ADV 群 18 例、ADV+LAM 群 20 例)が

48 週投与を完了した。

表 2.7.6-28 被験者の内訳 項目 LAM 群 ADV 群 ADV+LAM 群 計

症例数 19 20 20 59 ITT 解析対象例数 19 19 20 58

16 週完了例 19(100%) 19(95%) 20(100%) 58(98%) 48 週完了例 18(95%) 18(90%) 20(100%) 56(95%)

中止例 1(5%) 1(5%) 0(0%) 2(3%) 中止理由

有害事象 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 同意撤回 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

追跡データなし 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 病態の進行 1(5%) 0(0%) 0(0%) 1(2%) 服薬不良 0(0%) 1(5%) 0(0%) 1(2%) その他 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

%の分母は ITT 解析対象例数 治験実施計画書の逸脱 治験実施計画書を逸脱した症例は 2 例であり、選択/除外基準違反 1 例及び誤処方 1 例で

あった。

Page 8: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.330

人口統計学的及び他の基準値の特性 人口統計学的及び他の基準値の特性を表 2.7.6-29に示した。 ITT 解析対象 58 例のうち、男性は 79%、年齢(中央値)は 45 歳、人種はアジア人 36%、

白人 60%及び黒人 2%であった。 各投与群におけるベースライン値は、LAM 群、ADV 群、ADV+LAM 群の順に、血清

HBV-DNA 量(中央値[log10 copies/mL])が 8.20、8.42、7.94、ALT(中央値[U/L])が

70、101、73.5 であり、ADV 群のウイルス量が多く肝機能が悪化している傾向にあった。

表 2.7.6-29 人口統計学的及び他の基準値の特性

特性 LAM 群 (N=19)

ADV 群 (N=19)

ADV+LAM 群 (N=20)

計 (N=58)

年齢(歳) 平均±標準偏差 45.9±9.9 46.3±10.3 47.4±9.8 46.6±9.8

中央値 44 45 46.5 45 Q1~Q3 37~53 40~53 42.5~54 40~53 範囲 33~69 26~64 28~66 26~69

性別 男性 14(74%) 17(89%) 15(75%) 46(79%) 女性 5(26%) 2(11%) 5(25%) 12(21%)

人種 白人 14(74%) 12(63%) 9(45%) 35(60%) 黒人 0(0%) 0(0%) 1(5%) 1(2%)

アジア人 5(26%) 7(37%) 9(45%) 21(36%) その他 0(0%) 0(0%) 1(5%) 1(2%)

血清 HBV-DNA 量(log10 copies/mL) 平均±標準偏差 8.09±0.69 8.38±0.52 7.76±0.79 8.07±0.71

中央値 8.20 8.42 7.94 8.12 Q1~Q3 7.73~8.57 7.97~8.83 7.20~8.29 - 範囲 6.08~8.82 7.30~9.21 5.89~8.88 5.89~9.21

ALT(U/L) 平均±標準偏差 83.74±39.66 134.95±107.72 93.75±76.32 103.97±81.21

中央値 70 101 73.5 78.5 Q1~Q3 53~108 69~176 55~92 60~109 範囲 39~201 47~503 42~368 39~503

HBV 前治療 IFN-α 6(32%) 7(37%) 8(40%) 21(36%)

ラミブジン 19(100%) 19(100%) 20(100%) 58(100%) その他 4(21%) 5(26%) 6(30%) 15(26%)

Page 9: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.331

<有効性の成績> 血清 HBV-DNA 量 主要評価項目である血清 HBV-DNA 量の DAVG16(中央値[log10 copies/mL])は、ADV群が-2.46、ADV+LAM 群が-2.45 であり、LAM 群(-0.07)と比較して有意な差が認め

られた(各々p<0.001)。また、DAVG48は、ADV 群が-3.06、ADV+LAM 群が-2.93 であ

り、LAM 群(+0.05)と比較して有意な差が認められた(各々p<0.001)。 ADV 群及び ADV+LAM 群は、血清 HBV-DNA 量を急速に減少させ、投与 48 週時におけ

る変化量は、ADV 群が-4.04、ADV+LAM 群が-3.59 であり、LAM 群(-0.00)と比較し

て有意な差が認められた(各々p<0.001、図 2.7.6-12)。なお、ADV 群及び ADV+LAM 群で

確認された抗ウイルス効果は類似していた。

Log1

0 co

pies

/mL

-6

-5

-4

-3

-2

-1

0

Week

Log1

0 co

pies

/mL

-6

-5

-4

-3

-2

-1

0

Number of Patients

BL

19LAM

4

19

8

19

12

19

16

17

20

19

24

18

28

19

32

19

36

19

40

19

44

19

48

18

BL

19ADV 10 MG

4

19

8

19

12

18

16

19

20

19

24

18

28

19

32

18

36

18

40

18

44

18

48

18

BL

20ADV+LAM

4

20

8

20

12

18

16

20

20

20

24

19

28

20

32

17

36

19

40

20

44

20

48

20

図 2.7.6-12 血清 HBV-DNA 量の推移(中央値[Q1~Q3])

Page 10: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.332

ALT 投与 48 週時における ALT 正常化率は、ADV 群が 47%(9/19 例、p=0.004)、ADV+LAM群が 53%(10/19 例、p=0.001)であり、LAM 群(5%:1/19 例)と比較して有意な差が認め

られた。投与 48 週時におけるの変化量(中央値[U/L])は、ADV 群が-51、ADV+LAM群が-25、LAM 群が±0 であった(図 2.7.6-13)。

図 2.7.6-13 ALT の推移(中央値[Q1~Q3])

Page 11: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.333

<安全性の成績> 有害事象 GS-00-461 試験において発現した有害事象を表 2.7.6-30に示した。 有害事象は 58 例中 55 例(95%)390 件に発現し、LAM 群 100%(19/19 例)、ADV 群

95%(18/19 例)及び ADV+LAM 群 90%(18/20 例)と 3 群間で発現率は類似していた。重

度(グレード 3 以上)の有害事象は 10 例(LAM 群:3 例、ADV 群:4 例、ADV+LAM 群 3例)に発現した。LAM 群及び ADV+LAM 群では、ADV 群と比較して「消化管障害」の発

現率が高くほぼ 2 倍であり、ADV 群及び ADV+LAM 群では、LAM 群と比較して、無力症

の発現率がわずかに高かった。また、LAM 群より ADV+LAM 群において高頻度(3 例以上

の差)に発現した有害事象は、無力症、悪心及び細菌感染 NOS であった。 死亡例及び有害事象の発現により治験薬の投与を中止した症例は認められなかったが、重

篤な有害事象は 5 例に発現し、投与期間(48 週)中に LAM 群 1 例(胆石症)及び ADV 群 3例(HIV 検査陽性 2 例、腎臓痛 1 例)、また、投与期間(48 週)終了後、非盲検下で本剤

10mg を投与した際に 1 例(大腸炎 NOS)認められたが、いずれの事象も担当医師により治

験薬との因果関係は否定された。

表 2.7.6-30 有害事象 LAM 群(N=19) ADV 群(N=19) ADV+LAM 群(N=20) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 19 (100%) 18 (95%) 18 (90%) 全身障害 15 (79%) 15 (79%) 14 (70%) 無力症 6 (32%) 9 (47%) 10 (50%) 腹痛 NOS 5 (26%) 4 (21%) 6 (30%) 頭痛 5 (26%) 5 (26%) 6 (30%) 背部痛 3 (16%) 2 (11%) 3 (15%) 疼痛 NOS 4 (21%) 2 (11%) 4 (20%) 感染 NOS 1 (5%) 1 (5%) 3 (15%) 発熱 1 (5%) 3 (16%) 0 (0%) インフルエンザ様疾患 4 (21%) 2 (11%) 3 (15%) 細菌感染 NOS 0 (0%) 0 (0%) 3 (15%) HIV 検査陽性 0 (0%) 2 (11%) 0 (0%) 頚部痛 1 (5%) 0 (0%) 1 (5%) 過敏症 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 胸痛 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 顔面浮腫 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%)

%:発現例数/症例数

Page 12: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.334

表 2.7.6-30 有害事象(続き) LAM 群(N=19) ADV 群(N=19) ADV+LAM 群(N=20) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 19 (100%) 18 (95%) 18 (90%) 循環器系障害 2 (11%) 2 (11%) 4 (20%) 高血圧 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (10%) 血管拡張 0 (0%) 0 (0%) 2 (10%) 心臓血管疾患 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 出血 NOS 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 低血圧 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 末梢血管障害 NOS 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 上室性頻脈 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 消化管障害 14 (74%) 6 (32%) 14 (70%) 下痢 NOS 6 (32%) 1 (5%) 2 (10%) 悪心 1 (5%) 2 (11%) 4 (20%) 食欲不振 2 (11%) 1 (5%) 2 (10%) 消化不良 2 (11%) 1 (5%) 2 (10%) 鼓腸 2 (11%) 0 (0%) 2 (10%) 胃腸炎 NOS 3 (16%) 1 (5%) 0 (0%) 肝機能検査値異常 1 (5%) 2 (11%) 0 (0%) 嘔吐 NOS 2 (11%) 0 (0%) 0 (0%) 胆嚢炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 胆石症 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 大腸炎 NOS 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 便秘 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 口内乾燥 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 十二指腸潰瘍 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 食道出血 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 胃炎 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 歯肉炎 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 食欲亢進 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 口腔内潰瘍形成 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 口腔カンジダ症 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 消化性潰瘍 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 直腸障害 NOS 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 舌障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 齲歯 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 歯の障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 血液・リンパ系障害 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 貧血 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 代謝・栄養障害 3 (16%) 1 (5%) 3 (15%) 血中アミラーゼ増加 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) カルニチン減少 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 脱水 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 糖尿病 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 血中リン減少 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) リパーゼ増加 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 末梢性浮腫 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) ALT 増加 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 筋・骨格系障害 5 (26%) 3 (16%) 2 (10%) 関節痛 3 (16%) 2 (11%) 1 (5%) 筋痛 1 (5%) 1 (5%) 1 (5%) 骨折 NOS 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 関節症 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%)

%:発現例数/症例数

Page 13: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.335

表 2.7.6-30 有害事象(続き) LAM 群(N=19) ADV 群(N=19) ADV+LAM 群(N=20) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 19 (100%) 18 (95%) 18 (90%) 神経系障害 5 (26%) 6 (32%) 3 (15%) 不眠症 2 (11%) 4 (21%) 0 (0%) 浮動性めまい 0 (0%) 1 (5%) 2 (10%) 神経炎 NOS 2 (11%) 1 (5%) 0 (0%) 不安 0 (0%) 2 (11%) 0 (0%) うつ病 1 (5%) 1 (5%) 0 (0%) 錯感覚 0 (0%) 1 (5%) 1 (5%) 離人症 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 睡眠障害 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 傾眠 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 振戦 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 呼吸器系障害 14 (74%) 10 (53%) 3 (15%) 咽頭炎 6 (32%) 5 (26%) 1 (5%) 副鼻腔炎 NOS 5 (26%) 3 (16%) 1 (5%) 鼻炎 NOS 5 (26%) 1 (5%) 2 (10%) 咳嗽 3 (16%) 2 (11%) 0 (0%) 気管支炎 NOS 2 (11%) 2 (11%) 0 (0%) 鼻出血 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 喉頭炎 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 皮膚・皮膚付属器障害 7 (37%) 5 (26%) 6 (30%) 発疹 NOS 4 (21%) 4 (21%) 0 (0%) そう痒症 1 (5%) 0 (0%) 2 (10%) 皮膚変色 0 (0%) 0 (0%) 2 (10%) 多汗 1 (5%) 0 (0%) 1 (5%) 帯状疱疹 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 蕁麻疹 NOS 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 水疱性皮膚炎 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 特殊感覚障害 2 (11%) 2 (11%) 2 (10%) 結膜炎 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 耳痛 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 緑内障 NOS 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 中耳炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 味覚異常 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 耳鳴 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 泌尿器系障害 2 (11%) 2 (11%) 2 (10%) 乳房痛 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 膀胱炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 排尿困難 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 血尿 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 腎臓痛 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 陰茎障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 前立腺特異性抗原増加 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) 尿道炎 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 頻尿 0 (0%) 1 (5%) 0 (0%) 膣炎 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%)

%:発現例数/症例数

Page 14: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.336

臨床検査値異常 投与 48 週時における代表的な臨床検査値の変動を表 2.7.6-31に示したが、3 群共に投与期

間中に著しい変動を示す項目はなかった。また、著明な臨床検査値異常(ベースライン値→

試験期間中:グレード 0→3 以上又はグレード 1→4)の発現率を表 2.7.6-32に示した。

表 2.7.6-31 臨床検査値の変動(中央値[Q1~Q3]) 臨床検査項目 LAM 群(N=19) ADV 群(N=19) ADV+LAM 群(N=20)

血清リン(mg/dL) ベースライン値 3.3(2.9~3.6) 3.5(2.9~3.8) 3.1(2.85~3.55) 投与 48 週時の変化量 0.05(-0.1~0.2) 0.0(-0.5~0.3) 0.15(-0.45~0.5) 血清クレアチニン(mg/dL) ベースライン値 0.9(0.8~0.9) 0.9(0.8~1.0) 0.8(0.7~0.9) 投与 48 週時の変化量 0.0(-0.1~0.1) 0.1(0.0~0.1) 0.0(-0.05~0.0) 総ビリルビン(mg/dL) ベースライン値 0.5(0.4~0.6) 0.5(0.4~0.8) 0.5(0.4~0.7) 投与 48 週時の変化量 0.05(-0.1~0.2) -0.05(-0.1~0.1) 0.0(-0.1~0.2) PT(秒) ベースライン値 12.4(11.8~13.2) 12.4(12.3~12.9) 12.9(11.8~13.8) 投与 48 週時の変化量 0.0(-0.2~0.5) 0.35(-0.25~0.65) 0.1(-0.2~0.6) 血清アルブミン(mg/dL) ベースライン値 3.9(3.8~4.1) 4.2(4.0~4.4) 4.15(3.9~4.35) 投与 48 週時の変化量 0.0(0.0~0.3) 0.05(0.0~0.4) 0.2(0.0~0.35) ALP(IU/L) ベースライン値 81(57~97) 70(60~100) 80(61.5~93) 投与 48 週時の変化量 4.5(-7~19) -4(-14~3) -3.5(-19~2.5) 血清カルニチン(µmol/L) ベースライン値 45.9(37.7~51) 50.3(42.9~58.1) 47.0(39.9~54.2) 投与 48 週時の変化量 -2.15(-8.5~5.4) -5.95(-12.8~-0.9) -1.6(-5.9~4.9)

一方、血中リン減少(2.0mg/dL 未満)が 3 例(LAM 群 2 例、ADV+LAM 群 1 例)に発現

し、ADV+LAM 群の 1 例では 2 回連続した測定で確認された。ただし、1.5mg/dL 未満(グ

レード 3)の基準では ADV+LAM 群 1 例に発現したが、2 回の連続した測定では確認され

なかった。なお、血中リン減少を示した全ての症例が回復したが、ADV+LAM 群の 1 例は

投与期間中のリン酸補給により正常化した。 血中クレアチニン増加(ベースライン値から 0.5mg/dL 増加)は ADV 群の 1 例に発現した

が、2 回連続した測定で確認されることはなかった。本症例は投与 48 週時に本剤 10mg の投

与を終了し、投与終了後の 72 週までの測定値は 0.8~0.9mg/dL の範囲内にあった。なお、ベ

ースライン値から 0.3mg/dL 増加した症例は、ADV 群の 4 例に認められ、その内の 3 例は 48週間の投与期間中に回復した。残りの 1 例は投与 48 週時点で 0.3mg/dL 以上の増加が確認さ

れたが、本剤 10mg 投与を終了した 52 週時点で回復した。ADV+LAM 群ではベースライン

値から 0.3mg/dL 増加した症例は見られなかった。

Page 15: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.337

表 2.7.6-32 著明な臨床検査値異常発現率 LAM 群(N=19) ADV 群(N=19) ADV+LAM 群(N=20)

臨床検査値異常 発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

ALT 増加 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%) AST 増加 1 (5%) 0 (0%) 0 (0%)

血中アミラーゼ増加 1 (5%) 0 (0%) 1 (5%) リパーゼ増加 1 2 (67%) 0 (0%) 2 (100%) 血中 CPK 増加 1 (5%) 1 (5%) 0 (0%) 高血糖 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%) 血中リン減少 0 (0%) 0 (0%) 1 (5%)

血尿 1 (5%) 0 (0%) 1 (5%) 糖尿 4 (21%) 2 (11%) 1 (5%)

著明な臨床検査値異常は、ベースライン値がグレード 0 で試験期間中にグレード 3 以上に変動した場合、又はベースライ

ン値がグレード 1 で試験期間中にグレード 4 に変動した場合と定義した。 1. リパーゼ測定例数は、LAM 群 3 例、ADV 群 0 例、ADV+LAM 群 2 例であった。

Page 16: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.338

<まとめ> YMDD 変異ウイルスを有する代償性 B 型慢性肝疾患に対し、本剤 10mg を単独又はラミブ

ジン 100mg と併用して 1 日 1 回、48 週間投与することにより、以下の成績が得られた。 ①血清 HBV-DNA 量の DAVG(中央値[log10 copies/mL])は、以下のとおりであった。 DAVG16(主要評価項目): LAM 群=-0.07、ADV 群=-2.46(p<0.001)、ADV+LAM 群=-2.45(p<0.001) DAVG48:LAM 群=+0.05、ADV 群=-3.06(p<0.001)、ADV+LAM 群=-2.93(p<0.001) ②投与 48 週時における他の副次的評価項目については、以下のとおりであった。 ・血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量 LAM 群=-0.00、ADV 群=-4.04(p<0.001)、ADV+LAM 群=-3.59(p<0.001) ・ALT 正常化率 LAM 群=5%、ADV 群=47%(p=0.004)、ADV+LAM 群=53%(p=0.001) ・ALT のベースライン値からの変化量(中央値[U/L]) LAM 群=±0、ADV 群=-51、ADV+LAM 群=-25 ③LAM を単独又は併用した群では、本剤単独群と比較して消化管障害の発現率が高くほぼ 2 倍 であり、本剤の単独又は LAM を併用した群では、LAM 群と比較して無力症の発現率が わずかに高かった。 また、LAM 群より ADV+LAM 群において高頻度(3 例以上の差)に発現した有害事象は、 無力症、悪心及び細菌感染 NOS であった。 ④死亡例及び有害事象の発現により治験薬の投与を中止した症例は認められなかった。 重篤な有害事象は、投与期間(48 週)中に LAM 群 1 例(胆石症)及び ADV 群 3 例 (HIV 検査陽性 2 例、腎臓痛 1 例)、また、投与期間(48 週)終了後、非盲検下で本剤 10mg を投与した際に 1 例(大腸炎 NOS)認められたが、いずれの事象も担当医師により治験薬との

因果関係は否定された。 以上、有効性の結果から、本剤 10mg による抗ウイルス効果及び肝機能改善効果は、HBVの野生株(HBe 抗原陽性例)又は pre-C 変異株(HBe 抗原陰性例)を対象とした GS-98-437及び GS-98-438 試験の成績と同程度であり、本剤の有効性は、HBV 株の変異の種類に関係

なく、代償性の B 型慢性肝疾患に奏効することが示唆された。 また、本剤 10mg 単独投与又はラミブジン 100mg との併用投与の忍容性は良好であった。 したがって、YMDD 変異ウイルスを有する代償性 B 型慢性肝疾患に対し、本剤 10mg を単

独又はラミブジン 100mg との併用による 1 日 1 回、48 週間投与は、有益な治療法であるこ

とが示唆された。

Page 17: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.339

2.7.6.3.1.5. NUC20904 試験の概要 5.3.5.1.5

治験の標題: HBV 変異株が出現しラミブジン治療効果が減少した B 型慢性肝疾患を対象に ADV 及びラミ

ブジンを 52 週間併用投与した際の安全性及び有効性を検討する無作為化、層別化、多施設共

同、二重盲検比較試験 治験実施医療機関: 29 医療機関

(豪州、カナダ、フランス、ドイツ、香港、オランダ、シンガポール、スペイン、トルコ、

英国、米国) 公表文献: Perrillo R, Schiff E, Hann HWL, Buti M, Strasser S, et al. The addition of adefovir dipivoxil to lami-

vudine in decompensated chronic hepatitis B patients with YMDD mutant HBV and reduced response to lamivudine: preliminary 24 week results. Hepatology 2001; 34 (4, Pt 2): 349A (Abstract 708).

治験期間: 200 年 2 月 23 日(最初の被験者組み入れ日) 200 年 2 月 27 日(最終被験者観察日)

目的: 【主要目的】 YMDD 変異ウイルスが出現しラミブジンの臨床効果及び抗ウイルス効果が減少した B 型慢性

肝疾患に対しラミブジン治療に ADV を追加投与した際の抗ウイルス効果及び臨床的有益性を

評価する。 【追加目的】 本併用療法の安全性を評価する。

治験方法: A 群:無作為化、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検比較 B 群:多施設共同、非盲検非対照

被験者数: 計画時:A 群 90 例、B 群 40 例(最大) 組入時:A 群 95 例(プラセボ+LAM 群 49 例、ADV+LAM 群 46 例) B 群 40 例 解析時(ITT 解析対象):A 群 94 例(プラセボ+LAM 群 48 例、ADV+LAM 群 46 例)、B群 40 例

投与期間: 52 週間(他の NUC20917 試験において、更に長期投与可能) 診断及び 主要な組入れ基準:

YMDD 変異ウイルスを有する B 型慢性肝疾患患者 A 群:HBe 抗原陽性の代償性 B 型慢性肝疾患 B 群:HBe 抗原陽性及び陰性(pre-C 変異株)の非代償性 B 型慢性肝疾患

被験薬、用量、 投与経路、ロット番号:

ADV 錠:10mg、1 日 1 回;経口投与;D010A1、D806B、D906A1、D906A2 ADV 5mg 錠:D902A LAM 錠:100mg、1 日 1 回;経口投与;W0079EB、W0037LBR、W0069EA、B016376 (減量時は 5mg/mL 液;D002321、D008223、10565667、10597183) ADV プラセボ錠(A 群のみ):1 日 1 回;経口投与;D003A1、D003C1、D804

評価基準: 有効性: 【主要評価項目】

投与 48 及び 52 週時における血清 HBV-DNA 量の持続改善率(5 log10 copies/mL 以下に減少又

はベースライン値からの変化量が 2 log10 copies/mL 以上の減少:Roche COBAS Amplicor PCR法) 【副次的評価項目】 ・投与 48 及び 52 週時における ALT の持続正常化率 【他の有効性評価項目】 ・Child-Pugh スコア、B 型肝疾患が進展した症例の割合、HBe 及び HBs 抗原の SC 率及び陰性

化率、血清 HBV-DNA(要約統計量、AUC、陰性化率[200copies/mL 未満]及びその到達時

間)

安全性: 有害事象、臨床検査値異常発現率(グレード別) 統計手法: 有効性: 【主要評価項目】

χ2検定を用いての群間比較、オッズ比及び 95%信頼区間の算出 【副次的評価項目】 ・ALT 正常化率:χ2検定 【他の有効性評価項目】 ・血清 HBV-DNA の AUC:共変量を用いた 2 群間の差異を分析

安全性: ・有害事象発現率、試験中止率を集計 ・特定した臨床検査項目の要約統計量の算出 ・著明な臨床検査値異常の発現率:χ2検定を用いての群間比較 ・グレード 3 又は 4 の特定した臨床検査値異常:生命表を用いて分析

Page 18: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.340

【目標症例数-設定根拠】 A 群における症例数は、血清 HBV-DNA 量の反応率をラミブジンとプラセボの併用群(以

下、LAM+プラセボ群)が 14%、Adefovir dipivoxil とラミブジンの併用群(以下、ADV+

LAM 群)が 44%と仮定して設定した。 なお、ADV+LAM 群における過去の NUCA3010 試験の反応率(血清 HBV-DNA 量が 99%減少する、あるいは血清 HBV-DNA 量が投与 48 又は 52 週時陰性化した場合)において、B型慢性肝炎患者に対する LAM 52 週間投与の結果から仮定した。 一方、LAM+プラセボ群の反応率は、延長試験(NUCB3018 試験)の投与 52 週時におけ

る YMDD 変異ウイルスが確認された症例に対して、投与 96 及び 104 週時の陰性化率に基づ

いて仮定した。これらの反応率は、約 15%のデータが欠損及び早期脱落症例数を除いた解析

対象を基に仮定した。投与 48 及び 52 週時でのこれらの反応率から、A 群において計 90 例

(各群 45 例)を用いれば、主要評価項目の群間差を検出できる(両側検定、検出力=80%)。 更に、ベースライン時の血清 HBV-DNA 量が 105 copies/mL 以下のために主要評価項目の

解析対象とならない症例を 5%と予測した。 B 群には約 40 例が組み込まれる予定であるが、治験実施計画書においては、B 群の症例

数は設定していない。 症例数の設定では両側検定、α=0.05 を使用した。

Page 19: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.341

解析対象集団(表 2.7.6-33) A 群では 95 例が組み入れられ、プラセボ+LAM 群に 49 例、ADV+LAM 群に 46 例が割

り付けられた。また、B 群には 40 例が組み入れられた。スクリーニングの結果、プラセボ

+LAM 群の 1 例が適合性基準を満たしていなかったため、A 群では残り 94 例(プラセボ+

LAM 群 48 例、ADV+LAM 群 46 例)、B 群では全 40 例を ITT 解析対象とした。

表 2.7.6-33 被験者の内訳 A 群 B 群

項目 プラセボ+LAM 群 ADV+LAM 群 計 ADV+LAM 群

症例数 49 46 95 40 ITT 解析対象例数 48 46 94 40

完了例 46(96%) 42(91%) 88(94%) 38(95%) 中止例 2(4%) 4(9%) 6(6%) 2(5%)

中止理由 有害事象 1(2%) 0(0%) 1(1%) 1(3%) 同意撤回 0(0%) 1(2%) 1(1%) 0(0%)

追跡データなし 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 病態の進行 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 服薬不良 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) その他 1(2%) 3(7%) 4(4%) 1(3%)

%の分母は ITT 解析対象例数 治験実施計画書の逸脱 治験実施計画書を逸脱した症例は 12 例(A 群 9 例[プラセボ+LAM 群 6 例、ADV+LAM群 3 例]、B 群 3 例)であり、選択/除外基準違反 5 例(A 群 3 例[プラセボ+LAM 群 3例]、B 群 2 例)、服薬不良(75%未満)7 例(A 群 6 例[プラセボ+LAM 群 3 例、ADV+

LAM 群 3 例]、B 群 1 例)であった。 人口統計学的及び他の基準値の特性 人口統計学的及び他の基準値の特性を表 2.7.6-34に示した。 A 群では、両群間の人口統計学的特性は同様であり、両投与群ともに大部分は男性であり

(プラセボ+LAM 群 94%、ADV+LAM 群 98%)、年齢(中央値)はプラセボ+LAM 群が

42 歳、ADV+LAM 群が 43 歳であった。A 群に組み入れられた人種の大部分は白人(51%)

又はアジア人(43%)であった。 B 群では、大部分は男性(88%)の白人(50%)又はアジア人(30%)であった。

Page 20: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.342

表 2.7.6-34 人口統計学的及び他の基準値の特性 A 群 B 群

特性 プラセボ+LAM 群 ADV+LAM 群 ADV+LAM 群

ITT 解析対象 48 46 40 年齢(歳)

平均±標準偏差 43.8±9.9 43.0±11.7 51.7±10.7 中央値 42 43 53 範囲 25~68 24~67 22~73

性別 男性 45(94%) 45(98%) 35(88%) 女性 3(6%) 1(2%) 5(13%)

人種 白人 22(46%) 26(57%) 20(50%) 黒人 2(4%) 1(2%) 4(10%)

アジア人 22(46%) 19(41%) 12(30%) その他 2(4%) 0(0%) 4(10%)

血清 HBV-DNA 量(log10 copies/mL) 平均±標準偏差 8.38±1.28 8.78±0.79 8.18±1.13

中央値 8.61 8.95 8.61 範囲 4.2~10.1 6.6~10.1 5.4~10.1

ALT(/ULN) 平均±標準偏差 4.34±5.99 3.16±3.45 3.01±3.32

中央値 2.71 2.20 1.86 範囲 1.1~40.1 1.0~18.9 0.6~16.6

HBV 前治療 IFN-α <2(<4%) 0(0%) <2(<5%)

ラミブジン 48(100%) 46(100%) 40(100%) その他 1(2%) <2(<4%) <2(<5%)

Page 21: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.343

<有効性の成績> 血清 HBV-DNA 量 投与 48 及び 52 週時における血清 HBV-DNA 量の持続改善率(5 log10 copies/mL 以下へ減

少又はベースライン値からの変化量が 2 log10 copies/mL 以上の減少)は、A 群では ADV+

LAM 群が 85%(39/46 例)に認められ、プラセボ+LAM 群(11%:5/46 例)に比較して有

意な改善を示し(p<0.001)、また、B 群では 92%(36/39 例)に認められた。血清 HBV-DNA 量の変動(中央値[log10 copies/mL]:ベースライン値→投与 52 週時)は、A 群ではプ

ラセボ+LAM 群が 8.61→9.35 と増加したが、ADV+LAM 群では 8.95→4.25 と減少し、B 群

でも 8.61→3.23 に減少した(図 2.7.6-14)。投与 52 週時における陰性化率は、A 群のプラセ

ボ+LAM 群が 0%、ADV+LAM 群が 20%(9/46 例)であり、B 群では 28%(11/39 例)であ

った。

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52

Time (weeks)

Median HBV DNA(log10 copies/ml)

Lamivudine + Placebo(Stratum A)Lamivudine + Adefovir Dipivoxil(Stratum A)Lamivudine + Adefovir Dipivoxil(Stratum B)

図 2.7.6-14 血清 HBV-DNA 量(絶対値)の推移(中央値[Q1~Q3])

Page 22: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.344

ALT 投与 48 及び 52 週時における ALT の持続正常化率は、A 群では ADV+LAM 群が 31%(14/45 例)に認められ、プラセボ+LAM 群(6%:3/48 例)に比較して有意に正常化し

(p=0.002)、B 群では 53%(20/38 例)に認められた。ALT(中央値[/ULN])の変動(ベ

ースライン値→投与 52 週時)は、プラセボ+LAM 群が 2.71→1.81、ADV+LAM 群では

2.20→1.03 と減少し、B 群では 1.86→0.85 に減少した(図 2.7.6-15)。

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52

Time (weeks)

Median ALT/ULN

Lamivudine + Placebo(Stratum A)Lamivudine + Adefovir Dipivoxil(Stratum A)Lamivudine + Adefovir Dipivoxil(Stratum B)

図 2.7.6-15 ALT(/ULN:基準範囲上限に対する倍数)の推移(中央値[Q1~Q3])

Page 23: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.345

血清学的評価 各血清学的項目の成績を表 2.7.6-35に示した。 投与 52 週時における HBe 抗原陰性化率は、A 群では ADV+LAM 群 15%(6/40 例)であ

り、プラセボ+LAM 群(2%、1/42 例)よりも高頻度に認められ、B 群では更に高頻度

(30%、8/27 例)に認められた。また、HBe 抗原 SC 率では、A 群ではプラセボ+LAM 群

2%(1/42 例)、ADV+LAM 群 8%(3/40 例)、B 群では 4%(1/27 例)に認められたに過ぎ

なかった。更に HBs 抗原の陰性化及び SC の両方が確認された症例は、B 群 39 例中 2 例

(5%)に認められたに過ぎなかった。

表 2.7.6-35 血清学的評価 A 群 B 群

特性 プラセボ+LAM 群 ADV+LAM 群 ADV+LAM 群

ITT 解析対象 48 46 40 投与 48 週時

陰性化率 2/42(5%) 5/40(13%) 6/27(22%) HBe 抗原

SC 率 1/42(2%) 2/40(5%) 1/27(4%) 陰性化率 0/48 0/44 2/39(5%)

HBs 抗原 SC 率 0/48 0/44 2/39(5%)

投与 52 週時 陰性化率 1/42(2%) 6/40(15%) 8/27(30%)

HBe 抗原 SC 率 1/42(2%) 3/40(8%) 1/27(4%) 陰性化率 0/48 0/44 2/39(5%)

HBs 抗原 SC 率 0/48 0/44 2/39(5%)

非代償性の B 型慢性肝疾患例(B 群)におけるアルブミン及びビリルビンの変動 表 2.7.6-36に示したように、B 群においてアルブミン及びビリルビンの著しい改善が認め

られ、非代償性肝疾患例の病態を改善することが示された。

表 2.7.6-36 投与 52 週時におけるアルブミン及ぶビリルビンの変動(B 群) 5.3.5.1.5 表 15.2.33 及び 15.2.37 のデータから作成

項目 ベースライン 投与 52 週時における変動 血清アルブミン(g/dL:最小値~最大値) 3.2 (2.1~4.3) +16 (-7~+104)1 総ビリルビン (/ULN:最小値~最大値) 0.86 (0.1~11.6) 0.57 (0.1~3.0)2 1. ベースラインからの変化量(%) 2. 実測値

Page 24: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.346

<安全性の成績>

有害事象 いずれかの投与群において発現した有害事象を表 2.7.6-37に示した。 A 群における有害事象発現率は、プラセボ+LAM 群が 83%(40/48 例)及び ADV+LAM群が 82%(36/44 例)であり両群間で類似していたが、ADV+LAM 群において、消化管障害、

耳鼻咽喉系障害、非特定機能障害、神経系障害及び下気道系障害がより高頻度に発現する傾

向にあった。 一方、B 群における有害事象発現率は 95%(38/40 例)であり A 群よりも高率であったが、

肝の病態が進展し合併症を伴う患者層であったことから予測される事象であった。最も高頻

度に発現した有害事象は消化器系に関連するものであった。 A 群では、死亡例は認められなかった。重篤な有害事象は 5 例 6 件に発現し、いずれの事

象も担当医師により治験薬との因果関係なしと判定された。その他重要な有害事象として、

治験薬の投与中止を必要とした有害事象の発現は、プラセボ+LAM 群の 1 例に錯感覚が認

められたに過ぎず、ADV+LAM 群では認められなかった。 B 群では死亡例が 1 例(症例 No.06*)に認められた。本症例は投与 17 週時に肝不全によ

り死亡したが病態の進展に伴うものであり、担当医師により治験薬との因果関係なしと判定

された。死亡を除く重篤な有害事象は 7 例 22 件に発現したが、いずれの事象も担当医師に

より治験薬との因果関係なしと判定された。その他重要な有害事象として、治験薬の投与中

止を必要とした有害事象は、前述した死亡例 1 例のみであった。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 25: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.347

表 2.7.6-37 有害事象 A 群 B 群

プラセボ+LAM 群 (N=48)

ADV+LAM 群 (N=44)

ADV+LAM 群 (N=40)

発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 40 (83%) 36 (82%) 38 (95%)

消化管障害 17 (35%) 20 (45%) 25 (63%)

下痢 NOS 5 (10%) 4 (9%) 9 (23%)

悪心、嘔吐 NOS 5 (10%) 5 (11%) 6 (15%)

腹部不快感、腹痛 NOS 3 (6%) 3 (7%) 6 (15%)

消化不良 4 (8%) 2 (5%) 3 (8%)

膨満感 0 (0%) 0 (0%) 6 (15%)

便秘 1 (2%) 0 (0%) 4 (10%)

胃腸炎 NOS 2 (4%) 1 (2%) 1 (3%) 消化器不調、消化器痛 NOS 2 (4%) 1 (2%) 1 (3%) 痔核 1 (2%) 2 (5%) 1 (3%) 便異常 NOS 0 (0%) 0 (0%) 3 (8%)

腹水 0 (0%) 0 (0%) 3 (8%)

胃腸感染 NOS 0 (0%) 2 (5%) 0 (0%)

胃食道逆流性疾患 0 (0%) 2 (5%) 0 (0%)

ウイルス感染 NOS 0 (0%) 2 (5%) 0 (0%)

唾液欠乏 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

歯違和感、歯痛 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 胃腸出血 NOS 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 嚥下障害 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 胃炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

裂孔ヘルニア 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

食道静脈瘤 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

歯肉障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

胃腸障害 NOS 1 (2%) 0 (0%) 2 (5%)

腹膜出血 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%)

歯の障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

鼓腸 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

腸管ポリープ 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

過酸症 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

口腔内潰瘍形成 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

唾液変性 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

大腸炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 小腸炎 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 食道炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 胃腸管閉塞 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 過敏性腸症候群 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 消化器癌 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%)

%:発現例数/症例数

Page 26: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.348

表 2.7.6-37 有害事象(続き) A 群 B 群

プラセボ+LAM 群 (N=48)

ADV+LAM 群 (N=44)

ADV+LAM 群 (N=40)

発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 40 (83%) 36 (82%) 38 (95%)

非特定機能障害 16 (33%) 19 (43%) 16 (40%) 倦怠感、疲労 6 (13%) 10 (23%) 7 (18%)

体温調節障害 NOS 1 (2%) 4 (9%) 9 (23%)

浮腫 NOS、腫脹 NOS 1 (2%) 3 (7%) 6 (15%)

胸痛 1 (2%) 2 (5%) 3 (8%)

疼痛 NOS 1 (2%) 1 (2%) 2 (5%)

状態悪化 2 (4%) 1 (2%) 0 (0%)

真菌感染 NOS 2 (4%) 0 (0%) 1 (3%) ウイルス感染 NOS 1 (2%) 2 (5%) 0 (0%)

過敏症 NOS 1 (2%) 1 (2%) 1 (3%) 感染 NOS 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 移植拒絶反応 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 細菌感染 NOS 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 痙攣 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

全身症状 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

熱感および冷感 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

炎症 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

嗅覚錯誤、味覚異常 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

良性新生物 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

検査異常 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

薬物過敏症 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

悪性新生物 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 耳鼻咽喉系障害 15 (31%) 21 (48%) 12 (30%)

鼻咽頭炎、耳の感染症 6 (13%) 9 (20%) 5 (13%) ウイルス感染 NOS 4 (8%) 6 (14%) 3 (8%)

咽喉頭疼痛、咽頭不快感 1 (2%) 4 (9%) 3 (8%)

アレルギー性鼻炎 0 (0%) 2 (5%) 1 (3%) 副鼻腔炎 NOS 2 (4%) 0 (0%) 1 (3%) 耳出血、鼻出血、咽頭出血 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

咽頭炎 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 耳の障害 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

喉頭炎 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

鼻炎 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

上気道の炎症 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

副鼻腔障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

扁桃炎 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

神経系障害 10 (21%) 16 (36%) 11 (28%)

頭痛 6 (13%) 10 (23%) 5 (13%) 睡眠障害 NOS 1 (2%) 3 (7%) 3 (8%)

浮動性めまい 1 (2%) 3 (7%) 2 (5%)

錯感覚 2 (4%) 3 (7%) 0 (0%)

感覚減退 1 (2%) 2 (5%) 0 (0%)

振戦 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 神経圧迫 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

片頭痛 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

平衡障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) ジストニー 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 脳症 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 健忘 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 神経疾患 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%)

%:発現例数/症例数

Page 27: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.349

表 2.7.6-37 有害事象(続き) A 群 B 群

プラセボ+LAM 群 (N=48)

ADV+LAM 群 (N=44)

ADV+LAM 群 (N=40)

発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 40 (83%) 36 (82%) 38 (95%)

下気道系障害 8 (17%) 13 (30%) 11 (28%)

ウイルス性気道感染 NOS 5 (10%) 9 (20%) 3 (8%)

咳嗽 3 (6%) 3 (7%) 4 (10%)

呼吸障害 NOS 1 (2%) 1 (2%) 2 (5%)

気管支炎 NOS 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%) 胸膜障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

胸膜炎 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 痰 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 肺音異常 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 呼吸不全 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 肺炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 肺水種 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 皮膚・皮膚付属器系障害 10 (21%) 10 (23%) 17 (43%)

そう痒症 3 (6%) 0 (0%) 2 (5%)

発疹 NOS 0 (0%) 3 (7%) 3 (8%)

皮膚感染症 0 (0%) 1 (2%) 2 (5%)

多汗 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

ウイルス感染 NOS 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

湿疹 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 悪性皮膚新生物 NOS 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 紅斑 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

皮膚病変 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

皮膚炎 NOS、皮膚症 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

脂漏 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

過角化 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

寄生虫感染 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

毛髪障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

丘疹 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

痂皮 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

脂漏性皮膚炎 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

毛包炎 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 皮膚細菌感染 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 皮膚真菌感染 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 脱毛症 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 尋常性白斑 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 皮膚嚢腫 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 皮膚出血 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 筋・骨格系障害 8 (17%) 9 (20%) 10 (25%)

筋骨格痛 4 (8%) 7 (16%) 7 (18%)

慢性関節リウマチ 3 (6%) 1 (2%) 1 (3%) 筋痛 1 (2%) 1 (2%) 1 (3%) 筋炎 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

筋脱力 NOS、筋肉疲労、筋萎縮 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 筋痙攣、筋痙縮 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 関節炎 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

軟骨障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 骨痛 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 脂肪腫 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 筋骨格不快感 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%)

%:発現例数/症例数

Page 28: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.350

表 2.7.6-37 有害事象(続き) A 群 B 群

プラセボ+LAM 群 (N=48)

ADV+LAM 群 (N=44)

ADV+LAM 群 (N=40)

発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 40 (83%) 36 (82%) 38 (95%)

泌尿器系障害 5 (10%) 6 (14%) 9 (23%)

尿管出血 NOS 0 (0%) 0 (0%) 5 (13%)

尿路感染 NOS 2 (4%) 1 (2%) 1 (3%) 尿検査異常 NOS 2 (4%) 0 (0%) 1 (3%) 腎機能検査 NOS 異常 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 腎機能障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 頻尿 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 尿意切迫 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

排尿異常 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

着色尿 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

腎盂腎炎 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 腎障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 尿路障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 排尿困難 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 尿路結石 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 内分泌・代謝障害 3 (6%) 7 (16%) 15 (38%)

カルシウム代謝異常、リン代謝障害 NOS 1 (2%) 2 (5%) 4 (10%)

栄養補給障害 NOS 1 (2%) 1 (2%) 5 (13%) 電解質失調 0 (0%) 1 (2%) 3 (8%)

酵素異常 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

脂肪代謝障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 体液貯留 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

高尿酸血症 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 血中ブドウ糖異常 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) アシドーシス NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 糖尿病 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) マグネシウム代謝異常 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 血漿蛋白代謝障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 口渇 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) ケトン尿 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 甲状腺機能低下症 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 体重異常 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 心・血管障害 2 (4%) 5 (11%) 7 (18%)

高血圧 NOS 1 (2%) 3 (7%) 3 (8%)

動悸 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

静脈瘤 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

期外収縮 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

潮紅 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

動脈瘤 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 心停止 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 低血圧 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 失神 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 血栓症 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%)

%:発現例数/症例数

Page 29: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.351

表 2.7.6-37 有害事象(続き) A 群 B 群

プラセボ+LAM 群 (N=48)

ADV+LAM 群 (N=44)

ADV+LAM 群 (N=40)

発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

有害事象発現例数 40 (83%) 36 (82%) 38 (95%)

薬物相互作用、過量投与、外傷 4 (8%) 3 (7%) 6 (15%)

損傷 1 (2%) 2 (5%) 1 (3%) 挫傷、血腫 NOS 1 (2%) 0 (0%) 2 (5%)

骨折 NOS 1 (2%) 1 (2%) 0 (0%)

中毒 NOS 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 処置後合併症 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

裂傷 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%)

注射部位反応 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 軟骨損傷 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 血液・リンパ系障害 3 (6%) 3 (7%) 5 (13%) 血小板数減少 0 (0%) 1 (2%) 3 (8%)

リンパ系障害 2 (4%) 0 (0%) 0 (0%)

リンパ系新生物 NOS、造血器の新生物 NOS 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 白血球数増加 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

凝固時間 NOS 延長 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

貧血 NOS 0 (0%) 0 (0%) 2 (5%) 紫斑 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 肝臓、胆管、膵臓系障害 4 (8%) 2 (5%) 6 (15%)

肝機能検査値異常 3 (6%) 0 (0%) 3 (8%)

胆嚢胞、膵嚢胞 0 (0%) 1 (2%) 1 (3%) 肝胆道系疾患 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

膵炎 NOS 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

胆嚢炎 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 胆石症 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 肝不全 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 精神系障害 2 (4%) 3 (7%) 0 (0%)

不安 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

無感情 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%) うつ病 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

気分障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

多幸気分 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

適応障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%) 眼科系障害 1 (2%) 2 (5%) 2 (5%)

盲、視力低下 1 (2%) 0 (0%) 1 (3%) 眼球浮腫、眼球腫脹 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

角膜炎、結膜炎 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

涙器系障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

嚢胞 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 不快感 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 生殖系障害 2 (4%) 1 (2%) 3 (8%)

前立腺炎 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

精液異常 1 (2%) 0 (0%) 0 (0%)

前立腺障害 NOS 0 (0%) 1 (2%) 0 (0%)

乳房障害 NOS 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 乳房痛 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%) 真菌感染 0 (0%) 0 (0%) 1 (3%)

%:発現例数/症例数

Page 30: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.352

臨床検査値異常 主要な臨床検査項目において、重度(グレード 3 以上)の異常発現率を表 2.7.6-38に示し

た。 A 群においては、重度(グレード 3 以上)の異常発現率は両群において類似しており、有

意な差は認められなかった(p>0.15)。ただし、グレード 4 の異常発現率は、ADV+LAM群 9%と比較して、プラセボ+LAM 群(19%)において高率であった。 B 群においては、A 群と比較してグレード 3 の血清アルブミン及び血小板数の変動が多か

ったが、これらは病態の進行度及び合併症に伴うものと考えられた。 一方、血中クレアチニン増加(ベースライン値から 0.5mg/dL の増加)は、A 群 3 例(プ

ラセボ+LAM 群:2 例、ADV+LAM 群 1 例)、B 群 2 例に発現し、また、血中リン減少

(1.4mg/dL 以下)は B 群 1 例に発現したが、いずれの事象も 2 回連続した測定で確認される

ことはなかった。

Page 31: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.353

表 2.7.6-38 主要な臨床検査項目における重度の異常発現率 A 群 B 群 プラセボ+LAM 群(N=48) ADV+LAM 群(N=44) ADV+LAM 群(N=40) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 1 発現例数(発現率) 重度(グレード 4) 9(19%) 4(9%) 5(13%) 重度(グレード 3 以上) 17(35%) 12(28%) 23(58%) ALT グレード 3 6(13%) 4(9%) 5(13%) グレード 4 1(2%) 0(0%) 0(0%) AST グレード 3 6(13%) 3(7%) 4(10%) グレード 4 1(2%) 0(0%) 0(0%) 血清アルブミン グレード 3 1(2%) 1(2%) 6(15%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 1(3%) リパーゼ グレード 3 1(2%) 1(2%) 2(5%) グレード 4 1(2%) 1(2%) 0(0%) 血清クレアチニン グレード 3 0(0%) 0(0%) 0(0%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 0(0%) CPK グレード 3 0(0%) 1(2%) 0(0%) グレード 4 4(8%) 2(5%) 1(3%) 総ビリルビン グレード 3 0(0%) 0(0%) 0(0%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 1(3%) ALP グレード 3 1(2%) 0(0%) 0(0%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 0(0%) アミラーゼ グレード 3 0(0%) 0(0%) 1(3%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 0(0%) K グレード 3 1(2%) 1(2%) 2(5%) グレード 4 3(6%) 2(5%) 2(5%) 血清リン グレード 3 0(0%) 0(0%) 1(3%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 0(0%) ヘモグロビン グレード 3 0(0%) 0(0%) 1(3%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 0(0%) WBC グレード 3 0(0%) 0(0%) 0(0%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 0(0%) 好中球数 グレード 3 0(0%) 1(2%) 1(3%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 1(3%) 血小板数 グレード 3 1(2%) 0(0%) 10(25%) グレード 4 0(0%) 0(0%) 1(3%)

1. 測定例数は 43 例

Page 32: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.354

<まとめ> YMDD 変異ウイルスを有する代償性及び非代償性の B 型慢性肝疾患に対し、本剤 10mg と

ラミブジン 100mg を 1 日 1 回併用して 52 週間投与することにより、以下の成績が得られた。 ①主要評価項目:投与 48 及び 52 週時における血清 HBV-DNA 量の持続改善率(5 log10 copies/mL 以下に減少又はベースライン値からの変化量が 2 log10 copies/mL 以上減少)は、 以下のとおりであった。 A 群:プラセボ+LAM 群=11%、ADV+LAM 群=85%(p<0.001)、B 群=92% ②副次的評価項目:投与 48 及び 52 週時における ALT の持続正常化率は、以下のとおりで あった。 A 群:プラセボ+LAM 群=6%、ADV+LAM 群=31%(p=0.002)、B 群=53% ③投与 52 週時における他の有効性評価項目については、以下のとおりであった。 ・血清 HBV-DNA 量の変動(中央値[log10 copies/mL]:ベースライン値→投与 52 週時) A 群:プラセボ+LAM 群=8.61→9.35、ADV+LAM 群=8.95→4.25、B 群=8.61→3.23 ・血清 HBV-DNA 陰性化率(200copies/mL 未満) A 群:プラセボ+LAM 群=0%、ADV+LAM 群=20%、B 群=28% ・ALT の変動(中央値[U/L]:ベースライン値→投与 52 週時) A 群:プラセボ+LAM 群=2.71→1.81、ADV+LAM 群=2.20→1.03、B 群=1.86→0.85 ・HBe 抗原陰性化率 A 群:プラセボ+LAM 群=2%、ADV+LAM 群=15%、B 群=30% ④A 群における有害事象発現率は両投与群間で類似していたが(プラセボ+LAM 群=83%、 ADV+LAM 群=82%)、ADV+LAM 群において、消化管障害、耳鼻咽喉系障害、非特定 機能障害、神経系障害及び下気道系障害がより高頻度に発現する傾向にあった。 B 群における有害事象発現率は 95%であったが、肝の病態が進展し合併症を伴う患者層であ ったことから予測される事象であった。最も高頻度に発現した有害事象は消化器系に関連す

るものであった。 ⑤死亡、重篤な有害事象及びその他重要な有害事象の発現は以下のとおりであった。 A 群:死亡:無 重篤な有害事象:5 例 6 件(いずれも治験薬との因果関係なし) 治験薬の投与中止を必要とした有害事象:プラセボ+LAM 群 1 例(錯感覚) ADV+LAM 群:無 B 群:死亡:1 例(肝不全、治験薬との因果関係なし) 重篤な有害事象:7 例 22 件(いずれも治験薬との因果関係なし) 治験薬の投与中止を必要とした有害事象:1 例(上述の死亡例) ⑥A 群における重度の臨床検査値異常発現率は両投与群において類似していた(p>0.15)。 B 群においては、グレード 3 の血清アルブミン及び血小板数の変動が多かったが、 これらは病態の進行度及び合併症に伴うものと考えられた。血中クレアチニン増加は A 群 3 例(プラセボ+LAM 群:2 例、ADV+LAM 群 1 例)、B 群 2 例に発現し、血中リン減少は

B 群 1 例に発現したが、いずれも 2 回連続した測定で確認されることはなかった。

以上の結果から、本剤 10mg による抗ウイルス効果及び肝機能改善効果は、HBV の野生株

又は pre-C 変異株を対象とした GS-98-437 及び GS-98-438 試験ならびに YMDD 変異ウイルス

Page 33: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.355

を有する代償性の B 型慢性肝疾患を対象とした GS-00-461 試験の成績と同様であることから、

本剤は、代償性及び非代償性に関係なく、B 型慢性肝疾患の治療において有益であることが

示唆された。

Page 34: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.356

2.7.6.3.1.6. GS-94-404 試験の概要 5.3.5.1.6/ref

治験の標題: B 型慢性肝炎患者に 9-[2-(Bispivaloyloxymethyl)phosphonylmethoxyethyl]-adenine(bis-POM PMEA)を投与した際の安全性、忍容性及び抗ウイルス効果を検討する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験 [初期及び長期試験]

治験実施医療機関: (英国), (英国), (英国), (英国)

公表文献: Gilson RJC, Chopra KB, Newell AM, et al. A placebo-controlled phase I/II study of adefovir dipivoxil in patients with chronic hepatitis B virus infection. Journal of Viral Hepatitis, 1999, 6:387-395 Gilson RJC, Murray-Lyon IM, Nelson MR, et al. Extended treatment with adefovir dipivoxil in patients with chronic hepatitis B virus infection. Hepatology 1998;28(4): 491A Chokshi S, Papakonstantinou N, Gilson R, et al. Hepatitis flares in patients treated with adefovir dipivoxil correlate with activation of hepatitis B core-specific T-cell reactivity. Hepatology 1998;28(4):589A

治験期間: 【初期試験】199 年 3 月 22 日(最初の被験者組み入れ日) 199 年 6 月 25 日(最終被験者観察日) 【長期試験】199 年 4 月 30 日(最初の被験者組み入れ日) 199 年 9 月 8 日 (最終被験者観察日)

目的: 【初期試験】肝トランスアミナーゼ上昇を示す HBe 抗原陽性 B 型慢性肝炎患者に対し ADVの各用量を 1 日 1 回、4 週間投与した際の安全性、忍容性及び抗ウイルス効果を検討する。 【長期試験】初期試験に組み入れられた B 型慢性肝炎患者に対し ADV の 2 用量(60 又は

120mg)を 1 日 1 回、24 週間投与した際の安全性及び有効性のデータを収集する。 治験方法: 【初期試験】無作為化、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検比較

【長期試験】無作為化、多施設共同、実薬対照、二重盲検比較 被験者数: 【初期試験】計画時:60 例(各用量群毎に 20 例[実薬 15 例、プラセボ 5 例])

解析時:20 例(125mg 群 15 例、プラセボ 5 例) 【長期試験】解析時:15 例(60mg 群 7 例、120mg 群 8 例)

投与期間: 【初期試験】4 週間(追跡期間 12 週間) 【長期試験】24 週間(追跡期間 24 週間)

診断及び 主要な組入れ基準:

【初期試験】肝トランスアミナーゼ上昇を示す HBe 抗原陽性の B 型慢性肝炎患者 【長期試験】初期試験(投与期間 4 週間、追跡期間 12 週間)を完了した患者

被験薬、用量、 投与経路、ロット番号:

【初期試験】ADV 錠:125、250 又は 500mg、1 日 1 回、経口投与、840H94-01(Batch No.) プラセボ錠:1 日 1 回、経口投与、840G94-01(Batch No.) 【長期試験】ADV 錠:60mg;経口投与;D609、120mg;経口投与;D605

評価基準: 安全性:

有害事象の発現率及び重症度、臨床検査値及びバイタルサインの変動

有効性: 【主要評価項目:初期試験】 投与 4 週時(又は投与中止時)における血清 HBV-DNA のベースライン値からの減少量

(log10 pg/mL:Digene Hybrid Capture 法) 【主要評価項目:長期試験】 投与期間 24 週間の各来院日(又は投与中止時)における血清 HBV-DNA のベースライン値

からの変化量(log10 mEq/mL:Chiron bDNA probe 法) 統計手法: 安全性:

・以下の発現率を投与群別に集計 全ての有害事象、治験薬との因果関係が否定できない有害事象、 投与中止/中断を要する有害事象、重度(グレード 3 又は 4)の有害事象

有効性: 【初期試験】 ・主要評価項目の群間比較:Mann-Whitney 検定(Wilcoxon 順位和検定) ・信頼区間、検定及び p 値は両側で実施(有意水準 5%)、多重比較は未実施。 【長期試験】 ・2 用量群別に各来院日における血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量を集計 ・血清 HBV-DNA 陰性化率を各来院日毎に集計

【目標症例数-設定根拠】 本試験(第Ⅰ/Ⅱ相試験)は最大耐用量を設定するためにデザインしたものであり、症例

数は臨床上予想される有効性及び妥当なリスクに基づいて決定した。プラセボ群 5 例中 1 例

Page 35: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.357

も反応を示さない場合に、統計的な有意を示すためには、各用量群毎に 67%(10/15 例)の

反応率が必要であった。 また、長期投与期間のため、別の症例数設定は行っていない。投与期間を完了した被験者

は、長期投与期間に移行可能とした。 解析対象集団(表 2.7.6-39) 本試験は、HBe 抗原陽性(野生株)の代償性 B 型慢性肝疾患を対象として本剤又はプラセ

ボ投与に無作為化割付し、本剤の用量を 125→250→500mg の順で増量して各々4 週間投与す

る試験デザインとしていたが、HIV 感染症を対象とした開発プログラムにおいて、本剤の高

用量(250 及び 500mg)の投与により消化管障害が発現したため、125mg の用量のみ検討す

る試験デザインに変更した。また、4 週間投与を終了した後、12 週間追跡調査(治験薬の投

与なし)し、その後、本剤 60 又は 120mg の長期投与期間(24 週間)に移行する試験デザイ

ンとした。 初期試験に組み入れられた症例は 21 例であったが、1 例はベースライン値がグレード 3 の

肝トランスアミナーゼ増加により中止したため解析から除外した。したがって、プラセボ群

に 5 例、125mg 群に 15 例が割付けられた。2 例において肝トランスアミナーゼ増加が認めら

れため試験を中止し、残り 18 例が試験を完了した。 長期試験に組み入れられた症例は 16 例であったが、1 例は同意撤回により無作為化されず、

60mg 群に 7 例、120mg 群に 8 例が割付けられた。60mg 群の 1 例において投与 40 週時に追

跡データが得られず試験を中止し、残り 14 例が試験を完了した。

表 2.7.6-39 被験者の内訳 初期試験 長期試験

項目 計 プラセボ群 125mg 群 計 60mg 群 120mg 群

症例数 20 5 15 15 7 8 完了例 18(90%) 5(100%) 13(87%) 14(93%) 6(86%) 8(100%) 中止例 2(10%) 0(0%) 2(13%) 1(7%) 1(14%) 0(0%)

中止理由 有害事象 2(10%) 0(0%) 2(13%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 同意撤回 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

追跡データなし 0(0%) 0(0%) 0(0%) 1(7%) 1(14%) 0(0%) 病態の進行 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 服薬不良 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) その他 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

治験実施計画書の逸脱 治験実施計画書の逸脱は、初期試験ではプラセボ群 4 例、125mg 群 14 例にみられ、125mg群の 1 例がスクリーニング検査においてビリルビン増加を示した以外は、肝機能検査のベー

スライン値を測定しない、スクリーニング時期が規定時期から外れているなどの場合であっ

た。また、長期試験では 6 例が選択基準から逸脱していたが、試験の実施、結果に影響する

ものではなかった。

Page 36: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.358

人口統計学的及び他の基準値の特性 人口統計学的及び他の基準値の特性を表 2.7.6-40に示した。 全例が男性であり、初期試験では年齢(中央値)は 35.9 歳、人種は白人が 85%であった。 ベースライン値は、プラセボ群、125mg 群の順に、血清 HBV-DNA 量(中央値[log10 pg/mL])が 8.6、9.4、ALT(中央値[U/L])が 86、102 であった。 長期試験のベースライン値は、60mg 群、120mg 群の順に、血清 HBV-DNA 量(中央値

[log10 mEq/mL])が 10.4、10.0、ALT(中央値[U/L])が 81、85.5 であった。

表 2.7.6-40 人口統計学的及び他の基準値の特性 初期試験 長期試験

特性 計 プラセボ群 125mg 群 計 60mg 群 120mg 群

症例数 20 5 15 15 7 8 年齢(歳) 平均±標準偏差 34.8±5.51 36.3±5.40 34.3±5.65 37.4±5.45 38.4±4.95 36.6±6.05

中央値 35.9 38.6 35.5 38.3 40.6 38.2 Q1~Q3 30.1~39.5 31.7~40.0 28.9~39.0 33.3~42.1 33.5~42.1 31.9~41.0 範囲 25.2~42.6 29.5~41.7 25.2~42.6 26.5~45.1 32.8~45.1 26.5~43.9

性別 男性 20(100%) 5(100%) 15(100%) 15(100%) 7(100%) 8(100%) 女性 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

人種 白人 17(85%) 4(80%) 13(87%) 14(93%) 6(86%) 8(100%) 黒人 1(5%) 0(0%) 1(7%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

アジア人 1(5%) 1(20%) 0(0%) 1(7%) 1(14%) 0(0%) ラテンアメリカ人 1(5%) 0(0%) 1(7%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 血清 HBV-DNA 量([初期試験] log10 pg/mL、[長期試験] log10 mEq/mL) 平均±標準偏差 8.9±1.88 8.5±1.96 9.1*±1.92 9.9±0.74 10.2±0.37 9.7±0.90

中央値 9.2 8.6 9.4* 10.2 10.4 10.0 Q1~Q3 7.2~10.4 7.0~10.0 7.9~10.6 9.7~10.4 9.8~10.5 9.0~10.3 範囲 5.3~11.2 6.2~10.8 5.3~11.2 8.3~10.7 9.8~10.7 8.3~10.6

ALT(U/L) 平均±標準偏差 121.5±82.78 99.6±65.33 128.8±88.61 107.1±76.43 121.4±98.68 94.6±54.36

中央値 97.5 86 102 81 81 85.5 Q1~Q3 70~151.5 54~115 80~172 56~167 56~226 66.5~132 範囲 39~399 39~204 42~399 13~295 33~295 13~176

*:N=12

Page 37: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.359

<有効性の成績> 血清 HBV-DNA 量 本剤の投与により血清 HBV-DNA 量が投与後 1 週より急速に減少し、投与 4 週時における

ベースライン値からの変化量(中央値[log10 pg/mL])は、125mg 群が-3.85 であり、プラ

セボ群(+0.01)と比較して有意に減少(p=0.003)したが、追跡調査 4 週時点では、ほぼベ

ースライン値にまで戻った(図 2.7.6-16)。 また、本剤を長期投与した結果、血清 HBV-DNA 量が投与後 1 週より急速に減少し、投与

24 週時における長期投与ベースライン値からの変化量(中央値[log10 mEq/mL])は、

60mg 群が-3.85、120mg 群が-3.04 であり、両群間に有意な減少の差は認められなかった

(p=0.536)。また、追跡調査 8 週時点では、ほぼ長期投与開始時のベースライン値にまで

戻った(図 2.7.6-17)。

ALT 投与 4 週時における ALT のベースライン値からの変化量(中央値[U/L])は、125mg 群

が+35 であり、プラセボ群(-20)と比較してわずかに上昇させる傾向にあった。追跡調

査終了時点では、ほぼベースライン値にまで戻った(図 2.7.6-18)。 また、本剤を長期投与した結果、投与 24 週時における長期投与ベースライン値からの変

化量は、60mg 群が+12、120mg 群が+20.5 と両群ともに上昇させる傾向にあり、追跡調査

終了時点でも長期投与開始時のベースライン値と比べ高値を示した(図 2.7.6-19)。 血清学的評価 初期試験では 125mg 群の 1 例において、投与期間中に一時的(投与 3 及び 6 週時)に HBe抗原陰性化を示した以外は、いずれの症例も投与期間及び追跡期間ともに認められず、HBs抗原陰性化及び HBs 抗体陽性化は全く認められなかった。 長期試験では 120mg 群の 2 例において、一時的に HBe 抗原が陰性化し、そのうちの 1 例

では HBe 抗体が陽性化したが、追跡期間中に HBe 抗原陽性に戻った。他の症例では投与期

間及び追跡期間ともに HBe 抗原陰性化は認められず、HBs 抗原陰性化及び HBs 抗体陽性化

は全く認められなかった。

Page 38: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

図 2.7.6-16 血清 HBV-DNA 量の推移(中央値[Q1~Q3]、4 週投与)

2.7.6

個々

の試

験のまとめ

2.7 ‐ p.360

Page 39: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

図 2.7.6-17 血清 HBV-DNA 量の推移(中央値[Q1~Q3]、長期 24 週投与)

2.7.6

個々

の試

験のまとめ

2.7 ‐ p.361

Page 40: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

図 2.7.6-18 ALT の推移(中央値[Q1~Q3]、4 週投与)

2.7.6

個々

の試

験のまとめ

2.7 ‐ p.362

Page 41: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

図 2.7.6-19 ALT の推移(中央値[Q1~Q3]、長期 24 週投与)

2.7.6

個々の試

験のまとめ

2.7 ‐ p.363

Page 42: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.364

<安全性の成績>

有害事象-初期試験 125mg 群で 2 例以上に発現した有害事象を表 2.7.6-41に示した。 125mg 群において 4 例以上に認められた有害事象は、無力症及び咽頭炎各 6 例、悪心 5 例、

インフルエンザ様疾患、頭痛、食欲不振及び下痢 NOS 各 4 例であった。また、125mg 群に

肝機能検査値異常(ALT 増加 6 例、AST 増加 4 例)が多く発現する傾向が認められた。

表 2.7.6-41 有害事象(125mg 群で 2 例以上) プラセボ群(N=5) 125mg 群(N=15) 計(N=20)

有害事象 発現例数(発現率) 発現例数(発現率) 発現例数(発現率)

全身障害 4(80%) 12(80%) 16(80%) 無力症 3(60%) 6(40%) 9(45%) インフルエンザ様疾患 2(40%) 4(27%) 6(30%) 頭痛 1(20%) 4(27%) 5(25%) 腹痛 NOS 1(20%) 3(20%) 4(20%) 疼痛 NOS 1(20%) 3(20%) 4(20%) 過敏症 NOS 0(0%) 2(13%) 2(10%) 消化管障害 2(40%) 11(73%) 13(65%) 悪心 1(20%) 5(33%) 6(30%) 食欲不振 0(0%) 4(27%) 4(20%) 下痢 NOS 0(0%) 4(27%) 4(20%) 鼓腸 1(20%) 3(20%) 4(20%) 嘔吐 NOS 1(20%) 2(13%) 3(15%) 消化不良 0(0%) 2(13%) 2(10%) 血液・リンパ管障害 0(0%) 4(27%) 4(20%) 斑状出血 0(0%) 3(20%) 3(15%) 代謝・栄養障害 0(0%) 7(47%) 7(35%) ALT 増加 0(0%) 6(40%) 6(30%) AST 増加 0(0%) 4(27%) 4(20%) 血中 CPK 増加 0(0%) 2(13%) 2(10%) 筋・骨格系障害 0(0%) 3(20%) 3(15%) 関節痛 0(0%) 2(13%) 2(10%) 呼吸器系障害 3(60%) 9(60%) 12(60%) 咽頭炎 0(0%) 6(40%) 6(30%) 咳嗽 2(40%) 3(20%) 5(25%) 鼻炎 NOS 1(20%) 3(20%) 4(20%) 皮膚・皮膚付属器障害 1(20%) 5(33%) 6(30%) 発疹 NOS 0(0%) 2(13%) 2(10%)

死亡又は重篤な有害事象の発現は認められなかった。その他重要な有害事象においては、

肝機能検査値異常を呈した症例を除き、投与中断・中止又は用量調節を必要とした症例はな

かった。ただし、125mg 群の 2 例において著明な ALT の増加が認められ、1 例は ALT が

600U/L 以上に増加(グレード 4)したため、治験実施計画書に規定した投与中止基準に基づ

き、投与 2 週目に試験を中止した。別の 1 例は、ALT が 300U/L 以上に増加(グレード 3)したため、投与 2 週以降に治験実施計画書に規定した減量基準に基づき、125mg 連日投与か

ら隔日投与に減量した。本症例は試験中止により回復した。

Page 43: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.365

有害事象-長期試験 両群を合わせ 3 例以上に発現した有害事象を表 2.7.6-42に示した。 高頻度に認められた有害事象は、無力症及び下痢 NOS 各 6 例ならびに咳嗽 5 例であった

が、60 及び 120mg 群の安全性に明確な差は認められなかった。 グレード 3 又は 4 の有害事象は 5 例 7 件発現したが、グレード 4 の有害事象は 120mg 群で

認められた ALT 増加 1 件であり、週 3 回投与に減量した(症例 No.26*)。残り 6 件はグレ

ード 3(蛋白尿 1 件、ALT 増加 2 件及び AST 増加 3 件)であった。なお、6 例において重度

(グレード 3 以上)の ALT 又は AST 増加が認められた。 死亡、重篤な有害事象又はその他重要な有害事象は認められなかった。2 例が 24 週の投与

を終了する前に投与を中止したが、これらはいずれも患者都合によるものであった。

表 2.7.6-42 有害事象(3 例以上) 有害事象 ADV 投与(60 又は 120mg)群(N=15)

無力症 6 下痢 NOS 6 咳嗽 5 直腸障害 NOS 4 悪心 3 発疹 NOS 3

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 44: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.366

<まとめ> 代償性の B 型慢性肝疾患に対し、本剤 125mg を 1 日 1 回、4 週間投与することにより、以

下の成績が得られた。 ①主要評価項目:投与 4 週時における血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量(中央値

[log10 pg/mL])は以下のとおりであった。 125mg 群=-3.85、プラセボ群=+0.01(p=0.003) ②投与 4 週時における他の有効性評価項目については、以下のとおりであった。 ・ALT の変化量(中央値[U/L]) 125mg 群=+35、プラセボ群=-20 ・血清学的評価 HBe 抗原陰性化=0 例、HBe 抗原 SC=0 例 ③高頻度に発現した有害事象は、無力症、咽頭炎各 6 例、悪心 5 例、インフルエンザ様疾患、 頭痛、食欲不振及び下痢 NOS 各 4 例であった。また、125mg 群において、肝機能検査値 異常(ALT 及び AST 増加)が多く発現する傾向にあった。 ④死亡例、重篤な有害事象発現例はなく、肝機能検査値異常を除き投与中断、投与中止又は 用量調節を必要とした有害事象はなかった。

また、本剤 60 又は 120mg を 1 日 1 回、24 週間投与することにより、以下の成績が得られ

た。 ①投与 24 週時における有効性評価項目については、以下のとおりであった。 ・血清 HBV-DNA の長期投与ベースライン値からの変化量(中央値[log10 mEq/mL]) 60mg 群=-3.85、120mg 群=-3.04(p=0.536) ・ALT の変化量(中央値[U/L]) 60mg 群=+12、120mg 群=+20.5 ・血清学的評価 HBe 抗原陰性化=0 例、HBe 抗原 SC=0 例 ②高頻度に発現した有害事象は、無力症、下痢 NOS 各 6 例、咳嗽 5 例に認められた。 また、重度(グレード 3 以上)の ALT 及び AST 増加が 6 例に認められた。 ③死亡例、重篤な有害事象発現例はなく、用量調節を必要とした有害事象は ALT 増加 1 例で あった。

以上の成績から、本剤 60 又は 120mg の 2 用量ともに良好な抗ウイルス効果が認められ、

安全性においても消化管障害は認められず、特に問題ないと考えられたことから本剤 60mgを臨床至適用量と仮定して、次相の GS-96-412 試験において検討することとした。

Page 45: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.367

2.7.6.3.1.7. GS-96-413 試験の概要 5.3.5.1.7/ref

治験の標題: 肝トランスアミナーゼ正常の B 型慢性肝疾患(HBV キャリア)を対象に ADV 3 用量を段階

的に上げて経口投与した際の忍容性、安全性及び抗ウイルス効果を評価する、無作為化、多

施設共同、プラセボ対照第Ⅱ相二重盲検比較試験 治験実施医療機関: 10 医療機関(米国、カナダ、豪州、英国) 公表文献: Heathcote EJ, Jeffers L, Wright T, Sherman M, Perrillo R, Sacks S, et al. Loss of Serum HBV DNA

and HBeAg and Seroconversion Following Short-term(12 Weeks) Adefovir Dipivoxil Therapy in Chronic Hepatitis B: Two Placebo-Controlled Phase II Studies. Hepatology 1998; 28(4, Pt. 2):317A(Abstract 620).

治験期間: 199 年 6 月 2 日(最初の被験者組み入れ日) 199 年 7 月 29 日(最終被験者の観察完了日)

目的: 【主要目的】 肝トランスアミナーゼ正常の B 型慢性肝疾患を対象に本剤 3 用量(30、60 又は 120mg)を

12 週間経口投与した際の安全性及び忍容性をプラセボ投与と比較する。 【副次的目的】 ①B 型慢性肝疾患を対象に本剤 3 用量(30、60 又は 120mg)を 12 週間経口投与した際の 抗ウイルス効果をプラセボ投与と比較する。 ②本剤を投与した際の遺伝子学的変化を探索する。

治験方法: 無作為化、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検比較 被験者数: 計画時:60 例

各用量(30、60 又は 120mg)群毎に 20 例(実薬 15 例、プラセボ 5 例) 解析時:15 例(プラセボ群 3 例、30mg 群 12 例 :ただし、30mg 群の 1 例は、無作為化前に試験を中止し未服薬)

投与期間: 12 週間(追跡期間 24 週間) 診断及び 主要な組入れ基準:

代償性の B 型慢性肝疾患(HBV キャリア) ①無作為化前 6 ヵ月以内に少なくとも 1 ヵ月空けた 2 時点で HBe 抗原陽性及び 血清 HBV-DNA 量 20mEq/mL 以上 ②無作為化前 6 ヵ月以内に少なくとも 1 ヵ月空けた 2 時点で ALT が基準範囲上限の 1.2 倍 未満(ALT の最終測定は、無作為化前 4 週以内) ③B 型慢性肝炎以外の活動性肝疾患を呈しておらず、HIV 陰性であり、適切な腎機能及び 血液学的機能を有する

被験薬、用量、 投与経路、ロット番号:

ADV 錠 :30mg、1 日 1 回;経口投与;D608 :60mg、1 日 1 回;経口投与;D609 :120mg、1 日 1 回;経口投与;D701 (ただし、検討用量は 30mg のみ) プラセボ錠:経口投与;D602

評価基準: 安全性:

有害事象の発現率及び重症度、臨床検査値の変動、用量調整及び投与中止

有効性: 血清学的評価: 血清 HBV-DNA の変化量(Chiron bDNA probe 法)及び HBV 血清学的マーカーの SC 率

統計手法: 安全性:

・有害事象発現例数及びその発現率を集計 ・主要な臨床検査項目のシフトテーブル(ベースライン値及び最大グレード発現時)の作成

・臨床検査項目(血液学的検査、血液生化学検査及び尿検査)の要約統計量の集計

有効性: ・以下の項目について、群間比較(Wilcoxon 順位和検定) 投与 12 週時における血清 HBV-DNA(log10 copies/mL)のベースライン値からの変化量 DAVG12(血清 HBV-DNA 量の投与 12 週間の加重平均値とベースライン値の差) ・HBe 及び HBs 抗原の陰性化率、HBe 及び HBs 抗体の陽性化率について集計

【目標症例数-設定根拠】 第Ⅰ/Ⅱ相試験である GS-94-404 試験の成績より、血清 HBV-DNA のベースライン値から

の変化量の標準偏差を保守的に見積もり 0.23 log10 copies/mL とした。この仮定に基づき、

ADV 群とプラセボ群の群間差が 0.39 log10 copies/mL であることを検証できる症例数を算出し

た結果、ADV 群 15 例、プラセボ群 5 例であった(両側検定、α=0.05、検出力=0.90)。

Page 46: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.368

DMC のために行われた中間解析により、ベースライン時の ALT が正常な症例と高値であ

る症例の抗ウイルス効果は類似していることが判明したことから、本試験を中止したため、

最終的には症例数の統計的検討を行わなかった。 DMC のために行われた GS-96-412 及び GS-96-413 試験の中間解析により、ADV 群のベー

スライン時の ALT が正常な症例と高値である症例の抗ウイルス効果は類似していることが

判明した結果、30mg 群が 15 例組み入れられた時点で本試験は中止され、60 及び 120mg 群

は 1 例も組み入れられることなく中止した。 解析対象集団(表 2.7.6-43) 本試験は、ALT 正常で HBe 抗原陽性(野生株)の HBV キャリアを対象として本剤又はプ

ラセボ投与に無作為化割付し、本剤の用量を 30→60→120mg の順で増量して各々12 週間投

与し、24 週間追跡調査(治験薬の投与なし)する試験デザインとしていたが、GS-96-412 試

験と同様に、開始用量 30mg において十分な抗ウイルス効果が認められたため、60 及び

120mg の用量の検討を中止した。 本試験には 15 例が組み入れられたが、1 例は 30mg 群に無作為化された後に原因不明の肝

腫瘤が確認されたため、治験薬を投与する前に試験を中止した。残りの 14 例はプラセボ群

3 例、30mg 群 11 例に無作為化されており治験薬が投与された。なお、ITT 解析対象は組み

入れられた 15 例全例とした。投与期間中に中止した症例は 30mg 群の 3 例であり、1 例はグ

レード 4 の血中 CPK 増加が認められ、もう 1 例は服薬不良であった。更に追跡期間を完了

しなかった症例が 1 例認められた。

表 2.7.6-43 被験者の内訳 項目 プラセボ群 30mg 群 症例数 3 12

ITT 解析対象例数 3 12 完了例 3(100%) 9(75%) 中止例 0(0%) 3(25%)

中止理由 有害事象 0(0%) 1(8%) 同意撤回 0(0%) 0(0%)

追跡データなし 0(0%) 1(8%) 病態の進行 0(0%) 0(0%) 服薬不良 0(0%) 1(8%) その他 0(0%) 0(0%)

%の分母は ITT 解析対象例数 治験実施計画書の逸脱 治験実施計画書の逸脱は 5 例であり、いずれも選択/除外基準違反(ALT 高値 3 例、HBs抗原検査未実施 2 例)であった。

Page 47: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.369

人口統計学的及び他の基準値の特性 本試験の解析対象 15 例における人口統計学的特性及び基準値の特性を表 2.7.6-44に示した。 本試験に組み入れられた症例は、男性が 60%、年齢(中央値)は 32 歳、アジア人が 80%を占めた。ベースライン値(中央値)は、血清 HBV-DNA 量が 9.49 log10 copies/mL、ALT が

34U/L であった。

表 2.7.6-44 人口統計学的及び他の基準値の特性 特性 プラセボ群(N=3) 30mg 群(N=12) 計(N=15)

年齢(歳) 平均±標準偏差 27.0±6.24 35.4±12.92 33.7±12.20 中央値 29 32.5 32 Q1~Q3 20~32 26~46 22~39 範囲 20~32 19~56 19~56 性別 男性 2(67%) 7(58%) 9(60%) 女性 1(33%) 5(42%) 6(40%) 人種 白人 0(0%) 2(17%) 2(13%) 黒人 0(0%) 1(8%) 1(7%) アジア人 3(100%) 9(75%) 12(80%) その他 0(0%) 0(0%) 0(0%) 血清 HBV-DNA 量(log10 copies/mL:Chiron bDNA probe 法) 平均±標準偏差 9.30±0.33 9.36±0.43 9.35±0.40 中央値 9.15 9.50 9.49 Q1~Q3 9.07~9.68 9.27~9.64 9.14~9.66 範囲 9.07~9.68 8.25~9.69 8.25~9.69 ALT(U/L) 平均±標準偏差 30.67±3.06 40.75±23.11 38.73±20.94 中央値 30 36 34 Q1~Q3 28~34 29.5~44.5 29~41 範囲 28~34 15~104 15~104

<有効性の成績> 本剤 30mg の投与により血清 HBV-DNA 量が投与後 1 週より急速に減少し、投与 12 週時

における血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量(中央値[log10 copies/mL])は、

30mg 群が-2.83 であり、プラセボ群(-0.03)と比較して有意に減少(p=0.028)したが、

追跡調査 2 週時点で、ほぼベースライン値にまで戻った(図 2.7.6-20)。 また、本試験では ALT 正常患者を組み入れたが、治験薬の投与期間中及び追跡期間中に

おける ALT の大きな変動はなかった(図 2.7.6-21)。

Page 48: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

図 2.7.6-20 血清 HBV-DNA 量の推移(中央値[Q1~Q3])

2.7.6

個々

の試

験のまとめ

2.7 ‐ p.370

Page 49: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

図 2.7.6-21 ALT の推移(中央値[Q1~Q3])

2.7.6

個々

の試

験のまとめ

2.7 ‐

p.371

Page 50: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.372

<安全性の成績>

有害事象 30mg 群で 2 例以上に認められた有害事象を表 2.7.6-45に示した。 30mg 群で最も高頻度に発現した有害事象は ALT 増加(64%、7/11 例)であったが、いず

れの症例も投与を中止することはなかった。このうちの 1 例はグレード 3 を示し、担当医師

により治験薬との因果関係ありと判定された(症例 No.16*)。また、血中 CPK 増加が 4 例

(36%)に発現し、グレード 3 以上が 2 例であった。グレード 4 の 1 例(症例 No.17*)は担

当医師により治験薬との因果関係ありと判定され、投与を中止した。更に、高ビリルビン血

症が 2 例、血中アミラーゼ増加が 1 例に発現したが、プラセボ群では認められなかった。 その他に 30mg 群で高頻度(3 例以上)に発現した有害事象は、腹痛 NOS 4 例、無力症及

び頭痛各 3 例であった。担当医師により治験薬との因果関係ありと判定された重度の頭痛が

発現した 1 例(症例 No.18*)を除き、いずれの有害事象も軽度又は中等度であった。

表 2.7.6-45 有害事象(30mg 群で 2 例以上) プラセボ群(N=3) 30mg 群(N=11)

N % N % 代謝・栄養障害 1 33 10 91 ALT 増加 0 0 7 64 血中 CPK 増加 1 33 4 36 高ビリルビン血症 0 0 2 18 AST 増加 0 0 2 18 体重減少 0 0 2 18 全身障害 3 100 8 73 腹痛 NOS 1 33 4 36 無力症 0 0 3 27 インフルエンザ様疾患 1 33 2 18 頭痛 0 0 3 27 腹部膨満 0 0 2 18 消化管障害 1 33 5 45 嘔吐 NOS 0 0 2 18 泌尿器系障害 1 33 3 27 血尿 0 0 2 18 神経系障害 0 0 2 18 うつ病 0 0 2 18

死亡例は認められなかったが、重篤な有害事象として 30mg 群の 1 例にうつ病に伴う過量

投与 NOS(入院)が発現したが、担当医師により治験薬との因果関係なしと判定された。

その他、重要な有害事象として、前述した血中 CPK 増加が発現した 30mg 群の 1 例において、

治験薬の投与が中止された。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 51: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.373

<まとめ> B 型慢性肝疾患としての治療を必要としない HBV キャリアに対し、本剤 30mg を 12 週間

投与することにより、以下の成績が得られた。 ①有効性評価項目である投与 12 週時における血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量 (中央値[log10 copies/mL])は以下のとおりであった。 プラセボ群=-0.03、30mg 群=-2.83(p=0.028) ②30mg 群で高頻度に発現した有害事象は、ALT 増加 7 例、血中 CPK 増加、腹痛 NOS 各 4 例、無力症、頭痛各 3 例であり、重度(グレード 3 以上)の有害事象は、ALT 増加 1 例、血中 CPK 増加 2 例であった。 ③死亡例はなく、重篤な有害事象は 30mg 群の 1 例(うつ病に伴う過量投与 NOS)に認められ

たが、治験薬との因果関係なしと判定された。また、治験薬の投与中止を必要とした有害事

象が 30mg 群の 1 例(血中 CPK 増加)に認められた。

以上の成績から、本剤 30mg、1 日 1 回投与の忍容性は良好であり、HBV キャリアに対し

ても、ALT が高値を示し炎症状態を伴う患者と同程度の抗ウイルス効果が認められた。

Page 52: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.374

2.7.6.3.2. 非対照試験報告書

2.7.6.3.2.1. ADF30002 試験の概要 5.3.5.2.1

治験の標題: ラミブジン投与により YMDD 変異ウイルスが増殖し肝機能の異常が認められた B 型慢性肝炎

患者(B 型肝硬変患者を含む)を対象とした Adefovir Dipivoxil 錠(GW284873X)とラミブジ

ン錠との 16 週間併用療法によるオープン試験 治験実施医療機関: 他 14 医療機関 公表文献: 無 治験期間: 200 年 2 月 10 日(最初の被験者組み入れ日)

200 年 8 月 15 日(最終被験者観察日) 目的: ラミブジン投与により YMDD 変異ウイルスが増殖し肝機能の異常が認められた B 型慢性肝炎

患者(B 型肝硬変患者を含む)を対象に、ADV 10mg 錠及びラミブジン 100mg 錠を 1 日 1 回

各 1 錠、16 週間併用経口投与時の有効性、安全性及び薬物動態について非盲検非対照試験に

て検討する。 治験方法: 多施設共同、非盲検非対照 被験者数(本登録例): 計画時:35 例

解析時:36 例 投与期間: 16 週間(追跡期間 24 週間。ただし、被験者の希望により引き続き本剤が使用できる長期投

与試験[Protocol No.ADF30003]に移行する場合は追跡期間未実施。) 診断及び 主要な組入れ基準:

ラミブジン投与により YMDD 変異ウイルスが増殖し肝機能の異常が認められた B 型慢性肝炎

(B 型肝硬変を含む)患者 ①16 歳以上 65 歳未満(同意取得時) ②少なくとも 6 ヵ月以上ラミブジン投与を継続 ③スクリーニング検査結果が以下を満たすこと ・ALT(GPT)=50~500U/L ・血清 HBV-DNA 量≧1×106copies/mL ・HBV ポリメラーゼ遺伝子の YMDD モチーフの M552V、 M552I 又はその両方の変異を確認

被験薬、用量、 投与経路、ロット番号:

ADV 錠:10mg、1 日 1 回;経口投与 ラミブジン錠:100mg、1 日 1 回;経口投与 (ロット番号:スクリーニング期間-ADF222、治療期間-ADF221、追跡期間-ADF224)

評価基準: 有効性:

【主要評価項目】 DAVG16(血清 HBV-DNA 量の投与 16 週間の加重平均値とベースライン値の差) 【副次的評価項目】 ・投与 16 週時における血清 HBV-DNA のベースライン値からの変化量 (Roche Amplicor PCR法) ・投与 16 週時における ALT 正常化率 ・血清学的評価(HBe 及び HBs 抗原の SC 率及び陰性化率) など

安全性: バイタルサイン、身体検査、試験中止、有害事象、死亡及び臨床検査値異常

統計手法:

有効性:

各有効性評価項目における要約統計量を算出

安全性: ・有害事象発現例数及びその発現率を集計 ・主要な臨床検査項目のシフトテーブル(ベースライン値及び投与 16 週時)の作成 ・臨床検査項目(血液学的検査、血液生化学検査及び尿検査)の要約統計量の集計

Page 53: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.375

【目標症例数-設定根拠】 本試験の評価可能症例数は、以下に示す通り、別途実施している長期投与試験

(ADF30003 試験)の主要評価項目である ALT において、有意な変化量を検出することが可

能となる例数を設定した。 海外で実施された GS-00-461 試験成績より、本試験の主要評価項目である血清 HBV-DNA量の DAVG16(log10 copies/mL)の 95%信頼区間は-2.75~-2.25 と推定された。本試験にお

いても同様の成績が得られると想定した場合、N=3 における血清 HBV-DNA 量の DAVG16の

推定精度は、95%信頼区間で-3.84~-1.16 であり、検出力 99%以上で有意な変化量の検出

が可能である。 一方、本剤及びラミブジンを長期併用投与した際の安全性及び有効性を評価する観点から、

本試験に組み入れられた患者が引き続き併用投与を継続する長期投与試験(ADF30003 試

験)を計画した。当該試験においては、有効性を評価するに際し、血清 HBV-DNA 量の持続

抑制効果に加え、ALT の改善効果も併せて検討する。上記同様に GS-00-461 試験成績を参考

に ALT の投与 24 週後における投与開始直前からの変化量(U/L)について、長期投与試験

においても同様の成績が得られると想定した場合、N=32 における変化量の推定精度は、

95%信頼区間で-84.75~-20.79 であり、検出力 90%で有意な変化量の検出が可能である。 また、安全性評価の観点から、35 例の症例数は、GS-00-461 試験で報告された無力症

(26%)、腹痛(14%)、頭痛(14%)、咽頭痛(9%)及び発疹(9%)などの発現頻度 5%以上の有害事象を 80%以上の確率で検出できる例数である。 これらの結果より、本試験における評価可能症例数として 35 例を設定した。

Page 54: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.376

解析対象集団 71 例が本試験に組み入れられ(仮登録)、ラミブジン錠が市販薬(ゼフィックス®錠

100)から治験薬に切り替えて投与された。そのうちの 35 例は、スクリーニング検査結果が

適合性基準を満たさなかった。したがって、本剤 10mg とラミブジン 100mg が少なくとも 1回併用投与された(本登録)症例は 36 例であり、これを SP 解析対象とした。更に FAS 解

析対象は 36 例及び PPS 解析対象は 32 例であった。なお、試験中止例はなかった。 治験実施計画書の逸脱 治験実施計画書の逸脱は 7 件に認められ、選択/除外基準違反 5 件、治験実施手順違反

(体重未測定)及び併用禁止薬剤使用各 1 件であった。 人口統計学的及び他の基準値の特性 人口統計学的及び他の基準値の特性を表 2.7.6-46に示した。 FAS 解析対象 36 例のうち、男性は 81%、年齢(中央値)は 43 歳、人種はすべてアジア人

であった。ベースライン値(中央値)は血清 HBV-DNA 量が 7.80 log10 copies/mL であり、

ALT が 111.0 U/L であった。また、スクリーニング前 6 ヵ月以内に IFN が投与されていた症

例はなかった。

表 2.7.6-46 人口統計学的及び他の基準値の特性 特性 ADV+LAM 群(N=36) 特性 ADV+LAM 群(N=36)

年齢(歳) 血清 HBV-DNA 量(log10 copies/mL) 平均±標準偏差 44.0±9.38 平均±標準偏差 7.76±0.752

中央値 43.0 中央値 7.80 Q1~Q3 38.5~50.5 Q1~Q3 7.20~8.35 範囲 26~61 範囲 6.4~9.0

性別 ALT(U/L) 男性 29(81%) 平均±標準偏差 217.5±217.38 女性 7(19%) 中央値 111.0

人種 Q1~Q3 72.5~259.5 白人 0(0%) 範囲 48~977 黒人 0(0%) HBV 前治療(%)

アジア人 36(100%) IFN-α 0 その他 0(0%) ラミブジン 100

Page 55: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.377

<有効性の成績> 血清 HBV-DNA 量 スクリーニングから投与開始までの 2 週間(中央値)では血清 HBV-DNA 量の減少は認め

られなかったが、本剤投与開始とともに速やかに減少し、主要評価項目である血清 HBV-DNA 量の DAVG16(平均値±標準偏差[log10 copies/mL])は-3.02±0.651(95%信頼区間=-3.231~-2.805)であり、その中央値は-2.95(Q1~Q3=-3.52~-2.52)であった。本剤

10mg と LAM 100mg の併用投与を開始して以降、血清 HBV-DNA 量は経時的に減少し、投

与 16 週時における変化量(中央値[log10 copies/mL])は-3.75(Q1~Q3=-4.55~-3.30)であり著明な減少を示した(図 2.7.6-22)。また、投与 16 週時における血清 HBV-DNA 陰性

化率(400copies/mL 未満)は 8%(3/36 例)であった。なお、HBV が YMDD 変異型から野

生型に変化した症例は、投与 16 週時では認められなかった。

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

SCR 0 2 4 6 8 10 12 14 16時間 (週)

血清

HB

V-D

NA

量 (

log1

0 cop

ies/

mL)

図 2.7.6-22 個々の症例における血清 HBV-DNA 量の推移(N=36、太線は中央値)

Page 56: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.378

ALT 投与 16 週時における変化量(中央値)は-68.5U/L、正常化率は 72%(26/36 例)であり、

正常化までの時間(中央値)は 12 週間であった。投与期間中の ALT(中央値)の推移を図 2.7.6-23に示した。

0

100

200

300

400

500

SCR 0 2 4 6 8 10 12 14 16時間 (週)

血清

ALT

(U

/L)

図 2.7.6-23 個々の症例における ALT の推移(N=36、太線は中央値) なお、血清 HBV-DNA 量及び ALT の推移を各症例毎に分けて、付録 1 に示した。 また、投与 16 週時に正常化に至らなかった 10 例の ALT の推移について、本試験から継

続して実施した ADF30003 試験に移行した後の経過を表 2.7.6-47に示した。

表 2.7.6-47 投与 16 週時に ALT 正常化に至らなかった 10 例の通算投与 48 週までの経過 投与 48 週までの経過 症例 No. 備考

持続正常化 27* 通算投与 20 週に正常化し、48 週まで持続 (3 例) 28* 通算投与 44 週に正常化し、48 週まで持続

02* 通算投与 24 週に正常化し、48 週まで持続 減少傾向 29* 通算投与 36 及び 44 週時に一時的に正常化 (5 例) 30* 通算投与 28、32、40 及び 44 週時に一時的に正常化

31* 通算投与 48 週時に一時的に正常化 32* 徐々に減少(投与直前→通算投与 48 週:138→63U/L) 33* 徐々に減少(投与直前→通算投与 48 週:82→52U/L)

不変 34* 不変(投与直前→通算投与 48 週:90→104U/L) (2 例) 35* 不変(投与直前→通算投与 48 週:86→83U/L)

これら 10 例のうち 3 例(症例 No.27*、28*及び 02*)は、通算投与 20~44 週の間に ALTが正常化し、通算投与 48 週まで正常化が持続した。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 57: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.379

減少傾向に分類した 5 例中 2 例(症例 No.29*及び 30*)は、通算投与 48 週時までに ALTが一時的に正常化したものの持続せず、その後 60U/L 以下で推移した。残り 3 例中 1 例(症

例 No.31*)は ALT が徐々に低下し、投与 48 週時に正常化し、2 例(症例 No.32*及び 33*)は、投与 48 週時までに正常化しなかったものの減少傾向を示した。 不変とした 2 例(症例 No.34*及び 35*)は、いずれも血清 HBV-DNA 量が減少(投与 48週時において各々-4.4 及び-4.3 log10copies/mL)したものの、ALT の改善は認められず、

投与 48 週時と投与直前時は同程度の値を示した。 なお、当該 2 例(症例 No.34*及び 35*)の詳細については付録 2 に叙述した。 血清学的評価 投与 16 週時における HBe 抗原陰性化率は 13%(4/31 例)、HBe 抗原 SC 率は 7%(2/29例)であった。なお、HBs 抗原陰性化及び SC は認められなかった。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 58: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.380

<安全性の成績> 有害事象 本試験において発現した有害事象を表 2.7.6-48に示した。 有害事象発現率は 78%(28/36 例)であり、高頻度に発現した有害事象は、鼻咽頭炎 12 例、

頭痛、NAG 増加、下痢 NOS 及び倦怠感各 5 例であったが、いずれの事象も軽度又は中等度

であった。なお、B 型肝硬変患者において発現した主な有害事象は、倦怠感、悪心、便秘、

NAG 増加及び AFP 増加(各 2 例)であり、B 型慢性肝炎患者と類似していた。 また、死亡、重篤な有害事象及び有害事象の発現により治験薬の投与を中止した症例は認

められなかった。 B 型肝硬変患者において、一時的に肝機能が悪化したと考えられる腹水(症例 No.36*)及

び総ビリルビン増加(症例 No.02*)が発現した 2 例の詳細を付録 3 に叙述した。

表 2.7.6-48 有害事象 N=36

器官分類 有害事象名 発現件数 発現例数(発現率)

合計 103 28 (78%) 臨床検査 計 28 16 (44%) NAG 増加 6 5 (14%) 尿中β2MG 増加 4 4 (11%) AFP 増加 4 4 (11%) 血中 CPK 増加 4 3 (8.3%) ヒアルロン酸増加 2 2 (5.6%) AST 増加 1 1 (2.8%) ALT 増加 1 1 (2.8%) γ-GTP 増加 1 1 (2.8%) 血中アミラーゼ増加 1 1 (2.8%) 血中 ALP 増加 1 1 (2.8%) 血中ビリルビン増加 1 1 (2.8%) 尿中ブドウ糖陽性 1 1 (2.8%) 血中リン酸塩減少 1 1 (2.8%) 胃腸障害 計 22 15 (42%) 下痢 NOS 6 5 (14%) 便秘 4 4 (11%) 悪心 3 3 (8.3%) 上腹部痛 2 2 (5.6%) 胃炎 NOS 1 1 (2.8%) 胃不快感 1 1 (2.8%) 軟便 1 1 (2.8%) 腹水 1 1 (2.8%) 腹部不快感 1 1 (2.8%) 腹部膨満 1 1 (2.8%) 嘔吐 NOS 1 1 (2.8%) 感染症及び寄生虫症 計 13 12 (33%) 鼻咽頭炎 13 12 (33%) 全身障害及び投与局所様態 計 10 7 (19%) 倦怠感 5 5 (14%) 発熱 3 2 (5.6%) 悪寒 1 1 (2.8%) 疼痛 NOS 1 1 (2.8%) 神経系障害 計 9 5 (14%) 頭痛 9 5 (14%)

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 59: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.381

表 2.7.6-48 有害事象(続き) N=36

器官分類 有害事象名 発現件数 発現例数(発現率)

合計 103 28 (78%) 筋骨格系及び結合組織障害 計 4 4 (11%) 滑液包炎 1 1 (2.8%) 関節痛 1 1 (2.8%) 筋痛 1 1 (2.8%) 背部痛 1 1 (2.8%) 骨関節炎 NOS 皮膚及び皮下組織障害 計 8 4 (11%) 発疹 NOS 3 2 (5.6%) そう痒症 2 1 (2.8%) 挫傷 1 1 (2.8%) 接触性皮膚炎 1 1 (2.8%) 毛髪障害 NOS 1 1 (2.8%) 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 計 5 3 (8.3%) 咳嗽 2 2 (5.6%) 咽喉頭疼痛 1 1 (2.8%) 上気道の炎症 2 1 (2.8%) 耳及び迷路障害 計 3 2 (5.6%) 耳不快感 2 2 (5.6%) 耳痛 1 1 (2.8%) 傷害、中毒及び処置合併症 計 1 1 (2.8%) 節足動物刺傷 1 1 (2.8%)

Page 60: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.382

臨床検査値異常 本剤 10mg とラミブジン 100mg の併用投与による臨床検査値について、ベースライン値と

投与 16 週時の値(中央値)を比較した結果、AST 及び ALT の改善を除き、いずれの項目に

おいても著明な変動は認められなかった(表 2.7.6-49)。

表 2.7.6-49 臨床検査値(腎機能検査項目)の変動

臨床検査項目 測定 例数 平均±標準偏差 中央値 Q1~Q3 範囲

AST(U/L) ベースライン値 36 131.0±108.71 87.5 50.0~179.5 31~433 投与 16 週時 36 37.9±21.79 30.5 24.5~43.0 21~136 ALT(U/L) ベースライン値 36 217.5±217.38 111.0 72.5~259.5 48~977 投与 16 週時 36 44.4±28.67 36.5 27.0~55.5 15~146 総ビリルビン(mg/dL) ベースライン値 36 0.82±0.495 0.70 0.50~0.95 0.3~2.8 投与 16 週時 36 0.69±0.293 0.60 0.50~0.80 0.3~1.9 血清アルブミン(g/dL) ベースライン値 36 4.03±0.325 4.00 3.85~4.30 3.4~4.8 投与 16 週時 36 4.23±0.241 4.20 4.10~4.40 3.7~4.8 血清クレアチニン(mg/dL) ベースライン値 36 0.749±0.1443 0.760 0.615~0.845 0.46~1.06 投与 16 週時 36 0.748±0.1312 0.760 0.625~0.835 0.52~1.01 総カルニチン(µmol/L) ベースライン値 36 63.51±9.126 62.15 56.65~69.10 49.3~87.2 投与 16 週時 36 60.81±9.223 59.10 54.10~65.95 44.9~87.1 遊離カルニチン(µmol/L) ベースライン値 36 51.68±8.007 51.05 46.20~55.85 38.1~73.2 投与 16 週時 36 47.88±7.915 47.15 42.45~54.05 34.5~66.2 血中β2ミクログロブリン(mg/L) ベースライン値 36 2.07±0.351 2.00 1.80~2.40 1.5~2.7 投与 16 週時 36 1.86±0.298 1.80 1.65~1.90 1.3~2.6 血清リン(mg/dL) ベースライン値 36 3.64±0.432 3.60 3.40~3.90 2.8~4.5 投与 16 週時 36 3.48±0.404 3.45 3.20~3.70 2.8~4.4 尿中 NAG(U/L) ベースライン値 36 7.14±4.306 6.90 4.25~8.70 0.9~17.6 投与 16 週時 36 5.57±3.074 4.75 3.30~7.30 0.8~13.3 尿中β2ミクログロブリン(µg/L) ベースライン値 36 162.9±120.08 132.0 91.5~200.5 38~601 投与 16 週時 36 132.4±82.81 116.0 75.0~157.0 27~354

本試験に組み入れられた全症例の血清クレアチニン及び血清リンの推移を図 2.7.6-24に示

した。 本試験では、血中クレアチニン増加(ベースライン値から 0.5mg/dL の上昇)及び血中リ

ン減少(2.0mg/dL 未満)は認められなかった。血清クレアチニンのベースライン値が

1.06mg/dL であった 1 例において、投与 6 及び 10 週時に基準範囲上限(1.09mg/dL)を超え

たが、ベースライン値からの変化量は 0.2 未満の上昇であり、かつ投与継続中に基準範囲内

に回復した。また、血清リンは 2 例(症例 No.32*、31*)において一時的に基準範囲下限

(2.5mg/dL)を下回ったが、いずれの症例も投与継続中に基準範囲内に回復した。次々頁に

2 例の詳細について示した。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 61: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.383

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

SCRN=36

0wN=36

2wN=36

4wN=36

6wN=36

8wN=36

10wN=36

12wN=36

14wN=36

16wN=36

week

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

5.5

6

SCRN=36

0wN=36

2wN=36

4wN=36

6wN=36

8wN=36

10wN=36

12wN=36

14wN=36

16wN=36

week 図 2.7.6-24 血清クレアチニン(上段)及び血清リン(下段)の推移

(N=36、太線は中央値)

Page 62: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.384

<血中リン減少>

症例 No.32* 症例 No.32*における血清リン(mg/dL:*は異常値)の推移は、3.0(スクリーニング時)

→3.3(投与開始時)→3.6(2 週時)→3.2(4 週時)→2.1*(6 週時)→2.4*(8 週時)→2.2*

(10 週時)→3.0(12 週時)→2.5(14 週時)→2.8(16 週時)であり、有害事象(血中リン

減少)と判定された。本症例は基礎疾患を有しておらず、本剤 10mg の投与を開始してから

併用した薬剤もなかったが、投与期間中に消失していること、他の腎機能マーカーに変動が

見られなかったことから、担当医師は治験薬との因果関係なしと判定した。 No.32* (5 歳、男性、肝硬変)

基礎疾患:なし

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w2003/3/26 2003/4/24 2003/5/9 2003/5/21 2003/6/6 2003/6/13 2003/7/4 2003/7/11 2003/8/1 2003/8/16

HBV-DNA 量 7.1 7.3 4.6 4.3 3.4 3.9 3.5 2.9 3.1 2.7 ALT 131 138 163 105 129 125 107 115 125 143 AFP 14.4 13.1 15.1 14.3 14.2 14.3 12.1 12.4 11.4 11.0CREA 0.68 0.76 0.67 0.69 0.65 0.61 0.66 0.71 0.69 0.71IP 3 3.3 3.6 3.2 2.1 2.4 2.2 3 2.5 2.8 β2MG-血清 1.8 2.2 2 1.9 1.8 1.8 2 1.8 1.9 1.8 β 2MG- 尿 130 209 107 84 135 129 66 63 90 116NAG- 尿 5.6 14.5 5.8 4.4 6.5 4.7 3.8 3.3 5 6.2

ADV投与期間中の併用薬:なし

担当医師コメント:リン低下については投与継続中に消失していること 他の腎機能}ーカーに変動がみられないことから 因果関係「N」と判断した。

血清クレアチニン

0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

血清リン

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

β 2MG -血清

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

β 2MG -尿

0 50

100 150 200 250 300

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

NAG-尿

0 5

10 15 20 25

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w なお、本試験の医学専門家(腎関連)の見解は、「血清リンが低下したことの原因は明ら

かではないが、他の腎機能マーカーの変動が認められないため、本変動を本剤に起因する腎

機能障害として捉える必要はないと考える。したがって、本剤との因果関係は明らかではな

いが投与継続中に回復しており、ADV との関連性はほとんどないものと考えられる。」で

あった。

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 63: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.385

症例 No.31* 症例 No.31*における血清リン(mg/dL:*は異常値)の推移は、2.9(スクリーニング時)

→3.0(投与開始時)→2.4*(2 週時)→2.9(4 週時)→3.2(6 週時)→3.0(8 週時)→3.5(10 週時)→2.9(12 週時)→2.8(14 週時)→3.3(16 週時)であった。本症例は基礎疾患

に上気道炎を有しており、投与 2 週時から抗菌薬(クラビット)及び PL 顆粒、投与 8 週時

から PL 顆粒をそれぞれ 7 日間併用した。一時的な変動であったことから、本事象は有害事

象と判定されるものではなかった。 No.31* ( 5 歳、男性、慢性肝炎)

基礎疾患:上気道炎 担当医師コメント:β 2MG- 尿上昇は一過性のものであり投与継続中に回復したため「N」とした。

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w 2003/4/2 2003/4/22 2003/5/7 2003/5/20 2003/6/4 2003/6/18 2003/7/2 2003/7/16 2003/7/30 2003/8/13

HBV-DNA 量 7.1 6.6 4.7 4.4 4.0 3.7 3.2 3.2 2.9 2.8 ALT 310 450 201 119 106 80 90 70 58 54 AFP 3.6 10.1 23.9 17.2 13.0 7.1 7.3 4.9 4.9 2.5 CREA 0.71 0.78 0.66 0.7 0.75 0.7 0.74 0.77 0.76 0.84 IP 2.9 3 2.4 2.9 3.2 3 3.5 2.9 2.8 3.3 β2MG-血清 3.2 2.7 1.8 2 2.3 2.1 2.2 1.9 2.1 2.3 β 2MG- 尿 412 107 477 48 92 91 49 143 25 163 NAG- 尿 6.4 16.2 11.5 3.5 7.8 8.4 2.2 7.7 1.1 7.4

ADV投与期間中の併用薬 併用薬 使用目的 使用開始日 使用終了日

クラビット 上気道炎 2003-05-07 2003-05-13PL 上気道炎 2003-05-07 2003-05-13PL 上気道炎 2003-06-18 2003-06-24

血清クレアチニン

0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

血清リン

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

β2MG-血清

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

β 2MG -尿

0 100 200 300 400 500

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

NAG-尿

0 5

10 15 20 25

SCR 0w 2w 4w 6w 8w 10w 12w 14w 16w

*;新薬承認情報提供時におきかえた

Page 64: 1 2.7.6-26 3%...2.7.6 個々の試験のまとめ 2.7 ‐ p.327 2.7.6.3.1.4. GS-00-461試験の概要 5.3.5.1.4 治験の標題: ラミブジンに抵抗性を示すHBV を有する患者を対象にADV

2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7 ‐ p.386

一方、 年 月 日に開催された医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構との初回治

験相談で受けた指導に基づき、腎機能障害を鋭敏に検出するため、血清クレアチニンに加え

て血中β2ミクログロブリン、また、尿細管障害のマーカーとして尿中β2ミクログロブリン及

び尿中 NAG の 3 検査項目を追加設定した。本剤 10mg の投与により、血中β2ミクログロブ

リンについては著明な変動は認められなかったが、尿中β2ミクログロブリン(4 例)及び尿

中 NAG(5 例)において、有害事象と判定された変動が認められ(重複 1 例:計 8 例)、そ

のうち各 1 例において著明な変動が認められた。 有害事象と判定された 8 例の詳細について次頁より示した。


Recommended