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2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island...

Date post: 03-Aug-2020
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7
「新しい人生」 「新しい人生」 Gさん Gさん 「ギャンブル問題を抱え込んで追い詰められている家族の健康術」 「ギャンブル問題を抱え込んで追い詰められている家族の健康術」 大谷大学 大谷大学 滝口 滝口 直子 直子 RECOVERY ISLAND OKINAWA リカバリーアイランド沖縄 無 料 PLEASE TAKE IT FREE ご自由に お持ち帰りください 仲間の声 仲間の声 特集◎ 特集◎ ギャンブル依存症 ギャンブル依存症 2018 2018 WINTER WINTER Vo Vo .019 .019 「依存症へのあたたかいまなざしをを願って」 「依存症へのあたたかいまなざしをを願って」 雷門メンタルクリニック 雷門メンタルクリニック 伊波 伊波 真理雄 真理雄 依存症治療最前線 依存症治療最前線
Transcript
Page 1: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

「新しい人生」「新しい人生」 GさんGさん

「ギャンブル問題を抱え込んで追い詰められている家族の健康術」「ギャンブル問題を抱え込んで追い詰められている家族の健康術」

大谷大学大谷大学 滝口滝口 直子直子

RECOVERY ISLAND OKINAWA

リカバリーアイランド沖縄

無 料

PLEASE TAKE IT FREE

ご自由に

お持ち帰りください

仲間の声仲間の声

特集◎ 特集◎ ギャンブル依存症ギャンブル依存症

2018 2018 WINTERWINTER

VoVoll.019.019

「依存症へのあたたかいまなざしをを願って」「依存症へのあたたかいまなざしをを願って」

雷門メンタルクリニック雷門メンタルクリニック 伊波伊波 真理雄真理雄

依存症治療最前線依存症治療最前線

Page 2: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

ISLAND OKINAWA RECOVERY

リカバリーアイランド沖縄は、

依存症から回復したいと願う人たちに、

希望のメッセージと様々な選択肢で、

「あなた」を応援する季刊誌です。

依存症治療最前線

C O N T E N T S

依存症治療最前線

「依存症へのあたたかい

まなざしを願って」

仲間の声

「ギャンブル問題を抱え込んで

追い詰められている家族の健康術」

大谷大学 滝口 直子

「新しい人生」

琉球GAIA Gさん

雷門メンタルクリニック

伊波 真理雄

女性ハウス通信

表紙写真 「名護市の桜祭りから」

沖縄では12月下旬から桜が咲き始め、1月には日本一早い桜祭りが各地で開催されています。沖縄の桜といえばソメイヨシノではなく緋寒桜(ヒカンザクラ)

が一般的です。緋寒桜は散りにくく多少の風雨では負けることはありません。ソメイヨシノの儚い美しさとはまたちがった力強い美しさがあります。

Page 3: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

伊波 真理雄

雷門メンタルクリニック院長

精神保健指定医

日本医大法医学特別講師

平成3年から依存症治療に携わって、

翌年に琉球ガイア代表の鈴木さんとアメ

リカでの研修中に出会いました。そこで

薬物依存支援に誘っていただき25年が

あっという間のように過ぎましたが、い

まだに新たな疑問や課題にとまどうばか

りの毎日が続いています。

初めての依存症臨床体験は沖縄でのア

ルコール専門病棟勤務でした。

あの頃は入院治療プログラムを終えて

も3年以上の断酒が可能になった人は

利用者の1割もおらず、徒労感や無力

感にとらわれていました。

また同僚の医師やナースたちの中に

は「依存症は嫌い」と言う人もおり、

周囲からの理解や協力が思うように得

られず、怒りと孤独感にも苛まれてい

ました。

だけど今ふり返れば、あの頃は自分

自身も「依存症は治らない病気」か、

あるいは「がんばった人だけが立ち直

る病気」と考えていたように思いま

す。

アメリカの依存症回復施設で学んだ

ことは、回復を見守る側のまなざしが

いかに大きな影響を与えるかでした。

最初の頃「いかに飲ませないか」と夢

中になって、自分の治療成績ばかりに

とらわれていた事に気づきました(きっ

とコワイ目をしていただろうと思いま

す)。

この25年間、回復経験のある方々と

の付き合いのおかげで、ずいぶんと依存

症とのむき合い方は変化しました。たと

え今、シラフになるのが怖くて、少しで

も自分を良く見せようと焦っている人

も、いつか正直な生き方と解放感に満ち

た日々を取り戻せると信じるようになり

ました。

ありがたいことに18年前に浅草で開

業してからも、依存症の回復施設との連

携は続いています。

せっかくリハビリにつながっても、医

療機関から多種類の向精神薬が処方され

ている場合は、当事者スタッフの判断の

みでは対応できないので、私のクリニッ

クでは「ラクで、クリーンで、自由な生

活」に向けて、ほとんどのメンバーが向

精神薬を中止できるよう支援していま

す。

もう一つは合併症の存在です。神経発

達症などの鑑別依頼も増えてきました。

知能検査や発達経過の確認を通して、

薬物依存に陥る前からの「生きづらさ」

を把握することや、6ヶ月以上のシラ

フでの経過観察で「重複障害」を総合的

に診断し、特別支援プログラムを提案し

ています。

2010年6月に「われわれの社会

が薬物を根絶する戦いに敗北したことは

もはや明白である」と言う趣旨のウィー

ン宣言が出されましたが、日本のメディ

アではまったくと言っていいほど取り上

げられませんでした。

薬物乱用先進国に比べれば、わが国で

は取り締まりによって、違法薬物への対

策が成果をあげているのかもしれません

が、薬物依存から立ち上がろうとしてい

る人への理解や支援は、私たちのアピー

ル不足もあり、「残念ながら情けないレ

ベル」と表現せざるを得ません。

思いがけない形で薬物依存とのかかわ

ることになりましたが、医療職としてた

くさんのすばらしい経験をさせてもらい

ました。これからもその感謝と喜びを伝

えるとともに、「処罰よりも回復支援

を」というスローガンがさらに広がって

いくことを願ってやみません。

依存症との戦いと敗北

新しいプログラムとの

出会いと変化

今のクリニックでの依存症支援

情報あふれるこの現代にあっても、依存症はごく身近

なテーマであるにもかかわらず、いまだに多くの誤解

や偏見にさらされています。このRichard C Langsenと

Nicole Rubelによる絵本、『When someone in the family

drinks too much』は、平易な表現でありながら、依存

症に関する正確な現実認識を子どもと共有することが

できる内容になっています。

10年前から私たちはこの絵本をわが国の子どもたち

にも紹介したいと取りくんできました。ぜひたくさん

の人に手にとってもらい、不可解で人生に混乱をもた

らす依存症という難問に向き合う勇気と落ち着きを、

子どもたちとともに育んでいただきたいと願っていま

す。

The

M

ost A

dva

nc

ed

A

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ic

tio

n T

re

atm

en

t 依存症への「あたたかいまなざし」を願って

平成2年、琉球大学精神神経科入局後、沖縄でアルコール依存症

専門治療に携わり、米国ヘーゼルデン研究所などで研修を積む。

平成6年より東京都にて各リハビリ施設の解毒治療に協力する傍

ら精神保健福祉センター・保健所などの公的相談機関で、アディ

クションを含む困難事例の検討や家族教育プログラムを担当。

平成12年、雷門メンタルクリニックを開業。依存症や神経発達

症などの「生きにくさ」を抱えたさまざまなマイノリティ問題

に、医療と福祉を融合させたネットワークを展開している。

著書・監修に「不完全でいいじゃないか (講談社)」、「病

的ギャンブラー救出マニュアル(PHP)」、「地域における支援

困難事例15(医学書院)」、「かぞくがのみすぎたら(サウザン

ブックス)」など。

依 存 症 治 療 最 前 線

Page 4: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

「あれ、変だな、ここに置いてあった袋

に、5万円入れていたんだけどなあ」

「ここに私の指輪、置いていたはずだけ

ど」

「出張で費用は後でしか払ってもらえな

いみたい、でもこんなに出張が多いのに、

会社も困ったもんだわ」

「残

業、残

業、い

ね。

と・・・」

「夫は自営業なんだけど、収支について

は秘密主義、ぜんぜんわからないの」

アルコール依存なら飲んだらお酒の匂い

がする。ギャンブルは、「タバコ臭い」

「時々、財布に大金が入っている」「変に

テンションが高かったり、落ち込んだり」

といったように、後で考えたら「証拠」は

あるものの、家族は普通、本人の過度の

ギャンブルには気づかない。上記のような

家庭内窃盗や詐欺は当たり前のこと、家族

は知らずして、ギャンブル資金を提供し、

ギャンブル問題に巻き込まれていく。

そして・・・。

ある日、突然不幸が家族に降りかかる。

「サラ金と銀行ローンで300万円の借金

がある」「職場でミスをして200万円、

来週までに払わないと大変なことになる」

(実際はミスではなく使い込み)。「息子

が家をでて行方不明になった。勤め先のお

金を使い込んでいたみたい。死んでいるか

も。」

「ギャンブルだったんだ。おかしいと

思っていたけれど、そんなにハマってたな

んて、知らなかった。」ギャンブル問題が

発覚すると、家族はなんとか本人のギャン

ブルをやめさせようとする。「こんな可愛

い子が生まれたのに、ちょっとは考えて

よ」「お母さんは心配で、倒れたんだぞ」

「あなたのこれからの人生を大切にして

よ。これじゃ、卒業できないわ」「同じこ

とをしたら金輪際、縁切るぞ。」家族は脅

してみたり、泣いてみたり、説教したり、

詰ってみたり、ギャンブル場に本人を探し

に行ったりもする。「やっぱりパチンコ店

の駐車場に車があったわ。」とはといえ、

ギャンブルにハマって借金が払えない、会

社のお金を使い込んだ、退学したなどは、

世間に知られたくないものだ。結局、家族

は借金の肩代わりをしてしまう。そして

「こんなこと世間に知られたら恥ずかし

い」とギャンブル問題をひた隠しにする。

本人にしてみれば家族の尻拭いは、ギャ

ンブルの大勝ちのようなものである。泣い

たり、土下座したり、誓約書を書けば借金

問題が解決したのだから、マジックのよう

なものである。なんとかギャンブルを続け

ようとする。家族はますます説教したり

詰ったり、ギャンブルをしていないかどう

か詮索したりするが、ギャンブラーの嘘も

上達する。「今はやっていない。じゃあ、

同僚にお前が電話して確かめて見るか」な

どと言いながらギャンブルを続行する。

家族は助けを求めるまでに2、3回は借

金の尻拭いをしているかもしれない。不

眠、うつ、体の不調に悩み、不安で「普

通」に生活を送ることもできなくなる。幸

せそうな親戚や友達に会うのも嫌になり、

孤立していく。

何か大きな不幸がさらに降りかかり、

ついに家族は助けを求めることになる。家

族が健康になりギャンブル問題に振り回さ

れなくなり自分の人生を取り戻すことがで

きるようになれば、ギャンブラーの回復を

も後押しできるようになる、そのためには

以前に紹介したCRAFTというプログラ

ムがある。とはいえ家族があまりにも疲弊

し弱り切って、混乱している場合には、う

まくCRAFTのプログラムを実践するこ

とができないかもしれない。

家族に必要なことは、家族自身が元気に

なる、ギャンブラーやギャンブル問題に対

応できるスキルを学ぶ、家族の苦しみを理

解し相互に支え合うことのできる仲間を見

出し、仲間のつながりの中で自分の居場所

を作ることである。

疲れ果てた家族はまず元気になることを

優先しよう。ギャンブル以外のことでも良

い。生活の中で小さな問題を解決し、その

小さな成功を積み重ねていき、自信をつけ

ていくことである。ギャンブル依存につい

て学び、コミュニケーション力や問題解決

力を強化し、家族が自分をエンパワーして

いけば、ギャンブラーの回復も家族として

支援できる、さらにはもしギャンブラーが

回復しなくても、ギャンブラーとは離婚や

離別といった形で距離を取るようになって

も、家族は健康で充実した生活を送ること

ができる。家族が元気なら、ギャンブラー

が助けを求めたそのときには、手を差し伸

べるパワーももち合わせているだろう。

The

M

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atm

en

t ギャンブル問題を抱え込んで

追い詰められている家族の健康術

「相談員のためのギャンブル等依存症への対応マニュアル」

監修 滝口直子

発行・編集 一般社団法人社会的包摂サポートセンター

この冊子ではよりそいホットラインへの電話のデータ分析から、依存症と

の関連性の高い要因(自殺念慮や無理解など)を抽出し、多くの社会的困難

が重なり、依存症の人が追い込まれている状況を指摘しました。

さらに、この冊子に含まれるトピックは「被災地からみた依存症に関わる

医師などの取組」、「ギャンブル依存症予防教育プログラム」、「ギャンブ

ル害最小化のための対策提案」、「ギャンブル問題を抱えた家族のための対

応マニュアル」および「家族のための借金ミニ知識」などです。

この冊子は無料で配布されていますが、送料はご負担をお願いいたします。

連絡先 [email protected]

依 存 症 治 療 最 前 線

ギャンブル問題を抱える本人や家族の

支援を行うとともに、回復施設や大

阪、京都などの行政の精神センターで

ギャンブル依存症の理解のためのセミ

ナーの講師もつとめています。さらに

刑事施設で外部協力者として、ギャン

ブル依存離脱プログラムにも携わって

います。ギャンブル問題のない社会を

目指して、ギャンブル害最小化のため

の政策をも提言しています。

滝口 直子

大谷大学 社会学科教授

Page 5: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

3カ月ほどして「もう大丈夫

だろう」とアルバイトがしたく

なりました。スタッフや仲間か

は「ま

い?大

夫?」とアドバイスがあったの

ですが半ば強引にアルバイトを

始めました。ガイアやミーティ

ングにも口では「顔を出しま

す」と言っていたのですが、

徐々に足が遠のき、2週間もし

ないうちにギャンブルに手を出

してしまいました。しかも今回

はヤミ金にまで手を出してしま

い家族や職場にも大変な迷惑を

掛けてしまいました。

結局、またガイアにお世話に

なるのですが、施設長やスタッ

フ、仲間から「また一緒に頑張

ろう。戻ってこいよ。」と言わ

れた時は涙がこぼれました。勝

手に出て行った私を温かく迎え

入れてくれた皆には感謝しかあ

りません。おそらく施設長やス

タッフは私が戻ってくることが

予想できていたのかもしれませ

ん。私がギャンブル依存症だと

認めず、依存症という病気を舐

めていたこともお見通しだった

と思います。

2度目のリハビリは本腰を入

れて取り組んでいます。

私はギャンブルが原因で琉球

ガイアにつながりました。現

在、入寮して9カ月が過ぎま

す。

私は大学に入学してからパチ

ンコを始めました。最初のころ

は友人と行ったりして、自分の

アルバイト代の範囲内でパチン

コをしていましたが、20歳のこ

ろからだんだんおかしくなりま

した。パチンコをするために学

校やバイトを休むようになり、

アルバイト代がなくなると同級

生からお金を借りました。最初

のころはすぐに返済はできてい

ましたが、パチンコ屋に行く回

数が増えていくうちにお金を返

せなくなると親に嘘をついてお

金を送ってもらうようになり、

それを返済に充てたり、パチン

コの資金にしたりする生活に

なっていきました。

やがて消費者金融にも手を出

すようになりました。それが親

にバレたら大変と分かっていて

も、ドキドキしながらお金を借

りパチンコやスロットに行きま

した。ここからが僕の借金地獄

の始まりです。

初めて消費者金融から借りた

金額は5万円ほどでした。これ

はなんとか親にばれないうちに

自力で返済をすることが出来ま

した。もうギャンブルをしない

という決心をして一カ月ほど

ギャンブルを我慢していたので

すが、悪魔の囁きのような一本

の電話で全てが吹き飛んでしま

いました。

「以前の借り入れの返済が終

わっていますので20万円までご

融資できますよ。」

もうギャンブルはしないという

決心は簡単に崩れてしまいまし

た。

「以前の借り入れのように親に

ばれないうちに返済すればい

い。」「パチンコで勝ったらす

ぐ返そう。」都合のいい前向き

な気持ちで借りた20万円は一週

間もしないうちにギャンブルで

使い果たしてしまいました。し

かし返済の期日は毎月迫ってき

ます。お金が無くて返済に困る

と家にある家族の物を売って返

済に充てたりしました。それで

も期日までに返済ができなくな

ると家に督促状が届き、親に叱

られて「ギャンブルはもうしま

せん。」と約束して親に返済し

てもらいましたがギャンブルを

止めることはできませんでし

た。

仕事を始めても、休日や仕事

の前後にギャンブルに行くよう

になり、お金が足りなくなると

親の財布からお金を盗ったり、

家にある物を勝手に売ったりし

て、ギャンブルをする資金を

作っていました。それどころか

消費者金融からの借り入れも膨

らみ、私のギャンブルを心配す

る家族の監視から逃れるために

自分の嘘はどんどん巧妙になり

ギャンブル最優先の生活になっ

たのです。この頃には職場のお

金にも手を出すようになってい

ました。

結局その職場を辞めることに

なり家族に連れられ心療内科へ

行ったのですが、そこでは今は

家族で見守って下さいとしか言

われませんでした。それから3

カ月ほどは家族に見守られ(監

視)ながらギャンブルから離れ

た生活を送り、「もう大丈夫だ

ろう」と思い新しい仕事につき

ました。

しかし、すぐにギャンブルが

始まり、嘘、借金、そして職場

のお金を使い込んでしまう生活

に逆戻りしてしまいました。そ

してついには、職場が被害届を

出し逮捕され罰金刑になりまし

た。それがきっかけで「かいク

リニック」という心療内科で診

察を受け、ギャンブル依存症で

リハビリが必要ですと診断を受

けました。

そこからガイアでの依存症リ

ハビリが始まるのですが私に

とって「ギャンブル依存症」と

はっきりいわれたことはすごく

ショックでなかなか受け入れる

ことが出来ませんでした。

ガイアのプログラムは午前中

はミーティング、午後はスポー

ツプログラムと体を動かすこと

が好きな私にとって心地いいも

のでした。しかし、振り返ると

「依存症から回復したい。」と

いう気持ちよりも「自分も依存

症から回復するために頑張って

いるんだ。」と家族へアピール

することが目的だったように思

います。

12ステップやミーティング、

スポーツプログラム等回復する

ためにやることはたくさんあり

ますが、日常生活の面でも気を

付けることはたくさんありま

す。特に金銭感覚がおかしく

なっていて決められた金額で生

活することが苦手でした。週末

になるとスタッフや仲間からお

金を借りることが多々あり、担

当スタッフに注意されることも

ありました。簡単な小遣い帳を

つくりお金の使い方のパターン

を見直すことで少しずつ改善さ

れていると思います。使える金

額の範囲内でやり繰りして、貯

金をしてプロテインを買えたこ

とは自信になりました。

また、ギャンブル以外に健康

的な趣味や楽しみを見つけよう

と今は筋力アップにはまってい

ます。筋肉がついて逞しくなっ

ていく自分の体を見ると「頑張

れば結果は必ずついてくる」と

ますます意欲がわいてきます。

入寮生活もとても勉強になり

ます。集団生活ですので色々な

ストレスがあります。入寮当初

は私の自己中心的な性格のため

によくトラブルを起こしまし

た。施設長から「依存症は人間

関係の病気でもあるから自分の

欠点が出るパターンを知ること

も大切ですよ。」と言われても

ピンときませんでしたが最近意

味が分かりかけてきました。相

手を自分の思い通りにコント

ロールしようとする癖や自己中

心的な性格など入寮経験がない

と気付くことはできなかったか

もしれません。

そして私自身一番の変化は

「自分はギャンブル依存症だ。

もうギャンブルはできない」と

受け入れることが出来たことだ

と思います。散々家族に迷惑を

かけ、どん底に落ちてやっと認

めることが出来ました。長く続

く回復のスタート地点に立てた

ことです。

今は、自立や社会復帰の準備

として就労プログラムに入って

います。仕事と入寮生活は大変

ですが、コツコツとギャンブル

のない一日一日を積み重ね、私

自身や家族が「色々遠回りした

ど、こ

な。」と言えるような回復をし

ていきたいと思います。

Gさん

仲 間 の 声

V o I c e of f e l l o w

Page 6: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

winter 2018 Recovery island okinawa

琉球GAIAの家族支援プログラム

薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

と共に回復する」と言う理念のもと、ご家族の方にも「家族支援プログラム」の参加を強くお奨めしております。

依存症と言う病気をよく理解出来るようになる事。ご本人に対する適切な対応や、コミュニケーションを行えるようになる事。

依存症から回復出来るという事をご家族が信じられる事を大きなテーマにしています。また、家族会のグループがオープンであ

り、他の援助者や、治療機関と連携が取れている事も大切にしている事の一つです。グループに参加することで、ご家族に笑顔

が戻り、本人同様、ご家族自身が仲間と出会い、回復を支援する為に必要な知識や情報を共有できる場所となるよう心がけてお

ります。

また、グループで学んだ事を実際の生活に活かせるようになるには、個別支援も大切です。個別のカウンセリングを通して

個々の問題を整理しながらグループに参加して頂けると、教育プログラムの効果が最大限に発揮されると考えております。

また緊急時の対応に関しましても出来る限りのサポートをさせて頂きます。

下記の家族会にはどなたでもご出席頂けますので是非ご参加ください。

GAIA

家族会

TOK

YO

沖縄家族会

OK

INA

WA

大阪家族会

OSA

KA

※ご不明な点や、各ミーティングに関してのお問い合わせ、お申込みは、琉球GAIA 098(831)2174までお問い合わせ下さい。

ハイビスカス

TOK

YO

「ハイビスカス」は薬物依存症や様々な問題を抱えた娘

を持つ母親を中心にしたグループです。娘とのかかわり

方、対応の仕方をテーマにミーティングや勉強会を行っ

ています。一人で悩まずに、同じ問題に取り組んでいる仲

間たちと一緒に体験や気持ちを分かち合ったり対応の仕

方について勉強しませんか?

場所:東京都港区芝5-18-2 障害者福祉会館

日時:毎月第1土曜日(祝祭日は休み)

17時~20時30分(無料)

参加希望の方は琉球GAIAまでご連絡下さい。

琉球GAIA:098-831-2174

information

依存症の問題を抱えた多くのご家族、琉球GAIAのスタッフ、

OB、専門家を迎えてのセミナーなど、依存症に悩むご家族

の方々にとって非常に内容の充実した家族会となっており

ます。毎回40名ほどのご家族が参加されておりますが、初め

てお越しの方でも参加しやすいようなアットホームな雰囲気作

りを心がけています。

すみだ産業会館

毎月第2土曜日の18時~20時30分

参加希望の方は琉球GAIAまでご連絡ください。

琉球GAIA:098-831-2174

GAIA家族会 会場:すみだ産業会館8・9階

〒130-0022 東京都墨田区江東橋3-9-10 TEL:03(3635)4351

東京家族会とハイビスカスは、会場も開催日時も異なりますのでご注意ください。

address

map

Call us anytime

関西圏で依存症の問題を抱えたご家族の為の

家族会です。元琉球GAIAスタッフを中心として、

毎月専門的な講話や家族間での話し合いなど、

充実した内容の家族会となっております。

場所:兵庫県尼崎市南塚口町1-5-13

美容院ルーナロッサビル3F

日時:毎月第2月曜日の14:00~15:30

参加希望の方は琉球GAIAまでご連絡下さい。

琉球GAIA:098-831-2174

沖縄県内の依存症の問題を抱えたご家族の為

の家族会です。琉球GAIAスタッフが中心となり、

ご家族の方からの質問や、本人とのかかわりにつ

いて具体的に提案する形で行っております。

場所:沖縄県立総合精神保健福祉センター2F

日時:毎月第2第4月曜日(祝祭日は休み)

19時~20時(無料)

参加希望の方は琉球GAIAまでご連絡下さい。

琉球GAIA:098-831-2174

また、家族会等の日程についてはフェイスブックやGAIAホームページにて随時更新しておりますのでご確認ください。

Page 7: 2018 WINTER 無 料 WINTER Vol.019ryukyu-t.com/doc/19結合.pdfokinawa winter 2018Recovery island 琉球GAIAの家族支援プログラム 薬物依存症の治療や回復には、ご家族の果たす役割が非常に大きいという事が実証されています。私たち琉球GAIAでは「家族

寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。風邪などひかないよう体調管理には十分

気を付けてご自愛ください。

今回は「ギャンブル依存」を中心に構成いたしました。ギャンブル依存症も数ある依存症と同

じように家族へ与えるダメージは深刻です。これは本人がギャンブルに問題があることをなかな

か認めず(否認)、家族は表面に見える問題(主に借金)の尻拭いに追われ、本人も家族も根本

の問題(依存症)に目を向けることが出来ない為に、長い期間、家族が振り回されてしまうこと

が原因だと考えています。しかし滝口先生も書かれているように「あれ、おかしいな。」と思わ

せるようなサインは必ず出てきますので、それを敏感にキャッチし相談できる場を確保しておく

ことが本人を早期に治療につなぎ、家族へのダメージを最小限に抑える有効な手段です。最近は

カジノ設置等でギャンブル依存症についての関心も高まってきていますが、相談できる場はまだ

まだ少ないのが現状です。私たち琉球ガイアも今年予定している新施設移転を機に本人、家族向

けの相談・支援体制をさらに充実させ、「家族と共に回復する」理念のもとサポートしていきた

いと思います。

しかしながら財政的な限界もあり、常に理想だけを追い求める事が出来ないという苦しい現状

も有りますが、周囲の皆様の暖かいご理解とご支援に支えられ私たち琉球GAIAが活動できて

いることに感謝しております。今後もご支援頂いた皆様のお気持ちを無駄にする事無く、プログ

ラムの充実や、サービスの品質向上の為に大切に遣わせていただきたいと考えております。ま

た、以前より計画中の新施設への移転購入計画に向けてもどうぞご支援頂きますようお願い申し

上げます。

琉球GAIAの活動にご賛同、ご支援頂く際には誠にお手数ではございますが同封しておりま

す振込依頼用紙にてお振込み下さいますよう、お願い申し上げます。なお献金の振込依頼用紙は

全ての方に同封させて頂いており、寄付献金を強要しているものではございませんのでご容赦下

さい。

今後ともどうか一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

Keep Paddling

関する無料相談は琉球ガイアまで

RECOVERY I S L A N D O K I N A W A

2018年 1月発行

発行|特定非営利活動法人アルコール・薬物依存症

リハビリセンター琉球GAIA

沖縄県那覇市字識名1102-16 〒902-0078

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