糖尿病性壊疽とPT_装具療法
2012.6.21 A.Kimura
成因
1 「血管障害」<虚血性潰瘍>
2 「神経障害」<圧迫の不感が原因(釘)。短時間大規模・長時間低強度(2時間で発生)(靴)・長時間反復中等度(靴)>
3 「抵抗力の低下による細菌感染」
• http://www.beiserpodiatry.com/Diabetic%20Foot.htm
PT障害診断と治療計画 • 潰瘍の原因を特定 血管疾患の確認 潰瘍の原因特定
• 感染があるかどうか 発赤、腫脹、疼痛、膿の有無(色、臭、水気)確認 • デブリードメント 死滅完全壊死部分の除去(日本では、医師のみ) • オフロード (免荷) 抗生物質は免荷されていないと効かない W/C>TCC>治療サンダル カムウォーカー>PTBブレース バランスのとれた荷重をさせる • ドレッシング (潰瘍の治療) 生理食塩水(塩水)とSilvadeneクリーム、抗生物質のクリームなど(マゴットセラピーもある) • 再発の維持と予防 靴のギアの見直し ・矯正インソール使用カスタム成形靴の作成、 靴底ロッカーなど
• 「血管障害」は、高血糖のために起こる動脈硬化です。動脈硬化が進行すると血液の流れが悪くなります。
• 血液の流れが悪くなると、細菌を殺す白血球や傷の回復をしてくれる血液の成分も少なくなります。そのために小さな傷でも膿(う)みやすくなり、潰瘍(かいよう)や壊疽へと悪化してしまうのです。
• 「神経障害」は、高血糖により末梢神経(知覚神経・運動神経・自律神経)に異常が起こるので、足の痛みなどの感覚を感じにくくなってしまいます。
• そうなると、足の傷やケガに気付かずに放置してしまい、壊疽が起こり、悪化していってしまいます。
• 神経障害による潰瘍や壊疽は、病変部が腫(は)れて崩れたようになります。患部はじくじくと湿って、悪臭がします。
• 「抵抗力の低下による細菌感染」は、高血糖により体の抵抗力が低下することで、細菌などに感染しやすくなり、壊疽にまで悪化しやすくなってしまいます。
糖尿病性壊疽の治療
• 糖尿病性壊疽の治療方法は、壊疽(えそ)になった原因により違います。
• 足の血管が狭くなっていたり、つまってしまっていたりする場合は、血管障害が原因の壊疽ですので、血液の循環を良くする薬や、血管をバルーン(風船)のような治療器具で広げる「バルーン療法」などを行います。
• また、血管の状態によっては、血管の異常のある部分を迂回(うかい)するようにして新しい血管を移植する「バイパス手術」を行うこともあります。
• 神経障害が原因の壊疽の場合は、ほとんどの場合、細菌に感染しているので、必要に応じて抗生物質による治療をおこないます。
糖尿病性壊疽の予防
• 糖尿病性壊疽の予防で大切なのが、血糖コントロール、血圧の管理、そして足を清潔にしておくことです。
• また、壊疽は傷から悪化して起こることがあるので、糖尿病の人は足を常にチェックするようにしてください。傷があるときちゃんと消毒して、バイ菌が入らないように保護し、病院で診てもらいましょう。
• 糖尿病の運動療法では、足をケガしないように、また靴ずれにも注意しましょう。
マゴットセラピー(ウジ療法)
• 41歳男性 右足バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)
ストッキング法 バッグ法 囲い込み法
免荷・除圧
• DM footに対する免荷・除圧方法 糖尿病足病変用 糖尿病による足部の潰瘍などは早期発見・早期対処が重要です。 たとえ小さなタコの状態でもその部分を圧迫しないことが大切になります。 まず、正確な採型をもとに足底全体で体重を支持できるようアーチサポートを製作し、さらに問題になっている部分を除圧します。 あらたな症状をおこさないためにも早期に製作することが大切です。
インソールの作成について
• インソール(靴の中敷き)は、特に足の変形によるタコ、ウオノメのある方にお勧めいたします。
• 圧力がかかる部分の負担を軽くし、アーチを支えることで、痛みが緩和される、
• 足が疲れにくくなる、使い続けることで正しい歩行に導くなどの効果が期待できます。
• 足変形に伴う場合は保険適応となります(診断書が必要)。
1.フットプリントをとります。
2.立体的な足型をとります。
3.完成したインソール。
4.いろいろな素材を 組み合わせています。
5.靴に入れて完成です。
長下肢免荷装具(坐骨支持)