熊本大学学術リポジトリ
Kumamoto University Repository System
Title 図形からのものづくり : 熊本大学基礎セミナー ものづ
くり入門(5),(6)実施報告
Author(s) 植田, 宏
Citation 熊本大学工学部附属革新ものづくり教育センター年次報
告書, 2011: 97-100
Issue date 2011-11-10
Type Departmental Bulletin Paper
URL http://hdl.handle.net/2298/40844
Right
熊本大学工学部 附属革新ものづくり教育センタ 一 平成23年度 年次報告書
図形からのものづくり
熊本文学基礎セミナー ものづくり入門(5)、(6)実施報告
1. はじめに
平成23年度、熊本大学教養教育における基礎セミナー実施方法が変更となり、前期15回を前半、後半に分
け、 各7 .5回(実質8回) での開講となった。 工学部
ではこの変更に合わせ、「革新ものづくり展開力の協働
教育事業」の一環として「ものづくり教育Jの全学開
講へ向けての方針をたて、 全7 テーマ8 コースの基礎
セミナーを担当した。 その中で、 筆者が担当した平成
23年度前期前半の基礎セミナー「ものづくり入門( 5)
立体を組み立てる」、「ものづくり入門 ( 6)立体を切断
する」 について、 今回報告する。
2. 捜農の位置づけ
全学の基礎セミナ一等専門 部会は 「基礎セミナーは、
大学教育へのオリエンテーション科目として、( 中略)
全新入生を対象とする必修科目として位置付け」てい
る。 その意義としては、 「初年次教育・転換教育の一環
として、 学生が課題を設定し、 能動的に調べ、 議論す
るといった学生主体型・参加型授業の体験、 および、
総合大学であることを活かした学部混成型のクラス編
成により、多様な関心・進路の学生がともに学ぶこと」
としている。工学部教員が担当した 「ものづくり入門 」
については、 原則として工学部以外の新入生を対象と
している。 報告対象のセミナーにおいて、 シラパス内
の授業目標に 「とくに、 3次元の空間・立体について
柔軟に思考する姿勢を養いますJとした。 その上で、
履修上の指導に関して、「製図器具使用した、精密な作
業を行います。 失敗することが前提ですが、 それにめ
げずに何度もトライしてもらいます。」と明記した。 こ
のことは、 教員との間で数回のやり取りを前提として
いる。 また、2人一組のグ、ループ作業を通じた、 コミ
ュニケーション能力の 進化についても配慮、している。
3. ものづくり入門(5)立体を組み立てる
3-1. クラス編成の概要
平成23年度のクラス編成は、教育学部3名、法学部
1名、 理学部 4名、 医学部 6名、 薬学部3名の計17名
で、 理系の学生が多く見られた。 希望順位としては第一位2 名、 第二位 7名、 第三位1名、 第四位 4名、 第
五位2 名、 未記入1名であった。 シラパスを読んで、
比較的得意であると感じた学生が上位を占めるとする
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と、 その数は半数を上回っている。
3-2. 授業の肉容
建築学科 植田宏
造形 ・製図の実習を通じ、 3次元の空間・立体の理
解やイメ ージする能力を養うことを目的として、 紙を
使つての立体模型の制作を課題としている。 スケジュール、 および、 その後に具体的な課題を示す。
1 .導入・平面図形の折り紙
2 .3 .4 .ケント紙を使った立体模型の制作
5.6 .7 .ケント紙を使った切断模型の制作
8.まとめ
【課題1】 折り紙があります。 この正方形の中に面積
が最大の正三角形を折ってください
【課題2) 一稜の長さが80mmの立方体を、 異なる紙
厚のケント紙で作ってください。
【課題3) 一稜の長さが8伽nmの立方体を、三点ABC
を通る平面で切断したとき、 上下となる二つの立体
を、 閉じたものとしてケント紙で作ってください。
使用材料: ケント紙(2 種類)、 接着剤( 数種)
使用器具:製図板、 T定規、 三角定規
カッター、 カッタ 一定規、
カッターマット
注意点 :平行線、垂直線の描画、正確な切り出し。
カッタ 一切断状態のチェック、 交換。
折り線、のりしろ、および接着剤の選択。
最後の接着面に対する考慮。
異なる紙厚の考慮。
机上で安定していること。
同じサイズであること。
3-3. 平成23年度の提示課題
【課題1]については、 折り紙であることに戸惑い
を覚える学生が多い。 紙上での作図であれば簡単に解
凍を導くことができると思われる。 最終回まで持ち越
した学生も数人見られた。
【課題2】については、 もう少し形を考える、 簡単
な切断された立体を想定していたが、製図にも、 模型
作りにも不慣れであることを考慮し、 簡単な立方体を
2人組で作成してもらった。 ただし、 五いに異なる紙
厚によるものとした。 しかし、 机上で安定した立体を
つくることに予想以上に時聞がかかり、 その上で、 大