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核融合研究入門 - Hiroshima University文明の発展と 地球環境の問題...

Date post: 18-Mar-2020
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PPPL Princeton Univ. 核融合科学研究所 NIFS東北大学 筑波大学 東京大学 京都工繊 京都大学 兵庫県立 九州大学 核融合研究入門 西野信博 広島大学大学院工学研究科 主な共同研究先
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Page 1: 核融合研究入門 - Hiroshima University文明の発展と 地球環境の問題 アマゾンの熱帯雨林の伐採後 古代文明が滅んだパターン •(ローマ文明)環境破壊を拡散して文明

PPPLPrinceton Univ.

核融合科学研究所(NIFS)

東北大学筑波大学東京大学京都工繊京都大学兵庫県立九州大学

核融合研究入門

西野信博

広島大学大学院工学研究科

主な共同研究先

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内容

Plasmaの概説

エネルギーに関する諸問題

核融合研究慨説 核融合研究の歴史

核融合研究の現状

核融合研究の未来と大学での研究

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イオン 電子

水素原子

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プラズマとは何?

固体 液体 気体 プラズマ

プラズマは物質の第4の状態

• 医学では・・・

     血液中の血漿または原形質 (医学)

• 物理学・工学では・・・

     電子と正イオンの数がほぼ同じ数だけあるイオン化したガス

1. 異なる電荷(プラスとマイナス)をもつ荷電粒子集団

2. ランダムな熱運動をするひとつ以上の粒子群

3. 特徴的長さがデバイ長以上である

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プラズマの例: オーロラ (Aurora)

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核融合プラズマ

オーロラ

太陽中心

密度

温度

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核融合プラズマ

D + T  → He + n重水素 三重水素 ヘリウム 中性子

3.52MeV 14.06MeV

プラズマ密度 1019-1020 m-3、プラズマ温度 1000万度-1億度

中心イオン温度

エネ

ルギ

ー閉

じ込

め時

間x中

心イ

オン

密度

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エネルギーに関する諸問題

3E問題

Economy growth

Energy security

Environmental     protection

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地球の夜景Night View of our Earth

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水力発電所 - 95箇所 290万kW 俣野川発電所(土用・俣野川) 120.0万kW南原発電所(明神・南原) 62.0万kW新成羽川発電所(新成羽川・田原) 30.3万kW その他

火力発電所 - 12箇所 802.6万kW 三隅発電所 100.0万kW水島発電所 62.1万kW玉島発電所 120.0万kW大崎発電所 25.9万kW岩国発電所 85.0万kW柳井発電所 140.0万kW下松発電所 107.5万kW新小野田発電所 100.0万kW 下関発電所 57.5万kW

原子力発電所 - 1箇所 128万kW 島根発電所(上関発電所 建設計画中)

中国電力の発電所

化学エネルギー石炭重油、原油天然ガス、LNG

位置エネルギー水

核エネルギー原子力(核分裂)

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地球温暖化

過去2000年にわたる気温変化

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エネルギーと環境

温室効果ガス CO2  :  100年で約1度上昇

•異常気象の発生

•農業生産、生態系、国土保安への危惧

化石燃料の60%削減が必要

地球環境問題の深刻化      化石燃料とCO2

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二酸化炭素(CO2)濃度の推移

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エネルギーと環境

 地球温暖化

 オゾン層の破壊

 酸性雨

 砂漠化

 熱帯林の減少

 有害廃棄物の越境移動と

  海洋汚染

 野生生物の種の減少

 開発途上国の公害問題

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文明の発展と地球環境の問題

アマゾンの熱帯雨林の伐採後

古代文明が滅んだパターン•(ローマ文明)環境破壊を拡散して文明の延命を図った。•(イースター文明)石像建築により森林が崩壊し文明が衰退•(インダス文明)地球温暖化により農業ができなくなった。

滅ばなかったパターン•(エジプト文明)水源の森林が遠く離れていた。•(中国文明・日本(江戸))森林と共生する森林と共生する農業(稲作)農業(稲作)•(アイヌの習慣・神の山・鎮守の森)自然と共生する習慣や信仰

(環境白書)現代文明の地球的限界

人類と自然とのかかわり

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増え続ける世界人口

食料(水)の不足とエネルギーの大量消費

産業革命以後300年間で10倍(60億人)に増えた。2050年には100億人に達する。

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産業革命後のエネルギー大量消費社会の形成

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人類は石油の半分を使ってしまった!

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石油 天然ガス 石炭 ウラン

40年

60年

200年

60年

資源はどのくらいある?

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資源小国の日本のアキレス腱は“ エネルギー ”

1次エネルギーの85%を中東などの海外に依存

1次エネルギーが枯渇する!エネルギーの有限性・偏在性!    エネルギー問題

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核融合研究の歴史

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太陽についての基本的な情報

(50億年)

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太陽についての基本的な情報

世界のエネルギー消費量の1万倍

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アインシュタインの方程式

E = mc2

E : エネルギーm : 質量c : 光速 (3 x 108 m/sec)

核融合からどのくらいのエネルギーを得ることができるか?

例:1グラムの物質がエネルギーに変換されると

E = 1 [g] x c2

= (10-3 [kg]) ( 3 x 108 [m/sec])2

= 9 x 1013 [ジュール]

コップ50杯の水が2トンの石炭エネルギーと等価!

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質量欠陥 (mass defect) m

E = m c2

D+: (2-0.000994)mpT+: (3-0.006284)mp: (4-0.027404)mpn : (1+0.001378)mp

mp=1.6726x10-27 [kg]

m = 0.018748 mp

E =2.82x10-12 [J]=17.6 [MeV]0.001 mp c2 = 1 MeV

mp c2 = 938 MeV

核融合(fusion)

核分裂(fission)

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核融合反応

原子核の半径

R = 1.5x10-15A1/3 m

A = 2 (D) or  3(T)

R a,b = 2x10-15 m

U(R0) = e /40(Ra+Rb)

= 360 x103 [V]

2つの原子核が融合を起こす際の基本的問題は、これらが正に帯電しているため互いに反発することである。

ポテンシャル障壁トンネル効果

300-500 keV

核力

電磁力

0=8.854x10-12 [CV-1m-1]e =1.602x10-19 [C]

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水素サイクルthe proton-proton cycle

太陽の寿命(5x109年)の間でも、太陽中の水素のわずかしか関与しない。

_26.654 p + 2 e- = 4He + 6+ 2

106 Year12.853He + 3He = 4He + 2 p

5.7 sec112 p + 2D = 2 3He + 2

10-19 sec22 e+ + 2 e- = 4

1.4x1010 Year0.82 p + 2 p = 2D+2e++2

平均反応時間放出エネルギー(MeV)

反応

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炭素・窒素サイクルthe carbon-nitrogen cycle

炭素12C が触媒の作用をし、4He原子核 を形成

_25.104 p = 4He + 2e+ + 3+ 2

1.1x105 Year4.96p + 15N = 12C + 4He

82 sec1.7315O = 15N + e+ +

3.3x108 Year7.35p + 14N = 15O +

2.7x106 Year7.54p + 13C = 14N +

7 min.1.5713N = 13C + e+ +

1.3x107 Year1.95p + 12C = 13N +

平均反応時間放出エネルギー(MeV)

反応

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エネルギー源として太陽の条件や太陽の反応サイクルを地球上で直接再現することは無意味!

宇宙尺度・宇宙時間スケールを要する。

太陽中の核エネルギー放出は非常にゆっくりしている。 約 20 w/m3

 

                              人体 :約 2 kW/m3

なぜ太陽はあんなに熱いのか?

太陽の巨大な寸法のため

エネルギー放出速度が速くなる条件設定の選択が重要となる。

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核融合反応を起こさせる方法

磁場閉じ込め

慣性閉じ込め

重力閉じ込め

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D  + T = 4He + n + 17.6 MeV  (1)

熱核融合にはどのくらいの温度が必要か?

3次元分布:<W> = ½ m<v>2 = 3/2 kBT

温度 T まで加熱された物質における粒子のエネルギー分布則は、1860年イギリスの物理学者J.K. Maxwellにより発見された。

kBT=1 eV=1.6x10-12 erg

1 eV=11600 [K] D+T反応で1億度(10keV)が必要

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核融合反応炉の成立条件

Lawson Criterion(1957)

1 m3 中に  D ½ n 個、T ½ n 個、温度 T

n2/4 <v> [3.5 (MeV)+x14 (MeV)] 3n kBT/ E>(核融合エネルギー生成) (エネルギー損失)

T=1億度=104 eV <v>=10-22 m3/s =0.3 (外部エネルギー帰還)

n E > 2 x 1020 [s/m3]

E :閉じ込め時間

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磁気核融合: n=2x1020 m3, E=1 s

ただし、1億度以上の物質を、なんとか1秒以上保持する方法を工夫しなければならない。

磁気核融合

慣性核融合

プラズマ閉じ込め

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復習  電界・磁界は荷電粒子に如何に作用するか?

m dv/dt = q ( E + v x B )

(1) 電界 の作用: 異符号の荷電粒子は、

逆方向に飛んでいく。 電流が発生する !

(2) 磁界 の作用 ローレンツ 力

ion electron

E=0     mv2/r=qvBラーマー半径 r=mv/qB

v=rラーマー周波数 =qB/m

0.2 cm

0.1mm

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荷電粒子をトーラス(ドーナッツ)に閉じ込める

(危険な罠) ドリフト運動の発生 !         (継続的なズレ)

B x ∇B ドリフト

∇B

イオン

電子

E x B ドリフト

イオン

電子

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単純トーラスが閉じ込め磁気容器として、うまく働かない !

トロイダル・ドリフト(トーラス中の不均一磁場による粒子ドリフト Bx∇B)による “荷電分離”で、電界Eの発生。それによる Ex Bドリフトによる、プラズマの損失。

E X B E X BE

∇B ∇B

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L.Spitzer (プリンストン大学教授・著名な天文学者: 1951)

星のトーラス Stellarator

Figure-8 Stellarator

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荷電分離の解決策

(1)(磁力線を捻る)磁力線をトーラス上部から下部へ架け橋して、異符号電荷をショートさせることによって、電界の発生を抑える。

(2)(トーラスを捻る)8の字ステラレータ(Stellarator : 星のトーラス)によって、電界の発生を抑える。

∇B ∇B

B

BB

B

B B∇B xBドリフト

∇B xBドリフト

E

E

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回転変換 と シアー

L.Spitzer が、Figure-8 Stellarator の プラズマ不安定

に対する“解毒剤”として創案

磁力線の回転変換 磁力線のシアー

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Stellarator C (Helical coil stellarator)

プラズマ閉じ込めの実験結果は悲観的 (1968)

T = 100eV

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Tokamak T-3Stellaratorの親類である。ただ、磁力線の回転変換が外部螺旋コイルによって作られるのではなく、

プラズマ中を流れるプラズマ電流自身によって作られる。

“Fusion will be there when society needs it”

TOK(電流)KAMEPA(容器)MAGNITNUE(磁気の)KATUSHKI(コイル)

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トカマクT-3で、ステラレータの10倍の温度を達成(1968)

トカマクの時代へ

T-3

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大型装置の時代   歴史から現在へ

世界3大トカマク(Tokamak) 時代-1980年代~現在 JET JT-60 TFTR

大型ステラレータ/ヘリカル系(Stellarator/Helical) -1990年代~現在 LHD W7-X

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-高性能プラズマ閉じ込め研究の軌跡-

中心イオン温度 Ti [度]

閉じ

込め

時間

X中

心密

度 

[秒・個

/立

方m

]

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ITERはネットで検索すればすぐ出てきます

[プラズマエネルギーのすべて]より引用

核融合研究の未来~巨大化の道~

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7

ITERへの参加国

中国

韓国

EUロシア

日本

米国

インド

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核融合研究の未来~Innovation~

プラズマ乱流の制御 閉じ込め性能の大幅改善

新たな閉じ込め磁場配位  DT炉からDD炉(PB炉?)

大型化から小型化へ   例 TokamakST

R/a~4, =2, qa=4 R/a~1.3, =2, qa=12

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プラズマ乱流の例 NSTX

高速カメラで撮影したプラズマの画像は、大きなスケール(~10cm)でのプラズマ乱流の存在を明らかにしている

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資源が偏在せず、無尽蔵資源が偏在せず、無尽蔵

重水素:ほぼ無限,リチウム:重水素:ほぼ無限,リチウム:15001500万年万年

大容量の安定した発電大容量の安定した発電

高い安全性高い安全性

大気汚染物質(大気汚染物質(NOxNOx,,SOxSOx))やや

  炭酸ガスを放出しない炭酸ガスを放出しない

暴走が無い暴走が無い

  (燃料供給を止めれば停止)(燃料供給を止めれば停止)

燃えカス(ヘリウム)に放射能が無い燃えカス(ヘリウム)に放射能が無い

どっ ちに転んでも

反応停止

反応停止 反応停止

・ 燃料不足、

・ 閉じ 込め不足

・ 燃料過多、

・ 閉じ 込め過多

エネルギー

反応維持

核融合発電の長所

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●T-10    露・クルチャトフ研●TUMAN-3 露・ヨッフェ研○AMBAL-M 露・ノボシビルスク研△URAGAN-3M ウクライナ・ハリコフ研

●T-10    露・クルチャトフ研●TUMAN-3 露・ヨッフェ研○AMBAL-M 露・ノボシビルスク研△URAGAN-3M ウクライナ・ハリコフ研

 ●JT-60U   原研 ●CPD/QUEST  九大 △LHD 核科研 △Heliotron J 京大 ○GAMMA-10 筑波大 □TPE-RX 産総研 ※激光XII号 阪大

 ●JT-60U   原研 ●CPD/QUEST  九大 △LHD 核科研 △Heliotron J 京大 ○GAMMA-10 筑波大 □TPE-RX 産総研 ※激光XII号 阪大

●DIII-D    米・GA社●Alcator C-Mod 米・MIT●NSTX 米・プリンストン大△HSX 米・ウィスコンシン大□MST 米・ウィスコンシン大※NIF 米・ローレンスリバモア研※OMEGA 米・ロチェスター大

●DIII-D    米・GA社●Alcator C-Mod 米・MIT●NSTX 米・プリンストン大△HSX 米・ウィスコンシン大□MST 米・ウィスコンシン大※NIF 米・ローレンスリバモア研※OMEGA 米・ロチェスター大

●JET    EU・JET共同体●Tore-Supra 仏・カダラッシュ研●ASDEX-U 独・マックスプランク研●TEXTOR 独・ユーリッヒ研●FT-U 伊・フラスカッチ研●MAST 英・カラム研△W7-AS 独・マックスプランク研△W7-X 独・マックスプランク研△TJ-2      西・CIEMAT研□RFX   伊・パドヴァ大※LMJ 仏・CEA

●JET    EU・JET共同体●Tore-Supra 仏・カダラッシュ研●ASDEX-U 独・マックスプランク研●TEXTOR 独・ユーリッヒ研●FT-U 伊・フラスカッチ研●MAST 英・カラム研△W7-AS 独・マックスプランク研△W7-X 独・マックスプランク研△TJ-2      西・CIEMAT研□RFX   伊・パドヴァ大※LMJ 仏・CEA

●KSTAR 韓・基礎科学研●KSTAR 韓・基礎科学研

●HL-1M 中・西南物理研●HT-7 中・プラズマ物理研

●HL-1M 中・西南物理研●HT-7 中・プラズマ物理研

△H1-NF 豪・オーストラリア大△H1-NF 豪・オーストラリア大

核融合研究の世界展開

核融合プラズマに関する研究を行っている主な研究機関と装置

大学での研究

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Tokamak/Stellarator/Helical以外で期待される磁場配位

[プラズマエネルギーのすべて]より引用

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