+ All Categories
Home > Documents > Kobe University Repository : Kernel · 研究開発を受け,4...

Kobe University Repository : Kernel · 研究開発を受け,4...

Date post: 08-Oct-2020
Category:
Upload: others
View: 1 times
Download: 0 times
Share this document with a friend
14
Kobe University Repository : Kernel タイトル Title グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造 : 神戸大学附属小学校「グローバル英語教育」の理念と実践 著者 Author(s) 石川, 慎一郎 / 石田, 麻衣子 / 杉山, はるか / 吉田, 真由美 掲載誌・巻号・ページ Citation 神戸大学国際コミュニケーションセンター論集,14:1-13 刊行日 Issue date 2017 資源タイプ Resource Type Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 版区分 Resource Version publisher 権利 Rights DOI JaLCDOI 10.24546/81010107 URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81010107 PDF issue: 2021-02-27
Transcript

Kobe University Repository : Kernel

タイトルTit le

グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造 :神戸大学附属小学校「グローバル英語教育」の理念と実践

著者Author(s) 石川, 慎一郎 / 石田, 麻衣子 / 杉山, はるか / 吉田, 真由美

掲載誌・巻号・ページCitat ion 神戸大学国際コミュニケーションセンター論集,14:1-13

刊行日Issue date 2017

資源タイプResource Type Departmental Bullet in Paper / 紀要論文

版区分Resource Version publisher

権利Rights

DOI

JaLCDOI 10.24546/81010107

URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81010107

PDF issue: 2021-02-27

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-1-

グローバルキャリア人の育成をめざす

新しい小学校英語教育の創造

―神戸大学附属小学校「グローバル英語教育」の理念と実践―

石川 慎一郎1 石田 麻衣子2 杉山 はるか3 𠮷田 真由美4

1. はじめに

2020年から施行される新指導要領において,小学校では,第 3学年および第 4学年に各 35時間の外国

語活動が新設され,第 5学年および第 6学年については,従前の外国語活動を質・量ともに大幅に拡充し,

新たに教科としての外国語の学習がスタートする。こうした動きを受け,全国の小学校では,すでに様々な模

索が始まっているところである。

2009 年度に開校した神戸大学附属小学校(以下,附小)は,2 つの前身校(神戸大学附属住吉小学校/

同明石小学校)における英語教育の長い歴史を基盤として,2015 年度には「せかい領域」および「グローバ

ル科」という学校独自の領域・教科を設定し,指導内容の充実を図ってきた。一般の小学校における現在の

外国語活動の授業時数が 70時間であるのに対し,附小の英語関連授業時数は一般校の 3倍を上回る 240

時間に及ぶ。もっとも,授業時数こそ確保されてはいたものの,日々の実践の中では個々の単元内容の充実

に重点が置かれ,6年間(ないし幼稚園を含めた 9年間)を見据えた単元の体系化の取組は必ずしも十分で

なかった。

そこで,附小においては,大学教員と小学校教員がプロジェクトチームを結成し,1年間の討議と校内検討

を重ね,内容指導と言語指導を一体化させる Content-Language Integrated Learning(CLIL)の視点を基軸に,

トピックスタディとエリアスタディを組み合わせる新カリキュラムを構想するに至った。新カリキュラムは 2018 年

度より実施される予定である。

本稿は,附小および前身校における英語教育の実践の歴史を振り返るとともに,新カリキュラムの基本理

念や単元構想の一部を示そうとするものである。

2. 神戸大学附属小学校における英語教育

2.1 英語教育の制度的変遷

附小は 2009 年設立の新しい学校であるが,前身校は明治に遡る長い歴史を持ち,我が国の初等教育の

1 神戸大学 大学教育推進機構/国際文化学研究科外国語教育論講座/数理・データサイエンスセンター 2 神戸大学 附属小学校 3 神戸大学 附属小学校 4 神戸大学 附属小学校

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-2-

モデル校の 1つであった。とくに,明石小学校(明石女子師範付属小学校)の主事を務めた及川平治氏の提

唱した分団式動的教育法は日本の教育史に残る取組であり,その精神は現在も附小に継承されている。こう

した長い歴史の中で,英語教育についても,古くから実践が行われてきた。

ここでは,1990 年代以降に限って,附小ならびに前身の 2 校における英語教育の概要をまとめておきた

い。

表 1附属小学校における英語教育の変遷

年度 出来事・時数 単元内容例

1993

【住吉】英語学習検討委員会が設置され,英語学習カリキュラムの検

討が開始される。《時数》なし

【明石】小学校及び中学校における教育の連携を深める教育課程の

研究開発を受け,4 年生以上は「国際とりたて学習」を行う。しかし,英

語学習と国際理解教育はリンクさせないこととした。《時数》(国際理

解)4年〜6年:35時間

外国の人との出会い

外国語の歌,ゲーム

外国の人たちと交流しよう

1995

【住吉】英語の学習と教科学習が絡み合う「クロス学習」などの試みが

実施される。《時数》5年〜6年:2時間

【明石】英語学習の内容について小学校 6年生から高校1年生までの

5 カ年の子どもの発達段階に合わせて定義やめざす能力が考えら

れ,小学6年生において英語学習が開始される。《時数》(国際理解)4

年〜6年:35時間

あいさつ

アルファベット

Simon Says Game

自己紹介

Market

1996 【住吉】英語指導の対象年限の拡張が行われる。《時数》3年〜6年:18

時間

2000

【住吉】英語を学習する時間を「英語学習」という名称で統一し,全学

年における英語学習が実施される。また,JTE(日本人英語専科教諭)

とHRT(学級担任)ならびにALT(外国語指導助手)の 3人でのティー

ムティーチング体制が定着する。《時数》1年〜6年:18時間

おつかいごっこをしよう

ビンゴ大会をしよう

Direction gameをしよう

思い出の英語テープを残

そう

2004

【住吉】英語学習の時数が拡大される。《時数》1 年〜3 年:18 時間,4

年〜6年:35時間

英語で遊ぼう

カルタ大会をしよう

Let’s make my daily

timetable.

2009

【住吉】《時数》2年:18時間,3年〜6年:35時間

【明石】附小と同様の学習が展開される。《時数》2年:18時間,3年〜6

年:35時間

【附小】開校。同校カリキュラムにおける「多様な文化の体験と理解」領

域において,異文化理解教育が実施される。英語学習は従前の住吉

のカリキュラムで実施。《時数》1年:18時間

Let’s be friends!

Let’s enjoy FUKUWARAI!

Let’s enjoy shopping at

SUMIYOSHI mall!

世界の遊びを楽しもう

JAPAN FAIRを開こう

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-3-

2013

【住吉】試験的に英語学習の時数を増やす取組を行う。《時数》6年:70

時間

【明石】《時数》6年:35時間

【附小】《時数》1年〜2年:18時間,3年〜5年:35時間

Welcome to KOBE!

おつかい名人になろう!

Let’s introduce our school!

2014

【住吉・明石】閉校。

【附小】研究開発の指定を受けると同時に「せかい領域」「グローバル

科」設立に向けての検討が行われる。《時数》1年~2年:18時間,3年

~6年:35時間

Let’s ask “What’s the

matter?”

Let’s introduce my family!

2015

【附小】「せかい領域」「グローバル科」が設立される。ただし,指導内

容は従前の住吉の英語学習の内容に準じる。《時数》1 年:18 時間+

α,2年~3年:35時間,4年:40時間,5年:50時間,6年:60時間

Let’s research our daily

schedules!

Let’s teach Japanese games!

2018 【附小】「せかい領域」「グローバル科」においてトピックスタディ・エリア

スタディの理念を盛り込んだ連携型新カリキュラムを実施予定

(凡例)住吉:神戸大学発達科学部附属住吉小学校及び神戸大学附属住吉小学校,明石:神戸大学発達科

学部附属明石小学校及び神戸大学附属明石小学校,附小:神戸大学附属小学校

2 つの前身校のうち,住吉小学校では,英語学習検討委員会において,神戸大学教員の指導を受けつつ,

(1)コミュニカティブランゲージティーチングの理念に基づく単元開発,(2)児童の語彙使用の実態をふまえた

指導語彙の選定(石川,2007;石川・冨田・中嶋,2010ほか),(3)ICTテクノロジーを使用した授業支援システ

ム開発(柏木・康・大月,2006)などが行われていた。また,指導にあたっては, JTE(日本人英語専科教諭),

ALT(外国語指導助手),HRT(学級担任)の 3人体制による授業形態を確立していた。

一方,明石小学校では,英語そのものを指導の対象とするのではなく,国際理解教育の視点を中心とする

独自のカリキュラム開発が行われていた。子どもの身近な問題から世界に目を向けさせる展開を重視し,必

要感に裏付けられた学習に子ども達が問題意識を持って取り組むことができるように単元が開発されてい

た。

これら 2つの学校での先駆的取組を継承し,2009年開校の附小においても,質・量ともに全国の標準をは

るかに上回る英語教育の実践が展開されてきた。中でも特筆すべきは,研究開発学校の特性を生かし,通

常の「外国語活動」ないし「外国語」に代えて,第 2~3学年対象の「せかい領域」と,第 4~6学年対象の「グ

ローバル科」が学校設定科目として設置されていることである。

2.2 附小英語教育の特徴・成果・課題

現在の附小の英語教育の取組の特徴は4点にまとめられる。1点目は,豊富な授業量である。全国の標準

が 70 時間(5~6 年に各 35 時間)であるのに対し,附小の授業時数は 238 時間以上となっている(1 年:18

時間+α 2~3年:35時間 4年:40時間 5年:50時間,6年:60時間=238時間+α)。

2点目は,ALTが常駐していることである。ALTは附小に長く勤務し,子ども達様子を充分に理解している。

ALT は日本語を使用せず,説明や指示はすべて英語で行う。これにより,一般校に比べ,英語によるインプ

ット量を大幅に増やすことが可能になっている。現在のALTはイラン出身であり,英米圏に偏りがちな英語教

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-4-

育の中で,国際英語や English as a Lingua Francaの理念を体現する役割も担っている。

3 点目は,英語専科教諭が配置されていることである。専科教諭は,カリキュラムの策定,授業プランの設

計に責任を持ち,授業の中では,単元の趣旨を理解させるとともに,ALT の説明を補い,子ども達の学びを

別の角度からサポートする役割を担っている。

4 点目は独自科目の設定である。いわゆる 4 技能中心の英語教育や,歌やゲームを中心とする小学校外

国語活動との違いを明確にするため,第 2~3 学年向けには「せかい領域」を,第 4~6 学年向けには「グロ

ーバル科」という独自の学びの枠組みを設定している。これらの内容の詳細については後述する。

附小の設立は 2009年度,「せかい領域」と「グローバル科」という枠組みでの指導が始まったのは 2015年

度であり,現在の体制での英語教育の年数は必ずしも長くないが,前身校を含めると,附小は20年以上にわ

たって量的・質的にきわめて充実した英語教育を行ってきたと言える。そうした中で,連絡進学先の神戸大学

附属中等教育学校からは,附小出身者に対して,(1) 一般校に比して,外国人とのコミュニケーションに物お

じせず,進んでコミュニケーションを取ろうとする態度が涵養されている,(2) 常駐 ALT との豊富な触れ合い

により,自然に良い発音が習得できている,(3) 身近な生活語彙についてある程度習得できている,といった

評価も得られている。

一方で,これまでの附小の英語教育の実践に課題が残されていたことも事実である。ここでは,6点を指摘

しておきたい。

(1) 「せかい領域」「グローバル科」のカリキュラムが,一般的な小学校英語教育とどう異なるかがはっきりし

ていなかった

(2) 第 2~3学年向けの「せかい領域」から第 4~6学年向けの「グローバル科」へとつながる一貫した拡張

的展開が必ずしも十分に図れていなかった

(3) めざすものが,体験・活動なのか体系的な英語教育なのかについて,必ずしも方向性が定義されてい

なかった

(4) 高学年の子ども達の中には,体験型活動に飽き足らず,より本格的な英語学習・内容学習を希望する

声も出ていたが,それに十分応えられる体制が確立されていなかった

(5) 専科教諭だけでなく学校全体で「せかい領域」および「グローバル科」の内容を詰めていくことが必ずし

も十分ではなかった

(6) 連絡進学先からの報告によれば,入学直後においては態度面・情意面において附小出身者に若干の

先行が見られるものの,中等教育での英語の成績に対するはっきりした寄与は確認できなかった

これらはいずれも重要な点であり,毎時の授業の工夫といったレベルでは解消できないものである。そこ

で,附小においては,新たに,本稿の著者である大学教員と小学校教員によってプロジェクトチーム(Global

Education Promotion Project:GEP2)が結成され,「グローバル英語教育」の理念の整理と,新カリキュラムの

開発に着手することとなった。新カリキュラムは,前掲の 6 つの課題に一定の解決を図ることを狙いとしてい

る。

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-5-

3. 附小における英語教育・グローバル教育の方向性について

3.1 学校教育理念との整合性の強化

附小が所属する神戸大学では,「開放的で国際性に富む固有の文化の下,『真摯・自由・協同』の精神を

発揮し,人類社会に貢献するため, 普遍的価値を有する『知』を創造するとともに,人間性豊かな指導的人

材を育成」することを全学の使命と定義しており,教育憲章においては,全学の教育の目標として,「(1) 人間

性の教育」「(2) 創造性の教育」「(3) 国際性の教育」「(4) 専門性の教育」の 4 点を明示している。このうち,

英語教育と関係の深い(3)については,「多様な価値観を尊重し,異文化に対する深い理解力を有し,コミュ

ニケーション能力に優れた人間の育成」がめざされている。

こうした全学の理念に基づき,附小においては,「『グローバルキャリア人』としての基本的な資質の育成」

を教育目標としている。なお,「グローバルキャリア人」とは,「国際的視野を持ち,未来を切り拓く資質を身に

付けた人材」と定義している。また,附小は,具体的な「めざす子ども像」を, 「自ら進んで生活を築いていく

子ども」「国際的な視野と広い心を持ち,互いを尊重し合う子ども」「豊かな感性と探究的な思考力を働かせて,

文化を創造していく子ども」としている。

以上で概見した大学及び附小の理念をふまえると,附小の英語教育についても,単に 4 技能の指導にと

どまるべきではなく,多様な価値観の尊重・異文化への深い理解・優れたコミュニケーション能力の 3 つを兼

ね備えた「グローバルキャリア人」の涵養に寄与しうる方向での展開が期待されることになろう。この点をふま

え,このたびのカリキュラム改革において,従来,英語教育と呼んできたものを「グローバル英語教育」と呼び

代え,それを「附小グローバル教育」という親概念の下に再整理することとした。

3.2 附小の英語教育・グローバル教育の概念図

すでに述べたように,附小では,いわゆる英語教育を行う場として,第 2~3 学年用の「せかい領域」と第 4

~6学年用の「グローバル科」という 2つの枠組みを設定している。しかし,「『グローバルキャリア人』としての

基本的な資質の育成」は,これらの枠の中に留まるものではない。そこで,この点に関連する教育的介入を

以下のように整理することとしたい。

図 1 附小グローバル教育の構造図

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-6-

上図で明らかなように,まず,附小における「『グローバルキャリア人』としての基本的な資質の育成」にか

かわる全ての取組を「附小グローバル教育」と呼称する。その上で,主として英語教育を行う「せかい領域」と

「グローバル科」を合わせて「グローバル英語教育」と呼ぶことにする。

ここで重要なことは 2点ある。1点目は,「グローバル英語教育」が,独立して「附小グローバル教育」を担う

のではなく,あくまでもその構成要素の 1 つとして位置付けられるべきだということである。このことは,附小に

おけるグローバル教育が,英語担当者や専科教諭のみの所掌となるのではなく,附小全校を挙げて取り組

む課題であることを示している。表 2 は,附属幼稚園および附小の各年齢におけるカリキュラムである。 「せ

かい領域」と「グローバル科」は,多様な指導実践(初等初期の 10 視点カリキュラム,初等中期の 8 領域カリ

キュラム,初等後期の教科カリキュラム)と連携して,全体で「附小グローバル教育」を構成するものとなる。

表 2 附属幼稚園・小学校における指導内容の体系

初等初期 初等中期 初等後期

10視点 8領域 11教科+α

自分の生き方 すう・かたち 国語

人とのつながり しぜん・かがく 社会

健全なからだ からだ 算数

自然との共生 アート 理科

ものと現象 くらし・ちいき 音楽

感動の表現 ことば 図画工作

文字とことば せかい 家庭

数とかたち こころ 体育

豊かなくらし グローバル

世の中のしくみ 道徳

総合的な学習の時間

特別活動

2点目は,こうした教育が,理想的には神戸大学の関連校園である幼小中高大の 19年間を通じて,少なく

とも連結教育を行っている幼小 9 年間において,同じ理念の下で,連続的に実施されるべきものだということ

である。附小は,2013 年度より,文部科学省研究開発指定を受け,「幼稚園と小学校の円滑な接続に資する,

子どもの学びに着目した,幼児教育と小学校教育9年間を一体としてとらえた教育課程の大綱となる『初等教

育要領』の開発」の研究を行っている。この研究開発では,子ども達が,幼少期から自分と異なる他者とのか

かわりを持ち,共通点や相違点に出会うことを通して,社会に多様な他者が存在することを知り,他者を受け

入れ,認められるような心的態度の涵養を重視しているが,とくに,「自分の生き方」や「人とのつながり」に関

する社会的資質・能力は,幼小の 9 年間を通して一貫的に育むべきであるとされている。グローバル教育に

おいても,この理念を敷衍し,幼稚園から小学校につながる 9年間の枠組みの中で位置付けられる必要があ

ろう。

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-7-

4. 「グローバル英語教育」の新カリキュラム

4.1 一般の小学校英語との違い

附小が育成をめざす「グローバルキャリア人」とは,国際的視野を持ち,未来を切り拓く資質を身に付けた

人間である。つまり,単に英語の知識や技能を獲得するのではなく,それらを活用しながら,互いに尊重し合

い,自ら考え,行動できる子どもの姿の実現をめざしている。

この点を基本理念として強調するために,すでに述べたように,附小では,「英語教育」や「外国語教育」と

いう概念に代え,「グローバル英語教育」という独自の枠組みを設定し,その中に,第 2~3学年対象の「せか

い領域」と第 4~6学年対象の「グローバル科」という領域・教科を設定している。

いずれにおいても,現行学習指導要領上の「外国語活動」や新学習指導要領上の「外国語」及び「外国語

活動」に示された内容を遺漏なく取り扱うが,豊富な授業時数を生かして,これらに加えて,(1)他者への意識,

(2)世界の国々に対する理解の深化,(3)目の前の事象について自ら行動しようとする態度の育成につながる

多様な学習プログラムを盛り込む点で,附小の「グローバル英語教育」は一般の小学校英語教育と一線を画

するものとなる。

4.2 「せかい領域」と「グローバル科」の違い

附小では,過去の研究の蓄積をふまえ,子どもの発達段階を,初期(3~6歳(幼稚園~1年)),中期(7,8

歳(2,3 年)),後期(9~11 歳(4~6 年))という 3 つの段階でとらえている。各発達段階において,初期では

10視点,中期では領域,後期では教科による枠組みでカリキュラム編成を行っている。

これらをふまえ,「附小グローバル教育」,また,「グローバル英語教育」おいても,それぞれの発達段階に

応じて,「自」から「他」へと視野を段階的に拡張させていくことをめざしている。なお,ここでいう「他」とは,自

分以外の全ての「ひと・もの・こと」を指している。

図 2 「せかい領域」と「グローバル科」における「他者」視点の拡張

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-8-

図 3 「せかい領域」および「グローバル科」の位置付け

初期(3~6 歳)においては,英語にかかわる言語的側面よりも,多様なものの見方につながる身近な他者

との出会いを大切にするため,前述の「10 視点」からカリキュラムの編成を行い,「グローバル英語教育」の枠

組みには直接的に含めない。ただし,6 歳(1 年)は中期(7~8 歳)への移行段階ととらえ,10 視点カリキュラ

ムの中に,異なる言語に親しむ活動を取り入れることとした。これは 7 歳(2 年)から始まる「せかい領域」のプ

レ学習の性質を持つものである。

中期(7~8 歳)では,英語に親しむと共に,広く「せかい」のあり様に子ども達が触れ合うことを重視するた

め,「せかい領域」の枠組みで教育を行う。ここで言う「せかい」とは,地図上の狭い意味での「世界」に限定さ

れず,自分と異なる他者,自分を取り巻く環境を総称する。この段階では,子ども達にとって身近なものをきっ

かけに「せかい」へと目を向けられるよう,カリキュラム開発においては,世界の「食」「あそび」「住まい」「衣

服」といったトピックに焦点を当てるトピックスタディの理念で単元を組む。

後期(9~11 歳)では,英語力の確かな涵養に加え,世界地図的な意味での「国際社会」に対する意識を

向けられるようにするため,「グローバル科」の枠組みで教育を行う。ここでは,「世界」に対する基礎的な理解

の深化や,「世界」に積極的に貢献しようとする態度の育成をめざすため,「アジア」「アフリカ」「ヨーロッパ」と

いった具体的な国や地域に焦点を当てるエリアスタディの理念で単元を組む。ただし,9歳(4年)は中期から

の移行段階ととらえ,「せかい」と「世界」をつなぐべく,「日本・アメリカ・韓国の学校」「日本・カナダ・シンガポ

ールの買い物」など,トピックに焦点を当てながら扱う地域を限定するトピックとエリアのブリッジスタディとして

単元を組む。

4.3 「グローバル英語教育」におけるめざす姿と社会的資質・能力

「グローバル英語教育」において達成すべきゴールを明確にするため,以下の通り,めざす子どもの姿を設

定した。幼小 9年間の教育により,小学校卒業時点(11歳)において,以下の 9種の姿があらわれることをめ

ざす。また,それぞれの場面で主に発揮,伸長されると想定する社会的資質・能力は以下の通りである。

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-9-

表 3 「グローバル英語教育」がめざす子どもの姿と育成すべき社会的資質・能力

4.4 「グローバル英語教育」カリキュラム案

4.4.1 全体カリキュラム

以上の基本理念をふまえ,9 年間の教育課程における「グローバル英語教育」のカリキュラムを構想した

(末尾表 5参照)。このカリキュラムは 2018年度からの実践のベースになるものであるが,今後の国の動向や,

日々の授業実践からのフィードバックにより,柔軟に組み替える余地を残したものとしている。

基本的に,1年間に 4つの大単元(Unit)を学習する。35時間配当であれば 8時間程度,60時間配当であ

れば15時間程度をかけて1つの大単元を学ぶ。細切れの内容を一回完結で学ぶのではなく,時間をかけて

大単元を多角的に学習していくことで,英語指導や英語練習にとどまらず,関連するテーマについての内容

学習や,子ども達が自主的に行う調べ学習(文献調査,ウェブ調査,インタビュー調査など),また,発表活動

や交流活動などを幅広く取り込んでいく。

すでに述べたように,中期では「せかい領域」の枠組みでトピックに焦点をあてた単元が組まれ,後期では

「グローバル科」の枠組みでエリアに焦点を当てた単元が組まれている。これらを体系的に学ぶことで,すで

に図 2で示した視野の拡張が自然に起こるように配慮されている。以下は,大単元をまとめたものである。

めざす子どもの姿 発揮,伸長されると想定する社会的資質・能力

(1) せかい・世界に関心を持ち,もっと知りたいという

思いを持つ

(1’) 自ら決める・選ぶ,他者のことを知る

(2) それを他者に伝えたいという思いを持つ (2’) 自ら決める・選ぶ

(3) 伝えようとする相手の姿を想像する (3’) 他者のことを知る

(4) 伝える際に必要となる事柄について考え,理解

する

(4’) 他者のことを知る,他者のことを考えて行動する

(5) 伝える際に必要となる手段について考え,必要

な調査を実施する

(5’) 他者のことを知る,他者のことを考えて行動する

(6) 伝えるべきことをまとめ,正確で効果的な言語表

現の方法を考える

(6’) 自ら決める・選ぶ,自分のことを伝える

(7) 相手を意識しながら,実際の言語使用を行う (7’) 自分のことを伝える,他者のことを考えて行動す

(8) 相手とのやりとりを通して自身の理解を深め,今

ある問題を解決し,より良い世界を実現するため

の方策を考える

(8’) 他者のことを知る,他者のことを考えて行動する

(9) 可能な範囲で,考えた方策を実現にうつす (9’) 自ら決める・選ぶ,他者のことを考えて行動する

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-10-

表 4 「グローバル英語教育」カリキュラムにおける大単元構成

年齢 Unit テーマ(トピック/エリア)および単元題目

6歳(小 1) - (10視点カリキュラムの中での活動)

トピックスタディ(身近なトピックを通じてせかいを知る・感じる)

7歳(小 2) 1 【音・あいさつ】 Let’s be friends!

2 【生き物】 Let’s enjoy an animal quiz!

3 【遊び】 Let’s enjoy world games!

4 【祭り】 Let’s make a calendar with world festivals!

8歳(小 3) 1 【食】Let’s enjoy cooking!

2 【衣】 Let’s research on the world’s traditional costumes!

3 【住】 Let’s research on the world’s traditional homes!

4 【言葉】 Let’s make a word map!

トピック&エリアスタディ(トピックを切り口に複数の地域を比較して違いを知る)

9歳(小 4) 1 【学校(日・米・韓)】 Let’s compare our daily schedules!

2 【乗り物(日・英・カンボジア・エジプト)】 Let’s make a picture dictionary of

international public transport!

3 【スポーツ(オリンピック・パラリンピック参加国)】 Let’s play international sports!

4 【買い物(日本・カナダ・シンガポール)】 Let’s enjoy shopping!

エリアスタディ(世界の地域や国々について知り,視野を世界に広げる)

10歳(小 5) 1 【北米】 Who am I?

2 【南米】 What country is located on the opposite side of Japan?

3 【オセアニア】We are Australia’s tourist ambassadors!

4 【南アジア】What can we do for Bangladesh?

11歳(小 6) 1 【ヨーロッパ】Let’s say “Bonjour!”

2 【アフリカ】Let’s research on the human origin!

3 【東ヨーロッパ】 Who is a hero?

4 【アジア】 Welcome to Japan!

現行の小学校の教科カリキュラムでは,どの学校であっても,世界の国々の様子や文化について,十分な

時間を割いて指導することは難しい。この点において,附小の「せかい領域」と「グローバル科」は,子ども達

の世界に対する知見を深め,世界に興味を持ち,世界と積極的に関わろうとする態度や意欲を培う上で大き

な役割を果たせると考える。

附小における過去の実践も含め,従来の小学校英語教育では,ゲームやアクティビティが単発的に並べ

られるだけで,全体を通して教えるべき内容や子ども達が身に付けるべき内容についての指針が明確に定

義されていなかった。これに対し,新カリキュラムは,トピックスタディとエリアスタディを融合させることで,6 年

間(幼稚園を含めると9年間)の学ぶべき内容に一貫した筋を通し,それを基軸として各回の授業を組み立て

ていこうとするものである。このように内容を前面に出すことにより,表層的な英語のスキル指導との差別化を

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-11-

図り,内容と言語を同時に教えるCLIL型の授業への転換をめざしていきたいと考えている。常駐するALTと

英語専科教諭のチーム指導により,子ども達は,英語を主たるインプット言語として,様々なトピックや世界の

地域について知る。さらに,「調べ学習」を通して知識を確かなものとし,調べた内容を英語でまとめ,発表す

る。こうした経験の繰り返しこそが,附小のめざす「グローバルキャリア人育成」への確かな足場になるだろう。

5. おわりに

本稿では,附小における英語教育の変遷を示した上で,開発中の新カリキュラムの基本理念と概要につ

いて示した。このカリキュラムは 2018 年度から実際に運用が開始されるわけであるが,すでに述べたように,

実際の「子どもの姿」の見取りを通して,カリキュラムは不断に修正が加えられるべきものである。

今後,日々の実践を積み重ねる中で,カリキュラムの改善にかかわる知見を蓄積し,「グローバルキャリア

人育成」に資する,よりよいカリキュラム作り,授業づくりにつなげていきたい。

なお,本プロジェクトはいまだ道半ばである。今後,附小においては, (1) 英語の言語指導の側面(文字,

語彙,発音,4 技能,文型,文法),(2) 他の教科指導におけるグローバル教育の要素の導入,(3) 学校内の

諸活動とグローバル教育の総合的リンケージ,(4) 子ども達の「グローバルキャリア人」としての発達を評価す

るシステムの開発,(5) 附小教員の「グローバルキャリア人」に対する人材観と教育観の調査と意識のすり合

わせ(※先行調査済み),の 5点を優先課題として,調査と研究を継続していく予定である。

石川慎一郎・石田麻衣子・杉山はるか・𠮷田真由美 グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造

-12-

参考文献

石川慎一郎(2007)「L1/L2コーパスの解析に基づく児童英語教育のための語彙マテリアル抽出システムの

開発―小学校英語教育のための語彙選定の視点」『中部地区英語教育学会紀要』36, 317-324.

石川慎一郎(2016)「キーコンピテンシーを志向したカリキュラムデザイン」『神戸大学附属小学校研究紀要』4,

170-180.

石川慎一郎・冨田祐一・中嶋洋一(2010)『NHK:えいごルーキーGABBY』 NHK エンタープライズ/コロン

ビアミュージックエンタテイメント.

柏木治美・ 康敏・ 大月一弘(2006)「RFID タグを用いた英会話練習システムの試作および授業利用に関す

る一考察」『日本教育工学会論文誌』30(Suppl.), 77-80.

神戸大学発達科学部附属明石小学校・中学校(1994)『平成 5 年度研究開発実施報告書:小学校及び中学

校における教育の連携を深める教育過程の研究開発—第 1年次—』 神戸大学発達科学部附属明石小

学校・中学校.

神戸大学発達科学部附属明石小学校・中学校(1995)『平成 6 年度研究開発実施報告書:小学校及び中学

校における教育の連携を深める教育過程の研究開発—第 2年次—』 神戸大学発達科学部附属明石小

学校・中学校.

神戸大学発達科学部附属住吉小学校(1995)『研究紀要:生涯学習に生きて働く力の育成-教育実践 48』

神戸大学発達科学部附属住吉小学校.

神戸大学発達科学部附属住吉小学校(1996)『研究紀要:生涯学習に生きて働く力の育成Ⅱ〜「学ぶ意欲」

を高める支援を探る〜教育実践 49』 神戸大学発達科学部附属住吉小学校.

神戸大学発達科学部附属住吉小学校(1998)『研究紀要:これからの学校像をもとめて 生活を共にきりひら

いていく子どもにⅡ〜教育課程《すみよしプラン》の開発〜教育実践 51』 神戸大学発達科学部附属住

吉小学校.

神戸大学発達科学部附属住吉小学校(2000)『研究紀要:「学びの共同体」としての学校をめざして 教科等

の学習,総合学習をデザインする教師の在り方〜教育課程《すみよしプラン》の拡充〜-教育実践 53』

神戸大学発達科学部附属住吉小学校.

神戸大学発達科学部附属住吉小学校(2004)『子どもと教育』33. 神戸大学発達科学部附属住吉小学校.

神戸大学発達科学部附属住吉小学校(2007)『子どもと教育』36. 神戸大学発達科学部附属住吉小学校.

神戸大学附属小学校(2009)「神戸大学附属小学校カリキュラム」 神戸大学附属小学校.

神戸大学附属幼稚園・附属小学校(2017)『文部科学省研究開発学校研究開発実施報告書(平成 28年度第

4年次)幼稚園と小学校の円滑な接続に資する,子どもの学びに着目した,幼児教育と小学校教育 9年

間を一体としてとらえた教育課程の大綱となる「初等教育要領」の開発』 神戸大学附属幼稚園・附属小

学校.

文部科学省(2017)『小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック』

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1387503.htm(2018年 1月 10日閲覧)

段階

年齢

タイプ

単元

名学

習活

トピック⾳

,あ

いさ

つ⽣

き物

遊び

祭り

単元

名U

nit 1 Let's be friends!U

nit 2 Let's enjoy an animal quiz!

Unit 3 Let's enjoy w

orld games!

Unit 4 Let's m

ake a calendar with w

orld festivals!学

習活

動○

各国

の挨

拶を聞

く○

⾳の

感じを捉

えて

表現

する

○様

々な

地域

の有

名な

or珍しい

⽣き物

を知る

○動

物クイズ

をする

○各

国の

遊び

を知る

○遊

んで

みる

○各

国の

祭りを知

る○

祭りの

意味

を知る

〇世

界の

祭りカレンダー

を作る

想定

する

⼦ども

の姿

・ロシアは

強い

感じ,

フランスは

ふわ

ふわ

した感

じ,中

国語

はに

ぎや

かな

感じが

する

ね。

・それと⽐

べる

と⽇本

はまあ

るい

感じか

も。

・コンゴ⺠

主共

和国

やガ

ボンとい

うところに

は,

オカピとい

う動物

がい

るん

だって

。なん

だか

珍しい

動物

だね

。・オ

ース

トラリアといえ

ば,

カンガル

ーや

コアラが有

名だ

ね。

・同じじゃん

けん

でも

,インドネ

シアは

⼈と象

と蟻な

んだ

ね。

・インドのお

んどりず

もうも

⾯⽩

いね

。インドでは

⾝近

に鶏

を飼って

いる

のか

な。

・東南

アジアで

は,

⽔をか

ける

お祭

りがあ

るん

だね

。「お清

め」の

意味

があ

ったん

だね

。・リオ

デジ

ャネイロの

カーニバ

ルも

,宗

教的

な意

味が

ある

んだ

ね。

・⽇本

でも

いろ

いろ

な地

域で

お祭

りが⾏

われ

てい

るね

表現

例Hello/Hi/I'm

**/Goodbye/See you 【G3 1】How

are you?/I'm (happy) 【G3 2】

Good [morning/afternoon] 【G4 1】

When is your birthday?/M

y birthday is ** 【G5 2】

What's this?/Hint, please/It's **/That's right 【G3 8】

Are you **?/Yes, I am/No, I'm

not/Who are you?/I'm

**/Who am

I? 【G3 9】How

many ? 【G3 3】

Let's **/Yes, let's **/Stand up/Sit down/Stop/W

alk/Jump/Run/Turn around 【G4

2】Can you **?/Yes, I can/No, I can't/[I/You/He/She][can/can't]** 【G5 5】[He/She] is good at **/[He/She] is a good ** 【G5 9】

What day is it?/It's ** 【G4 3】

How do you spell ** 【G5 1】

NU

MB

ER

【G3 3】ALPHABET 【G3 6】

トピック⾷

⾐住

⾔葉

単元

名U

nit 1 Let's enjoy cooking!U

nit 2 Let's research on the world's traditional costum

es!U

nit 3 Let's research on the world's traditional hom

es!U

nit 4 Let's make a w

ord map!

学習

活動

○各

国の

伝統

料理

を知る

○材

料,

道具

,⼿

順な

どを知る

○可

能な

ら作って

⾷べ

てみ

○各

国の

⺠族

⾐装

を知る

○⾊

,素

材,

そこに込

められ

た意

味等

を知る

○可

能な

ら着て

みる

○各

国の

伝統

的な

住居

を知る

○材

料,

構造

の特

徴を知

る〇

簡易

貿易

ゲー

ムを

⾏う

○「翻

訳で

きない

世界

の⾔

葉」な

ど○

各地

域に

暮らす

⼈々

の考

え⽅

を想像

する

〇世

界の

⾔葉

マップを作る

想定

する

⼦ども

の姿

・イラン料理

には

,聞

いた

ことのな

いス

パイス

が使

われ

てい

るね

。・モンゴ

ル料

理は

⾁ば

っかりだ

︕野

菜は

取れ

ない

のか

な︖

・アフリカでは

トウモロコシや

いも

を主⾷

にして

いる

んだ

ね。お

⽶や

パン以

外の

国も

ある

んだ

ね。

・モンゴル

の⾐

装は

あっつ

ー。モンゴ

ルって

寒い

のか

な。

・アフリカのカンガ

は,

⼀枚

の布

なん

だね

。着る

のが

簡単

だし,

涼しそうだ

よ。・モンゴ

ルの

ゲル

って,

組み

⽴て

式な

んだ

ね。家

を持

って移

動す

るって

不思

議︕

・マサイ族

は⽜

糞で

家を作

るの

︕︖

びっくり︕

・北欧

では

⽊の

家が

多い

みた

い。⽊

が豊

富な

のか

な。

・「pisang zapra」って,

バナ

ナを⾷

べる

ときの所

要時

間の

ことなん

だって

。この地

域で

はよくバ

ナナ

を⾷べ

るの

かな

。・「侘

び寂

び」って

いう⾔

葉は

,英

語に

は無

いん

だって

︕⽇

本⼈

しか感

じない

のか

な。

表現

例I like **/Do you like **?/Yes, I do/No, I don't/I don't like ** 【G3 4】W

hat do you like? 【G3 5】Alphabet 【G4 6】W

here do you want to go?/I w

ant to go to **/Why?/I w

ant to [see/go to/visit]**/Iw

ant to eat **/I want to buy **/It's [exciting/delicious/beautiful/great/fun] 【G5 6】

トピック&エリア

学校

(⽇

本,

アメ

リカ,

韓国

)乗

り物(

イギ

リス,

カン

ボジ

ア,

エジ

プト,

⽇本

)ス

ポー

ツ(

オリン

ピック

・パラ

リンピ

ック参

加国

)買

い物

(⽇

本,

カナ

ダ,

シン

ガポ

ール

)単

元名

Unit 1 Let's com

pare our daily schedules!U

nit 2 Let's make a picture dictionary of international public

Unit 3 Let's play international sports!

Unit 4 Let's enjoy shopping!

学習

活動

○国

によって

学校

の様

⼦が

異な

ることを知

る○

学校

の特

徴を調

べ,

まとめる

○まとめ

たことを発

表す

○世

界で

様々

な乗

り物が

利⽤

されて

いる

ことを知る

○国

と乗り物

のつ

なが

りを⾒つ

ける

○乗

り物と⼈

々の

暮らしの

つな

がりを⾒

つけ

る○

乗り物

絵辞

典を作

○各

国で

有名

なス

ポー

ツにつ

いて

知る

○バ

ングラデ

ィシュ(

カバデ

ィ),

ミャンマー(

チンロン)

,フランス

(ペ

タンク),

⽇本

(柔

道)

の競

技に

つい

て知

る○

四つ

の競

技を試

す○

オリンピック・パ

ラリンピク競技

につ

いて

知る

○世

界の

スー

パー

マーケ

ットや市

場に

つい

て知

る○

特産

品を知

る○

お買

い物

ゲー

ムをす

想定

する

⼦ども

の姿

・外国

の学

校は

掃除

をしない

らしいよ。

・アメリカでは

学年

によって

先⽣

が決

まってい

るらしい

よ。・韓

国は

3年⽣

から英

語の

学習

をしてい

るよ。

・2階

建て

バス

は⼀

度に

たくさん

の⼈

を運べ

るよ。

・交通

量が

多くて

もトゥクトゥクな

らすい

すい

進め

そうだよ。

・鋭くとが

った⽯

が転

がって

いる

道で

もラクダは

歩い

たり⾛

ったりで

きるよ。

・その国

の暮

らしと乗り物

には

つな

がりが

ある

のだ

ね。

・様々

な国

で有

名な

スポ

ーツが

ある

んだ

ね。

・聞い

たことも

ない

スポ

ーツが

ある

よ。・同

じ競技

が異

なる

国で

⾏わ

れて

いる

ね。

・世界

には

⼭積

みに

なって

商品

が陳

列され

てい

ることが

ある

んだ

ね。

・その国

の特

産品

は⾯

⽩い

よ。・初

めて

⾏く国

だか

ら丁寧

にお

買い

物が

できる

といい

な。

表現

例I w

ake up at . / I eat breakfast at . / I go to school. / I go home. / I take a

bath 【G4 9】W

e have (教

室・場

所)

. 【G6 4】I study . 【G5 3】W

hat do you want to be?

I want to be a/an . 【G6 1】

What club do you w

ant to join? 【G6 9】

We have .

We can . 【G6 4】

What do you w

ant to watch? I w

ant to watch . I like . Are you good at

? Yes, I am./No, I'm

not. 【G6 6】W

hat would you like? I'd like . It's for . How

much? It's dollars. 【G5 8】

Where do you w

ant to go? I want to go to . W

hy? I want to . It's . 【G5

6】

エリア北

アメ

リカ南

アメ

リカオ

セア

ニア

南ア

ジア

単元

名U

nit 1 Who am

I? U

nit 2 What country is located on the opposite side of Japan?

Unit 3 W

e are Australia's tourist ambassadors!

Unit 4 W

hat can we do for Bangladesh?

学習

活動

○アメリカの

歴史

を知る

○アメリカに

暮らす

⼈々

を知る

○アメリカの

⽂化

を知る

○アメリカの

有名

⼈クイズ

⼤会

を開く

○ブラジ

ルで

暮らす

⼈々

を知る

○ブラジ

ルの

⾃然

を知る

○ブラジ

ルの

⽂化

を知る

○ブラジ

ルの

魅⼒

を伝え

○オ

ース

トラリアで暮

らす⼈

々を知

る○

オー

ストラリアの

⾃然

を知る

○オ

ース

トラリアの⽂

化を知

る○

オー

ストラリアの

魅⼒

を伝え

○バ

ングラデ

ィッシュに

暮らす

⼈々

を知る

○バ

ングラデ

ィッシュの

国旗

に込

められ

た思

いを知

る○

⽇本

とバング

ラディッシ

ュの関

係を知

る○

⾃分

たち

にで

きることを考

える

想定

する

⼦ども

の姿

・アメリカの先

住⺠

族は

インディアンだ

けれ

ど,どん

な⼈

たち

だった

のだ

ろう︖

・アメリカは建

国され

て250年

くらいだ

から⽇

本より新

しい国

なん

だね

。・⽇

本とアメリカは

昔戦

争をした

ことがあ

るよ。

・今は

仲の

よい国

なの

かな

・リオデ

ジャネ

イロオリンピックが

開催

された

国だ

よ。・サ

ンバが

有名

だか

ら陽気

な国

なの

かな

︖・⽇

本か

ら移り住

んだ

⼈が

たくさん

いる

よ。どうしてこん

なに

遠い

国に

移り住

んだ

のだ

ろう︖

・コアラやカンガ

ルー

がい

る国

だよ。

・アボリジ

ニーとい

う先住

⺠族

がい

たそうだ

よ。・毎

年交

換留

学を⾏

って交

流をして

いる

国だ

けれ

ど,知

らない

ことがまだ

まだあ

るね

・⽇本

の国

旗とよくに

た国

旗の

国が

アジアに

ある

よ。・とて

も貧

しい国

だか

ら⽇本

はとて

も援

助をして

いる

よ。・⾃

分た

ちに

も何

かで

きることは

ない

かな

表現

例I'm

from . / I like . / I can ○

○ . / I am

good at . / My birthday is

. / My nicknam

e is . / My favorite ◇

◇ is . 【G6 1】

Who is this?

He/ She is . 【G6 3】

What tim

e is it now, in ?

It is am/pm

.It's tim

e. 【G4-4】

This is .You can here. 【G6-4】I recom

mend this!

(Country name) is country.

What should I do?

I want to (do ). 【G5-6】

エリアヨ

ーロ

ッパア

フリカ東

ヨー

ロッパ

アジ

ア単

元名

Unit 1 Let's say "Bonjour!"

Unit 2 Let's research on the hum

an origin!U

nit 3 Who is a hero?

Unit 4 W

elcome to Japan!

学習

活動

○フランス

につ

いて

知る

○フランス

と⽇本

の関

係を知

る○

フランスの

⼈に

⽇本

をアピール

する

プレゼン⼤

会を開

○⼈

類の

進化

を知る

○⾃

分の

ルー

ツを探る

○⼈

類の

ルー

ツマップを作る

○杉

原千

畝さん

につ

いて

知る

○世

界に

貢献

した⽇

本⼈

につ

いて

探る

○ス

ピーチ

⼤会

を開く

○⽇

本に

伝わ

る伝

統⽂

化を知

る○

⽇本

の魅

⼒を外

国の

⼈に

伝え

想定

する

⼦ども

の姿

・オリンピックで

は⽇

本の

スポ

ーツで

ある

柔道

がとて

も強

いよ。

・⽇本

のアニメは

とても

⼈気

が⾼

いよ。

・フランスの

⼈た

ちは

⽇本

のことが

好きな

のか

な︖

・⾃分

たち

もフランス

のことが

好きに

なれ

るとい

いな

・⼈類

の起

源は

アフリカにあ

りそうだよ。

・エチオ

ピアからホ

モ・サピエンス

が発

⾒され

たとあ

るよ。

・エチオ

ピアってどん

な国

だろ

う︖・アウス

トラロピテクス

は南

アフリカから発

⾒され

たよ。

・⼈をた

どってい

くとみん

な⼀

つに

なる

よ。

・杉原

千畝

さんって

どんな

⼈だ

ろう︖

・多くの

ユダヤ

⼈を助

けた

⼈な

んだ

ね。

・杉原

さん以

外に

世界

で活

躍した

⼈って

どんな

⼈が

いる

のだ

ろう︖

・世界

中で

⽇本

の⼈

が活

躍して

いる

んだ

ね。

・⽇本

には

伝統

⽂化

がた

くさんあ

るよ。

・⽇本

に外

国⼈

観光

客が

もっとた

くさん来

て,

⽇本

の良

さを知って

もらえ

るとい

いな

表現

例This is .Do you know

this?W

e can .I recom

mend this!

This is .He/ She is m

y .He/ She is from

.He/ She can .

He/ She is (name).

He/ She is from .

He/ She is (occupation) .He/ She lived in .He/ She (した

こと) .I think he/she is . 【G5-9】

Welcom

e to Japan. In (summ

er), we have (firew

orks festival).You can enjoy [rakugo / hanam

i / tempura]. 【-G6 2】

We have . / W

e can ○○

. Japan is a nice country! 【-G6 4】

初期

中期

後期

Unit展開

○あ

いさつ

,歌

,簡

単な

ゲー

ムな

どを通して

,外

国語

を楽

しむ。

610視

点カリ

(移

⾏期

1)い

ろい

ろな

くにの

ひととで

あって

あそ

ぼう

※【 】内

は『Let's try︕

』『We can︕

』 構⽂

リストとの

対応

を⽰

す。G

は学

年(

⼩3〜

⼩6)

を⽰

す。  

How m

any **? 【 G3 3】Here you are/Thank you/You're w

elcome 【G3 6】

What do you w

ant?/Here you are 【G3-7】How

's the weather?/It's ** 【G4 2】

Do you have **?/I [have/don't have] ** 【G4 5】W

hat do you want?/ I w

ant **, please 【G4 7】

78

Topic Study

1011

Area Study

Topic X AreaStudy

移⾏

期2

9

表5 附小における「グローバル英語教育」カリキュラム(2018年2月版)

―13―


Recommended