+ All Categories
Home > Documents > 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English...

東北大学 工学部 - Tohoku University Official English...

Date post: 09-Mar-2020
Category:
Upload: others
View: 5 times
Download: 0 times
Share this document with a friend
12
仙台 S E N D A I 五橋駅 青葉通一番町駅 国際センター駅 川内駅 地下鉄東西線 JR仙山線 地下鉄東西線 宮城県美術館 仙台城跡 至古川 北仙台駅 広瀬川 西公園 広瀬川 定禅寺通り 仙台市 博物館 広瀬通り 青葉通り 南町通り 仙台国際 センター 宮城県庁 仙台市役所 片平キャンパス 片平キャンパス 青葉山新キャンパス 青葉山キャンパス 仙台駅 大町西公園駅 北仙台駅 勾当台公園駅 青葉山駅 JR仙石線 JR仙石線 JR東北本線 JR東北本線 川内キャンパス 星陵キャンパス N 2019年6月発行 ■青葉山キャンパス 大学本部及び研究所群(流体科学、電気通信、多元物質科学、等)があり ます。これらの研究所の研究室で研究に取り組む学生もいます。 医学部、歯学部、大学病院、加齢医学研究所等があります。 工学部関連では環境科学研究科と災害科学国際研究所等があり、 これらの部局の研究室で研究に取り組む学生もいます。 1・2年生が全学教育科目を学びます。またサークル活動の拠点と もなっています。 ■片平キャンパス ■青葉山新キャンパス ■川内キャンパス ■星陵キャンパス 工学部のメインキャンパスで す。2年生以降の専門科目を学 ぶ場であるとともに、3・4年生 及び大学院生が研究室で研究に 取り組みます。 東北大学工学部 入試広報企画室 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-04 TEL 022-795-5013 FAX 022-795-5824 Email: [email protected] https://www.eng.tohoku.ac.jp/ 伊達政宗を開祖とする城下町から発展、美しい自然の中に人口約110万の 近代的なたたずまいをもち、我が国で住んでみたい都市の筆頭に数えられています。 東北地方の中心都市、仙台 「杜の都」とうたわれる緑豊かな仙台。松島、蔵王、北上・阿武隈と風光明媚な自然に囲まれた地域。 一年を通じて比較的温暖で過ごしやすく、春夏秋冬、自然の美しさを満喫することができます。 四季を通じて過ごしやすい 明治40年に東北大学が我が国第3番目の帝国大学として設置されました。その向学の伝統と 幾多の業績とあいまって、仙台市は名実ともに我が国有数の学都としての文化をなしています。 歴史ある学都仙台 東京から東北新幹線「はやぶさ」で約1時間30分、大宮から約1時間と高速接続。地下鉄東西 線利用で、仙台駅から工学部キャンパス(青葉山駅)までわずか9分です。札幌、名古屋、大阪、 広島、福岡などの国内拠点に加え、韓国、中国、台湾に空路直結し国際化も進展。 抜群の交通アクセス 緑が溢れる街「せんだい」 東北大学工学部は2019年5月に 創立百周年を迎えました 機 械 知 能・航 空 工 学 科 電気情報物理工学科 化 学・バ イ オ 工 学 科 材料科学総合学科 建 築・社 会 環 境 工 学 科 北大学 工学部 2020 SCHOOL OF ENGINEERING, TOHOKU UNIVERSITY CHALLENGE FOR THE FUTURE アクセス マップ 各キャンパスについて 東西線 青葉山駅 (仙台駅から9地下鉄東西線 川内駅よりキャンパス直結 地下鉄南北線 北四番丁駅より徒歩で約15分 地下鉄東西線 青葉山駅より キャンパス直結 地下鉄東西線 青葉山駅よりキャンパス直結 仙台駅より徒歩で約20分
Transcript
Page 1: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

仙 台S E N D A I

五橋駅

青葉通一番町駅国際センター駅川内駅

線北南鉄下地

線北南鉄下地

地下鉄東西線

JR仙山線

東北新幹線

東北新幹線

地下鉄東西線

宮城県美術館

仙台城跡

至古川

北仙台駅

広瀬川

西公園

広瀬川 定禅寺通り

仙台市博物館

広瀬通り

青葉通り

南町通り

り通丁番二東

仙台国際センター

宮城県庁仙台市役所

片平キャンパス片平キャンパス

青葉山新キャンパス

青葉山キャンパス

仙台駅大町西公園駅

北仙台駅

勾当台公園駅

青葉山駅

仙台駅

JR仙石線JR仙石線

JR東北本線

JR東北本線

川内キャンパス

星陵キャンパス

N

2019年6月発行

■青葉山キャンパス

大学本部及び研究所群(流体科学、電気通信、多元物質科学、等)があります。これらの研究所の研究室で研究に取り組む学生もいます。

医学部、歯学部、大学病院、加齢医学研究所等があります。

工学部関連では環境科学研究科と災害科学国際研究所等があり、これらの部局の研究室で研究に取り組む学生もいます。

1・2年生が全学教育科目を学びます。またサークル活動の拠点ともなっています。

■片平キャンパス■青葉山新キャンパス

■川内キャンパス ■星陵キャンパス工学部のメインキャンパスです。2年生以降の専門科目を学ぶ場であるとともに、3・4年生及び大学院生が研究室で研究に取り組みます。

東北大学工学部 入試広報企画室〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-04TEL 022-795-5013 FAX 022-795-5824Email: [email protected]

https://www.eng.tohoku.ac.jp/

伊達政宗を開祖とする城下町から発展、美しい自然の中に人口約110万の近代的なたたずまいをもち、我が国で住んでみたい都市の筆頭に数えられています。

○東北地方の中心都市、仙台

「杜の都」とうたわれる緑豊かな仙台。松島、蔵王、北上・阿武隈と風光明媚な自然に囲まれた地域。一年を通じて比較的温暖で過ごしやすく、春夏秋冬、自然の美しさを満喫することができます。

○四季を通じて過ごしやすい

明治40年に東北大学が我が国第3番目の帝国大学として設置されました。その向学の伝統と幾多の業績とあいまって、仙台市は名実ともに我が国有数の学都としての文化をなしています。

○歴史ある学都仙台

東京から東北新幹線「はやぶさ」で約1時間30分、大宮から約1時間と高速接続。地下鉄東西線利用で、仙台駅から工学部キャンパス(青葉山駅)までわずか9分です。札幌、名古屋、大阪、広島、福岡などの国内拠点に加え、韓国、中国、台湾に空路直結し国際化も進展。

○抜群の交通アクセス

緑が溢れる街「せんだい」

東北大学工学部は2019年5月に創立百周年を迎えました

●機械知能・航空工学科

●電気情報物理工学科

●化学・バイオ工学科

●材料科学総合学科

●建築・社会環境工学科

東北大学

工学部 2020SCHOOL OF ENG INEER ING , TOHOKU UN IVERS ITY

C H A L L E N G E F O R T H E F U T U R E

アクセスマップ

□各キャンパスについて

東西線青葉山駅

(仙台駅から9分)

地下鉄東西線 川内駅よりキャンパス直結 地下鉄南北線 北四番丁駅より徒歩で約15分

地下鉄東西線 青葉山駅よりキャンパス直結

地下鉄東西線 青葉山駅よりキャンパス直結 仙台駅より徒歩で約20分

Page 2: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

君は未来を変えられるか

工学部長・工学研究科長

長坂 徹也

「未来への挑戦」とは、工学部・工学研究科がキャッチフレーズとして使っている言葉です。

挑戦のひとつは、現在、もしくは近い将来に社会が相当な確率で直面する様々な問題を

克服することでしょう。もうひとつの挑戦は、今までにない新しい価値を創造すること

です。工学は我々の生活と密着した領域であり、社会に大きなインパクトを与える価値

創造は、最も重要な挑戦のひとつと言えます。これらのことを実現するためのもうひとつ

の重要な挑戦として、自分自身への挑戦があります。来るべき「未来への挑戦」に勝利

するためには、精神力を鍛え、最大限の知識と能力を身に付けることが求められます。

学生の皆さん方が自分自身に挑戦することは、「未来への挑戦」の第一歩になります。

工学部・工学研究科は、そんな皆さんの「未来への挑戦」を精一杯支援します。

 東北大学工学部の設立は1919年。2019年5月には創立百周年を迎えました。東北

大学工学部は、創立以来、東北大学の建学の精神である『研究第一』『実学尊重』『門戸

開放』を体現し、私たちのくらしを変革する数多くの独創的な研究成果を生み出すと

ともに、日本を始め様々な国で活躍する研究者・技術者を社会に送り出し、世界の

工学分野をリードしています。

 東北大学工学部では、世界の第一線で活躍している教授陣と世界最高レベルの

教育・研究環境の下、日本中さらには世界中から仙台に集った優秀な学生がお互いに

刺激し合い、切磋琢磨して、「自らの新しい発想で科学技術を発展させ、未来の社会を

創造していく」人材となるべく、研鑽を積んでいます。とりわけ「研究」の面では、

指定国立大学ならではの充実した設備を使い教授陣と一緒になって、世界初の研究

成果を目指して研究に取り組みます。このことを通じて、世界の最先端を感じ世界で

戦う経験を学生のうちに積むことができるとともに、真摯に研究に取り組む姿勢が

涵養されます。

 東北大学工学部で出会う研究、師、そして友。新しく豊潤な出会いが、あなたの可能

性を拓き、未来を輝かせていきます。

仙台で、世界、そして未来と出会う。東北大学工学部が小中高生を対象に開催して

いる「東北大学サイエンスキャンパス」で活躍

している『TSコミュニケーター』のみなさん。

小中高校に科学技術の楽しさや研究開発の

ワクワクさを伝えています。

総合大学だからいろいろな友だちが

できるので

先生1人あたりの学生数が少ないので

オープンキャンパスで見た研究を自分も

やりたかったから

学生と先生との距離が近いと聞いたから

昔から東北大しか考えていなかった

就職状況がとてもよいから

自分の力で実現したい技術システムがあるから

工学のチカラで復興・防災に貢献したいから

「その研究をやりたいなら東北大がいい」と

企業の方に勧められたので

思いっきり研究できる環境が整っているので

研究室がたくさんあるので

自分がやりたい研究で世界トップなので

わたしたちが

東北大学工学部を

選んだ理由 旧帝大で指定国立大学でもあるので

将来はものづくりにかかわりたいと思ったから

学科が大くくりで、入学後いろいろ勉強してから自分の専門を決められるから

緑豊かなキャンパスが気に入ったので

将来行きたい会社に東北大からなら

就職できそうだから

一人暮らしできる大学に行きたかったので

留学の制度が充実しているから

東京から意外と近いので

0302

Page 3: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

東北大学工学部での学び 世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に貢献することができる人材となることを目指して

 工学部に入学すると、1年次から2年次前半は川内

キャンパスで、幅広い教養と基礎知識を身につけるため、

全学教育科目を中心に学びます。

 2年次後半以降は青葉山キャンパスで、各学科の研

究活動で必要となる専門教育科目を中心に学びます。

学科により異なりますが3年次前半から4年次前半に

なると研究室に配属され、その後卒業研究を行います。

セメスター:1年を2学期制としたときの半期(前期または後期)を意味します。各科目の履修期間を半期と

することをセメスター制といい、これによってそれぞ

れの科目を半期に集中して効率よく履修できるよう

になります。また、近年では、さらにセメスターを半分

としたクォーター制を利用する科目も増えています。

早期卒業制度:修業年限に至らずに優秀な成績で卒業要件単位を修得し、各系・学科が定める基準に達した

場合には、3年以上の在学をもって卒業を認めると

いう制度です。

工学部カリキュラム

学修レベル認定制度 ~工学教育院~

 工学は、人々の安全・安心、健康・福祉を向上させ、持続可能な社会・環境を構築する学問です。地球的規模で様々な課題に直面

する今日において、工学が果たすべき役割はますます大きくなっています。

 工学教育院が推進する学修レベル認定制度では、従来の「基礎学力」「専門学力」「語学(英語)力」に加え、これらを応用する

「課題解決/論理展開力」の到達度を評価します。さらに、知識や経験を総合的に用いる「価値創造力」を含め、学生個々の多様性

に富んだ個性・能力をプラスに評価します。5つの能力の到達度を定期的に数値化・可視化することで、『学生が自らを客観視

し、さらなる自己研鑽へと向かう』ための一助となることを目指します。

学生が主体的かつ継続的に学修に向かうための新しい評価

③課題解決 / 論理展開力

⑤価値創造力

大学院 工学研究科(18専攻)情報科学研究科(4専攻)環境科学研究科(2専攻)医工学研究科(1専攻)

大学院進学

学部

1年

2年

3年

4年

卒業研究 全学教育科目 専門教育科目

早期卒業制度

就職

 工学部では、東北大学の「研究第一」「実学尊重」「門戸開放」の理念のもと、自然・人間・社会についての深い知識と、国際社会の一員としての広い視野を持ち、互いに尊重し合い、自ら考え行動する、創造性豊かな人材を育成すること、そして、世界を先導する研究者あるいは技術者としての基礎を身につけ、我が国ひいては世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に貢献することができる人材を育成することを教育目的としています。 これを実現するため、右に示す知識と能力を学生に身に付けてもらうことを教育目標としています。

 工学部教育目的を実現するため、以下の知識と能力の涵養を教育目標とする。

1.自然現象や人間社会に関する幅広い教養や基礎知識を身につける。

2.工学共通の基礎知識と各専門分野に関する基盤知識を身につける。

3.上記の知識を基礎として、社会の課題を工学的に解決するため、下記の能力を身につける。(1) 課題を正確に理解する能力

(2) 課題に関連する情報や資料を収集し、要点を整理・把握する能力

(3) 課題解決のための実施計画を立案する能力

(4) 計画遂行のために必要な情報機器や科学機器を操作する能力

(5) 得られた結果を整理・分析し、論理的に記述し、結果に対し的確に対応する能力

(6) 課題の内容や結果を明確に発表する能力

(7) 発表内容に関する討論を行うためのコミュニケーション能力

(8) 他者と共同で課題に取り組むためのチームワーク能力

(9) 国際的な場で通用する基礎的な外国語能力

4.国際社会の一員として、異なる文化を理解し、尊重する能力を身につける。

5.研究者あるいは技術者として、工学と自然現象や人間社会との関わりを理解し、人類と社会に貢献する気概をもち、自発的に学習し、自ら考え行動する能力を身につける。

東北大学 施設・環境の案内

下宿・アパート

住まい

仙台は旧くより学都として親しまれ、市民は学生に理解が深く、下宿・アパート生活もしやすくなっています。東北大学では約85%が自宅外生で、うち約70%がアパート、学生ハイツ・マンション、約10%が学生寮、ユニバーシティ・ハウスを住まいとしています。

諸施設課外活動施設

体育館、野球場、グラウンド、陸上競技場、水泳プール、テニスコート、山小屋などを備えており、多数の学生が利用しています。

厚生施設

東北大学生協が運営する食堂、売店などが各キャンパスに設置されており、市価より格安で利用できます。

交 流学友会

全学の学生・教職員が構成員で、新

入生歓迎会、海上運動会、大学祭な

どを企画。文化部26サークル、体育

部48サークルが活動しており、国内

はもとより世界選手権などで活躍

する選手も所属しています。

学生寄宿舎

日本人学生が入寮できる学生寄宿舎は全部で11寮あり、学部新入学生が入寮できる寮は10寮(男子学生9寮、女子学生5寮)あります。すべての学生寄宿舎に共同の炊事設備があり、ユニバーシティ・ハウス

三条及び青葉山(平成30年10月入居開始)では、朝・夕食の食事提供も行っています。

川渡共同セミナーセンター

豊かな自然環境の中で起居をともにしながら研究、学習、演習などができます。5人以上のグループで利用でき、管理棟、講師棟、セミナー棟、体育館、宿泊棟計7棟があります。

 基礎学力と専門学力を基盤に課題の解決方法を見出す力は、研究開発の基本となります。課題解決には、実験結果や情報を整理し、論理的な思考と展開により結論を導き出し、次のステップへと歩み続けることが重要です。課題を捉える力、研究力、論理構成力、文章表現力、プレゼンテーション力などを、学部の演習・研修、卒業研修、修士セミナー、修士研修により評価します。

 対外的な交渉力を有した国際性豊かな人材が強く求められています。実践的な研究開発力、研究力を基盤とした戦略性、新しい社会システムや製品を生み出す力、将来的な展望と国際的な視点、技術や人を活かすマネジメント力、新しい価値を創出できる力などを備えた人材です。「価値を創造する力」を「創造性を発揮する力」として捉え、どのような能力が備わった時に創造性が発揮されるか?という視点で能力を判断します。学生が自主的に取り組んだ内容(多様性、社会性、国際性などを養うような科目履修、課外・学外活動など)を評価します。

②専門学力 基礎知識を活かし、各専門分野における研究を進めるために必要な専門知識を体系的に理解して活用可能な形で修得することも、大学・大学院における学修の重要な目的です。学科および専攻の専門科目を中心に、専門分野で必要とされる知識や能力が身に付いているかを、学部・修士の専門科目成績と各学科の専門基礎学力到達度を測定するレベル判定試験で評価します。

工学部教育目的 工学部教育目標

④語学力(英語) 研究活動は、国際的な競争社会の中で展開されており、国際的な情報発信力やディベート力、コミュニケーション力は欠かせない能力です。そのためにも英語運用能力の強化は必須であり、継続した学修姿勢と手段を身に付けることは重要です。英語運用能力を外部試験であるTOEFL ITP®により評価します。

①基礎学力 大学生としての幅広い教養を身に付け、各々の専門分野を切り開くための基礎能力、さらには大学院以降での研究活動に活用できる基礎学力を備えることは大変重要なことです。全学教育科目として履修した教科内容が身に付いているか、個々の教科で学んだ内容を総合して活用する力が身に付いているかを、全学教育科目の成績と理数系基礎学力到達度を測定する統一テストで評価します。

04 05

Page 4: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

 二十一世紀の豊かで安全・安心な人類社会を構築するために不可欠なもの創りの基本となる知識と技術の集大成が機械工学であり、機械の構造設計と材料の選定、その製造・加工方法の開発、品質や信頼性の設計と評価などに活用されています。機械知能・航空工学科では、最初に機械工学の基礎学問である材料力学、流体力学、熱力学、機械力学と制御工学を学びます。さらに学科内に設置された1)機械システムコース、2)ファインメカニクスコース、3)ロボティクスコース、4)航空宇宙コース、5)量子サイエンスコース、6)エネルギー環境コース、7)機械・医工学コース、8)国際機械工学コースにおける卒業研究を通し、機械工学における新たな知識や技術を創造する方法論を修得いたします。このように身につけた機械工学の基礎学力を駆使することによって、大学院では世界をリードする独創的な研究成果を産み出していくことが可能となります。

 機械知能・航空工学科では、8

コース(機械システム、ファインメ

カニクス、ロボティクス、航空宇宙、

量子サイエンス、エネルギー環境、

機械・医工学、国際機械工学)に

分かれ、学生個々の志向に応じた

高度専門教育を展開。入学した皆

さんが次世代のリーダーとして活

躍できるよう、きめ細かな学修体

制を用意しています。

機械知能・航空工学科のコースと

研究キーワード

Department of Mechanical and

Aerospace Engineering

機械知能・航空工学科

「社会を変える学び」に挑戦しませんか

機械知能・航空工学科長

湯上 浩雄 教授

 世界は政治的にも経済的にも激動の時代を迎えています。AIの発達で多くの

職業が無くなるのではないかとも言われています。大企業に就職すれば一生安

泰という古き良き時代の再来は期待できないでしょう。このような大きな変化

が起きている時代を生き抜く力をつけることが「学び」の本質です。学ぶことで

「自分の価値観や考え方の原点」をしっかりと持ってほしいと思っています。

その「原点座標」が激動の時代を生き抜く力となると信じています。「役に立つ学

問を」という声が聞こえます。機械工学には、当然、人類社会の幸福のために役に

立つ技術を提供する使命が有ります。しかし、私たちは「いま直ぐに役立つ学問」

ではなく「将来社会を変えていく学問」を身につけて欲しいと願っています。

私たち機械知能・航空工学科に所属する教員は困難な課題に挑戦する研究を

続けています。素晴らしい未来を目指して私たちと一緒に挑戦してみませんか。

 みなさんが機械と聞いて思い浮かべるものは大空を飛ぶ飛行機や、工場で働くロボットといったものかもしれません。しかし、本学科ではそういったものにとらわれず様々な研究が盛んに行われています。私が所属している研究室では髪の毛の1/1000程度しかない分子を人間の意のままに操れないかと日々努力をしています。3年次には学生がチームを組んでオリジナル分子の設計について研究・発表を行うBIOMODという国際大会に出場し、優勝することができました。世界と渡り合えるような研究を一緒にしてみませんか?

 機械工学というとロボットを思い浮かべることが多いと思いますが、医療やエネルギーなど様々な分野で使われ、私たちの生活には欠かせない技術です。機械知能・航空工学科では、社会の幅広いニーズに対応した様々なコースがあり、自分の興味を持った分野について高度な知識を学ぶことができます。最先端の分野で活躍される先生方や切磋琢磨する仲間とともに、世界に目を向けた研究をするのはとても刺激的です。ぜひ皆さんも充実したカリキュラムで学び、活躍の幅を広げてください。

高度な機械システムや環境適合性に優れたエネルギーシステムの未来を拓く

機械システムコース

●●●●

機械機能創成知的デザイン知能システムエネルギーシステム

未知なる原子・分子レベルの精密システムにチャレンジ

ファインメカニクスコース

●●●●

ナノ流動ナノ計測極限流体ナノテクノロジー

高度なロボットシステム・ナノシステムで人類の未来を切り拓く

ロボティクスコース

●●●●

ロボットシステム人と機械の協調高度画像処理マイクロ・ナノ工学

高度な技術開発に挑み次世代航空宇宙機開発に貢献する

航空宇宙コース

●●●

航空システム宇宙システム次世代航空機

●●深宇宙探査機超小型人工衛星

量子科学のエネルギー応用、医療応用の高度化を目指す

量子サイエンスコース

●●●●

核融合炉システム・材料放射線医療分析診断応用加速器粒子ビーム応用高度先進原子力システム

エネルギーと地球環境を考え、真のサステイナブルへの道を探る

エネルギー環境コース

●●●

地殻エネルギー抽出地殻環境技術資源リサイクル

●●エネルギーシステム環境修復

生体の仕組みを機械に活かし、医療・看護・福祉の革新を導く

機械・医工学コース

●●●●

生体機能創成医用マイクロ・ナノテクノロジー生体シミュレーションバイオ医療デバイス

国際機械工学コース(国際共修型コース)

TOPICS 学科トピックス

渡部 光太郎 さん (鈴鹿工業高等専門学校出身)機械知能・航空工学科 4年

松本 祐子さん (沼津工業高等専門学校出身)

沼津工業高等専門学校 准教授

社会に不可欠な

最先端技術を学ぶ

東北から世界へ

Message

De

pa

rtme

nt o

f Me

ch

an

ica

l an

d A

ero

spa

ce

En

gin

ee

ring

先輩からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

夢を形にするチカラを身につけよう!

 東北大学工学部機械知能・航空工学科は、日本一の機械工学科として更なる教育研究の質の向上に努め、国際的なトップクラスの教育研究拠点を目指して教育のグローバル化に力を入れています。全英語化した国際機械工学コースIMACが開設されてから8年目になり、2017年度より日本人を対象としたグローバル入試を導入し、英語教育を基盤とした国際共修型コースを実現し、世界中の優秀な留学生が集い交流する環境を備えています。また国際共同大学院への進学など道が用意され、多様な価値観、広い視野を持つ世界を舞台に活躍する研究者・技術者を育成します。

空飛ぶ消火ロボット:ドラゴンファイヤーファイター

教育のグローバル化を推進。国際共修型コースも設置。

 田所研究室/昆陽研究室/多田隈研究室では、水を噴射して空中に浮上し建物内に突入できる空飛ぶ消火ホース型ロボット「ドラゴンファイヤーファイター」を開発しています。火元に直接放水することで迅速な消火が期待されます。また、遠隔制御により、安全に消火活動を行うことができます。他にも空気を噴射して浮上するヘビ型ロボットや、柔軟な体をもつソフトロボットなど、革新的な技術により、実社会で役立つロボットを研究開発しています。

 堀切川・柴田研究室/山口研究室では、「地域に根差し世界を目指す研究」、「夢の実現を目指した研究」をモットーに、米ぬかを原料とする炭素材料RBセラミックス、世界初の油を使わない軸受やチェーン、摩擦駆動タイプの電動車いす、すべりにくい靴や自転車用ハイグリップタイヤ、ハイグリップランニングシューズなど、一般工業分野に限らず、医療・福祉、スポーツ分野などの独創的開発製品を100件余り開発・実用化してきています。

地上に太陽を!核融合炉の実現に挑む 究極のエネルギー源・核融合炉は、最先端科学技術の結晶であり、日本が主導する研究分野です。特にダイバータと呼ばれる機器は、ロケットエンジン燃焼環境を遥かに凌駕する高熱負荷環境にあります。量子サイエンスコースの橋爪・伊藤・江原・程研究室/橋爪研究室/長谷川・野上研究室/笠田・近藤研究室では、研究室間で連携しながら、先進核融合炉システム設計、境界層プラズマ高度制御、極限環境材料開発、を行い、課題解決に取り組んでいます。

米ぬかセラミックスからハイグリップランニングシューズまで

新たな社会の創造にむけて知の礎を築く多彩な留学生たち

世界初の空飛ぶ消火ホース型ロボット

研究室メンバーと開発品

ダイバータの極限環境模擬実験

世界中から集まる学生達が、英語で教育と研究指導を受けるコースで、研究は上記7コースに分かれて行います。

06 07

Page 5: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

 省資源・省エネルギー社会、高度情報化社会、高度医療福祉社会の実現に向けて、電気・情報・物理工学の分野の研究者・技術者は社会のあらゆる領域で必要とされており、就職先も様々な分野・業種に渡ります。 「八木・宇田アンテナ」「光通信3要素」「垂直磁気記録方式」の開発を始めとして、電気・情報・物理工学の分野で東北大学は世界の研究をリードし続けてきました。現在も、世界有数の重要な研究拠点と位置づけられています。 電気情報物理工学科はこの分野の学部教育を担い、電気工学、通信工学、電子工学、情報工学ならびに応用物理学に立脚し、次世代エネルギーシステムや宇宙電気推進機、将来の情報通信システムやヒューマンコミュニケーション、ナノテクを駆使した機能性材料・素子、人工知能やビッグデータ科学、電子技術の医療・福祉応用などの研究を通じて、中核・専門的技術者としてのリーダー人材に必要な研究能力や知識、人とのネットワークを育みます。

 電気情報物理工学科では、電気・

情報・物理の基礎学問を着実に修

得するとともに、2年生前期終了時

には6コース(電気工学、通信工学、

電子工学、応用物理学、情報工学、

バイオ・医工学)に配属され、コー

スごとの専門性の高いカリキュラ

ムによる教育を受けます。3年生後

期には研究室に配属され、卒業研

究として一人ひとりが世界最先端

の研究に挑戦します。

電気情報物理工学科のコースと

研究キーワード

未来の社会を創り出す力を育む

Department of Electrical, Information,

and Physics Engineering

電気情報物理工学科

「2050年宇宙の旅」への“いざない”

電気情報物理工学科長

教授

 「2001年宇宙の旅」という映画をご存知でしょうか。1968年に公開されたスタン

リー・キューブリック監督のSF映画です。2001年は今から18年前になりますが、当

時からすれば30年以上未来のはなしです。そこでは(HALという名の)コンピュータ

が人間と対等に会話し全ての機器を制御するなど、紛れもなく技術の方向性が予言

されています。「人間が頭で考え得ることは全て実現できる」。ご存知アインシュタイ

ンの言葉です。確かに産業革命以降の技術はおおむね人間が望む方向に発展してき

ているといえそうです。折しも近未来の目指すべき社会として「超スマート社会」が

提唱されています。AIを軸にIoTを中心とした文字通りの“賢い”社会をイメージすれ

ばいいでしょう。当学科は正に「超スマート社会」を支える基礎研究とその将来を担

う人材の育成を最大のミッションとしている学科です。物理工学を基にした材料開

発やデバイス設計技術(ハードウェア技術)、通信技術やシステム工学、情報工学など

のソフトウェア技術、さらに医工学まで含め、超スマート社会に向けての知の創製と

伝承を旨としています。30年先の未来を予言する旅に参加してみませんか。

 電気情報物理工学科では、エネルギーや電子部品、ソフトウェアなど、現代の暮らしに不可欠な電気に関する知識を身につけることができます。この学科の魅力は学べる分野が広いことだと感じています。半導体から流行りの人工知能まで多岐にわたる分野を勉強できます。例えば私は、制御工学や生物学を学び、生物のように動くロボットを作る研究室で、ネコのように綺麗に走るロボットの創成を目指して研究をしています。きっと自分が楽しめることを見つけられる環境です。一緒に楽しく、新しいものを作り出していきませんか?

 スマートフォン、VR、AI、自動運転車など、技術の発展と共に、目まぐるしいスピードで世界は変化しています。本学科は、未来を創っていく上で根幹となる最先端技術を幅広く学ぶための環境が整っています。 私は大学卒業後、NTT西日本に入社し、ビックデータやAIを用いて従来の仕事のやり方を抜本的に変える仕組みを創る仕事をしています。常識や手段にとらわれない柔軟な発想や行動は、学生時代に幅広い分野で根幹となる技術を学び、様々なことに興味を持ってきた賜物だと思っています。杜の都・仙台の恵まれた環境で最先端技術を学び、日本の未来を共に創っていきましょう!

電気エネルギーの有効活用で豊かな地球環境を目指す

人と人、人と機械のコミュニケーションの未来を目指す

スマートライフを拓く最先端エレクトロニクスを創造する

物理学を土台としたナノテクノロジーの創造を目指す

高い信頼性と性能を持つコンピュータシステムの実現を目指す

人にやさしく、かつ高精度な診断・治療技術の実現を目指す

応用物理学コース

情報工学コース

バイオ・医工学コース

電気工学コース

通信工学コース

電子工学コース

基礎物性物理超伝導・熱電材料生体分子モータナノテクノロジー

電力ネットワーク次世代移動体・宇宙電気推進機次世代エネルギーシステムグリーンエネルギーデバイス

人工知能ソフトウェア工学次世代ネットワークビッグデータ科学

人工臓器生体情報処理がん診断・治療リハビリテーション

超高速無線通信光ネットワークコンピュータビジョン音声コミュニケーション

イメージングエレクトロニクスフレキシブル・光エレクトロニクスプラズマ・ナノバイオエレクトロニクス半導体・スピントロニクス材料

TOPICS 学科トピックス

小泉 幸煕さん (宮城県仙台第一高等学校出身)

電気エネルギーシステム専攻 博士課程前期2年

酒井 康将さん (愛知県立刈谷北高等学校出身)

西日本電信電話株式会社 技術革新部

最先端技術で

未来のあたりまえを

創る

視野をひろげ、

楽しく創造する

Message

De

pa

rtme

nt o

f Ele

ctric

al, In

form

atio

n, a

nd

Ph

ysic

s En

gin

ee

ring

先輩からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

佐久間 昭正

 遠藤哲郎教授の研究グループは、キャッシュメモリ用途としては世界最大容量の128MbSTT-MRAMの開発に成功し世界最速の書き込み動作(14nsec)を実証しました。加えて、当該技術を応用し、200MHzの演算能力と50μW以下の超低電力を両立するマイコンの開発に成功しました。この成果は、システム性能を決める演算性能/消費電力比を1000倍向上させるもので、IoTやAIなどSociety5.0での社会実装が大きく期待されています。なお、本研究は、内閣総理大臣を議長とする総合科学技術・イノベーション会議が所管する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)での支援が決まり、更なる技術の高度化が始まっています。

 タラのオスはメスの約2倍の価格で取引されますが、外見では鑑別がつきません。西條芳文教授らの研究グループは、人間の身体の中を観察する超音波診断装置を超小型化しAIを適用して自動診断することで、誰でも簡単にオス・メスの鑑別ができる装置を地元企業と共同開発し、気仙沼漁港でその性能を実証しました。漁業にIoTを導入することで、若者の参入を促し、被災地の産業復興に貢献することが期待されています。

 安藤康夫教授らのグループは心臓や脳など生体からの磁場を簡便に計測する高感度の磁気センサを開発し、これを提供するベンチャー企業を立ち上げました。心筋梗塞やてんかんなど高度医療を必要とする診断から予防まで幅広い応用が期待されます。

 高橋和貴准教授・安藤晃教授、オーストラリア国立大学の研究グループは、無電極プラズマ推進機(ヘリコンスラスタ)から双方向に噴射されるプラズマ流を制御することで、地球周辺を周回するスペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去が可能となることを室内原理実証実験で明らかにしました。スペースデブリの除去法はいまだ確立されておらず国際的な問題となっています。ヘリコンスラスタは大電力・長寿命推進機として期待されていることに加え、今回の実験により大型デブリの除去が実現できる可能性が見出されました。今後本格的な開発を進めていく予定です。

08 09

Page 6: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

 本学科は学科設立以来100年にわたって多数の優れた研究成果を生み出してきました。液体アンモニア化学の確立、排煙脱硫プロセスの開発、化学工学で有名な「八田ナンバー」の提出など、世界を先導する業績には枚挙にいとまがありません。そして現在もなお、独創的な発明と発見により世界の化学とバイオをリードしています。 本学科の教育プログラムの最大の特徴は、こうした学科創設以来の伝統とともに培われてきた「一体教育」にあります。これは、3年次までの学科の3コース(応用化学、化学工学、バイオ工学)のカリキュラムを融合させ、学生が自分の適性を見極めながら専門に進むことができるようにしたものです。「化学」に深く根差したバイオ教育をはじめ、「一体教育」を通じて「化学」のあらゆることを広く学ぶことができます。高い意識と意欲をもつ学生諸君が本学科で学び、かけがいのない未来を創り出す「オールラウンドプレーヤー」として飛躍することを期待します。

 化学・バイオ工学科では、応用化学・

化学工学・バイオ工学の3コースが

設置され、3年次までは3コースの

内容を融合した「一体教育」が行わ

れます。この「一体教育」を通じて、

物質の最小構成単位である原子・分

子に基づいて物質交換や生体情報を

理解し、望む機能を持つ物質を自在

に設計・創り出し、それらを工業的に

生産するためのシステムを開拓する

柔軟かつ優れた対応能力を持つ人材

「オールラウンドプレーヤー」を育成

します。

化学・バイオ工学科のコースと

研究キーワード

「カタチ」ある ところに 化学あり!

Department of Applied Chemistry,

Chemical Engineering and

Biomolecular Engineering

化学・バイオ工学科

モノにココロを宿す未来のカタチづくり

化学・バイオ工学科長

梅津 光央 教授

 化学Chemistry(ケミストリー)の語源は、錬金術Alchemy (アルケミー)です。

「物質世界を意のままに」を夢見て錬金術がたどり着いた化学は、単なる物質だ

けでなく生物も「原子」「分子」という言葉を使って理解し、様々なインフラスト

ラクチャ―に機能を宿す物質や、生命に新しい機能を宿して病気を治す医薬品

を創りだしてきました。私たちの化学・バイオ工学科では、有機・無機・バイオの

3つを同じ立場で理解し、それら物質を工学的な目で自在に使いこなすオール

マイティーな学生の育成を目指しています。この世界的にもユニークな「一体教

育」で育った卒業生は、化学企業だけでなく、自動車、インフラ、環境、食品、ヘル

ス、製薬企業など幅広い分野で活躍しています。機能というイノチを吹き込む化

学の「モノづくり」と工学の創りあげるチカラ「プロセッシング」を掛け合わせ

て、一緒に新しい未来のカタチづくりをしていきましょう。

 私が本学科を志望した理由は、化学が好きだったことと、将来はものづくりに関わりたいという漠然とした憧れがあったからです。本学科の良いところは、化学工学から応用化学、バイオ工学まで非常に幅広く学べる点です。また演習や研修、基礎実験などが充実しており、自分の手を動かす機会がたくさんあります。高校の化学よりも一歩踏み込んだ化学を学ぶことは大変なときもありますが、ものづくりにつながることを実感できたときは、大きなやりがいを感じます。豊かな自然に恵まれた東北大学は、研究に打ち込むのに最適な環境です。皆さんも杜の都仙台でものづくりにつながる化学を究めませんか?

 私は、誰もが望む「健康であること」に貢献できるサイエンティストになりたいと思い、6年前に研究職として製薬会社に入社しました。近年開発される薬の候補は、従来の低分子化合物だけでなくタンパク質、核酸をはじめ細胞、ウイルスに至るまで非常に多様化しています。本学科ではバイオロジクスだけでなくあらゆる化学を学べるため、どんな薬の候補に対しても知識をもって対応できるようになったことは、今の自分が研究する上で大きなメリットになっています。皆さんも本学科であらゆる化学のスキルを身につけて、あなたのなりたい自分をつくりあげてみませんか?

バイオ工学コース

応用化学コース

化学工学コース

高機能触媒薄膜工学ファインセラミックス光機能材料燃料電池センシング

抗体医薬再生医療イオンチャネルタンパク質工学遺伝子工学生体触媒

燃焼科学コンピューターシミュレーションバイオマス利活用グリーンプロセス超臨界流体

資源化学環境化学マイクロ波二次電池ナノ構造体

細胞デバイスバイオセンシング生体高分子有機合成分子認識化学

精密分離ライフサイクルアセスメント宇宙環境利用数値流体力学機能性ナノ粒子・薄膜

TOPICS 学科トピックス

田中 美帆さん (岩手県立盛岡第三高等学校出身)

化学工学専攻 博士課程前期2年

細川 勝洸 さん (新潟県立新潟高等学校出身)

田辺三菱製薬株式会社 創薬本部モダリティー研究所

あらゆる化学で

なりたい自分を

つくろう!

ものづくりに

つながる化学!

Message

De

pa

rtme

nt o

f Ap

plie

d C

he

mistry

, Ch

em

ica

l En

gin

ee

ring

an

d B

iom

ole

cu

lar E

ng

ine

erin

g

先輩からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

原子・分子レベルで物質構造を解析し、分子設計に基づく高機能物質・新素材の合成や高感度分析法の開発、資源・エネルギー化学や環境保全技術等に関する研究を実施

化学が関わる様々な製品を新たに作り出す手法や技術の開発に加え、持続可能な社会の実現に貢献する低エネルギー・高効率の先駆的化学プロセスを創造する研究を実施

分子の視点から生物の仕組みを解明すると共に、工学ならではの展開として、それらを利用・模倣した物質変換、バイオ医薬品合成、治療システムの開発等の研究を実施

「微粒子を集めて創る」新しい機能性材料作製法の開発(長尾研究室) 化学工学コースでは、化学やバイオが関連する様々なモノ(製品)の作り方について研究しています。製品の中核をなす材料の機能は、その化学組成や分子構造で主に決まるとされてきました。そのため従来の機能性材料の開発は原子・分子の視点(Å (= 0.1 nm)程度の尺度)で進められてきました。これに対して我々は、数10 nm ~1μm程度の「大きさの揃った微粒子」を原子・分子に見立て、それを2次元/3次元で組み上げて創る新しい材料創製法について研究しています。この手法を使えば、原子・分子を単に混ぜただけでは得られない新しい機能を創出できるようになります。例えば、図中のゴルフボール型粒子が液中で集まると、ヘビのように「くねくね」と動く新しい構造体を作ることができます。

固体触媒による二酸化炭素からの有用化学品合成(冨重研究室) 触媒は特定の化学反応を著しく促進させ、通常では反応しない物質の変換を可能にする物質で、持続可能な社会の実現には必要不可欠と考えられています。応用化学コースでは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を化学原料とみなし、他の原料と反応させることで付加価値の高い化学品への変換を可能とする固体触媒の開発を行っています。二酸化炭素と反応させる原料をバイオマス由来の原料とすることで、グリーンポリマーの合成への展開も期待されています。これらの技術によって、温室効果ガスの排出量削減につながる二酸化炭素の固定化に貢献します。

人工知能&人工進化技術によるバイオ医薬の開発(梅津研究室) DNAに刻み込まれた遺伝子の情報から一番初めに創りだされるタンパク質は、様々な産業で活躍しています。特に医薬分野では、副作用が小さく治療効果が高い医薬品をつくることができるため、世界的に激しい競争がおきています。2018年のノーベル化学賞には、自然界でおこる進化を試験管の中でまねて自分の好きな機能をもつタンパク質を創りだす「進化分子工学」の研究が選ばれ、生理学・医学賞は免疫細胞にブレーキがかからないようにする抗体タンパク質の医薬品開発につながる研究でした。バイオ工学コースでは、進化分子工学と人工知能の技術を組み合わせることで、これまで1年かかったタンパク質の開発が1ヶ月で終わる技術の開発や、これまでよりも1000倍もがん細胞の殺傷作用がある抗体タンパク質を創りだしています。

廃棄物を資源に転換する新しい化学リサイクルプロセスの開発(吉岡研究室) 廃棄物に様々な化学的アプローチを駆使することで、天然資源の代替となる「新たな資源」に生まれ変わらせる新規な化学リサイクルプロセスの開発を行っています。近年、例えば、図のイメージに示すように、多種多様なポリウレタン廃棄物を化学原料である合成ガスに転換する熱分解プロセスや、廃自動車から発生する使用済みワイヤーハーネスから高品位の銅および樹脂被覆材を回収する新規剥離技術の開発に成功しています。このような取組みを通じて、私たちは、資源・物質循環型社会の実現を目指しています。

緑色に光るタンパク質を黄色に変える!

AI&進化分子工学による新機能タンパク質の開発

種々ポリウレタン廃棄物を合成ガスに転換する熱分解プロセス

1110

Page 7: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

 美しいディスプレイの携帯端末、環境に優しい燃料電池など、新しい工業製品が実現するためには必ず「新材料」の開発が必要です。実際に、材料は石器時代・鉄器時代など文明を区別する重要なキーワードであり、新しい時代を創造する主役です。材料科学総合学科では、材料の性質を物理的・化学的に研究し、宇宙航空・情報高度化・環境保全・生体・エネルギーなどの分野で利用できる素材・システム・製造プロセスに関して探索・設計・評価方法を総合的に学びます。 本学科は、金属フロンティア工学・知能デバイス材料学・材料システム工学・材料環境学の4コースからなり、国内最大規模の材料科学系総合学科として活発な教育研究活動を行っています。その成果は世界的に広く認められ、材料科学系論文の被引用数では国内大学1位を維持しています。

 材料科学総合学科では、2年次

から工学基礎科目と材料物理化学

などの材料基礎科目を学習します。

3年次は、固体物性論や材料システ

ム力学など材料科学に関する応用

専門教育科目を学習します。4年次

には、研究室に配属され、卒業研究

でこれまで学んだ知識を応用する

ことになります。

材料科学総合学科のコースと

研究キーワード

Department of Materials Science

and Engineering

材料科学総合学科

挑戦の伝統と総合力の継承

材料科学総合学科長

三原 毅 教授

 材料科学総合学科では、新しい教育研究棟、材料実験棟において、世界に類を

見ない豊富な教授陣による実践重視の教育プログラムにより、金属、セラミッ

ク、高分子、さらにこれらの複合材料等、広範な材料に関して、世界最高水準の教

育を提供しています。

 材料は、基幹産業を支え、新しい産業や製品を生み出す基盤であり、画期的工

業製品が、材料の学術研究・開発から生まれています。日本の材料工学の国際水

準は世界のトップに位置しますが、東北大学がその中核として最大の貢献をし

ていることは、皆が認めるところです。東北大学の材料研究の歴史と伝統は、輩

出した沢山の卒業生にも継承され、我が国の産業界を支えています。これらは全

て、継続的な新技術開発への挑戦と沢山の失敗、その上で失敗を乗り越えてきた

歴史の集積であり、我々は失敗を恐れず、新しい挑戦を続ける人材を輩出し続け

ることで初めて、伝統が引き継がれると信じています。私たちと一緒に終わりの

ない挑戦の旅に向かいましょう。

 姉が東北大学に進学していたので興味を持ち、実際にモノづくりができる本学科を志望しました。材料科学は機械・電気・化学など工学の様々な分野を支える基盤技術なので研究テーマの選択肢が多いです。もしいま志望学科が絞れていなくても入学後にきっとやりたいことが見つかると思います。私は3年生の工場見学で見た製鉄所の迫力やスケールの大きさにひかれて、いま鉄鋼材料の製造プロセスやリサイクルに関する研究室に所属しています。東北大学は材料科学が有名で就職の幅も広いのでおすすめの学科です。

 材料は皆さんにとって非常に身近であり、例えば鉄は自動車、造船、建築などに用いられています。材料の特性の向上を目指し、学生の教育や研究開発を行っているのが材料科学総合学科です。本学科は20を超える研究室があり(材料の研究室数としては日本一!)、多岐に渡る専門性を持つ先生方から直接指導して頂けます。入学してからは、多くの授業や実験を通じ、ますます材料に魅了されました。私は「鉄」に興味を持ち、現在は鉄鋼会社の研究所で研究開発を行っています。東北大学に入ったからこそ、鉄の組織制御の面白さに気づき、現在の自分があります。材料を学ぶ多くの仲間が増えることを願います!

材料環境学コース

金属フロンティア工学コース

知能デバイス材料学コース

新製鉄プロセス鋳造シミュレーション形状記憶合金熱電材料

炭酸ガス排出量削減技術マイクロ波利用金属回収プロセス

スピントロニクス太陽電池材料超高温耐熱材料エレクトロニクス材料

光触媒チタン合金マテリアルフロー解析

燃料電池電極触媒水素エネルギー

希土類磁石リチウム二次電池電気化学センサ

TOPICS 学科トピックス

高島 理沙子さん (新潟県立新潟高等学校出身)

材料科学総合学科 4年

五藤 愛 さん (桐光学園高等学校[神奈川県]出身)

日本製鉄株式会社技術開発本部 鉄鋼研究所 棒線研究部

金属材料って

おもしろい!

材料科学は

工学を支える

基盤技術

Message

De

pa

rtme

nt o

f Ma

teria

ls Sc

ien

ce

an

d E

ng

ine

erin

g

先輩からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

金属の高純度化や化学反応、多様な材料組織、精密加工の原理や技術を学び、自動車や航空産業など工業的ニーズに応える材料の製造法を研究します。

金属、セラミックス、半導体の結晶構造や物性を学び、高性能磁石、スピントロニクスデバイス、次世代電池の開発などの研究を行います。

材料システム工学コース

医用材料生体材料摩擦攪拌接合超音波非破壊検査

航空宇宙材料カーボンナノチューブナノコンポジット高分子ゲル

材料加工技術や医用材料の基礎を学び、製品の信頼性を高める材料設計、欠陥の可視化、生体埋め込み材料などの研究を行います。

持続可能な社会を実現するために必要な材料工学の基礎を学び、燃料電池材料の開発、材料製造プロセスの環境負荷低減、リサイクルプロセスなどに関する研究を行います。

材料が世界を変える!卓越した材料教育研究拠点~論文被引用数は国内大学1位~

半導体における高効率スピン制御法の実現 好田誠准教授と新田淳作教授らのグループは、スピン軌道ロッキングと呼ばれる新しい原理を用いて高速なスピン制御手法を確立しました。半導体の電子スピン制御は量子コンピューティングや省電力集積回路を実現するための基盤技術です。この成果はスピン制御の新たな原理を実証したもので、量子コンピューティングやスピントロニクス分野への貢献が期待されます。この成果は英国科学雑誌Scientific Reportsに掲載されました。InGaAsナノトランジスタ構造

1600℃の超高温域でも強靭な新モリブデン合金を発明 吉見享祐教授と佐藤裕教授らのグループは、1600℃の超高温に対応できる強くて靭性に富んだ新しい耐熱モリブデン合金を発明しました。ジェットエンジンや発電用ガスタービンの心臓部にあたる高温・高圧回転部に用いることで、これら熱機関のエネルギー効率を一層高めることが期待されます。この成果は英国科学雑誌Scientific Reportsに掲載されました。

有機ELディスプレイをより美しくする光学薄膜材料を開発 高村仁教授らの研究グループは、ワシントン大学および日本電気硝子株式会社との国際共同研究により、可視光全域 (波長400-700 nm) を強くかつ等強度に吸収する黒色コーティング材料を開発しました。このコーティング材料は有機ELディスプレイを含めた全てのディスプレイの表現力とデザイン性を高めることができます。この成果は国際学術誌Applied Surface Scienceに掲載されました。

可視光を強くかつ等強度に吸収する黒色コーティング材料

スピンを電場で操作する新たな技術を開発 新田淳作教授らのグループはセビリア大学との国際共同研究により、半導体InGaAs二次元電子ガス中のスピン軌道相互作用が電圧によって符号反転することを見いだしました。本成果はスピン緩和抑制などさらに自由度の高いスピンの電場操作を可能とするものであり、現在注目されているスピントロニクス分野への大きな貢献が期待されます。この成果は米国科学誌Physical Review Bに掲載されました。 スピン干渉デバイス

新たに発明された耐熱モリブデン合金のミクロ構造

12 13

Page 8: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

 本学科は、人間の個人としての生活と集団としての活動に必要な施設や空間のありようを探求し、安全かつ快適な空間を創造し構築する分野です。我々の経済・社会・生活環境を、単に汚染や災害から守るばかりでなく、自然と人間の調和を図りつつ、健全で活発な社会活動を行えるような、芸術的で文化的な価値ある空間や施設を計画し、設計や建設ができる研究者・技術者を育成することを目標とします。

 建築・社会環境工学科の学生は、

都市空間をフィールドにして、都

市計画、社会基盤整備、環境保全、

建築設計、防災等の最前線で活躍

できる人材となるための専門教育

を受けます。2年次前期には、全学

教育と並行して、5つのコースに

共通した専門科目を学びます。2

年次後期にはコースを選択し、専

門教育を通して専門家となるため

の基盤を形成します。4年次には

研究室を選択し、卒業研究に取り

組みます。

建築・社会環境工学科のコースと

研究キーワード

地球に活力ある空間を創造する

Department of Civil Engineering

and Architecture

建築・社会環境工学科

人口減少の日本、人口爆発の世界そして気候変動の地球に生きるみなさんへ

建築・社会環境工学科長

西村 修 教授

 「建築・社会環境工学」は、人間と環境の関係を究める学問です。つくりだす

ものは活力ある空間と、それを可能とする下部構造(インフラストラクチャー:

道路、河川、橋梁、鉄道、上下水道など)。建築物、土木構造物、まち、都市、地域・流域、

国土、地球のスケールで空間をデザインし、安全で快適な社会を実現する工学を

学びます。特徴は工学部の中でもっとも大きいものづくり。そして、大きいため

に簡単につくり直すことはできません。人は家を建てる時に人生を考えるで

しょう。わたしたちはまちを作るときに50年、100年後の社会を想像します。

東日本大震災を経験し、安全で快適な社会づくりは永遠の課題であることを

あらためて認識しましたが、さらに今、様々な課題(人口減少の日本、人口爆発

の世界、そして気候変動の地球)が人類の未来を脅かしています。「建築・社会

環境工学」はこれらの課題を解決して、安全・快適で活力のある空間を創造して

いかなければなりません。一緒に「未来への挑戦」をしてみませんか。

 私がこの学科を選んだのは、安心して暮らせるまちに必要なことは何かを知りたいと思ったからです。この学科には、まちに関する多くの研究テーマに付随した授業があります。例えば、より災害に強い建築物のデザインの発表、現地調査を通した河川構造物への施策のディスカッションを行います。数学・物理はもちろん、まちづくりにおける様々な観点から思考し、仲間と考え、周囲に発信する機会に自ら飛び込めるのがこの学科の特徴です。自分から行動を起こし、まちについて考え研究する日々は大変ですが、とても充実しています。ぜひ皆さんも、本学科で建築・土木について学ぶ機会に自ら飛び込み、未来のまちを一緒に創り上げていきましょう!

 卒業後、幅広い社会分野へ貢献することを目指し、情報処理サービス業界へ進みました。入社後2年間は、公共システムの運用保守に携わり、その後はGIS技術を利用したデジタル地図コンテンツの新規開発と製造管理に従事しています。当業界では、多様なニーズへの解決策の提案と具現化をするために、問題分析力・提案力・管理能力が求められます。さらにAI技術導入など急速な環境変化に対する適応能力の必要性が高まりつつあります。建築学・土木学を学ぶことで、マクロからミクロまで様々な尺度での考察力が磨かれ、幅広い分野への適応に繋がります。

生活を支える社会基盤施設のデザインの基礎を学ぶ

景観や自然環境を生かし、安全、快適で便利な都市を実現する

都市や人間を災害から守り、自然環境を維持する技術を学ぶ

人の様々な活動を支える建築システムに迫る

良い建築、都市の想像を目指し、建築の総合的な追求を行う

都市・建築デザインコース

都市・建築学コース

社会基盤デザインコース

都市システム計画コース

水環境デザインコース

都市デザイン建築計画建築理論

耐震設計ジオフロント複合材料・資源循環材料

都市環境新建築材料構造デザイン

建築環境都市防災知的構造システム

交通計画防災・減災計画都市計画

海洋開発津波工学環境リスク評価

建築デザイン建築史都市マネジメント

インフラマネジメント地盤環境数値シミュレーション

都市景観都市制度設計

微生物処理エコテクノロジーリモートセンシング

TOPICS 学科トピックス

岡田 元希さん (立教英国学院高等部出身)

土木工学専攻 博士課程前期1年

福岡 巧巳さん (巣鴨学園高等学校[東京都]出身)

株式会社NTTデータ 社会基盤ソリューション事業部

多様性と

環境変化に

対応できる

力を磨く

未来のまちを

自分の行動で

創り上げる

Message

De

pa

rtme

nt o

f Civ

il En

gin

ee

ring

an

d A

rch

itec

ture

先輩からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

 CLTによる中・大規模木造建築の展開:CLT(Cross Laminated Timber)とは、木材の繊維が直交するように並べて重ね接着して作る、厚さ10~30cm、幅3m、長さ10数mの大きな木質系のパネルです。ヨーロッパでは、8~10階建の建築物が実際に建てられています。持続可能な循環型資源である森林資源を有効活用し、環境に優しい都市を実現する可能性を秘める木質材料として注目されています。前田研究室では宮城県CLT等普及推進協議会と共同し、東北大学工学部に建設されるCLTモデル施設をはじめとして、中・大規模木造建築の開発・実現に取り組んでいます。

九州の都市間交通網について、人口規模に応じた最適な交通網の形状を計算した

 日本では人口減少や情報通信への置換えなどで都市間の旅客が減少し、航空・鉄道などの路線の維持が困難になってきています。旅客減少に合わせて単純に路線を廃止するのではなく、残る路線を乗り継いで多くの都市間での移動ができるような「賢い」ネットワークの存続計画について、経済学と最適化数学を駆使した研究を行っています。

 実際に発生した地震による津波発生と伝搬の様子を可視化したシミュレーション結果です。この可視化により、津波発生時刻を起点とした各地の到達時間や、津波の強さなどを知ることができます。この解析により、将来の地震発生による大きな津波の規模・被害を予測することが可能となり、その対策を講じる重要な資料となります。

 近年の急速な都市化に伴う建物の高層化、高密度化により、都市の温暖化、大気汚染などが大きな問題となっています。そこで都市の風環境・温熱環境の研究に対する期待が高まっています。地域環境計画学では、建物配置の変更が河川から住宅地への風の道形成に及ぼす影響の分析をはじめとした風通しの良い都市空間を提案しています。

14 15

Page 9: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

ユニバーシティ・ハウス/学寮安心・安全・快適な生活環境を提供

 工学部・工学研究科の学生相談施設として、青葉山キャンパスセンタースクエアに各学科の学生支援室、

カウンセリングルームを設置しています。

学生支援室 各学科が学生支援室を開設しています。学生生活の中で出会う様々な問題や悩みの相談に応じます。気軽に相談に来てください。

グループ学習用のエリア

語学自習用のエリアLanguage Studio

工学部管理棟

※東北大学大学院工学研究科、情報科学研究科、環境科学研究科、医工学研究科、災害科学国際研究所、未来科学技術共同センター、 環境保全センター及び国際集積エレクトロニクス研究開発センターの総称

 1913(大正2)年、東北大学は日本の帝国大学(当時)で初めて3名の女子学生を受け入れました。我が国

で最初に女性に門戸を開いた伝統に基づき、本学では男女共同参画委員会や男女共同参画推進センター

(http://tumug.tohoku.ac.jp/)等を中心に大学全体として女子学生・女性研究者への支援を行っています。

さらに平成25年度に、工学系研究科等※での女子学生・女性研究者の支援や男女共同参画を推進し、工学

系独自のきめ細やかな女子学生・女性研究者支援を実現するべく、東北大学工学系女性研究者育成支援推

進室(ALicE,Association of Leading Women Researchers in Engineering)を設立しました。ALicE

では下記のような支援を行い、工学を志す女性を全面的にサポートしています。

それぞれの活動の詳細については、推進室のウェブページ(http://alice.eng.tohoku.ac.jp)をご参照ください。

ALicEキャラクター『ずんだぬき』

学生支援室・カウンセリングルーム工学部の学修や生活についての相談窓口

創造工学センター工学部生の自主的な創作活動をサポートする

女子学生・女性研究者支援女性が工学分野で安心してキャリアを継続できる社会の実現へ

https://www.ip.eng.tohoku.ac.jp/

附属図書館工学分館工学部生の教育・研究活動を支援

 創造工学センターは、工学部・工学研究科の施設として2001年に設立、1年生を対象とした全学教育科目「基礎ゼミ」ならびに工学部科目「創造工学研修」への場所・設備の提供に加え、学生・教職員の自主的創作活動の支援、地域小学生対象の子ども科学キャンパス、小中高生対象の東北大学サイエンスキャンパス等の活動を行っています。3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡(SEM)、デジタルマイクロスコープ、精密万能試験機などの測定・実験装置、旋盤、フライス盤などの加工装置、3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザーカッターなどのデジタル造形機器、3DCADソフト、パソコン、スキャナ、A0プリンタなどを設置し、工学部生が自由に研究や制作に使用できる環境を整備しています。技術職員が常駐し、技術相談などのサポートを受けることができます。人力飛行機、フォーミュラカー、ロケット製作等のサークルのものづくりの場ともなっています。自分たちオリジナルの“ものづくり”を体験することで、自由な発想を育み、創造性豊かな人材の育成に貢献します。

 青葉山東キャンパスにある工学分館は、理工系の和洋の図書(約368,000冊)、雑誌(約8,000種類)を所蔵しています。工学部キャンパスの中心部に位置し、青葉山東キャンパスの学部・研究科等に所属する教職員・学生は、学生証・身分証明書・図書館利用証で、平日の閉館時や休館日も入館できます。 従来の図書・雑誌・資料の閲覧・貸出に加え、工学分館1FにActive Learning Square : Abelujo(アベルーヨ)を開設、6~8名のグループ学習用のエリアや語学自習用のエリアLanguage Studioを利用できます。インターネット経由で、蔵書検索、電子ジャーナルの閲覧、MyLibraryによる貸出延長、予約、論文取り寄せなどが可能です。みなさんの学習・研究活動に積極的に活用してください。

 「匠の心(工作機械操作法)」、「万能試験機の操作手順」、「3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡」、「3Dプリンタ」などの講習会を実施し、機器使用ライセンスを発行しています。

講習会創造工学研修 工学部1年生が学科にかかわらず課題を選択してエンジニアリングの基礎を学び、工学研究の先端に触れます。本センターではこれまでに「脳と学習ニューラルネットワーク」「金属板材の変形を調べてみよう」等が行われています。

基礎ゼミ 学部1年生が履修する全学教育科目で、学部横断的にテーマを選ぶことができる本学の特色ある科目の1つです。このうちいくつかのテーマが本センターの施設・設備を利用して開講されています。

カウンセリングルーム臨床心理士 岡田 美穂 先生、及川 真奈 先生

各学科の担当の先生

・機械知能・航空工学科

・電気情報物理工学科

佐藤正明 先生

村岡裕明 先生

・化学・バイオ工学科

・材料科学総合学科

・建築・社会環境工学科

星野  仁 先生

山村  力 先生

井上 範夫 先生

 カウンセリングルームでは、学生の皆さんが充実した、豊かな学生生活が送れるよう願っています。専任の臨床心理士がこころの悩みを中心に、相談に応じます。悩んでいる学生はもちろん、そのご家族や友人も相談に来ることができます。どうぞお気軽にご利用ください。

東北大学サイエンスキャンパス 小学生、中学生、高校生を対象に“ものづくり”や“科学実験”などの体験型科学教室などを行っています。ここでは子どもたちに科学技術の楽しさを伝えることに関心を持っている工学部生が子どもたちのサポート役として活躍し、科学技術コミュニケーションの経験を積んでいます。

 学部生・大学院生、留学生が入居可能な学生寄宿舎を整備しています。

 ユニバーシティ・ハウス(UH)は、8つの居室とオープンリビング(共用

の台所、シャワー、トイレ)からなるユニット構成で日本人学生と留学生が

混住することにより、国際感覚を身に付けるととともに異文化に対する

理解を深め、協調性・社交性を涵養します。平成30年10月に工学部キャン

パスに近いUH青葉山が入居開始し、募集人員が大幅に増加しました。

 学寮は、厚生施設的な側面を持つ教育施設として設置し、寮委員会が中心

となり、運営しています。自主性や自立性を涵養するため、寮生活のルールは

寮大会を開催し、寮生自ら決定しています。学部1年から大学院生までが入

寮することが可能であり、他の学生寄宿舎等に転居する必要がありません。

詳細はhttps://www.tohoku.ac.jp/japanese/studentinfo/をご覧下さい。

UH三条

UH三条Ⅱ

UH三条Ⅲ

UH片平

UH青葉山

名 称

2006年

2013年

2011年

2012年

2018年

建設年度

2年以内

2年以内

2年以内

2年以内

2年以内

入居年限

134人

44人

36人

8人

376人

日本人学生募集人員

302人

58人

36人

31人

-

志願者数(入試合格者)

131人

44人

36人

8人

-

入居許可者

2.3倍

1.3倍

1.0倍

3.9倍

-

実質倍率

416人(6~8畳)

定員(広さ:畳)

※平成30年4月現在

学 部:245人大学院: 39人留学生:128人

入居者内訳※

学 部: 72人大学院: 10人留学生:132人学 部: 64人大学院: 12人留学生: 82人

大学院: 18人留学生: 29人

-752人(7.2畳)

216人(7畳)

160人(8.8畳)

48人(7.2畳)

名 称 建設年度 入寮対象 定員 在寮年限

明善寮

松風寮

以文寮

霽風寮

日就寮

如春寮

昭和56年

昭和57年

昭和50年

昭和50年

昭和45年

昭和56年

160名

150名

96名

81名

103名

64名

学 部:修了年限大学院:標準修了年限

学部生・大学院生の男子学生

学部生・大学院生の女子学生

● 女子学生・女性研究者の交流やスキルアップ・キャリア育成のための交流会・セミナー等の開催・共催

● 静養室や託児室など環境整備への助言を通じた、女性が安心して勉学・研究に専念できるキャンパス作り

● 工学系女性研究者のスキルアップを目的とした出張経費の一部を助成する「STEP-ALICEプログラム」の実施

● 就学・研究と育児の両立を目的とした支援要員派遣、ベビーシッター・託児利用料等の補助

●「おはなし窓口」や、メーリングリストやウェブを介した情報交換・共有による問題解決

● オープンキャンパスにてミニフォーラムを開催、高校への出張講義、小中学生向け科学体験プログラムの実施

交流会で皆とおしゃべり

STEP-ALICE プログラム

出張講義

一時託児室

セミナーや講演会でスキルアップ!

16 17

Page 10: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

※2018年11月1日現在

… 18ヶ国・地域9ヶ国・地域

19ヶ国・地域3ヶ国・地域2ヶ国・地域

15ヶ国・地域25

… ヶ国・地域

アジア

中近東

アフリカ

オセアニア

北  米

中南米

ヨーロッパ

1,9112953122744

179

52512

96

101661

全 学工学部工学研究科

合計 2,255 名 639 名

2,255名の

91の国と地域から

留学生を受け入れています。

世界から東北大学へ 留学生数

東北大学から世界へ 世界中の大学と大学間もしくは部局間協定を締結しています。9割以上の機関と留学時に授業料等不徴収とする交流協定になっています。

2019年4月1日現在2018年11月1日現在

 工学部では、留学や海外での活躍を考えている学生のために、交換留学、サマープログラム、インターンシップ、留学等準備のための研修など、様々なプログラムを提供しています。国際交流室では海外インターンシップ、海外の大学が実施しているサマープログラムなどの情報を集約・発信しており、国際色豊かなスタッフが学生の国際化をサポートしています。 昨年は、交換留学や工学研修、サマープログラムを利用して、60名を超える学生が海外に渡航しています。また、工学部内で開催される留学生との交流会にも多くの学生が参加しています。

海外留学・国際交流グローバルな経験を積む

○ 中  国 : 36○ アメリカ : 33○ フランス : 28

○ 韓  国 : 22○ ド イ ツ : 17

○ フランス : 11○ 中  国 : 10

○ ド イ ツ : 7○ 韓  国 : 6

36ヶ国・地域 235機関 32ヶ国・地域 90機関

大学間協定 部局間協定 〈工学研究科・工学部〉

交換留学へ

大学院に進学すると、所属は各研究科の専攻になります。研究活動は、専攻に在籍したまま、各々のテーマに適した組織で実施します。

学部

学部

学部

学部

学部

機械知能・航空工学科

化学・バイオ工学科

建築・社会環境工学科

電気情報物理工学科

材料科学総合学科

大学院

● 機械機能創成専攻● ファインメカニクス専攻● ロボティクス専攻

● 航空宇宙工学専攻● 量子エネルギー工学専攻● 技術社会システム専攻

工学研究科

● 情報基礎科学専攻● システム情報科学専攻

● 応用情報科学専攻情報科学研究科

● 医工学専攻医工学研究科

● 先進社会環境学専攻環境科学研究科

● 先端材料強度科学研究センター● 流体科学研究所● 多元物質科学研究所

● 金属材料研究所● サイバーサイエンスセンター● 未来科学技術共同研究センター

関連研究所等

大学院

● 電気エネルギーシステム専攻● 通信工学専攻● 電子工学専攻

● 応用物理学専攻● 技術社会システム専攻

工学研究科

● 情報基礎科学専攻● システム情報科学専攻

● 応用情報科学専攻情報科学研究科

● 医工学専攻医工学研究科

● 電気通信研究所● 金属材料研究所● 多元物質科学研究所● 加齢医学研究所● サイバーサイエンスセンター● 学際科学フロンティア研究所● 省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター

● 国際集積エレクトロニクス研究開発センター

● 材料科学高等研究所● 未来科学技術共同研究センター● 高度教養教育・学生支援機構● 東北メディカル・メガバンク機構

関連研究所等

大学院

● 金属フロンティア工学専攻● 知能デバイス材料学専攻● 材料システム工学専攻

工学研究科

● 先端環境創成学専攻環境科学研究科

● 金属材料研究所● 多元物質科学研究所● 学際科学フロンティア研究所

● グローバルラーニングセンター● 材料科学高等研究所

関連研究所等

大学院

● 応用化学専攻● 化学工学専攻

● バイオ工学専攻工学研究科

大学院

● 土木工学専攻 ● 都市・建築学専攻工学研究科

● 災害科学国際研究所関連研究所等

● 人間社会情報科学専攻情報科学研究科

● 先端環境創成学専攻環境科学研究科

 東北大学工学部では、卒業生の約9割が大学院(博士課程前期)へ進学し、さらに自身の研究を深め、研究者・技術者としての能力を高めます。 工学部から進学する大学院は、専門性が高度化することに対応して、工学研究科、情報科学研究科、環境科学研究科、医工学研究科の4つが用意されています。

大学院へ大学院へ学部学生の約9割が進学学部学生の約9割が進学

工学部卒業者 平成30年度 進路状況

大学院進学88.5%

合計868名

88.5%大学院進学

工学研究科62.6%

各学科から進学する大学院研究科と専攻及び関連研究所

● 先端環境創成学専攻環境科学研究科

● 多元物質科学研究所関連研究所等

* 進路調査未回答、調査中、その他

その他* 1.7%

就職 7.6%研究生など 0.9%

医工学研究科4.4%

医工学研究科4.4%

環境科学研究科8.2%

環境科学研究科8.2%

その他の研究科0.5%

他大学大学院2.0%

情報科学研究科10.9%

情報科学研究科10.9%

18 19

Page 11: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

電気情報物理工学科

・企業フォーラム(12~1月:電気・情報系未来戦略懇談会主催)

化学・バイオ工学科

・年間を通じて随時企業との交流会を開催

材料科学総合学科

・産学連携窓口MAST21によるフォーラム(6月)、OB懇談会(10~12月)、会社説明会(2月)

建築・社会環境工学科

・都市建築学・杜春会セミナー(11月)[建築系]・キャリアアップセミナー、企業説明会(2~3月)[土木系]

合計735名

 博士取得後は、世界中の

大学・研究機関・企業で、世

界最先端の研究開発に従

事し、社会の発展に貢献し

ています。

就職 83.5%

工学研究科博士課程前期修了者平成30年度進路状況

博士取得者の大学・研究機関への就職

工学研究科博士課程後期修了者平成30年度進路状況

障害の有無や年齢に関わらず全ての人が楽しく移動できる未来を創り出す

デジタル信号処理技術による製品開発を通じ、社会課題を解決し、心豊かな社会の創生に貢献

花王史上最高の洗浄基剤「バイオIOS」を開発

 『どのような製品も、材料によって機能が向上する』と、東北大学のオープンキャンパスで学び、私も材料を変えて世の中を良くしたいと考えるようになりました。入学後は、材料の地図である状態図や、金属の加工方法を学び、この知識をモノづくり、特に、人の命を預かるクルマ作りに活かしたいと考え、トヨタ自動車に入社しました。現在は、新製品の生産ラインを作る、「生産準備」という仕事をしています。世に出す前に「試作」を行い問題が無いことを確認しますが、目論見通りにいかないことも多く、様々な部署の方と知見を合わせて解決していきます。いざ、大量生産にむけては、数百人規模の力を合わせ、億単位の投資を行い、期日通りに100%良品を流せるよう生産ラインを仕上げます。ダイナミックさと緊張感を感じながら仕事を推し進め、できあがった生産ラインで製品が流れてくるのを見る時は、何物にも代えがたい感動を味わうことができます。今後、持続可能なモビリティ社会の実現に向け、HV、PHV、EV、FCVといった電動車での仕事が待っていますが、今まで培った知見をもとに、挑戦し続けます。一緒にクルマの新しい可能性を探索していきましょう。

 私は2007年に工学部建築・社会環境工学科に入学し、工学研究科にて博士課程前期2年を経て2013年に宮城県職員(総合土木職)に採用されました。土木部港湾課、土木事務所道路部を経て、現在は地方振興事務所水産漁港部に配属されています。 現在の部署では工事積算、発注、監督が主な業務です。東日本大震災で被災した漁港施設の復旧や防潮堤の整備など復興に向けた工事を担当しています。 県の土木職員として携わる分野は道路、河川、砂防、港湾、など様々ありますが、行う業務は工事の計画、測量・調査、設計、工事施工、維持管理のサイクルのいずれかに関わっていて、このすべてを経験できることが県の土木職員としての面白さであり、やりがいだと感じています。 私自身入学当初は建築を学びたいと考えていましたが、大学での様々な分野の深化された教育や経験などから今の仕事に至っています。土木に限らず東北大学での教育、経験、出会いなどを通して、皆さんのやりがいも見つけられるのではないでしょうか。

 博士課程前期を2009年に修了した後、大学/大学院で身に付けた半導体に関する専門性を活かしトヨタ自動車でプリウスなどHV車に関する研究に携わり最先端の研究実績を残しました。一方で、祖父の病をきっかけに、移動において歩行領域に大きな課題があることに気が付きました。この課題解決に挑むため、2014年にベンチャー企業のWHILL株式会社に移りました。WHILLでは障害の有無や年齢に関わらず全ての人が楽しく移動できる未来を創り出すためにパーソナルモビリティを開発販売しています。また将来を見据え、乗っているだけで目的地に着ける究極のパーソナルモビリティの開発を行っています。当初はモータやバッテリーといった駆動システムの開発を担当するエンジニアでしたが、現在では自動走行や、電車や車とのドッキング、エレベータや扉と連携する技術を用いた事業の責任者として取り組みながら理想の世界を創り出すために日々奮闘しています。 これらの経験を通し、企業規模によらず、学んだ知識が拠り所となることを実感しています。

 私は博士課程前期を修了した後、社会課題の解決に貢献したい思いから、身近な家電から人工衛星という宇宙事業まで幅広く事業展開している三菱電機に入社しました。入社時から研究所に所属し、デジタル社会において必須となるデジタル信号処理技術を活用した製品開発に従事しています。業務には、学生時代に学んだ物理の基礎知識、課題との向き合い方、解決へのアプローチ手法等の経験を礎に、自分の考えを軸に周囲の人と協調し取り組んでいます。 入社時は、国家戦略による電波の有効利用などを目的に地上デジタル放送への切替え期にあり、地上デジタル放送受信機の受信性能向上や新機能開発に携わっていました。現在は、主にビル管理システムに関する研究開発をしています。 今後も少しでも社会貢献していけるよう、三菱電機のコーポレートステートメントである「Changes for the Better」(今ある「Best」に満足することなく、より良い明日「Better」を目指して一人ひとりが変革「Changes」に挑戦する)を個人スローガンとして心に刻み、自己研鑽に努めていきます。

 私は新しいアタック洗剤に含まれる新規界面活性剤「バイオIOS」の開発に携わりました。非常に高い水溶性と油に馴染みやすい性質を併せ持つIOSはユニークな活性剤であると共に、食用のパーム油を採取する際の搾りカスを原料とできるため、世界の食料問題や環境問題に貢献できます。化学を専攻した基剤開発部隊が洗浄力や吸着性能を制御するためにIOSの分子設計を行い、化学工学を専攻した私は製造プロセスを開発しました。IOSを大量製造するために、大きさが炊飯器程度の実験装置で何度も検証を重ねた後、国内や海外工場の大型装置で試作を重ね、プラント(工場)設計、実生産とその業務は多岐に渡り、エンジニアとして、また社会人として大きな成長の機会となりました。この経験は、学生時代に学んだ基礎知識や研究室生活で培った思考力が重要な原資となっています。スーパーやドラッグストアで『自分の成果を手に取れる』喜びを、皆さんも是非実感してみませんか?

機械知能・航空工学科 電気情報物理工学科 材料科学総合学科 建築・社会環境工学科化学・バイオ工学科

卒業生の活躍

 学生の進路選択に際しては、各学科の進路指導担当委員会等や東北大学キャリア支援センター、東北大学生協キャリアサポートプラザによる支援に加え、学科ごとに同窓会や産学連携組織等の主催により企業との交流会等を開催し、手厚いサポートを行っています。

 東北大学工学部・工学研究科の卒業生及び教員・

学生等によって組織されている同窓会が青葉工業

会です。60年を超える歴史と6万人近くの会員を

擁する、伝統ある人脈のネットワークです。

 同窓会報(青葉工業会報)の発行や学科や地域・

会社単位での同窓会の開催の支援などを通じて、

工学部卒業生が社会に出てからも多くの先輩や

仲間と出会い、刺激し合い、協力し合う機会を提供

しています。

 また様々な教育支援、文化活動支援を通じて

在学生の学生生活もサポートしています。社会で

顕著な活躍をされている卒業生を講師に招いた

「先輩が後輩にかたる特別講演会」の開催などを

通じて、学生の進路選択の支援も行っています。

企業との交流による進路選択支援

工学部の同窓会組織

青葉工業会

https://www.eng.tohoku.ac.jp/aoba/

生産技術視点でのクルマ作りの魅力

県土木職員としてのやりがい

WHILL株式会社MaaS企画部 部長

佐藤 圭悟さん (奈良県立奈良高等学校出身)

三菱電機株式会社先端技術総合研究所センサ情報処理システム技術部

朝比奈 努さん (帝塚山学院泉ヶ丘高等学校出身)

花王株式会社加工・プロセス開発研究所

山田 雄大さん トヨタ自動車株式会社 パワートレーン統括部

宮﨑 彩さん (山形県立鶴岡南高等学校出身)

宮城県東部地方振興事務所水産漁港部

菅 裕介さん (宮城県仙台第三高等学校)

社会へ社会へ 科学技術で未来の社会を創造する中核的人材として科学技術で未来の社会を創造する中核的人材として

 東北大学工学部では、学部卒業生の約9割が大学院博士課程前期へ進学し、博士課程前期修了者の約9割が主に技術者・研究者として企業や官庁等へ就職していきます。博士課程後期への進学者についても、博士課程後期修了後、8割近くは研究者として企業や研究機関等へ就職します。 技術者・研究者にも様々な種類・役割がありますが、その中でも東北大学工学部を卒業した技術者・研究者に期待されているのは、「自らの新しい発想で科学技術を発展させ、未来の社会を創造していく」こと。現在のくらしを支え、さらには3年先、5年先、10年先、100年先の社会をよりよいものとするために、リーダーとして国際的な視野と高い倫理観、フロンティア精神

を持って課題を発見し、解決を図れることが、東北大学工学部の卒業生には求められています。 これらのことが東北大学工学部の卒業生に期待されるのは、これまでの卒業生がこういった期待に応えてきた実績があるからこそ。「研究第一」「実学尊重」を重んじる東北大学工学部の教育と研究が、このような高いレベルの期待に応えられる人材の輩出を可能にしました。 このような優れた人材はどの企業も欲しがることから、多くの学生が自分の描くキャリアを実現できる企業や官庁等に就職することができ、社会へと羽ばたき、世界中で活躍しています。

加工・プロセス開発研究所山田 雄大

マテリアルサイエンス研究所村上 真奈美

加工・プロセス開発研究所前田 雄也

加工・プロセス開発研究所住岡 沙羅

加工・プロセス開発研究所森岡 卓也

解析科学研究所新井 俊陽

機械知能・航空工学科

・機械系テクノフェスティバル(12月)[機械系:産学連携推進室主催]・機械系オープンフェスティバル(3月)[機械系:同窓会主催]・テクノブリッジ(1月)[エネルギー・環境コース]・量子フェスタ(1月)[量子サイエンスコース]

* 進路調査未回答、調査中、その他 * 進路調査未回答、調査中、その他

その他*その他*

6.8%

後期課程進学 9.7%

11.5%

ポスドク研究員等 10.0%

合計130名

就職 78.5%

20 21

Page 12: 東北大学 工学部 - Tohoku University Official English …...東北大学工学部での学び世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に 貢献することができる人材となることを目指して

 東北大学では、仙台・札幌・静岡・東京・大阪にて、進学説明会・相談会を開催しています。工学部からは、工学部入試制度に関する講演に加え、入試担当教員及び工学部生との個別相談・懇談のブースを開設。高校生・受験生や保護者、高校の先生に情報を提供しています。多数のご来場をお待ちしています。

 AO入試Ⅱ期等による入学予定者を対象とした2週間の海外研修です。東北大学の学術交流協定校であるアメリカ・カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)又はアメリカ・ワイオミング大学で授業及び現地学生との交流やホームステイ生活を行います。東北大学入学前にグローバル人材への第一歩を踏み出しませんか?

日時:2019年6月16日(日)12:30~16:45会場:グランシップ

 東北大学工学部では、高校生・受験生及び保護者の方に

東北大学工学部の魅力について知っていただくための

特別講演会「東北大学工学部 in東京」を毎年3月下旬に

東京で開催しています。各学科を代表する教授が、取り

組んでいる世界最先端の研究を紹介するとともに、研究

することのワクワク感や東北大学の魅力をお話しします。

日時:2019年6月9日(日)12:30~16:45会場:かでる2・7(北海道立道民活動センター)

日時:2019年7月21日(日)12:30~16:50会場:グランフロント大阪

日時:2019年7月14日(日)12:30~16:50会場:学術総合センター1階及び2階

配点

国語 地理歴史・公民 数学 理科 外国語 計 総点

センター試験 100 50 100 100 100 450

個別学力試験 300 300 200 8001,250

一般入試(前期)

出願要件 募集方法

 入学を志願することのできる者は、次のいずれかに該当し、

かつ、令和2年度大学入学者選抜大学入試センター試験のうち

工学部が指定する教科・科目を受験した者とします。

■第3志望の学科まで選ぶことができます。

(1) 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び令和2年

3月卒業見込みの者

(2) 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び

令和2年3月修了見込みの者

(3) 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を

卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び

令和2年3月31日までにこれに該当する見込みの者

出願書類の内容、筆記試験及び面接試験の結果を総合して合格者を決定します。

募集人員

出 願 受 付試 験 日合格者発表

164170797975

567

機械知能・航空工学科電気情報物理工学科化学・バイオ工学科材料科学総合学科建築・社会環境工学科    計

令和2年1月27日~2月5日令和2年2月25日、26日令和2年3月9日

配点

出願書類 筆記試験 面接試験 合計

第2次選考 150 300※ ※ 150 600

第 1次選考 150 300 - 450

AO入試II期

出願要件

募集方法

次のすべての要件を満たすこととします。

■志望する学科を一つ選んで下さい。

■高等学校又は中等教育学校を卒業見込み

の方が受験できます。

(1) 調査書の学習成績概評が A 段階に属する者

(2) 本学工学部での勉学を強く志望し、合格した場合には

必ず入学することを確約できる者

募集人員

出 願 受 付試 験 日

合格者発表

2536171717

112

機械知能・航空工学科電気情報物理工学科化学・バイオ工学科材料科学総合学科建築・社会環境工学科    計

令和元年10月15日~18日(第1次)令和元年11月2日(第2次)令和元年11月16日令和元年11月26日

工学部の

入学試験制度

 工学部は、人間と自然に対する広い視野と深い知識を基盤とし、自ら考えて行動し21世紀の科学技術の発展と革新を担う、創造性豊かな人を育成することを教育目的としています。学業成績が優秀で、工学部での勉学に強い意欲を持つ人、発想が豊かで柔軟性に富む人、自然界、人間社会に深い興味を持ち、未知の世界に挑戦できる人、論理的にものごとを考えられる人、理論と実践を自ら粘り強く展開していける人、人間に対する深い思いやりを持ち、社会の中でリーダーシップを発揮できる人を求めています。

※ 令和2年度における選抜方法及び入試日程は、令和元年6月に発表された「入学者選抜要項」によりご確認願います。

※ 上記のほか、特別選抜(私費外国人留学生・国際バカロレア:令和2年4月入学など)があります。

※ 第1次選考で実施した出願書類の内容の審査及び筆記試験の成績を用います。

英語は、TOEFLまたはTOEICのスコアを利用します。

高専、短期大学 ( 工学系 ) からの編入学のための試験制度です。

配点

試験科目共通科目

数学・物理・化学・英語

専門関連科目と調査書等提出

書類審査及び面接合計

配点 400点 300点 700点

学部編入学

出願要件

募集人員

(高専等からの編入学)

■各学科 若干人

(1) 高等専門学校を卒業した者又は令和2年3月卒業見込みの者

(2) 短期大学(工学系)を卒業した者又は令和2年3月卒業見込みの者

(外国人学生) 外国人で、外国において学校教育における14年の課程を修了

した者又は令和2年3月までに修了見込みの者

(帰国生徒) 日本国籍を有する者で、外国において学校教育における14年の

課程を平成31年4月1日から令和2年3月31日までの間に、修了した者

及び修了見込みの者 

  ただし、外国において最終の学年を含め4年以上継続して正規の教育制度

に基づく学校教育を受けている者

出 願 受 付試 験 日合格者発表

令和元年6月17日~6月21日令和元年8月20日、21日令和元年8月28日

2019年度進学説明会・相談会

「進学説明会・相談会 in 仙台」は2019年4月21日に仙台国際センターで開催されました。

★ 進学説明会・相談会の詳細・参加申込みは本学入試センターホームページ(http://www.tnc.tohoku.ac.jp/singaku_setsumei.php)を参照下さい。

進学説明会・相談会 in 札幌

進学説明会・相談会 in 東京

進学説明会・相談会 in 静岡 東北大学工学部 in 東京

進学説明会・相談会 in 大阪

2019年

7月30日 (火)・ 31日 (水)工学部入試相談コーナー/AO入試説明会/研究室公開/施設見学/模擬講義/保護者説明会/女子学生のためのミニフォーラム など

2019年度 オープンキャンパス

H i g h S c h o o l

B r i d g i n g

P r o g r a m

入学前海外研修

出願書類の内容、大学入試センター試験の成績、筆記試験及び面接試験の結果を総合して合格者を決定します。

出願要件

次のすべての要件を満たすこととします。

(1) 本学工学部での勉学を強く志望し、合格した場合には

必ず入学することを確約できる者

(2) 令和2年度大学入試センター試験において、指定する

教科・科目を受験した者

配点

AO入試III期

募集方法

■志望する学科を一つ選んで下さい。

募集人員

出 願 受 付試 験 日合格者発表

3037171715

116

機械知能・航空工学科電気情報物理工学科化学・バイオ工学科材料科学総合学科建築・社会環境工学科    計

令和2年1月21日~24日令和2年2月10日令和2年2月12日

第2次選考 200 100 200 200 200 900 100 100 100 1,200

国語 地理歴史・公民 数学 理科 外国語 小計出願書類

筆記試験

面接試験

合計センター試験

来て、見て、感じて、考えよう! 自分がやりたいことを話してみよう!

カリフォルニアで学ぶ多文化・多民族社会コース

ワイオミングで学ぶ国際対応・エンジニアリングコース

コース

アメリカカリフォルニア大学リバーサイド校(University of

California, Riverside)

アメリカワイオミング大学(University Of Wyoming)

研修先

2019/3/3~17 2019/3/12~27期間

15名 15名人数

22 23


Recommended