Vol.24
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[特集] 女性たちが進み来た道 - 過去、現在、輝く未来へ ~平成 27年 8月 女性活躍推進法が成立!~
◆ 女性活躍推進講演会
◆ 男女共同参画センター講座報告
・中学生のための「デート DV防止講座」
・エッセイ講座
Contents
◆ 男女共同参画センターのご案内
高砂市男女共同参画センター
情報誌
COは英語で”共に“ ”対等“という意味。
高砂市(T)男女共同参画センター情報誌を読んで、
身の回りの「ジェンダー」を共に(CO)気づき、
そして
「自分らしさ」を大切にする気持ちを実感し、
共に(CO)生き生きしたい
・・・ という思いを込めて。
ココットのいわれ
(作 大西順子)
女性たちが進み来た道 - 過去、現在、輝く未来へ
~平成 27 年 8 月 女性活躍推進法が成立!~
「女性の活躍推進」とは、すべての女性がその生き方に自信と誇りを持ち、自らの意思によりその個性と能力を
十分に発揮することなどにより、職場・家庭・地域等あらゆる場面において活躍できることを目標とします。
私たちは日々の生活に頑張っていますが、活躍という華々しい言葉は、自分には無関係のように感じます。そこ
で、先人の女性たちが困難を乗り越えた歴史を振り返り、今の課題を知ることで、「女性の活躍」を考えましょう!
戦後からの復興、高度経済成長期まで ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝のテレビドラマでは、終戦の頃に成人した女性が、生活のため、社会の復興のために新しい事業を起こし、奮
闘する姿が描かれています。戦中の末期、戦火の中で生産の中心となって働いた女性たちは、終戦という一夜にし
て価値観が逆転した世において、自ら人生を切り開く決意を強く持ちました。終戦直後には女性に参政権が与えら
れ、教育基本法の制定により男女共学にもなりました。教育や労働の機会が広く開かれ、女性たちは懸命に学び、
働きました。
しかし経済が復興し、高度経済成長となった時代、工業化が進むことで、終身雇用や年功賃金の制度が広がりま
した。夫は正社員として仕事一筋の生活を送り、妻は家庭を支え、育児や介護を担うという性別役割分担が一般化
しました。女性は高校や短大を卒業し正社員として就業、しかし結婚での退職が慣行となり「寿退社」の言葉が使
われました。そして夫が所得稼得し納税することへの妻の貢献を税制上評価する趣旨で配偶者控除が導入されまし
た。また妻は被扶養者として国民年金第 3 号被保険者制度という社会保障も受けるようになりました。
上記は「男性は仕事、女性は家庭」という考え方に、男女がどのように賛成・反対を寄せるか調査をしたもので
すが、昭和 54 年の調査では、当時の社会を反映し、男女共に 7 割近くが賛成(賛成・どちらかといえば賛成)を
唱えています。そして賛成の考えが半数を超える時代が長く続きました。
雇用機会均等法の施行、そして低成長時代へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方世界では、女性の地位向上、男女平等の推進への潮流が起き、1979 年(昭和 54 年)国連総会において「女
子差別撤廃条約」が採択されました。この条約は、男女の同一権利の確保、さまざまな分野における女性差別の根
絶を目的にしています。この動きを受け日本では、昭和 61 年に男女雇用機会均等法が施行されました。企業の募
集、採用から定年、退職、解雇に至る雇用管理において、男女の差別をなくすことを目的とします。これにより、
男性しか就いていなかった職業に女性も積極的に採用されるようになり、女性の職業選択の幅が広がりました。
しかし間もなくバブルの崩壊が起きます。社会は低成長時代に突入し、企業は正規より非正規の採用を増やすよ
特集
うになります。再就職先を探す女性たちの多くは、家事や子育、介護などを抱えることで時間の制約を受け、また
被扶養者として社会保障を得るための収入制限も受けることで、時間や収入の調整の効く非正規での勤務を選択し
ました。現在、雇用者に占める非正規の割合は、男性が 2 割程度であるのに対し、女性は 56.3%と半数を超えてい
ます(2015 年総務省統計局「労働力調査」)。また一人親家庭のシングルマザーや独身女性の一部は、非正規職を掛
け持ちし長時間働くにも関わらず収入が低いという、「ワーキングプア」の状態に陥っていると考えられます。
ところで上記には、女性の就労に関する意識調査があります。平成 28 年の調査において、「子どもができても、
ずっと職業を続ける方がよい」という考え方に、賛成が 5 割を超え、前回調査から大きく数値が上がりました。ま
た、左頁図の平成 28 年調査では、「男性は仕事、女性は家庭」に反対(反対・どちらかといえば反対)が、女性は
5 割を超え、男性もほぼ 5 割となっています。
女性の歴史を振り返ると、戦後、自立をめざし社会労働に進出したものの、家庭責任を果たしながら家計補助的
に働くことを求められました。しかし今や多くの女性が、自らの意思によりその個性と能力を発揮する場としての
仕事を選び、継続を希望します。それは妻や母親、娘などの役割を果たしながらも、一人の女性として、職場・家
庭・地域等での時間を大切に生きることであり、女性が自信と誇りの輝きを放ち、活躍する姿です!!
それでは、女性が仕事と家庭の重すぎる負担に倒れず「活躍」するには、どのような社会が必要でしょうか?
これまでの男性が中心になった働き方は、長時間勤務を当たり前に、制度があっても休暇を取得しにくい状況を作
りました。今、政府はこのような働き方の改革を検討しています。そして同時に意識の改革も必要です。それは、
性別で役割を決める考え方をなくし、男女が助け合い、仕事と生活の調和を取る、ということです。さらには、
・仕事と生活の両立のための法整備が充実し、実効力のあるものとして社会に定着すること。
・性別や年齢に関わらず、その実力や適性に合う仕事に就き、正当な賃金報酬を得ること。
・育児や介護、病気や障害など、さまざまな出来事に向き合いながらも日々を豊かに暮らしていくために、
個々の価値観が大切にされ、多様で柔軟な働き方が広がること。
このような男女共同参画社会の実現に向け、女性たちが自分の思いを伝え、社会に反映させて行きましょう!
(文中の図は内閣府平成 28 年版「男女共同参画白書」を参考に、内閣府が平成 28 年に行った、男女共同参画社会に関する世論調査の
結果を付け加えて作成しました。)
平成 28 年 7 月 30 日高砂市文化保健センター中ホールにて、喜田菜穂子氏(NPO 法人マザーズサポーター協会
理事長)をお迎えして女性活躍推進講演会を開催し、女性が自立力を備えることの重要さを教えて頂きました。
女性活躍推進講演会
「 今、ほんまに聞いとかなアカン3つのこと~私がもっとキラキラするために~ 」
本庁舎
市役所 正面
男女共同参画センター
【編集・発行】 高砂市男女共同参画センター
〒676-8501 高砂市荒井町千鳥 1丁目 1番 1号
高砂市役所西庁舎 4階
Cocot Vol.24(平成29年1月発行)
開室時間 月~金曜日 午前8時30分~午後5時15分
(※祝日・年末年始は休み)
: (079)443-9133
: (079)443-0009
: [email protected].lg.jp
電 話
F A X
E - M a i l 【交通】
山陽電鉄「伊保駅」より徒歩7分
JR「宝殿駅」より車で10分
伊保駅
法華山谷川
伊保小学校
高砂市役所
旧浜国道
女性が抱えるさまざまな悩みを女性問題カウンセ
ラーがあなたの気持ちにそってお聴きし、共に考
え、あなたが解決の一歩を踏み出せるようお手伝
いをします。
女性の弁護士が、女性の抱えるさまざまな問題
について、法的手続き等の相談に応じます。
【面接相談】 (予約制)
【電話相談】
月曜日~金曜日
9時30分~12時 / 13時~16時
(祝日、年末年始は休み)
● ひとりで悩まずお電話ください ●
※相談はいずれも無料。秘密は厳守します。 相談専用電話
079-443-9134
【面接相談】 (予約制)
毎月第4月曜日
13時~16時 (1人30分)
(第4月曜日が休日の場合は第4水曜日)
女性のためのこころの相談 女性のための法律相談
DV(Domestic Violence)は大人たちだけの問題
ではありません。若い人たちの交際でも起きて
おり「デート DV」と呼びます。暴力をふるった
りふるわれたりせずに、相手の気持ちを尊重し
ながら対等な関係を築くことの理解を深めるた
めに市内中学校を対象にした「デート DV防止講
座」を開催しました。
人気の当講座も 10年目を迎えました。文章創作の第
一人者・尾崎美紀先生から、エッセイとは、生きざ
まの自己表現であること、そのような心構えで取り
組むことが、他人に理解され共感される作品を生む
ことを教えて頂きました。最後に全員が同じ文章の
出だしで始めるショ
ートエッセイに取り
組みましたが、講座
生の数だけ切り口が
ありました。とても
新鮮な体験で、書く
ことへの意欲が鼓舞
されました。
開 催 日:平成 28年 9月 9日(金)
開催場所:高砂市役所南庁舎 2階会議室 1
講 師:尾崎 美紀 氏(詩人・童話作家)
エッセイ講座 中学生のための「デートDV防止講座」
開催日:平成 28年 7月 7日(木) 松陽中学校
平成 28年 8月 30日(火) 高砂中学校
講 師:ウィメンズネット・こうべ 三野 敬子 氏
※相談内容をまとめるために、事前に女性問題カウン
セラーによる「こころの相談」をお受けください。
mailto:[email protected].lg.jp