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Desert Lion...

Date post: 09-Jul-2020
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ナミブ砂漠にライオンを追う 南アフリカのランドクルーザー・クラブを取材していて、このクラブが 募金活動をしてライオンの保護活動をする NGO にランドクルーザーを寄 付したという話を聞いた。特別装備が施されたスペシャル・ワークホー スを取材すべくヨハネスブルグからナミビアへと飛んだ。
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Page 1: Desert Lion 1-2麻酔銃を使って調査対象のライオンを眠らせ、GPSや電波発信機の付いた首輪をはめたり、機器の点検、交換を行う。 砂丘の上からはるか先に見下ろせるオアシスに調査しているライオンが生息する。

ナミブ砂漠にライオンを追う

南アフリカのランドクルーザー・クラブを取材していて、このクラブが募金活動をしてライオンの保護活動をする NGO にランドクルーザーを寄付したという話を聞いた。特別装備が施されたスペシャル・ワークホースを取材すべくヨハネスブルグからナミビアへと飛んだ。

Page 2: Desert Lion 1-2麻酔銃を使って調査対象のライオンを眠らせ、GPSや電波発信機の付いた首輪をはめたり、機器の点検、交換を行う。 砂丘の上からはるか先に見下ろせるオアシスに調査しているライオンが生息する。

海岸砂丘でライオン保護に活躍するランドクルーザー・ピックアップ 「デザート・ライオン・コンサベーション」と名付けられたスタンダー博士の活動は、ナミビアのナミブ砂漠北部のクネネ地方に生息するライオンを保護することを目的としている。この地域には世界でも珍しく、砂漠気候に適合したライオンが多数生息する。最近は家畜の放牧を行う農家との摩擦や、ハンティングの影響で殺されるライオンの数が増えてきた。ナミビアのライオンは観光資源としても重要なため、人間との共存共栄が必要と 1998 年から保護活動に必要なライオンの生態調査を始めた。主要な個体には電波を発信する首輪などがつけられ、毎日モニタリングしている。ライオンは夜行性のため博士の日常も夜はリサーチ、昼は車の脇で寝るというスタイルだという。 博士は当初、ハイラックスを使っていたが老朽化したので代替車を探していた。2007 年 12 月、博士と偶然に近い出会いをした南アフリカのランドクルーザー・クラブ・サザン・

アフリカ (LCCSA) のメンバーがこの話をクラブに持ち帰り、募金活動を行うことが決まった。 2008 年 2 月に募金活動が実際に始まり 3 月末までに140,000 ランド ( 約 170 万円 ) が集まった。WWF-Life からの資金や南アフリカトヨタからの寄付金を含めた資金で同年4月末に 2004 年モデルの FZJ79RP が購入された。 すでにダブルキャブに改造されていたピックアップにはクラブメンバーの手でさらに装備が追加された。6 月下旬に引き渡し式が行われ、7 月 1 日より調査活動に使用され始めたという。

▲ 屋根の上のソーラーパネルでバッテリーを充電、活動中の電源を確保する。

▼ スイングアウトするキャリアには 2 本のスペアタイヤ。支援企業からのものだ。荷台には 300 リットルの燃料と小分けにした飲料水などを積む。

▲ ステアリングのパッドははずされ、ライターや筆記具のホルダーに。この写真を見たトヨタの開発担当者は「ここまでやりますか…」とひとこと。 座席はドライバー席のみ。それ以外のスペースには金属製の棚が組まれ、ペリカン・コンテナに入れられた装備が所狭しと積まれている。

▼ 屋根には擬似音でライオンをおびき寄せる巨大なスピーカーが。最新の装置だ。 ボディには「調査用車両 - 追随禁止」とある。博士の車両は一般車が入れない地域へも入っていくことができる特別な許可が与えられている。

▲ デザート・ライオン・コンサベーション・プロジェクトのフィールド車両、2004 年モデルの FZJ79RP。博士は燃費は悪いが、ガソリンエンジンにこだわる。ライオンに近づいて調査するためにはエンジン音が少しでも小さくなくてはいけないからだ。周囲の砂丘の色に溶け込ませるため、3 年間一度も洗車していない。深い砂が多いのでタイヤ空気圧は 100kPa ほどだ。 シュノーケルは標準装備、オーストラリア・ARB 製のブルバーには電動ウインチ、シャベルが取り付けられる。 メンテナンスを考え、メカニカルな部分には純正部品以外は使用していない。

Page 3: Desert Lion 1-2麻酔銃を使って調査対象のライオンを眠らせ、GPSや電波発信機の付いた首輪をはめたり、機器の点検、交換を行う。 砂丘の上からはるか先に見下ろせるオアシスに調査しているライオンが生息する。

▲ 麻酔銃を使って調査対象のライオンを眠らせ、GPS や電波発信機の付いた首輪をはめたり、機器の点検、交換を行う。 ▲ 砂丘の上からはるか先に見下ろせるオアシスに調査しているライオンが生息する。

▼ 行く手にそびえる大砂丘。スタンダー博士のピックアップは 1FZ パワーで一気に駆け上がる。

▲ 「砂の上のわだちは 30 年以上残るから」とUターンなどでできたわだちをデッキブラシで消すスタンダー博士。


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