+ All Categories
Home > Documents > COVID-19: Global Mobility...COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応|...

COVID-19: Global Mobility...COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応|...

Date post: 05-Aug-2020
Category:
Upload: others
View: 2 times
Download: 0 times
Share this document with a friend
8
COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 1 COVID-19: Global Mobility 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大により、180カ国・地域が日本からの 入国に何らかの制限を設け、一方で日本では79カ国・地域からの入国に規制を設けるに至っ ています(2020427日現在)。 このような状況下で、多くの海外派遣者の方々が緊急一時帰国を行っていますが、今回は各 国の移動制限により本国での滞在期間が長期化することが想定されます。 対応を要する領域は多岐にわたりますが、本資料では以下の3領域における主な確認点や 留意事項をまとめました。 1処遇制度の運用関連 2税務上の対応関連 3ビザ・イミグレーション関連 今般の海外派遣者への緊急対応において、既に実施された施策や対応の確認、またこれか ら検討しなくてはならない項目の洗い出し等、貴社の取り組みの一助となりましたら幸いです。 PwC税理士法人 PwC行政書士法人 グローバルモビリティサービス
Transcript

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 1

COVID-19: Global Mobility

海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大により、180カ国・地域が日本からの

入国に何らかの制限を設け、一方で日本では79カ国・地域からの入国に規制を設けるに至っ

ています(2020年4月27日現在)。

このような状況下で、多くの海外派遣者の方々が緊急一時帰国を行っていますが、今回は各

国の移動制限により本国での滞在期間が長期化することが想定されます。

対応を要する領域は多岐にわたりますが、本資料では以下の3領域における主な確認点や

留意事項をまとめました。

【1】 処遇制度の運用関連

【2】 税務上の対応関連

【3】 ビザ・イミグレーション関連

今般の海外派遣者への緊急対応において、既に実施された施策や対応の確認、またこれか

ら検討しなくてはならない項目の洗い出し等、貴社の取り組みの一助となりましたら幸いです。

PwC税理士法人

PwC行政書士法人

グローバルモビリティサービス

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 2

Contents

• 処遇制度の運用関連

一時帰国が長期化する中で、処遇制度の運用上のポイントとして盲点になりやすいのは、「一時帰国」の期間やその帰国期間と海外派遣者の身分との関係です。

また、日本も含め世界各国・地域で移動制限を設けていることから、今般のケースでは、本国に滞在しながら現地の業務を継続することもという方法を探ることも推測されますが、この場合の処遇について改めて自社の考え方を整理することが肝要です。

その場合、当該従業員の身分や指揮監督系統も関係部門間で改めて確認しておくべきです。この点は税務上の取り扱いにも影響します。

• 税務上の対応関連

一時帰国の長期化は、海外派遣者の居住地国判定や一時帰国先での課税、帰国先での業務遂行によるPE構成の懸念など不安定・不確定な状況を生じさせます。

また、場合によっては海外派遣者の人件費の負担について改めて検討する企業もあることが推察され、赴帰任の遅延による給与の取扱いのイレギュラー対応等も要します。

海外派遣者の身分の見直しの検討から納税実務の手続きの変更まで様々な留意点・確認点を内包していますが、個別対応も含め、丁寧な整理が求められます。

• ビザ・イミグレーション関連

日本にこれから帰国する場合、現在派遣されている国・地域から日本への入国の可否をまず確認しなければなりません。

また、日本への帰国に際しての家族形態による在留資格の変更や外国籍従業員の出身国への渡航(帰国)の可否にも留意する必要があります。

さらには、日本での在留条件への留意、世界各国・地域が移動規制を設けている中で、任地国に戻ることを想定した就労ビザの延長等の可否の確認等、日々の状況変化に対しタイムリーに情報を収集することが非常に重要です。

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 3

【1】処遇制度の運用関連(1) 本国に帰国している派遣者への対応

一時帰国期間中は海外派遣者としての処遇が継続されますが、海外派遣者間あるいは派遣者と国内勤務者との整合性の確保という観点からも、ステイタス変更に関する定めを確認してください。

確認ポイント

「一時帰国」の期間の定め

1)家族のみ本国に帰国している場合- いつから「単身赴任」に切替わるのか⇒ 海外派遣者間の公平性

(2) 本国に滞在しながら海外派遣者としての業務を継続する場合の対応

現状、戻ることが実質不可能になっている任地国・地域も多数あるため、本国に滞在しながら派遣先の業務を継続するという選択肢を検討することも想定されます。その際、従前の海外派遣者の処遇をそのまま継続すべきか否かは、1つの検討ポイントとなります。

派遣者処遇の見直しの要否とその対象- 海外派遣者処遇(給与・ベネフィット)の見直し⇒ 各項目の支給・付与の理由・合理性

- 国内の福利厚生・ベネフィットの復帰の可否⇒ 復帰不可による著しい不利益の有無

本国で海外勤務者として業務を継続する従業員の指揮監督系統や身分- 引き続き「海外派遣者」であることの確認- 誰の指揮監督下にて業務を行っている形となるのかの明確化

検討ポイント

確認ポイント

「単身赴任」への切替えタイミング

処遇(給与・ベネフィット)の変更(例)-単身赴任手当の支給

-プレミアム(FSP/HS)の変更-任地住宅費(上限)の変更-子女教育費の停止-一時帰国の付与回数と起算日の変更

実際の手続き方法

海外勤務解除のタイミング

国内処遇への変更 帰任サポート

(例)-帰任支度料の支払い-家財移送-保管倉庫からの搬出-旅費の差額精算

本国からの任地諸設営解除の方法

COVID-19発生前

海外勤務家族帯同

海外勤務単身赴任

何カ月?

COVID-19発生後

海外勤務一時帰国

(家族のみ)

COVID-19発生前

海外勤務家族帯同 派遣解除

国内勤務何カ月?

海外勤務一時帰国

(本人・家族)

COVID-19発生後

処遇内容の見直しの可否

見直し対象の項目(例)とその合理性(例)-本国/任地の生計費の差額(COLA)

-海外勤務手当/ハードシップ手当-任地住宅費-子女教育費-帰国休暇の付与

国内福利厚生・ベネフィット復帰の可否(例)-財形年金・財形住宅

-従業員持ち株会-国内カフェテリアプラン-諸会費・諸利用料の補助-保険

本国で業務を継続する場合の身分等の確認(例)-身分・ステイタス

-当該業務の受益者-当該者の指揮監督者-当該者の給与の支払い者-当該業務のリスクと責任の所在

取扱いの変更の要否= 変更内容によっては、費用

負担等の見直しが必要になるケースも想定され得る

指揮監督給与支払

Home or Host?

2)派遣者本人も本国に帰国している場合- どのくらい本国に滞在したら、海外派遣を解除するのか⇒ 海外派遣者と国内勤務者との平仄

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 4

【2】税務上の取扱い関連

(2) クロスボーダーでの人的役務提供とコスト負担

人の移動が厳しく制限される中で一時帰国の長期化、担当する業務内容の変更、赴任・帰任の遅れに伴い、海外派遣者の人件費の負担者について改めて確認し、人件費負担関係の見直しが必要となる可能性があります。

想定ケース

当該派遣者が出向元を含め出向先以外の業務も遂行する

(物理的な)海外赴任・帰任の前に、次の任地での業務を開始する

(1) 海外派遣者の個人所得税の取扱いへの影響

想定ケース

日本での滞在期間の長期化や家族のみの日本帰国等の事象の発生に伴い、国内法上 課税の取扱い(居住・非居住の判定、課税所得範囲、短期滞在者免税不適用等)が変更されることがあり得ます。

出向先国での滞在日数が183日を下回る

日本での滞在日数が183日を超える

本国(日本)に家族だけ帰国

(3) OECD発表のRecommendations2020年4月3日に発表された「OECD Secretariat Analysis of Tax Treaties and the Impact of the COVID-19 Crisis」ではCOVID-19によって国際間の人の移動が制限され、国境を越えて働く人たちが本来の居住地・雇用地でないところでの滞在を余儀なくされている状況を鑑み、恒久的施設(Permanent establishment: PE)、居住地判定等をどのように考えるかについてガイダンスが出されています。- OECD issues recommendations on implications of the COVID-19 crisis on cross-boarder workers and other related cross-boarder matters- OECD Secretariat Analysis of Tax Treaties and the Impact of the COVID-19 Crisis

PEに関しOECD発表のRecommendationsでは、COVID-19の状況下においてもPE認定に関する取り扱いは変わらないとしている一方、COVID-19の影響で例外的かつ一時的な従業員の勤務場所の変更、例えばテレワーク、によって従業員の雇用主である会社の新しいPEが創出されるべきでないとしています。

特異な状況下で居住地国以外の一時的に滞在している国で居住者になることは少ないと考えられるが、各国のルールと個別事情を考慮して居住性を判断することが必要な場合がある

勤務場所に拠らず、便益を享受する者(受益者)がコスト負担者となる。

給与支給者と受益者が異なる場合、どちらの会社がコストを負担するのが良いのか要検討

国内法 v 租税条約

どこの法人の業務を行っているか?=受益者は誰か?

受益者

受益者? 受益者

どちらの会社がコストを負担するか?

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 5

【3】ビザ・イミグレーション関連

(1) 赴任地の就労許可、滞在許可書の更新

任地での就労許可や滞在許可の有効期限が近付いている場合は、その更新のための手続きについて早めに確認することが肝要です。

留意ポイント

外国人の就労許可等の更新に関して特別な措置を設けていないか、または更新の事務事務を停止していないか等、最新の情報を確認

一時帰国中の更新可否、方法を確認

ビザや滞在許可書、就労許可等の有効期限の確認

当該国での更新手続きに関する最新報の情報を確認

任地国外(一時帰国先)に滞在しながらの手続き方法を確認

(2) 赴任地への再入国

通常の一時帰国とは異なり、多くの国・地域で入国規制を設けている現状では、任地への再渡航は任地国の状況に左右されることが考えられます。

留意ポイント

事業部門/人事部門と再渡航・再赴任の時期について相談、確認

現地当局の方針について注視- 現地のニュース- 当局からの発表- 現地日本大使館・領事館への確認 等

(3) 派遣の延期、取り止め

今般の状況下で、当初予定していた海外派遣を延期あるいは取り止めるとした企業もあることが推察されますが、その際にも取るべきアクションがあることもあるので確認を要します。

留意ポイント

派遣の延期や中止の場合の取るべきアクションとその手続きの確認- 例:ビザの有効期間、任地当局が発行した現地許認可証

(英国のCertificate of Sponsorship、中国の外国人工作許可通知、等)

派遣の延期例:2020年4月赴任予定

→ COVID-19拡大に伴い延期

ビザ失効→ 要再申請

派遣の中止例:2020年6月赴任予定

→ COVID-19拡大に伴い中止

現地の就労(居留)許可証の返納申請中のビザの取り下げ 等

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 6

【参考情報】これから帰国を検討している派遣者への対応

出所:XXXX

<これから帰国されようとする派遣者の方々への対応について>

これから帰国を希望される派遣者については、一旦任地国を出国すると再度入国することが実質不可能になっている国も少なくなく、また帰国後一定期間は隔離・待機が求められている場合が大半です。

そのため、以下の例をご参考にこれらの事項についても帰国前にご検討、ご確認ください。

決定のプロセス

2020年4月1日現在、外務

省から海外への渡航中止勧告(レベル3)が発出され

ている中で、海外渡航についての今後の対応を検討しなくてはなりません。

これらの検討、決定に関し社内の所管部門とプロセスを確認してください。

情報収集の手段

日本のみならず世界各国が自国の出入国に関し規制等を掛けている状況下で、正確な情報収集は取るべき対応に関する決定にも影響を及ぼします。

関連情報の収集方法や関係部署との連携等についてご確認ください。

帰国希望者への対応

帰国を希望する海外派遣者への対応についても自社のスタンスを定めておくことが重要です。

帰国後に一定期間待機を要する場合の対応、現地に残留する派遣者の健康確保のための取組み等について、アクションプランを策定してください。

これから帰国する派遣者への対応

これから帰国される派遣者については、多くの場合、帰国後一定期間の待機を求められることになります。

従前の緊急一時帰国ではあまり想定されなかった本要請についての対応を早急に整える必要があります。

自社の海外渡航に関する基本スタンスは-全面的に中止

-現地責任者のみ渡航

-必要性に応じて検討

社内のどの部門が連携して検討するのか

現地に渡航する従業員について、その必要性・妥当性の論拠の整理を誰がどのように行うのか

中止、(一部)渡航等の決定や対象者への通達のプロセスはどのようになっているか

全体的な情報を外務省のウェブサイトから入手する

渡航が必要な国について、渡航の可否を外務省や在外公館に確認する

各省庁、外部関連公的機関に問合わせを行う

イミグレーションのサポートを提供している外部機関から情報を収集する

社内の各所管部署から情報を入手する

基本方針を関係部門と連携し策定する-原則、全員帰国-原則、現地に留まる-原則、帰国可能

-原則、家族のみ帰国可能

-業務や職位により分かれる 等

帰国者への対応と手続きを整理する

現地残留者に対するサポート事項を洗い出し実行する

帰国後に待機すべき場所

空港から待機場所までの移動手段とその確保

待機場所について要した費用の会社負担の範囲

待機期間中の当該派遣者の業務

待機期間中の当該派遣者の給与

待機期間中の子女への対応

対応(例)・確認事項(例)

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 7

【参考情報】日本への入国制限が出ている国・地域※1

<日本への入国制限に関する法務省からの発表>日本に長期在留資格を有する外国人又は短期滞在者にかかわらず、上陸申請前14日以内に次の国・地域に滞在した外国人については、日本への入国が原則として許可されない旨が公表されました。特に2020年4月3日以降に出国する外国人は日本への再入国ができなくなります。この措置は、別途案内があるまで適用される予定です。

上記対象国・地域における滞在歴以外に下記条件を満たす方も対象となります。

• 中国湖北省又は浙江省において発行された同国旅券を所持する外国人• 香港発船舶ウエステルダムに乗船していた外国人

上陸の申請日前14日以内に以下の国・地域における滞在歴がある外国人

※1 上記情報は2020年4月27日時点のものです。

省庁名 リンクタイトル

外務省 海外安全ホームページ 新型コロナウイルス感染症

外務省 海外渡航・滞在 新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について

法務省 新型コロナウイルス感染症に関する情報

法務省新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について

・日本語 ・英語 ・中国語簡体字 ・韓国語

厚生労働省

新型コロナウイルス感染症について

これから海外から日本へ来られる方へこれから海外へ行かれる方へ

帰国されたお客様へ

国税庁 新型コロナウイルス感染症に関する対応等について

OECD OECD Secretariat Analysis of Tax Treaties and the Impact of the COVID-19 Crisis

【参考情報】関連情報リンク

アジア インドネシア シンガポール タイ 韓国 台湾中国(香港及びマカオを含む)

フィリピン ブルネイ ベトナム マレーシア

大洋州 オーストラリアニュージー

ランド

北米 カナダ 米国

中南米アンティグア・バーブーダ

エクアドルセント

クリスファー・ネービス

チリ ドミニカ国ドミニカ

共和国パナマ バルバドス ブラジル ペルー ボリビア

欧州

アイスランド アイルランド アルバニア アルメニア アンドラ イタリア 英国 ウクライナ エストニア オーストリア オランダ

北マケドニ ア キプロス ギリシャ クロアチア コソボ サンマリノ スイス スウェーデン スペイン スロバキア

スロベニア セルビア チェ コ デンマーク ドイツ ノルウェー バチカン ハンガリー フィ ンランド フランス ブルガリア

ベラルーシ ベルギーボスニア・ヘ

ルツェゴ ビナポーランド ポルトガル マルタ モナコ モルドバ モンテ ネグロ ラトビア リトアニア

リヒテン

シュタインルーマニア

ルクセン

ブルクロシア

中東アラブ首長国連邦

イスラエル イラン オマーン カタール クウェートサウジアラビア

トルコ バーレーン

アフリカ エジプトコートジボ

ワール

コンゴ民主

共和国ジブチ モーリシャス モロッコ

COVID-19: 海外派遣者の緊急一時帰国の長期化への対応 | 8

© 2020 PwC Tax Japan, PwC Gyoseishoshi-Hojin. All rights reserved. PwC refers to the PwC network member firms and/or their specified subsidiaries in Japan, and may sometimes refer to the PwC network. Each of such firms and subsidiaries is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details.This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.

Contact川上 一郎PwC税理士法人/PwC行政書士法人

PartnerMobile: +81 [email protected]

北牧 はるみPwC税理士法人DirectorMobile: +81 [email protected]

工藤 純子PwC税理士法人DirectorMobile: +81 80-4353-5814 [email protected]

pwc.com/jp/tax

PwC Global

世界各国・地域の税務、法務、経済状況に関する情報

【参考情報】関連情報リンク


Recommended